Prolog

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
Prolog
パラダイム 論理プログラミング
登場時期 1972年
設計者 Alain Colmerauer 他
型付け 動的型付け
主な処理系 AZ-Prolog, BProlog, Ciao Prolog, ECLiPSe, GNU Prolog, K-Prolog, Open Prolog, Poplog, Prolog Cafe, Prolog.NET, P#, SICStus Prolog, Strawberry Prolog, SWI-Prolog, YAP-Prolog
影響を与えた言語 Erlang, KL0, ESP, Guarded Horn Clauses, KL1, Concurrent Prolog, PARLOG, Mercury英語版, Oz, Strand, Visual Prolog英語版
プラットフォーム クロスプラットフォーム
テンプレートを表示

Prolog(プロログ)は、非手続き型プログラミング言語の一つ。論理型言語に分類される。名称は、「論理を使ったプログラミング」を意味するフランス語「programmation en logique」に由来している[1][2]

概要[編集]

1972年ごろにフランスのアラン・カルメラウアーとフィリップ・ルーセルによって考案された[1]

成立の事情から、Prolog プログラムは論理式とみなされ、その実行は述語論理によって述語が定義された環境における定理証明に擬して解釈されることが多い。利用者は論理プログラミングの枠組みを、取り分け述語論理を学習することで、この枠組みに極めて忠実なこの言語の基礎的な構造のほとんどを理解できる。その言語仕様はこの枠組み以外には考案者たちも含めてそれ以上の拡張をほとんど行っていないため、他のプログラム言語とは異なり、学習しなくてはならない概念や用語もまた、述語論理のものだけでこと足りる。計算機科学の新しい概念や新しい手法とは無縁である。

述語論理と論理プログラミング[編集]

Prologプログラム一階述語論理に基づいてデータ間の関係を示す命題として記述され、処理系がそれらに単一化(ユニフィケーション)と呼ばれるパターンマッチングを施しながら、与えられた命題が成立するか再帰的手続きによって探索している。

プログラムの実行は述語集合が定義された環境の元で、質問することによってなされるが、これは反駁という述語論理的な証明過程を模して、処理系が用意する導出木と呼ばれるグラフをたどって解を得る過程である。 Prolog のもととなるこの演繹手法は導出と呼ばれ、自動定理証明の研究において Prolog 開発以前からよく知られていた。Prolog は、導出において節を頭部が一つの命題からのみなるホーン節に限定したもので、この場合の導出をSLD導出(Selective Linear resolution for Definite clause)と呼ぶ。ホーン節に限定しているということは、つまり、Prolog は任意の述語をそのまま扱えるわけではない。Prolog が述語の形式をホーン節に限定した理由は、もし頭部に項の連言を認めるならば、導出時の計算量が爆発的に増大して、全ての解を得ることの保証が難しくなることが必至だからである。

述語論理を論理的な背景に持つことによって、Prolog のプログラムはその正しさを確認することが比較的容易である。同時に、プログラマは Prolog でプログラミングすることが何を意味するかを明確に理解した上で、プログラムを書いていくことができる。

非述語論理的な立場[編集]

上記は Prolog の一つの解釈である。一方、Prolog というプログラム言語を述語論理という枠にはめないで捉える立場もある。導出、単一化、非決定性、双方向性、関係データベースといったこの言語に独特の機能とその表現力、記述力に着目し、そのプログラム言語としての可能性を率直に評価しようとするものだ。

新たに Prolog を学びたいと思う人は、他のプログラム言語を全く知らなくても、ソフトウェア科学的な予備知識や概念に不通であっても、単一化という単純なルールをほとんど唯一の基軸として、パズル的な、あるいはゲーム的な感覚にだけ導かれて、プログラムを簡単に書き進むことができる。さらに、どの言語にも比して平坦で、平明な言語構造を持つ Prolog はラベル名(アトム、関数名、述語名)に適切な意味性を付与することにより、自然言語の領域にも接近したプログラミングが期待できるほとんど唯一の言語でもある。

十分述語論理的な教養を持った上で Prolog を学び、そのプログラムを書くならば、短期間で高度で安定したプログラムを書くことができる。しかし、それを前提としないでも、Prolog は冒険的で、未知の領域に満ちたプログラム言語なのである。

実はこれらの主張は、述語論理的な主張に隠れて、これまであまり強調されたことがなかった。

このような立場や主張が生まれる背景には、Prolog が期待されたほどにはソフトウェア革新の担い手になり得ていない理由が、その後の数理論理学の学問的な評価をもって、プログラム言語としての可能性を十分検証することを放棄して、定理証明といった狭い目的へ封じ込めようとする風潮を生んだことにある、という反省がある。そのことを踏まえて、Prolog が述語論理から成立したことにこだわらず、実在するプログラム言語として自由な視点からこの言語を見直そうとするものである。

記号処理用言語・人工知能言語[編集]

PrologLISP の資産の多くを継承して間違いなく記号処理用の言語であるが、人工知能言語として分類されることも多い。これは、人工知能の世界では述語論理が古くから理論的な柱の一つとなっているからである。述語論理を基礎とするトップ・ダウン式の問題解決と同じく述語論理を基礎とする Prolog の駆動機構の相性は当然良いため、人工知能研究に広く利用されてきた。特にエキスパートシステムで多用されるプロダクションシステムにおいては、ルールを自然に自ら動的に変更できる能力を持つことと、後ろ向き推論と呼ばれる推論が Prolog の導出過程そのものであることから、その最も主要な記述言語の位置を占めてきた。

宣言型言語[編集]

Prolog は一階の述語論理に対応することから論理型言語に分類される汎用言語であるが、その主張の一行一行を独立して論理式とほとんど等価な表現で行うことから、最も代表的な宣言型言語と見なされている。Prolog のプログラム単位である述語の各節の本体に現れる質問単位である副目標数は平均5個以内と極めて少ない。この副目標と各節の頭部に現れる引数の組み合わせによって得られる関係が述語の意味を構成している考えられる。これが宣言型とされるゆえんである。

<頭部> :- <本体>.  % Prologの節は頭部と本体によって構成される。

% 述語定義は複数の節からなる。本体は幾つかの副目標からなる。
% 副目標の全てが真となった時に節の宣言は成立する(節は真となる)。

述語名(引数_1,引数_2) :- <副目標_1>,<副目標_2>.
述語名(引数_1,引数_2) :- <副目標_3>
・・・

Prologの自然な定義では、 ここで示した <副目標_1> <副目標_2> が、一つの述語において、高々 <副目標_5> くらいまでに収まる。

単一化[編集]

単一化は1960年代の述語論理理論の発展の鍵となった概念であるが、Prolog が述語論理に導かれて機械による自動証明を実現するためのプログラム言語として成立したことから、必然的にこの言語の必須の最も重要な機構となった。単一化は副目標(質問)と対応する定義節の頭部のパターンが完全に一致するか、調べることで、節の選択[3]を可能にする。基本的な言語仕様の章で詳述するが、Prolog の実行順序等の制御は単一化のからくりを利用してプログラミングされる。

簡単なからくりでかつ極めて強力な単一化であるが実行コストも大きい、すなわち実行速度が遅くなる原因となる。さらに、パターンとして認識することと引き換えに、引数での関数評価は不可能になった。独立して節の本体で式評価を記述しなくてはならないため、数値計算ではやや冗長になる。 これらの点は、単一化の強力さとのトレードオフの関係になっている。

動的型付け[編集]

型付けは動的型付けに分類できるが、言語仕様の中に型概念は登場しない。上記の単一化、バックトラッキング、と論理変数の束縛においては独特のものがあり、その実行は型推論の実行過程に酷似している。既に Prolog はその引数の引渡し時に単一化という厳密なパターンマッチングを施すことに多大なコストを掛けた。単一化だけでプログラムをコントロールできる言語が Prolog であるといっても過言ではない。この単一化のみによる簡素で強力なプログラムコントロールの足を引っ張ることに成り兼ねない、型付けの強化は、Prolog 言語とその支持者によって受け入れられることはないだろう。

非オブジェクト指向言語[編集]

Prolog は言語による思考をモデル化して主語・述語といった意味での文中の述語を特に重視して記述する系である。この一点からも、対象物を中心に記述していくオブジェクト指向とは距離が大きい。述語論理以前にオブジェクトありきとする立場を一般には取らない。

いくつかの処理系では、オブジェクト指向言語としての拡張が行なわれているが、オブジェクトを中心に設計されることは、論理プログラミングを重視して記述される限りほとんどない。分類するならば、非オブジェクト指向言語に分類される。オブジェクト指向に拡張された言語としては

が存在する。

モジュラープログラミング[編集]

Prolog はオブジェクト指向とは疎遠であるが、一方、述部を重視する系であるという点から見ても、モジュラープログラミングとは近い関係にある。Prolog の述語をモジュールとして捉えた場合、多くは再帰的で宣言的であり、情報強度は極めて強く、情報結合度は極めて弱い。引数にはリスト以外の構造体(複合項)が来ることはほとんどなく明解であり、記述単位は数行と極めて短くかつ記述は簡潔である。モジュラープログラミングを突き詰めたものが Prolog だといってもよいように見える。しかし、Prolog をモジュラープログラミングとして評価した場合、疑問符の付くであろう部分もないわけではない。それはPrologの引数の入力・出力の関係が多くの場合双方向であり、意味的にも多義性を持つという点である。モジュラープログラミングは「〜を〜する」というような単一機能にまとめることが推奨されたが、この原則に反する。さらにPrologは複数の解を示すことがありうる。この性質を非決定性(後述)というが、実はこのことは定義された述語全体がコルーチンでありうることを意味する。単一の入口点による制御を良しとするモジュラープログラミングの原則にここでも反する。

オンメモリデータベース[編集]

後に述べるが Prolog の述語はその構造が頭部と本体と分かれていて、本体はルールを意味するため、全体として、ルールを持ったデータベース、演繹データベースとして捉えることができる。これはPrologプログラム全体がデータベースであるということだから、データベースの表現としては最強のクラスに属する。一方、事実を表す本体のない(強制的に真)頭部のみの定義節による述語は関係データベースとその集合論的な性質で一致する。収集した情報を一つの述語に対して多数の頭部のみを持った節の集まりとして定義することにより、オンメモリ関係データベースを構築することが可能である。しかし、Prologをデータベース管理システムとして捉えた場合、 assertretractsetofbagoffindall という組込述語を持つこと以外には、管理機構としての特別の組込述語が用意されている訳ではなく、ディクショナリ管理などのための述語定義をユーザが追加する必要がある。

非決定性と双方向性[編集]

