コンマ

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コンマ (comma) は、カンマとも呼ばれ、約物のひとつ。文の区切り、数字の区切り、小数点などに用いられる。

文の区切り[編集]

欧文ではもっぱら文の途中の区切りにコンマが用いられる。英語のようにコンマを打つべきか打たぬべきか比較的厳密に定められている言語と、筆記者の自由に任される言語とが存在する。

日本語の縦書き文書では文の終わりにもっぱら読点(、)が用いられるのに対し、横書き文書では読点とコンマの両方が用いられる。公用文においては、国語審議会が建議し閣議了解を経て各省庁に通知された1952年の「公用文作成の要領」が横書きではコンマを用いるとした[1]一方、旧自治省が1959年に定めた「左横書き文書の作成要領」は横書きではコンマを用いず読点を用いるとしていた[2]

日本語の横書きでコンマを使用する場合、次のようにベースライン上に置かれる。


~で


中国語では、縦書きでもコンマを用いる。中華人民共和国では縦書きでは右上に寄せてコンマを打つことになっており、Unicode 7.0 ではこのために U+FE10 が追加された[3]台湾香港の中国語の文章では、縦書き・横書きを問わず、漢字1文字分のスペースの中央に置かれることも多い。

数字の区切り[編集]

コンマは、数字の桁の区切りにも使用される。

日本における桁区切り[編集]

日本における桁区切りは、次の2通りの書き方があり得る。

  • 欧米および「公用文作成の要領」に従って「3桁ごと」とする(例: 1億 = 100000000 → 100,000,000)
  • 万・億・兆といった単位に合わせて「4桁ごと」とする(例: 1億 = 100000000 → 1,0000,0000)

実際には後者の「4桁ごと」はほとんど使われておらず、桁数の多い数を表現するには「1,234兆5,678億9,012万3,456」のように「万」、「億」、「兆」などを組み合わせて表現する。

科学と技術の分野[編集]

科学と技術分野では、3桁ごとの桁区切りにコンマを用いず、空白(スペース)を用いる[4]。その理由は、ヨーロッパ大陸(フランス、ドイツなど)では桁区切りにピリオドを、小数点にコンマを用いるのに対し、英米ではこれとは逆に、桁区切りにコンマを、小数点にピリオドを用いるため、重大な誤読を防ぐためである[5]。詳細は小数点を参照のこと。

インドにおける桁区切り[編集]

インドにおける桁区切りは現地語の位取りに従い、はじめ3桁(千の位)、その後は2桁毎(10万の位、1千万の位、10億の位…)とする。

英語圏諸国における桁区切り[編集]

英語圏諸国では、数字の3桁ごとの区切り(桁区切り)にコンマを用いる。

小数点[編集]

ヨーロッパ大陸の国々(フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど)では、小数点にコンマを用いる。この場合、3桁毎の桁区切りにはピリオドスペースを用いる。

日本でも、小数点を「コンマ」と言い表すことがあり、例えば、0.3秒を「コンマ3秒」と言う。また「コンマ以下(人の価値、度量、人物が人並み以下であること)[6]」という言い回しがある。これらは、明治期に小数点としてコンマを用いるフランスの方式が入ったことによる[7]

名称・歴史[編集]

英語: commaドイツ語: Komma古代ギリシア語: κόμμα (切片)に由来し、もとは修辞学の用語で、コロンより短い節を意味した。コンマを表すのには古くは斜線(/)を用いていた。現在のコンマ記号は斜線から変形したものである。フランス語: virgule は「小さな棒」を意味するラテン語: virgula に由来し、コンマ記号が斜線であった時代を反映している。

符号位置[編集]

Unicodeで文字名称にCOMMAの含まれる文字は下記である。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
, U+002C 1-1-4 ,
,
コンマ
COMMA
U+FF0C 1-1-4 ,
,
コンマ(漢字圏の用途向け)
FULLWIDTH COMMA
ʻ U+02BB - ʻ
ʻ
MODIFIER LETTER TURNED COMMA
ʻ」を参照
ʽ U+02BD - ʽ
ʽ
MODIFIER LETTER REVERSED COMMA
، U+060C - ،
،
ARABIC COMMA
U+1802 - ᠂
᠂
MONGOLIAN COMMA
U+3001 - 、
、
IDEOGRAPHIC COMMA
読点
U+FE10 - ︐
︐
PRESENTATION FORM FOR VERTICAL COMMA
U+FE11 - ︑
︑
PRESENTATION FORM FOR VERTICAL IDEOGRAPHIC COMMA
U+FE50 - ﹐
﹐
SMALL COMMA
U+FE51 - ﹑
﹑
SMALL IDEOGRAPHIC COMMA
U+FF64 - 、
、
HALFWIDTH IDEOGRAPHIC COMMA
U+1363 - ፣
፣
ETHIOPIC COMMA
̒ U+0312 - ̒
̒
COMBINING TURNED COMMA ABOVE
̓ U+0313 - ̓
̓
COMBINING COMMA ABOVE
̔ U+0314 - ̔
̔
COMBINING REVERSED COMMA ABOVE
̕ U+0315 - ̕
̕
COMBINING COMMA ABOVE RIGHT
̦ U+0326 - ̦
̦
COMBINING COMMA BELOW
U+A4FE - ꓾
꓾
LISU PUNCTUATION COMMA
U+1808 - ᠈
᠈
MONGOLIAN MANCHU COMMA
߸ U+07F8 - ߸
߸
NKO COMMA
U+A60D - ꘍
꘍
VAI COMMA
՝ U+055D - ՝
՝
ARMENIAN COMMA
U+A6F5 - ꛵
꛵
BAMUM COMMA

脚注[編集]

  1. ^ 公用文作成の要領〔公用文改善の趣旨徹底について〕(昭和27年4月4日 内閣閣甲第16号依命通知) (PDF)
  2. ^ 小田順子『自治体のためのウェブサイト改善術─広報担当に求められるテクニックとマインド』 p.20、時事通信社、2010年12月24日
  3. ^ Vertical Forms”. Unicode Standard, Version 7.0. 2015年5月18日閲覧。
  4. ^ 国際単位系(SI) (pdf)”. 5.3.4 数字の書式,及び小数点, 産業技術総合研究所 計量標準総合センター (2006年). 2018年6月7日閲覧。
  5. ^ 2014 IEEE-SA Standards Style Manual (pdf)”. 13.3.2 Numerical values, IEEE. p. 22 (2014年1月). 2018年6月7日閲覧。 "Digits should be separated into groups of three, counting from the decimal point toward the left and right. The groups should be separated by a space, and not a comma, period, or dash."
  6. ^ 日本国語大辞典、第8巻(こく~さこん)、「コンマ以下」、p.518、第1版第2刷、1976年4月15日発行、小学館
  7. ^ 新明解国語辞典、「コンマ」の項、p.461、第4版第10刷、1992年3月20日発行、三省堂、ISBN 4-385-13098-1

関連項目[編集]