関数型言語等、他のプログラミング言語と比較しての Prolog の特長は、上記、一階述語論理に基づくこと、単一化、データベース言語的性格の他に、非決定性双方向性が挙げられる。

非決定性は、解が唯一とは限らない場合、処理系側から見てひとつの解に決定できない場合、外部からの選択の余地を与える。そういうことが当然可能なこととして述語は定義されていく。インタプリタトップではなく、導出を繰り返すプログラム内部にあっては、処理系側とした所を述語と置き換えて考えると、非決定性の述語の解を決定するのは、前方または後方に連接する質問(副目標)である。前方の副目標群から引数経由で与えられる情報によって副目標は一つの解を作り出すが、この解が真であるとするのは最終的に後方に連接する副目標である。この後方に連接した副目標が全て真となった場合に限り副目標は真となる。後方に連接する副目標のどれかが真にならなかった場合は、それが存在すればであるが別解を用意しなくてはならない。ここでも非決定性の述語、ここでは副目標から見ての解の決定権は、外部にあるということになる。

非決定性は導出の過程、取り分けバックトラックアルゴリズムと一体化しており、Prolog プログラムの制御の根幹のひとつである。ただ、非決定性述語実行時に見られる論理変数の 束縛→解放→再束縛という遷移、すなわち一度束縛されたものが別のものに再度束縛されるということを好ましくないとする見方もある。

双方向性は、述語が実行された場合の返り値は真または偽だけであり、その代わりとして引数内の変数で値の授受を終始するのだが、このとき、入力として使われた変数が出力に、出力として使われていた変数が入力として使うことのできる述語となることがある。この性質を双方向性という。多くの場合、双方向性を持つ述語はそれ自体多義性を持つ。例えば append という3引数の述語は第一引数と第二引数に具体的なリストが来て呼ばれた時は、リストを結合する意味でよいが、第三引数がリストで第一引数と第二引数が変数の状態で呼ばれた場合その意味は、リストを分解する、がふさわしい。既に存在するリストを、それが結合されて存在したものと考え、それではどのように結合されていったか、あるいは、どのような組み合わせで結合されていったのかを、示していると解釈できる。

このような、双方向性は Prolog の述語自らがリバースエンジニアリング的開示能力を持ち、それを示していると捉えることができる。この性質は、Prologを含む論理型プログラム言語の持つ際立った特徴であり、プログラム作成時はもちろん、テスト、デバッグなどの検証の各段階でプログラムコードに対する見通しを向上させる。

Prolog プログラミングの難しさ[編集]

プログラマは引数の単一化、再帰/失敗駆動等のプログラムパターンの選択、非決定性、双方向性といった特長をできる限り生かすことなどに配慮しながら、述語の骨格を決めプログラミングを進める。しかし、これらの特長、性質は複合した場合には相当に複雑であり、制御上相反する部分も多々ある。Prolog では、述語論理を逸脱して計算量/資源量/制御の調整に当たる述語「!」(カット)を導入してこの問題に対処しているが、Prolog プログラミングの難しさはこの調整部分に集中している。

歴史[編集]

誕生[編集]

Prolog の性格上、その歴史には定理の自動証明の研究が大きく関係している。1930年にジャック・エルブランは自動定理証明やPrologのベースとなる数理論理学上の基本定理であるエルブランの定理を発表した。エルブランの論文には Prolog で必須の単一化アルゴリズムもすでに含まれていた[4]

1950年代以降、計算機上での定理証明の研究が活発になり、ギルモアのアルゴリズム(1960)やデービス・パトナムのアルゴリズム(1958,1960) 、プラウィツによる定理証明への単一化アルゴリズムの導入(1960)などを経て、1965年のロビンソンによる導出原理 や1960年代後半のラブランドによるモデル消去の証明手続きの成果からひとつの結実期を迎えた。その数年後の1971年マルセイユ大学のアラン・カルメラウアーとフィリップ・ルーセルのグループは自動定理証明システムとフランス語の自然言語解析システムとを組み合わせたコンピュータとの自然言語対話システムを作成していた。この際に自然言語解析システムも自動定理証明システムと共通の論理式という枠組みで構築できることに気が付き、論理式をそのままプログラムとして実行できる最初の Prolog を1972年に完成させた[5]。これは数千年に及ぶ人類の叡智である論理学の成果をプログラム言語に置き換えたものと言えるが、現在の Prolog でプログラムの制御に使われるカットオペレータに相当する機能が最初から導入されるなど[6]、現在の Prolog と同様、単なる定理証明システムではなくプログラミング言語として設計されたものだった。以下にその当時の Prolog プログラムの一部を示す。論理変数名の最初の文字が "*" で始まるなど、現在の Prolog とはシンタックスが異なる。

READ
  RULES
  +DESC(*X,*Y) -CHILD(*X,*Y);;
  +DESC(*X,*Z) -CHILD(*X,*Y) -DESC(*Y,*Z);;
  +BROTHERSISTER(*X,*Y) -CHILD(*Z,*X) -CHILD(*Z,*Y) -DIF (*X,*Y);;
  AMEN

コワルスキとDEC-10Prolog[編集]

彼らグループに理論的な助言を与えていたエジンバラ大学のロバート・コワルスキとデービッド・H・D・ウォレン[7]は汎用機 DECsystem10 上にマルセイユ大学とはシンタックスが異なる処理系を作り上げた。これは後に DEC-10 Prolog と呼ばれることになるが、ISO 標準規格を含む今日動作する Prolog 処理系はほとんどがこの系統のシンタックスに従っている。

desc(X,Y) :- child(X,Y).
desc(X,Z) :- child(X,Y),desc(Y,Z).
brothersister(X,Y) :- child(Z,X),child(Z,Y),dif(X,Y).

コワルスキはその後、インペリアル・カレッジ・ロンドンに移り、1979年に集大成ともいえる「Logic for Problem Solving」を著し、その後のこの言語と論理プログラミングの研究に決定的な影響を与えた。

コワルスキの活動と DEC-10 Prolog の存在によって、英国は Prolog 研究の中心地となった。エジンバラ大学のW・F・クロックシン[8]とC・S・メリシュ[9]の著わした「Programming in Prolog」は長く Prolog のバイブル本として利用された。エジンバラ大学からSRIインターナショナルに転じたディビッド・ウォレンは1983年 Prolog の仮想マシンコードであるWarren's Abstract Machine英語版(WAM)を発表した。この後の Prolog 処理系の実装は、一旦C言語などでこの仮想マシンコードを実装して、その上で Prolog のソースコードをこのマシンコードに変換するコンパイラを用意するという手順を踏むことによって、開発を簡素化し実装上の標準化を図ることが普通になった。日本の新世代コンピュータ技術開発機構Prolog マシン PSI は1987〜1988年頃に開発された PSI2 からこれを採用したし、その後開発された Prolog 処理系の多くはこの方式に従った。

1976年にSRIに留学していた古川康一はカルメラウアーらの Prolog 処理系のリストを見つけ帰国時に電子技術総合研究所に持ち帰った[10]。当時電子技術総合研究所で推論機構研究室長をしていた淵一博はこのリストを解析して Prolog 処理系を走らせ、ルービックキューブを解くプログラムを作成するなど論理プログラミングに対する理解を深めていった[11]

1978年MITに留学中の中島秀之が「情報処理」誌に紹介記事を寄稿して、Prolog は日本でも広く知られるようになった。

新世代コンピュータ技術開発機構とProlog[編集]

1970年代終り頃、日本では通産省の電子技術総合研究所の淵一博を中心とするグループが論理プログラミングの重要性を認識して、日本のコンピュータ技術の基礎技術としてこれを取り上げることを提案する。これが最終的に1980年代の新世代コンピュータ技術開発機構の発足と活動につながった。総額約570億円の国家予算を約束されて1982年に新世代コンピュータ技術開発機構(ICOT)は活動を開始する。Prolog を含む論理型言語はこの研究の核言語と位置づけられ世界的な注目を浴びることとなる。約10年間の研究活動中に Prolog と論理プログラミングの研究は急激に深化した。実際1980年からの20年間に Prolog をメインテーマにした日本語の書籍は約50冊発刊された。ICOT の研究員は積極的に Prolog の啓蒙に努め、講習会、チュートリアル、ワークショップを年に一度ならず開催した。ICOT が主催したロジック・プログラミング・コンファレンスは1983〜1985年頃をピークに若い研究者達を刺激した。研究活動前半の期間では論理型言語の実用性を証明するために、Prologマシンが設計され、三菱電機と沖電気によって製作され、ICOT の他大学等研究機関に配布された。この個人用逐次推論マシン PSI の機械語 KL0 は単一化やバックトラックなど Prolog の基本的特徴を完全に備えていた。この KL0 によって、PSI のマイクロコードを制御した。KL0 を基礎として、オペレーティングシステム SIMPOS が設計され、これを記述するために、Prolog にオブジェクト指向プログラミングを取り入れた ESP[12]が近山隆により設計されて使われた。ESPは多重継承を特徴とする当時としては先鋭のオブジェクト指向言語であったが、後にカプセル化の不備などが指摘されて、今日あまり話題となることはない。しかし、OSを記述するという課題を通じて、論理型言語にオブジェクト指向言語的要素を加えることによって、可読性が高まりプログラム管理がしやすくなることが確認された。その反面、Prolog のみでオペレーティングシステムを完全に記述してみる絶好の機会を逸したことも確かである。ESPはPSIを前提にせずに利用できるように、C言語で書き直したCESPが開発されたが、これが普及への起爆剤になることはなかった。後に述べるように、PrologのISO標準規格のモジュール仕様としてESPの採用が否決された1995-6年頃以降はほとんど利用されることはなくなった。

ここまで述べたように、Prologは ICOT によって持ち上げられた言語 Prolog との印象が強いが、Prolog というプログラミング言語から見ての ICOT の影響は実は限定的だった。淵所長ら ICOT の主研究テーマは並列論理型言語にあり、研究後半では Prolog そのものからは離れて行くことになる。PSI に使用した電子基盤を利用して並列推論マシン PIM が製作されて、Guarded Horn Clauses(GHC)に基づく並列演算処理を追加した KL1 が設計された。この環境に依存する形で、並列論理プログラム言語のKL1知識プログラミング全般の研究に利用された。PSI と SIMPOS を使った研究も続けられはしたが、割り当てられた研究員の数は極めて少なかった。

ICOT の活動を総括して、知識プログラミング各課題において準備不足からくる未消化を指摘する向きが強いのだが、こと Prolog から見ての前半期の活動は、今日語られることも少ないが、極めて充実したものであったといえる。

ICOT の活動盛期の1984年京都大学の学生3名[13]が研究課題として製作した Prolog-KABA がその性能の高さとアセンブラで記述されたことからくる高速性で世界を驚かせた。この処理系は MS-DOS 上で製品化されて Prolog の普及に大きく貢献した。Successful pop や末尾再帰の最適化など高い安定した性能で黎明期のパソコン上のビジネスソフトの基礎言語としての展開も期待されたが、16ビットの整数しか持たず、浮動小数点数も扱えない仕様であったため、この分野への展開は起こらなかった。この点はアセンブラで記述されて簡単には拡張できない点が裏目に出た。結果としてこの仕様の乏しさが、日本のビジネスソフトが知識プログラミングの水準との間に横たわる分水嶺を越えることができなかった原因の一つとなった。

1990年代とISO標準規格[編集]

1990年代に入ると制約論理プログラミングが注目され処理系が多数誕生した。これは Prolog から見ると引数の論理変数間の関係(制約)を記述可能に拡張したものである。制約論理型言語は、変数評価に遅延実行などを持ち込むことが必要となるが、連立方程式をはじめとする多くの課題で Prolog より記述が柔軟になる。Prolog の組込述語には引数が変数で渡るとエラーとなるものが多く、このため Prolog プログラマは変数が具体化されるように副目標の記述順序に気を配る必要がある。結果としてプログラミングに逐次性が生じる。制約論理プログラミングにおいては、後に変数が具体化されたときに検査されるための変数の間の制約を記述するだけで、この逐次性の拘束を解決して通過することができる。実はこの制約はPrologから見ても自然な拡張であり、むしろ Prolog の単一化が制約論理プログラミングの制約を「=」のみに限定したものだと解釈することができる。しかし、簡素で逐次的な性格を強く持つ Prolog の処理系に慣れた利用者が、制約論理プログラミングの述語中に更に変数制約の宣言を追加しなくてはならない負担を、受け入れているとは言い難い。制約論理プログラム処理系が Prolog のそれに置き換わる気配は、2013年11月現在においてもない。

ISO の標準化作業は1987年頃から作業委員会(WG17[14])が作られ、日本委員も情報処理学会から15名ほどがこれに加わった。1995年 ISO標準規格がISO/IEC 13211-1 Prolog-Part 1: General Coreとして制定された。さらに、2000年にはISO/IEC 13211-2 Prolog-Part 2: Moduleとしてモジュール仕様が追加して規格化された。モジュール仕様については日本委員から、ICOTによって作成されたESP(Extended Self-contained Prolog)を以てその標準とする案が出されていたが、これは否決された。

ISO標準規格はエジンバラ仕様 DEC-10Prolog を基調に既に一家をなしていた Quintus Prolog など有力ベンダと主としてヨーロッパの学者を主体にこれに日本などの委員が参加して作成された。この規格は現在 Prolog 処理系の製作者に指針を与え、大きな逸脱を心理的に妨げる役割を果たしているが、組込述語の個々の仕様ではベンダの意向が強く反映されたものの、全体としては最初に述べた論理学的立場を尊重して保守的で極めて小さな仕様となっている。そのため多くの Prolog 処理系はこの規格の述語を搭載しつつ、独自の拡張部分を修正したり削除することに消極的である。結果として個々の処理系の互換性の乏しさは残り、それは Prolog の弱点として認識されている。

JIS規格も一旦は2001年にJIS X 3013:2001が、"標題 プログラム言語Prolog―第1部:基本部"が要約JISとして発行されたが、2012年1月に何ら実効を見ること無く、「周知としての目的は終了した」として廃止された。

人工知能ブームとProlog[編集]

日本において、ICOT の活動時期から1990年代前半に掛けては、いわゆる人工知能ブームの時期であり、人工知能研究への期待はこの時期再び異様に高まった。LISP マシンによる医療情報エキスパートシステムでの成果は、人工知能の研究の成果の一部は情報処理に於いても利用可能なのではないかとの夢を抱かせた。このような評価の中で Prolog は人工知能のアセンブリ言語的な位置づけを期待された。知識情報処理はこの水準の言語を基礎にその上側に築かれるべきだとの意味である。手っ取り早く利用可能な人工知能技術としてエキスパートシステムが選別され、これを支えるナレッジエンジニアの存在とそれを養成するための教育が必要とされた。Prolog はその中心に存在した。日本も例外ではないが、日本以外の国では特に、Prolog の名著は1990年代前半に刊行されている。これは、ICOT の活動とは若干のタイムラグがあるが、この時期社会的に 人工知能向き言語としての Prolog に大きな期待が寄せられていたことの証しである。エキスパートシステムはビジネス分野において広範囲に応用可能な基礎技術であったが、このような低水準な分野への適用はあまり試みられず、この分野からの Prolog 言語への要請はほとんど見られないまま終った。

機械翻訳などの自然言語処理もまた人工知能の一翼を担う分野であるが、歴史的経緯から人工知能ブーム以前から、この言語に最も期待が掛けられた分野であった。しかし、左再帰問題の回避でトップダウン解析の明解さをいきなり殺がれた。さらに句構造文法への適用においては、Prolog が得意とする、句構造に分解して意味に相当するグラフを形成することの他に、極めて膨大な辞書を構造体として定義する必要が展望された。この辞書作成は Prolog とは直接関係しないタスクであることから、次第に Prolog は句構造文法によるアプローチの前線から後退してしまった。統計的言語処理のアプローチでは、単一化等に多くの計算量を費やす Prolog は大量データを扱うのに不向きとされて、利用されることはほとんどない。自然言語処理のテキストの多くが Prolog を用いて解説されているにも関わらず、期待が大きかった割に実務的には、表面に現れている成果はIBM社のワトソン程度にとどまり、自然言語処理はむしろ Prolog 評価の足を引っ張る傾向にさえある。

ICOT以後の日本における衰退[編集]

日本においては、ICOT 解散後数年を経て、論理プログラミングと Prolog は急激に下火となる。先にあげたコワルスキの成果があまりにも完成されたものでその研究成果の範囲を越えることが難しかったこと、歴史的にプログラム言語でありながら論理学からの逸脱を厳しく制限され、自由なアイデアによるプログラミング言語としての発展・展開が困難に見えたことも研究者・技術者を離れさせた。そして、人工知能ブームもまた去って行った。企業等で続けられた研究開発も発表される機会がProlog産業応用シンポジウム(INAP)などに限定され、人々の目に Prolog の成果が触れることは極端に少なくなった。ICOT の多大な研究成果がネット上に閲覧可能な状態で置かれたが、Prolog 言語の処理系はインターネット時代の技術・流れに乗れず、初心者・初学者が利用するためのネット上での情報も他の有力言語に比べて少なく、新しい利用者を惹きつけることができなかった。パソコンのオペレーティングシステムとして Microsoft Windows が一般に普及し始めると、初心者教育にウィンドウの部品の展開を題材とするのに適したオブジェクト指向言語に人気が集中し、Prolog は動作の遅い外れた言語のイメージを持たれるようになる。さらに21世紀に入ると Prolog がクラス概念を持たないため、マイクロソフト社による .NET アーキテクチュアの共通言語基盤(CLR)の対象言語から外され、この傾向に拍車をかけた。ついには枯れた言語というニュアンスを含んでではあるが、「化石言語」と揶揄されるまでに至ったのである。

今日[編集]

盛時の勢いは失ったものの、Prolog は各教育機関で主として論理学の教材として利用され続け、今日まで数万人の人が Prolog の講座を受講している。実務的に利用される機会が少ないにも関わらず、その素養を持つ人が大量に存在するという特異な位置にあるプログラム言語となっている。また、多くのプログラミング言語でその言語上にPrologインタプリタを制作してみることが難度の高い学習課題の一つとして採用され、その結果としてもPrologを理解しているプログラマは増加する傾向がある。

  • 2011年夏 ブルース・A・テイト[15]著『7つの言語 7つの世界』が出版され、その7つの言語の一つとして Prolog が紹介されたことから、多くの人々の関心を呼び起こし、この言語は突然に息を吹き返した。ダニエル・ジャクソン[16]著『抽象によるソフトウェア設計』も翻訳されて述語論理に基礎を持つ形式記述言語 alloy が注目されるなど、Prolog に極めて親近した領域での議論がようやく活発になった。
  • 2012年 イワン・ブラトコ[17]著「Prolog Programming for Artificial Intelligence」の第四版が11年ぶりに刊行されて、人々に Prolog は今でも活火山的な存在であることを印象付けた。また、世界的に利用されているアプリケーション自動生成ツール GeneXusProlog によって書かれてからそれを他の利用言語に変換されて製品化されていることや、IBM 社のワトソンの根幹部分である言語解析部分と質問の生成部分を現在も Prolog が担っていることなどが次々と喧伝されて、応用面でも現役言語であることが改めて認識されつつある。さらに世界的な関数型言語への急激な関心の高まりによって、関数型言語と類縁性の高い論理型言語の盟主であり、人気関数型言語 Erlang の原像でもある Prolog への関心は再び強まってきた。
  • 2013年 IBMはワトソンの商用化を積極的に進めることとし、研究開発要員を2000名に増強することを発表した。さらに2014年秋、ソフトバンクとの間でワトソンの日本語化で提携することが発表された。ソフトバンクは既にADSLの故障診断をPrologで開発して利用してきた実績があり、既に公開され、2015年春出荷が予定されている感情認識パーソナルロボットPepperでも中核部にPrologを採用することが予想されている。同社がワトソンと強く結びつくことによって、Pepperが将来ワトソンから情報を受け取ることによって、どのように強化されて、変化していくのかということが俄然興味深い問題に浮上した。同時に、その二つのシステムに跨って、Prologがどのような関わりを持つのか、役割を担うのかということも注目されている。

基本的な言語仕様[編集]

プログラムは、ホーン節、もしくは単に節と呼ばれる形式の項を並べたものである。

節は、頭部と本体部からなり、

頭部.

または

頭部 :- 本体部.

の二形式があり得る。これはそれぞれ、

頭部.      の形式が「ABである」、

頭部 :- 本体部.  の形式が「AならばBである」という命題の形式に対応する。

節も項であって、項は関数子といくつかの引数からなる。

節の関数子は ':-' であり、頭部と本体部はその引数である。関数子が':-'の二引数の項が節である。

頭部.

の形式は実は、

頭部 :- true.

が省略されたものと見なされ、やはり ':-' を関数子として二引数の項である。

頭部は項が連接することはできない(ホーン節)が、本体部は項が連接する、そういう項であり得る。

頭部 :- 副目標1,副目標2, ... 副目標n.

副目標1,副目標2, ... 副目標n は、これ全体を目標という。目標は副目標1...副目標nの連言である。

ここで 目標 = ( 副目標1,副目標2, ... 副目標n ) と置けば、

頭部 :- 目標.

であり、やはりこの節の形式も、関数子 ':-' の二引数の項であることが分かる。

複数の副目標はカンマで区切られているが、このカンマは論理積を意味する。

節は、その頭部の形式、すなわち関数子とその引数の数が同一の形式を持つ述語と呼ばれる単位で管理される。

プログラムは項の集合であり、節の集合であると同時に、述語の集合でもある。

Prologはこの項、節、述語だけでその形式を表現できる点で、他のプログラム言語とは著しく異なる。これはPrologの理論的な背景が論理学にあり、この中の概念のみで構成されて、発展してきたからである。

このような節の集合をあらかじめ用意してそれを定義した上で、ある命題が真であるかどうか問うことを質問という。 節の集合、つまり述語の集合をあらかじめ用意する方法については、後出の"Prologプログラミング"で述べる。

Prologの処理系は、人間の入力した質問に対して、頭部が形式的に一致する節があるか調べ、あった場合はその本体部に記述されている命題と一致する節があるか再帰的に調べる。

ここでは定義されたもの(処理系があらかじめ用意した組込述語も含めて)だけが、真になり、定義されていないものは必ず偽となる(閉世界仮説)。

具体的な例を見よう。

「ソクラテスは人間である」「人間は死ぬ」を Prolog で記述すると以下のようになる。ここで X は変数である。

人間(ソクラテス).

死ぬ(X) :- 人間(X).

人間(ソクラテス). は「AはBである」の命題の形式に対応し、ここでは、Aはソクラテス、Bは人間である。同様に、

死ぬ(X) :- 人間(X). は「AならばBである」であり、Aは人間(X)に、Bは死ぬ(X)に対応している。

システムに対して以下のように入力すると、true が返される。

?- 死ぬ(ソクラテス).

これは「ソクラテスは死ぬか」と質問したことに対して、システムが内部で推論を行なって、既知の知識から答えを出したものである。

それではここでの既知の知識とはなんであろうか。それは、

人間(ソクラテス).

死ぬ(X) :- 人間(X).

であり、内部で行っている推論とは、?- 死ぬ(ソクラテス). から 死ぬ(X) :- 人間(X). により導出されて、

?- 人間(ソクラテス).
true

が、確認される過程である。

今度は以下のように入力してみる。これは、「死ぬのは誰か」と質問したことと同じになる。この場合もシステムが内部で推論を行なって、死ぬ(X)を満たすXを表示する。

?- 死ぬ(X).
X = ソクラテス

他のプログラム言語に比べると質問を基本的骨格としている点でユニークであるが、更に、Prolog は複数の計算結果があり得るという点でも極めてユニークなプログラム言語である。先のプログラム例を拡張して

人間(ソクラテス).
人間(アリストテレス).

死ぬ(X) :- 人間(X).

とした場合、死ぬ(X)を満たすXは複数(ソクラテスとアリストテレス)がありうる。

述語 人間 に複数の節を設けて、その引数にソクラテス、アリストテレスと列記して行くだけで、質問に対して複数の解を処理系が列挙するようになる。

他の言語でこういう機能を実現する時に見られるような、手続き的なループや情報を管理する配列の添字管理のようなものは全く現れない。

多くのProlog 処理系ではこのような複数解が存在する時に新たな解を得る場合は

?- 死ぬ(X).
X = ソクラテス ;
X = アリストテレス

と ";"(セミコロン)記号を用いて他の解を得る。";"はこの解は真ではない、という質問者の意思表示である。

ここではインタプリタのトップからの質問、すなわち対話環境にあるから、X = アリストテレスが処理系からの質問者に対する応答、質問となっている。

質問者は「この解は真ではない」と否定することができる一方、呈示された解(ソクラテスまたはアリストテレス)を真と決定することもできる。このように処理系から見て外部からの介入によって真を得ることを非決定性という。

この非決定性がコンピュータ言語としてのProlog の際立った特徴の一つである。

もうすこし具体的なPrologプログラムの例を以下に示す。「%」から行末までは注釈である。

% member(X,Y)はXがリストYの要素として含まれているときに成功する。
% そうでないときは失敗する。

member(X, [X|_]). % Xがリストの先頭要素と同じ場合
member(X, [_|Y]) :- member(X, Y). % それ以外の場合

member(X,Y) は要素XがリストYのメンバーであるかを調べるプログラムであると同時に、「要素XがリストYのメンバーである」という関係も宣言的に表している。実行例を以下に示す。

要素XがリストYのメンバーであれば成功する。

?- member(サザエ, [波平,サザエ,マスオ]).
true.

要素XがリストYのメンバーでなければ失敗する。

?- member(サザエ, [ワカメ,マスオ,タラオ]).
false.

Xの部分を変数のままにすると、リストYのメンバーである要素が結果として返る。すなわち、ジェネレータとして働く。

?- member(X, [ワカメ,マスオ,タラオ]).
X = ワカメ ;
X = マスオ ;
X = タラオ

二つのリストの共通メンバーを求めるには単純に","で区切って並べればよい。この","はANDの意味を持つ。

?- member(X, [波平,サザエ,マスオ]), member(X, [ワカメ,マスオ,タラオ]).
X = マスオ

要素Xを指定しリストYを変数のままにすると、それらがメンバーであるリストが結果として返る。

?- member(波平, Y), member(サザエ, Y), member(マスオ, Y).
Y = [波平,サザエ,マスオ|_G001]

上の"_G001"はProlog処理系が作成した仮の変数で、リストの後半が不定であることを示す。

データタイプ[編集]

Prologが扱うデータは: term)と呼ばれる。項は定数変数複合項のいずれかである。

  • 定数はアトム、数値のいずれか。
    • アトムは任意の名前を表す記号。変数と区別するため、英大文字か下線「_」で始まる場合はシングルクォートで囲む。 例: atomプロログ'This is atom'
    • 数値は整数や浮動小数点など。 例: 10243.14150xffff
  • 変数は英大文字か下線「_」で始まる記号で表す。通常の変数と無名変数がある。変数は任意の項と単一化(ユニフィケーション)できる。
    • 通常の変数は無名変数以外の変数。例: X _リスト
    • 無名変数は下線「_」のみから成る変数で、その出現ごとに異なった変数とみなす。1つの節で1回しか使われず内容を意識する必要のない変数に用いる。
  • 複合項は、「人間(ソクラテス)」のように、アトムの後にいくつかの引数をカッコで囲んで並べたもの。任意の項を引数として指定できる。
    • 通常の複合項 例: person(磯野波平,54) f(g(x),125)) '.'(X,L)
    • リスト リストは複合項の中でも特別な記法があたえられ、Prologプログラムで重用される。ここではその例を示すに止め、この後、別項を設けて詳しく述べる。 例: [namihei,sazae,masuo] [member, X, [1,2,3]]
    • 前置、中置、または後置記法された複合項 特別な複合項についての記述を参照。例: X+Y*3 死ぬ(X):-人間(X)

複合項でのアトム部分を関数子: functor)、引数の数をアリティ: arity)と呼ぶ。アトムはアリティが0個の複合項とみなすこともできる。アリティが異なれば同じ関数子でも別のものとして扱われる。アリティは英語に由来し、英語の語彙としても馴染みの少ないものであるが、適切な訳語が見つからず現在もこの表現が使われている。

前置・中置・後置記法された複合項は、複合項の関数子を前置・中置・後置記法の演算子として定義したものだが、これは表記法の問題でしかない。Prologではユーザが任意の演算子を定義できる。いくつかの演算子が事前に定義されており、例えば、算術式での"+","-","*","/"などが代表である。 X+Y*3 は実は複合項 '+'(X,'*'(Y,3)) として処理系に解釈され、そのような構造体を表現するものとして実装される。また、 死ぬ(X):-人間(X) ':-'(死ぬ(X),人間(X)) に等しい。このことから、Prologのプログラムは複数の項、すなわち述語 :- の集合、として記述されていると考えることができるため、プログラムをデータとしてProlog自身で処理することは比較的容易にできる。

ユーザが演算子を定義するには、組込述語op/3を使う。下記のようにプログラム中でop/3の実行して宣言を要求することもできるし、インタプリタのトップから ?- op(600,xfx,は). のように実行して直接宣言することもできる。opの第一引数は項の結合強度を、第二引数はオペレータの型を表す。演算子は第三引数で指定する。

死ぬ(X) :- 人間(X).

:- op(600,xfx,).
:- op(600,xfx,).

ソクラテス  人間.

X  Y :- X  Y.

X  死ぬ :- X  人間.

と定義すると、述語は は/2,が/2 に変わってしまって、全く別の定義だと言えるが、我々には意味的に同様のものと理解できる。これは中置記法の例であるが、以下のように、前置記法の"必ず"、後置記法の"ならば" を加えて意味的に補強することも可能だろう。( _ :- _ の中にその義を含むから、本来その必要はないが)

:- op(600,xfx,).
:- op(600,xfx,).
:- op(500,fx,必ず).
:- op(700,xf,ならば).

X  必ず 死ぬ :- X  人間 ならば.

Prologは動的型付き言語であり、型を宣言することはしない。論理変数は関数または述語の引数の中にしか現れず、この変数の型を指定する(例えば integer:X のような)記述をしたとしても、その変数を型に制約することはできない。

質問がなされ述語が呼び出された時に処理系は単一化のルールによって論理変数を可能であれば束縛するが、その際、型を検査することはしない。その引数が例えば、整数であるか、あるいは浮動小数点数に束縛されているかは、組込述語 integer/1 float/1 でそれを随時質問することによって検査することができるのみである。

リスト[編集]

複合項の中で特別な扱いを受けているものとしてリストがあり、LISP以来の記号処理プログラミングの伝統に則りPrologでも極めて多用される。実際のところ、Prologのデータ構造は単位節定義とリスト以外にはないと言っても過言ではない。

リスト'はいくつかの項を順に並べたもので、その先頭要素を取り出せば、残りはまたリストであるというように再帰的である。例えば [a,b,5] のように、要素となる項を「,」で区切り「[」と「]」で囲った形で表現する。要素のないリストは [] と表記し、空リスト、あるいは nil と呼ぶ。

リストをグラフとして示すと、 リスト [a,b,5] の構造は

      . ------ . ------ . ------[]
      |        |        |
      a        b        5

のようになるだろう。

Prologのリストの表記として、要素を"|"で区切る方法がある。この記法があるためにPrologのリスト処理は視覚的で読みやすい。先頭からいくつかの要素の後に"|"が来て、その後にはリストか[]が来る。 例: [a,b,c,5,6] は、先頭の要素 a,bと残りの要素 [c,5,6] をつなげた [a,b|[c,5,6]] と等価である。 ただし、[[a,b]|[c,5,6]]ではない。Prologの複雑なリスト処理をそれでも宣言的と見なすことができるのは、専らこの記法あってのことである。

この記法はPrologのプログラムではリストを先頭要素と残りリストに分解する場合に多用される。[1,2,3]=[H|R]の場合、Hは単一の項(複合項であることも含めて)を表すパターンだから、H=1,R=[2,3] に分解される。後に示されるプログラム例の章には、リスト要素の加算,append,組合せ,クイックソート 他、多数の事例がある。重複するからここでは二例だけを示す。

member(H,[H|T]).
member(H,[_|T]) :- member(H,T).

append([],L,L).
append([H|X],L2,[H|Z]) :- append(T,L2,Z).

?-  member(H,[1,2,3]).
H = 1;
H = 2;
H = 3 .

Prologを代表する述語 member/2 の[H|T]と[_|T] と append/3の[H|X]と[H|Z] の所にこの記法が使われている。

 ?- member(H,[1,2,3]). にあっては、第一番目の定義節から

[1,2,3] が [1|[2,3]] に分解できて H = 1, T = [2,3] となるから、最初の解である

H = 1

が表示されるのである。

以下では、二つのリストを単一化することを通して、リスト記法の各部分がどのような関係にあるかの理解を深めよう。

?- [a,b,c,5,6] = [a,b|[c,5,6]].
true.

?- L = [c,5,6],
   [a,b,c,5,6] = [a,b|L].
true.

?- [a,b,c,5,6] = [a,b,c,5,6|[]].    % |の後に[]が来る。
true.

?- [a,b,c,5,6] = [[a,b]|[c,5,6]].
false.

?- [a,b,c,5,6] = [a,b|c,5,6].
false.

最後の例の[a,b|c,5,6]のc,5,6はリストと看做されない。

'|' を使ってリストを区切る用法もグラフ化すると、リスト [a|[b,c,5,6]] = [H|T] の構造は

    [ H   |    T ]

      . --|--- . ------ . ------ . ----- . -----[]
      |        |        |        |       |
      a        b        c        5       6

である。

リストは簡単に成長させることができる。

リストを成長させる(_追加要素,_リスト,[_追加要素|_リスト]).

?- リストを成長させる(3,[1,2],L).
L = [3,1,2].

リストを成長させる/3では単一化のからくりを巧みに使って、リストの先頭に要素を追加している。

リストの要素をひとつ切り取るには、反対に

リストの要素をひとつ切り取る([_切り取る要素|_リスト],_リスト).

?- リストの要素をひとつ切り取る([1,2,3],L).
L = [2,3].

リスト要素の切り貼りはこのようなパターンで行われる。リストは先頭から要素を加え、先頭から要素を検査し、先頭から要素を取り去るのに適したデータ構造を持っている。

ここまで示してきた通り、リストは読みやすいように特別な表記法を与えられた複合項であるが、実は一般の複合項と同様の構造で実現されている。 リストは関数子名が'.' と決められていて、以下の例のように実現されたアリティが2の複合項である。 例: [a,b] は複合項 '.'(a, '.'(b, [])) と等価である。

?- [a,b] = '.'(a, '.'(b, [])).
true.

形式記述言語の多くがそうであるように、Prologはその制御の大半が再帰処理によっている。リストは再帰的な構造データの中でも最も簡素で扱いやすいものであり、制御構造とデータ構造の一致という点からもリストが多用される十分な理由がある。

複合項もまた再帰的構造データではあるが、生成、分解、置換などの際の扱いが複雑になるため、グラフやオートマトンなどの定義/表示以外にはあまり使われない。'.'(a,'.'(b,[]))の構造で分る通り、リストも実は複合項である。リストは生成、分解、置換などが容易くできる構造を持つ特別な複合項であり、それ故に特別な表記法を与えて、さらなる便宜を供しているのである。


Prologではリストの内包表記はできないsetoffindall の表現が意味的にそれに近いが、ここでの表記をリストを表す項として、遅延して評価するために持ち回ることはできない。

例えば

?- findall(N,(member(N,[1,2,3,4]),0 is N mod 2)),L1),
   append(L1,[8,10],L).
L1 = [2,4],
L = [2,4,8,10].

であるが、findallを関数表現として、

?- L1 = findall(N,member(N,[1,2,3,4]),0 is N mod 2)),
   append(L1,[8,10],L).

と表記したとしても、この項だけ例外的に単一化を免れ関数評価する特別な機構を付加しない限り、この第一引数はリストと看做されることはなく、エラーとなり、Lに期待する [2,4,8,10] は得られない。このことから単一化がリストの内包表記を阻んでいる理由の一つであることが解る。

Prologには集合を表す特別な表現がなく、リストでこれを代用するのが普通である。この問題については、Prologプログラミングの 章で詳述する。

Prologプログラミング[編集]

質問[編集]

Prologの実行は述語を定義された処理系に対してユーザが質問することによってなされる。質問とは、

?- 親子(ふね,タラオ).

のようなものである。ここでの質問は「ふねはタラオの親か」という意味だ。「ふねとタラオは親子関係である」という読み方もある。

このような質問に処理系が答えることができるためにはその知識が必要である。Prologではこの知識を述語という形式で与える。そのことを述語を定義するという。

定義された述語には一般に処理系によって最低限必要なものとしてユーザに対してあらかじめ用意された組込述語(ユーザは定義しなくてもよい)と、ユーザが自ら定義したユーザ定義述語の二種類がある。ユーザは自ら定義した述語群をファイルに保存して、そのファイルを組込述語であるconsult/1述語によって処理系に読み込ませる。

サザエさんの家系図に関する述語群が

親子(波平,サザエ).
親子(ふね,サザエ).
親子(波平,カツオ).
親子(ふね,カツオ).
親子(波平,ワカメ).
親子(ふね,ワカメ).
親子(マスオ,タラオ).
親子(サザエ,タラオ).

夫婦(波平,ふね).
夫婦(マスオ,サザエ).

member(X,[X|_]).
member(X,[_|R]) :-
    member(X,R).

上記のように、エディタなどで書かれて、ファイル'sazaesan.pl'に存在するとして、

?- consult('sazaesan.pl').
true.

を実行することによって、サザエさんの家系図に関する述語群がユーザから参照できるようになる。

?-

はプロンプトと呼ばれ、質問を受け付ける準備ができていることを示す。プログラムを実行するのには、一般にProlog処理系の起動後、最初のプロンプトが表示されてからユーザ自身で質問(目標)という形でプログラムを実行する。

実務的なプログラムではこの質問によって述語定義の融合、頭部の単一化、本体部の導出の長い連鎖となり、最終的にその質問が真か偽の結果を残して終了する。

これが普通の使い方だが、処理系の起動時にコマンド引数などで最初に実行する質問を引き渡して、起動後停止することなく、質問が実行される場合もある。

ここでlistingという質問を与えてみる。この組込述語は現在実行可能な状態にある述語すべてのソースコードを表示する。

?- listing.

親子(波平,サザエ).
親子(ふね,サザエ).
親子(波平,カツオ).
親子(ふね,カツオ).
親子(波平,ワカメ).
親子(ふね,ワカメ).
親子(マスオ,タラオ).
親子(サザエ,タラオ).

夫婦(波平,ふね).
夫婦(マスオ,サザエ).

member(X,[X|_]).
member(X,[_|R]) :-
    member(X,R).

このように定義済みであることが分かった。これが先の?- consult('sazaesan.pl').の効果である。

最初の親子(波平,サザエ). から 夫婦(マスオ,サザエ). までが事実であり、形式的には本体がなく、単位節と呼ばれる。 その下の member は二番目の節に再帰的に本体があり、これはルールと呼ばれる。

ルールmemberを使った質問をしてみる。

?- member(サザエ, [波平,サザエ,マスオ]).
true.

となる。サザエは集合{波平 サザエ マスオ} の要素であるかという質問に真と答えている。

さらに簡単な質問をしてみる。単に事実を問うものだ。

?- 親子(波平,サザエ).
true.

?- 親子(ふね,X).
X = サザエ;
X = カツオ;
X = ワカメ .

?-

この質問で第二引数に X 乃ち論理変数が使われた。処理系はこのXに適切な値が入ることで、この質問を真となって終わらせようとする。

X に カツオが入った時、

?- 親子(ふね,カツオ).
true.

で真となるし、ワカメが入った時、

?- 親子(ふね,ワカメ).
true.

で真となる。

この二つの質問を 論理変数 X を順に束縛することで満たしているのが上の ?- 親子(ふね,X). での実行結果である。

質問の詳しい説明は後のプログラム例「家系図」以下にある。

プログラムの起動と質問の自動実行[編集]

Prologの処理系は質問がなされ、それに回答を繰返すことによって処理が進むという作りになっている。

しかし、質問することなしに、処理系の起動時にプログラムを実行することももちろんできる。最初に現在処理系で使われている代表的な二つの方法を示す。


1) ソースプログラムの中に起動する質問を記述する。

    ・ 処理系の起動時に -f ファイル名 オプションを指定して、ファイル名のソースファイルを読みこませる。
    ・ ソースプログラムの中に、:- <<目標>>.のように自動実行する質問を記述する。

2) 処理系の起動時に -f ファイル名 オプションを指定すると共に、-t オプション等で、最初の質問の述語名を直接指定する。(例えば mainなど )

   ・ # prolog -f sazaesan.pl -t main

必ずしも処理系起動時と限らないのだが、consultされるファイルの途中に特別な述語 :- を指定して、自動で質問が実行できるようになっている処理系が多い。 ファイル'sazaesan.pl'の第一行目に

:- write('%%% サザエさん家系図の読み込み %%%\n').

親子(波平,サザエ).
親子(ふね,サザエ).
親子(波平,カツオ).
親子(ふね,カツオ).
親子(波平,ワカメ).
親子(ふね,ワカメ).
親子(マスオ,タラオ).
親子(サザエ,タラオ).

夫婦(波平,ふね).
夫婦(マスオ,サザエ).

member(X,[X|_]).
member(X,[_|R]) :-
    member(X,R).

が書かれているとすれば、

?- consult('sazaesan.pl').

を実行した直後に

%%% サザエさん家系図の読み込み %%%

と表示される。'sazaesan.pl'の第一行が読み込まれ、処理系が :- から始まる特殊な節を見つけると、

?- write('%%% サザエさん家系図の読み込み %%%\n').

という質問をユーザからの入力なしに実行する。

この機能を利用して、処理系の起動時にコマンドラインに -f オプションなどで初期読み込み述語ファイル名が指定できる作りになっている処理系が多く、

# prolog -f sazaesan.pl

この ':-' 述語をファイル内の適宜な場所に記述することによって、質問の自動起動が可能となる。

しかしながら質問で変数束縛の状態表示を期待している場合は、質問ー応答モードを脱して動いてしまっているから、:-以下での質問に対する実行が完了した場合でも質問ー応答する場合のようにはうまくいかない。";"や改行待ちとなる非決定性の制御にも移行しない。このような変数束縛の表示はwriteのような出力述語を続けて記述してユーザが表示させる必要があるだろう。

自動実行を理解しやすくするために、'sazaesan.pl'に少し :- 節を追加してみる。

:- write('%%% サザエさん家系図の読み込み %%%\n').

親子(波平,サザエ).
親子(ふね,サザエ).
親子(波平,カツオ).
親子(ふね,カツオ).
親子(波平,ワカメ).
親子(ふね,ワカメ).
親子(マスオ,タラオ).
親子(サザエ,タラオ).

夫婦(波平,ふね).
夫婦(マスオ,サザエ).

member(X,[X|_]).
member(X,[_|R]) :-
    member(X,R).

:- write('%%% 波平の子供は %%%\n').
:- member(波平,X),writef('%t\n',[X]),fail;true.
:- write('%%% 終了します %%%\n').
:- halt.

これを'sazaesan.pl'とは別のファイル'temp1.pro'に書いて置くとする。

組込述語 writef/2 や fail;true 制御についてここでは詳しくは述べないが、

最後に処理系を終了させる組込述語 halt. を実行させることにより、

# prolog -f temp1.pro
% library(swi_hooks) compiled into pce_swi_hooks 0.00 sec, 2,224 bytes
%%% サザエさん家系図の読み込み %%%
%%% 波平の子供は %%%
サザエ
カツオ
ワカメ
%%% 終了します %%%
#

のような、バッチ処理プログラムとして実行することができる。

起動述語として例えばプログラムの起動時コマンドオプションで -t main を指定する場合は、予め、

・・・・・
夫婦(波平,ふね).
夫婦(マスオ,サザエ).

member(X,[X|_]).
member(X,[_|R]) :-
    member(X,R).

main :- member(波平,X),writef('%t\n',[X]),fail;true.

のように述語として定義して置けばよい。

組込述語 consult/1 の事例を示したが、Prologの処理系は共通の組込述語群とその処理系独自の組込述語群を持っており、後者が統一されない状態であることは歴史の中で触れた。ユーザは各処理系のマニュアルを注意深く読む必要がある。

述語[編集]

Prologでプログラムを記述する単位は述語: predicate)で、他の言語での関数やサブルーチンに相当する。つまり、Prologプログラムは述語の集まりで、述語はあるまとまった機能を表現している。述語は1つ以上の: clause)と呼ばれる項からできている。節は以下の形をしている。

頭部 :- 副目標1, ..., 副目標n.

あるいは、

頭部.

1つの述語に属する節は、同じ述語名(関数子名)と引数の数(アリティ)を持つ頭部からできている。述語名とアリティが異なれば別の述語とみなすため、述語を指定するときは"述語名/アリティ"と表記されることもある (例: member/2) 。

1つの述語は成功、あるいは失敗のいずれかの結果を返す。副目標1〜副目標nの間の "," はANDを意味する演算子であり、1つの節が成功するのは本体部がすべて成功した場合である。

本体部の実行は、副目標がANDの関係で連接する場合、記述された順に行われる。頭部のみの節は 頭部 :- true. と同じ意味であり:-trueが省略された形式だと考えればよい。

1つの述語が複数の節からなる場合、上から順に実行され、どれかが成功したら述語自体は成功する。つまり同じ述語内の節の関係はORの関係となる。節同士はOR関係であり、それぞれ情報の共有という観点からは完全に独立している。

一つの節の中の副目標から、同じ述語の別の節中の情報にアクセスするためには、新たにこの述語を目標(質問)として呼び出す必要があり、この場合、制御や変数束縛等は完全に初期状態での実行となる。

一度trueになった節で一旦は変数に値が束縛(代入)されていたとしても、バックトラックして、それより下の節に制御が移った場合は、制御の移った節からバックトラックした(すなわち偽となった)節の変数束縛を利用することはできない。

述語は親となる目標(副目標)によって謂わば質問として呼び出される。これに対して、述語の各節は予め備えている状態にある。質問されることによって、頭部の単一化を行い、これに成功した節の、本体の副目標を順次、今度はこれが親となって質問する。そういう備えができている。それが述語が定義されているということである。

宣言的意味と手続き的意味[編集]

Prologの基本的なアイデアは、ホーン節をプログラムと見なして実行する、ということであるため、純粋なPrologのプログラムは手続き的にもホーン節に従って宣言的にも解釈ができる。1つの節の解釈は以下のようになる。

"副目標1"かつ ...、かつ"副目標n"が真であれば、"頭部"は真である (宣言的意味)
"頭部"であることを示すには、"副目標1"かつ...、かつ"副目標n"を示す (手続き的意味)

手続き的に見ると、"副目標1"〜"副目標n"がすべて成功する場合、節は本体部を順番に実行する関数やサブルーチンのように見なせ、再帰呼び出し可能な手続き型/関数型言語と動きはさほど違わない。他の言語との大きな違いは、本体部のいずれかが失敗した場合、最後に選択した節にバックトラックし次の節から再度実行を続けることである。

Prologの動作をプログラムが指定した条件での解の探索として見ると、深さ優先の解探索ととらえることができる。

論理変数[編集]

C言語など通常のプログラミング言語の変数は値の格納場所であって、計算が進むに従って内容が変化する。Prolog などの論理型言語での変数は数学的な変数に近いもので、何らかの値につけた名前である。値は決まっているか決まっていないか(代入されているか代入されていないか)のいずれかで、一度決まってしまえば値が他の値で置き換わることはない。値が変わるのはバックトラックにより代入が解かれた後に再度値が決まった(代入された)場合のみである。この変数は他のプログラム言語のそれのようにプログラム中に宣言することはできず、述語或いは述語呼び出しの引数の位置にのみ現れる。

通常のプログラミング言語の変数と区別するために論理変数と呼ばれることもある。論理変数が述語または質問の引数の位置にのみ現れるという意味を理解しやすくするために以下の例を示す。

Y=Y,Y=Z,Z=3.のX,Y,Zは一見プログラムの中に宣言しているように見えるが、全て組込述語=/2の引数である。Prologにおいて=とは単一化を施すという意味である。

変数の値の変化の例:

?- X=Y, Y=Z, Z=3.
X = 3,
Y = 3,
Z = 3
true.

?- W=5, W=3.
false.

論理変数は、格納場所ではなく、質問がなされる度に定義節を写して生成される一時的な論理域に存在するもので、プログラムの他の箇所からその値が参照されることはあり得ない。

member(X,[X|_]).
member(X,[_|R]) :-
        member(X,R).

第一節にXが二箇所、第二節にはXとRが二箇所現れている。それぞれの変数が最終的に同一のものに代入されることの宣言である。

また上記の定義では第一節と第二節にXという論理変数が現れているが、この二つの論理変数名が同一であることには意味がない。第一節のXに値が代入されて解が得られた後、バックトラックされて第二節に移行したから値が解放されて、Xは代入されていないのではなくて、第二節のXは第一節のXとは元々無関係だから、代入されていないことになる。

論理変数の名前が同一であることが意味を持つのは、質問されて、述語のひとつの定義節と融合された時、その融合された定義節側の頭部、本体の中に、同名の論理変数があるかないかだけである。質問した側の副目標の引数の論理変数がどのような表現になっているかについては没交渉である。融合の際の頭部の単一化でさえ、論理変数同士の単一化であっても、ソースプログラムで変数名が同じあるか否かは問われない。この点については、次の節の単一化を参照。

ここで起こっている質問としての副目標(または目標)と定義節との融合は、述語定義のコードからは離れて、対応する節がその姿を写されて実行されるのであって、その実行と述語定義のコードは直接的な関係を持たない。

したがって、この質問、導出過程で論理変数が束縛されても、述語定義の他の定義節の論理変数に影響を及ぼしようがないのである。

単一化[編集]

Prolog の動作の基本は単一化と後に述べるバックトラックである。

単一化(ユニフィケーション)は、述語呼び出し時に使用される、呼び出し側、呼び出される側双方向の強力なパターンマッチングだが、そのルールは簡単である。

すなわち、二つの項の単一化において、

  1. 2項がそれぞれ変数の場合は、以後この二つの変数は同一のものと看做される。同時に単一化は成功する。
  2. 2項の一方が変数であり、他方が変数以外の項である場合は、変数はこの変数以外の項と同一のものとなる。単一化は成功する。
  3. 2項がそれぞれアトムの場合は、二つのアトムが完全に一致した場合に単一化は成功する。
  4. 2項がそれぞれ複合項の場合は、二つの複合項の関数名とそれぞれの引数の形式が一致した上で、全ての引数要素に対して、再帰的に単一化が成功する場合のみ、単一化は成功する。

以上挙げた以外の場合は、単一化は全て失敗する。したがって、アトムと複合項の単一化は常に失敗する。述語呼び出し時の候補節では、一つでも頭部にある引数の単一化に失敗すると、その候補節は選択されない。

1 と 2 は意味的に統合可能であり、単一化ルールを三つとすることもある。Wikipediaのユニフィケーションの説明ではそうなっている。しかし、変数の単一化は値が代入されないという意味で特殊であり、Prologでは同一性のみ主張できる変数の制約そのものであり、Prologの最も独自性の強い部分であることから、ここでは独立したルールとして扱う。

単一化によって論理変数がある値に決まることを、代入という。一般のプログラム言語の代入と表現は同じであるが、Prologの代入はある値をその論理変数を通じて覗くことができる。あるいは、この値が参照(利用)可能な状態になるといったニュアンスに近い。なぜなら、この代入がバックトラックによって「解かれる」と論理変数は再び何も参照できなくなる。

単一化は処理系が述語を質問として呼び出す(目標が実行される)たびに、暗にPrologシステム内で実行されつづけているのだが、利用者が明示的に二項の単一化を指定することもできる。それが先の論理変数の事例に現れた = である。述語 = は左右に二つの引数を持ち、この二つの項の単一化を試みる述語である。

ここで、明示的な二項の単一化(=/2)を組み合わせて単一化の説明を試みよう。

?- X = Y,    % X と Y が同値と制約された。
   Y = 3.    % Y から 3 が参照可能になった。同値制約されている X もまた、3 が参照可能になった。

X = 3,
Y = 3.
?-

単一化は極めて強力なパターンマッチングではあるが、実行コストも多大である。Prolog処理系の実行速度が他のプログラム言語のそれに比べて遅いことの主要な原因は単一化にある。

通常のプログラミング言語との比較で考えると、Prologの単一化は以下の機能を含んでいる。

  • 変数への値のアサイン
  • 変数の同値制約(変数同士の単一化)
  • パラメータの受け渡し
  • リストの作成/リストの分解/リスト各要素の読み出し・設定
  • 複合項(通常言語での構造体やレコード)の値の読み出し/値の設定
  • 条件分岐(通常言語のif文やswitch文)

バックトラック[編集]

バックトラックは他のプログラム言語と比較してPrologを特徴づける部分である。バックトラックとは後戻りくらいの意味だが、現在まで日本語として適切な訳を見つけられず、このバックトラックがもっぱら使用されている。プログラムのコードとして明示的に指示がないにも関わらず、暗に実行コードが既に実行を済ませた部分に後戻りして実行を始める、そういう制御のことをバックトラックと呼んでいる。

質問が

 ?- p1,p2,p3,p4,p5.

とされたとする。

これから、p3(副目標という)が実行されると考えよう。p1,p2は成功裡に終了している。(ここでは副目標を抽象化して Pn の形式で表すこととする) このp3が成功(真となる)すると実行はp4が呼び出され、その定義の第一節に移る。 ところがp3が失敗(偽となる)すると、p2,p1の順に、まだ実行されていない、候補節が残っているものを探し、それがあれば、そこから実行される。 この後戻りして、実行する制御のことをバックトラックという。

p2に候補節がなく、p1にまだ候補節があってここから実行される時には、p3を含むp2以降に生じた変数の代入は完全に解消されている。 p1にももはや実行されていない候補節がない場合、最初の質問?- p1,p2,p3,p4,p5.が偽となる。

ここで候補節が残っている、または残っていないと書いたが、既に概要のところで述べられた非決定性の述語だけが、この候補節が残っている状態に成り得る。副目標の述語定義が決定性である場合は当然候補節は残っていない訳だから、?- p1,p2,p3, ... に於いて、p2が決定性の述語だったとすれば、p3がバックトラックすれば次はp2をスキップしてp1の残り候補節を探すことになる。

述語Q の定義が以下の場合に ?- q. が実行されて、上記のようにP3が失敗したとする。

q :- p1,p2,p3,p4,p5.
q :- p6,p7.

p3が失敗して、もはやp2,p1にまだ実行されていない候補節がない場合、次の実行は第二節のp6に移る。つまり、qの第一節は失敗して、第二節(まだ実行されていない)に移る。のように、Prologの実行制御を把握するためには、pnの真偽だけではなく、pn-1,pn-2,...や、そのpnを呼び出しているqの実行状況まで視野に入れる必要がある。

たとえば、以下の述語に対して、

member(X, [X|_]). % Xがリストの先頭要素と同じ場合
member(X, [_|Y]) :- member(X, Y). % それ以外の場合

以下の member(Z, [ワカメ,マスオ]) というゴールを指定すると結果は次のようになる (";"を1回入力しバックトラックを行わせた例) 。

?- member(Z, [ワカメ,マスオ]).
Z = ワカメ ;
Z = マスオ

複数の解がありうる述語member/2に於いて、処理系は質問者に最初の解候補 Z = ワカメ を示したが、

質問者は";"を入力することによってこれを否定した(非決定性)。

続いて処理系が Z = マスオ という解候補を示し、

質問者はそれを受け入れて、改行した。これがこの実行の解釈である。

具体的に、member/2で解候補が選択される過程を追ってみると、

まず最初の節の頭部

member(X, [X|_])

で単一化が成功し、 Z=ワカメ member/2 自体も成功する。

この状態でバックトラックを行わせると、次の節である2番目の節の頭部

member(X, [_|Y]) :- ...

で単一化が成功し、その本体部( ... の部分)を

:- member(Z, [マスオ]).

として実行することになる。

これは、最初の節の頭部

member(X, [X|_])

で単一化が成功し、 Z=マスオ member/2 は成功する。質問者は"."を入力することによって、これが解であることを受け入れた。

非決定性の述語の解の決定権をここでは質問者が持っている。しかし、このように質問者が介在することはPrologプログラミングの中では寧ろ特殊な場合であって、多くの場合、非決定性の述語の解を最終的に決定するのは後続する副目標である。

タラオの親は(L,A) :- member(A,L),親子(A,タラオ).

?- タラオの親は([ワカメ,マスオ],X).
X = マスオ.

これは、タラオの親はワカメかマスオかという質問になっている。解はもちろんマスオだが、これを決定したのは、質問者ではなく親子(A,タラオ)という副目標であり、親子(マスオ,タラオ). という定義から導かれる論理が member(A,[ワカメ,マスオ]) の解をマスオに導いた。このようにmember/2からの視点で述べると、解を決定したのは質問者であったり、後続の副目標であったりした。すなわちmember/2にとっての外部である。述語自体は解を決定できないから、外部の導きによって最終的な解を選択するのだと考えればよい。非決定性述語の非決定性とはそんな意味である。

バックトラックは通常のプログラム言語には存在しないProlog独特の機能だが、強いて他のプログラム言語の中から類似したプログラミング要素を探すと、

  • ループ(通常言語のfor,while等)
  • 探索機能

が挙げられる。

ループの簡単な例を以下に示す。この例ではリストの先頭から0以上100以下の数値が見つかるまで繰り返す。

?- member(X, [3000, 1254, -2, 3598, 88, 9618]), X>=0, X=<100.
X = 88

確かにこれはループではあるが、0以上100以下の数を取り出すというものだ。実際には3000,1254X=<100で、-2は、X>=0で偽となってバックトラックしているのだが、Prologプログラマはそのような細部を行ったり来たり目で追うことはしない。

手続き型言語では探索機能を実装することは大きなタスクとなるが、Prologは非決定性述語を中心にプログラムを書くものであり、すなわちプログラミングとはバックトラックしながら探索することである。

数式[編集]

X+Y*3 などの数式は単なる複合項にすぎない。数式を評価するには"is"などの述語を使う。以下にいくつかの述語の例を示す。

  • X is Y :評価と単一化をおこなう (評価は第二引数のみであり第一引数は評価せずに単一化を行う)
  • X=:=Y :評価と比較をおこなう (第一・第二引数ともに評価してから単一化を行う)
  • X = Y :単一化をおこなう (数式を評価しない)
  • X==Y :項の比較をおこなう (数式を評価しない)
?- 3+5.
false.

?- X is 3+5.
X = 8
true.

?- 8 is 3+5.
true.

?- 7 is 3+5.
false.

?- X is sin(pi)^2+cos(pi)^2.
X = 1.0.

?- X is 1.0.    % 数はそのまま評価される。
X = 1.0.

?- 2+6 is 3+5.   % is/2の第一引数は評価されず単一化されるため 項 6+2 と 8 の単一化となり、偽となる。
false.

?- 3+5 =:= 2+6.
true.

?- 2+6 =:= 3+5.
true.

?- X = 3+5.
X = 3+5
true.

?- 3+5==2+6.
false.

?- 3+5==3+5.
true.

引数の単一化は X = Y に相当し、数式として評価可能の項が渡されても、評価されず単一化される点に注意が必要である。

f1(0).
f1(M) :-
        M_2 is M - 1,
        f1(M_2).

f2(0).
f2(M) :-
        f2(M - 1).    % 仮に、M - 1 のMが5に具体化されたとしても、複合項 5-1 が引数として評価されることになる。


?- f1(5).
true.

?- f2(5).
ERROR: Out of global stack

f2はエラーになってしまう。再帰により与えられる引数は 5-1, 5-1-1, ..., 5-1-1-1-1-1, ... であり、 f2(0). に帰着することなく再帰が続くため。

X is Y の数式Yの中に解決されていない変数を含むことはできない。例えば、

add1(X,Y) :- Y is X + 1.

?- add1(X,3).
ERROR: is/2: Arguments are not sufficiently instantiated

のようなエラーとなる。すなわち、

?- 3 is X + 1.

のような実行はできない。X = 2 であっても良さそうに見えるが、isの第二引数の評価はそれを式として計算するのみである。 このことは、述語 is/2 には、双方向性がないことを意味する。Prologプログラマは可能であれば数式評価を避けようとする傾向があるが、それはこの評価がどこかに存在する述語定義は、多くの場合に双方向性を失うからである。

比較演算子の第一・第二引数のどちらにも数式を書くことができる。それらは評価された上で比較される。比較演算子としては、

>, <, >=, =<, @>, @<, @>=, @=< などがあり、

?- 3+5 > 2+1.
true.

?- sin(pi / 2) =< 2.0.
true.

?- 2+3 @>= 2.
true.

となる。

カットと否定[編集]

Prologは一階述語論理をベースにしているが、実用的なプログラミングのため、述語論理の範囲外の機能も用意されている。カットや否定の組み込みはその例である。

最初にカットと否定を含む典型的な定義例を掲げて置く。

% 閏年の定義
% 1) 西暦年が4で割り切れる年は閏年
% 2) ただし、西暦年が100で割り切れる年は平年
% 3) ただし、西暦年が400で割り切れる年は閏年

閏年(_西暦年) :-
    0 is _西暦年 mod 400,!.
閏年(_西暦年) :-
    0 is _西暦年 mod 4,
    \+(0 is _西暦年 mod 100).

1)-3)までの定義(仕様)は、判り易いとは言い難いが、Prologのコードは明解である。

400で割り切れるものは、100でも4でも割り切れるから、これを最初の節で定義する。!があるので「それで確定」である。!(カット)の効果で第二節の定義が採用される可能性はなくなる。

第二節で4で割り切れるものの中で、100で割り切れるものを「除外」している。\+( )は否定であるが、除外と読んだ方が判りやすい。この閏年の定義は典型的でかつ易しい例であるが、特に!の使われ方、役割、意味は遥かに多義的で複雑である。以下それを順に述べる。

Prologのバックトラックは強力な機能だが、実際のプログラムでは不要なバックトラックを制限したい場合もある。"!" (カット) はバックトラックを制限するための述語である。カットが最初に実行された時には無条件で成功するが、バックトラックでカットに制御が戻ってきたとき、カットを含む述語は無条件に失敗する。つまり、1つの述語内でカット以前に制御が戻ることはない。 たとえば、通常のプログラミング言語での if p then q else r の動きは、カットを使って以下のように書ける[注 1]

x :- p, !, q.
x :- r.

一度、pが成功して、qに進んだら、qの真偽に関わらず、後にpやrが実行される可能性はなくなる。

プログラマにとって、カットが重宝なのは、条件p の否定を省略できる点にもある。

x :- p,q.
x :- \+(p),r.

pに副作用がない場合、p,!,q とした場合と同じ意味になる。

最初に示した閏年の定義で見てみよう。

閏年(_西暦年) :-
    0 is _西暦年 mod 400,!.
閏年(_西暦年) :-
    0 is _西暦年 mod 4,
    \+(0 is _西暦年 mod 100).

x :- p,!.
x :- q,\+(r).

%%%%

閏年(_西暦年) :-
    0 is _西暦年 mod 400.
閏年(_西暦年) :-
    \+(0 is _西暦年 mod 400),
    0 is _西暦年 mod 4,
    \+(0 is _西暦年 mod 100).

x :- p.
x :- \+(p),q,\+(r).

%%%%を挟んで上がカットを使った記述。下は、カットの使用を避けた記述である。共にx,p,q,rで抽象したパターンを描いて添えてある。

カットを避けた表現は論理式として正統な記述で推奨されるものではあるが、以下のように、

x :- p1,p2,q1.
x :- \+((p1,p2)),p3,q2.
x :- \+((p1,p2)),\+(p3),q3.

次々と、条件を否定して行かなくてはならないのでは、プログラマにとって負担が大きくなる。解読も困難になって行く。

カットを使った場合と比較する。

x :- p1,p2,!,q1.
x :- p3,!,q2.
x :- q3.

このように正確な条件を記述することが大きな負担となる場合、その負担を解消するためにカットが使用されることが実は多い。

これも同様の例である。文字 a を繰り返し表示したい。

f(0).
f(N) :-
    write(a),
    N_1 is N - 1,
    f(N_1).

ここで、

?- f(30).
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa

となるが、

?- f(30),fail.
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa

のようにfにバックトラックして来ると、動作は怪しげなことになる。少なくとも多倍長整数をサポートする処理系では Nが -1,-2,-3・・・・・と無限に小さくなっていって反応しなくなる。 このような現象を避けるために、普通第一節に

f(0) :- !.
f(N) :-
    write(a),
    N_1 is N - 1,
    f(N_1).

上記のようにカットを入れる。これで、Nが正の整数から順次減少してきて、遂に0になり第一節が一度成功したことで、仮にバックトラックを強制されたとしても、第二節に制御が下りる可能性はなくなる。

ただし、この場合でも、カットなしで済ませる方法はある。

f(0).
f(N) :-
    N > 0,
    write(a),
    N_1 is N - 1,
    f(N_1).

でよい。問題は、正しい論理を付加することによって、ここでの例では N > 0 を記述することによって、実行の制御をすることが本当に安全かということである。!を挿入する方がずっと安全ということも考えられるのである。

通常のProlog処理系では、バックトラックで戻ってくる場合に備えて、それまでに実行した各ゴールの情報や値を設定した変数を、ほとんどの場合スタック上に、アトムテーブルや述語定義の情報はメモリー上のヒープ領域と呼ばれる必要になったデータ構造を切り取って使用するための管理領域に記憶している。カットを実行すると、それらスタックやヒープ領域に置かれた情報の中で、最早決して使用されることがない情報を選別して解放することが可能になることが多い。この解放可能の領域を再度利用可能とするためには、領域を整理して使用可能域を再生(ガベージコレクション)する。このような手順を経た上ではあるが、カットは一時的に使用しているメモリを削減する。プログラマが ! を挿入することで、陽にまたは暗に、処理系に対してこのメモリー解放の要求のサインを出していると考えられることもある。さらにインタプリタ/コンパイラなどに対して、処理系に備えがあればではあるが、最適化を施すことの要求となる場合もある。

カットは非決定性の述語と定義されたものを決定性に転じるためにも多用される。実例を見よう。

append([],L,L).
append([U|X],Y,[U|Z]) :- append(X,Y,Z).

appendの定義であるが、第一引数かつ第二引数に変数が来ると非決定性に働く。

?- append(X,Y,[1,2]).
X = [], Y = [1,2];
X = [1], Y = [2];
X = [1,2], Y = [];
false.

である。appendの第一節の本体にカットを加えると、非決定性の性質が事実上消える。

append([],L,L) :- !.
append([U|X],Y,[U|Z]) :- append(X,Y,Z).

?- append(X,Y,[1,2]).
X = [], Y = [1,2];
false.

元々のappendの定義を壊さず、

決定性append(X,Y,Z) :- append(X,Y,Z),!.

でもよい。appendを決定性に使用したい場合は、以後appendの代わりに専ら 決定性appned を使えばよい。

次に、appendの第二節の末尾にカットが来る場合を考える。

append([],L,L).
append([U|X],Y,[U|Z]) :- append(X,Y,Z),!.

このカットも非決定性を決定性に転じる場合に使われるがそう簡単な話ではない。最初にこれでは決定性述語とはならない。

?- append(X,Y,[1,2]).
X = [], Y = [1,2];
X = [1], Y = [2];
false.

最初の解 X = [], Y = [1,2]; は第一節でいきなり真になってしまう。したがって、これはまだカットとは関係がない。 第二解は、通常通り第三引数の先頭要素が第一引数に移動して、それで第一引数が[1|X],第二引数tがY,第三引数が[2]となって、移動した後のappendが実行され、

?- append(X,Y,[2]).
X = [], Y = [2]

先ほどの[1|X]のXの部分に[]が来るため、X = [1], Y = [2] が取得できる。

これで一旦成功することになる。成功すると、そのとたんにカットが働く。そのカットの働きで、もう第二節の本体の副目標から次の選択肢を得る指示は与えられない。?- append(X,Y,[2]). にはもう一解存在するのだが、

?- append(X,Y,[2]).
X = [], Y = [2]  % ここまでは使用された。
X = [2], Y = []  % この解を返す指示は来ない。

その解はカットの働きで、この append(X,Y,[2]) で呼び出している副目標が偽となるため、返される機会は来ない。

末尾にカットが在る場合をまとめると、

このカットに到達するのは、ひとつでも解が得られたときであるが、解が得られこのカットに至った場合、カット以前にある副目標によって、次の選択肢として予定されている節選択の可能性は一切なくなる。上記の表現で言い換えれば、次の解を返す指示を出せなくなる。

そして、末尾にカットのある節の後にこの述語の選択節がある場合ももちろんその節が選択されることはない。

説明の順序が前後したが、実行結果の否定のためには述語"\+"が用意されている。 \+(P) はゴールPが成功したときに失敗し、失敗したとき成功する。この述語は本当の否定 "Pは偽である" ではなく "Pは証明できない" という失敗による否定で、ある種の非単調論理による推論を行う。これは以下のように定義した述語と同じ動きをする。ここで fail は必ず失敗する組込述語である。

\+(P) :- P, !, fail.
\+(_).

この否定は、カットなしには定義する方法がない。

論理プログラミングにおいては、「計算は、書き換えの系列として記述される」。ところがPrologにあっては、この 書き換え(導出)という表現が好ましくなく場面が現出する。それはカットが導出されるような場面だ。

p :- q1,q2,q3,q4.

q2 :- q5,!.
q2.

のような副目標 p を

?- p.

を q2 の第一節を導出して、

?- q1,q5,!,q3,q4.   % 誤り

と展開して良いであろうか。これは誤りである。実際にはこのカットは働かない。カットはそれが記述された節の本体の連接の範囲の中のみで有効である。

この問題を別の観点から述べると、カットの重要な性質としてそのカットを別の副目標として置換(述語の再定義)することはできないということになる。さらに実例を示そう。

p(X) :- true,!,X = 1.
p(X) :- X = 2.

の第一節に現れるカットをcutに置き換えたとしたら、カットの働きを失う。

p(X) :- true,cut,X = 1.
p(X) :- X = 2.

cut :- !.

最も単純な置換例が上記であるが、これでは、バックトラック後に第二節の実行を妨げられない。

?- p(X).
X = 1;
X = 2.

ここで分ることは、カットは ! が書かれた「節の実行制御」としてのみ有効ということである。

カットを検証する時、取るべきプログラマの視点について最後に記す。

プログラマは定義された述語の各節の本体にのみ焦点を合わせる。そして、その部分に現れるカットによって バックトラックしなくなる本体のカットより前の部分と利用されることがなくなる後続する定義節の存在は 視野に入れる必要があるが、 導出される謂わば子タスクとしての副目標内に現れるカットは考慮の対象から完全に外す必要がある。

カットが論理プログラミングをどんなに逸脱していても、その利用が不可避である以上、このカットの有効範囲の認識はPrologの基本中の基本である。

高階述語とメタインタプリタ[編集]

Prologの述語はPrologの基本データタイプである項で表現でき、述語自身の引数として別の述語を与える高階述語を作成できる。

たとえば、引数で述語を与えそれを単純に実行させたい場合、ゴールとして変数をそのまま書けばいい。

eval(P) :- P.

または

eval(P) :- call(P).

本来はcall/2が使われたが、その後、目標Pとだけ書くことでcall(P)と解釈されるようになった。述語名evalはLISPで同様の機能の関数の関数名としてこれが使われた伝統を引いてこの述語名が使われることがある。このように、

任意の述語を実行時に作成して実行することができるため、リストのすべての要素に特定の述語を適用し結果のリストを返す maplist/2 や、リストの要素を与えられた述語の結果で選択する sublist/3 などの高階述語を容易に作成できる。同様の高階述語には findall/3 setof/3 bagof/3 などがある。

また、純粋なPrologのメタインタプリタは以下のように書ける。 clause(P, Q) は頭部が P にユニフィケーション可能な節の本体部 Q を取得する述語である。

execute(true) :- !. % trueならば成功
execute((P,Q)) :- !, execute(P), execute(Q). % P1,... ,Pnの各要素を左から順に試みる
execute(P) :- clause(P, Q), execute(Q). % ゴールPの定義を取得し、本体Qを試みる

純粋なPrologのメタインタプリタには組込述語がないとされるため、上記の通りであるが、実際のProlog処理系には組込述語が存在するため、上記定義では、第三節のclause(P, Q),の部分でPが組込述語の頭部になった時、この副目標が偽となっとしまうことがある。

このclause(P, Q),を実行する前に、ユーザ定義述語か、組込述語かを検査し、別の節に分離する必要がある。組込述語についてはclause(P, Q),することなしに、単にP,すればよい。

データとプログラムの形式が同じであることや、任意の演算子がユーザ定義可能なこと、Prolog自身が強力な構文解析機能を持つことなどもあり、このようなメタインタプリタをもとにPrologの一部機能を拡張した別言語のインタプリタを作成することは、比較的容易である。

関数型言語で高階関数を代表するmap()はPrologでも高階述語を使って定義可能である。しかし、関数型では出力は返り値だけであったが、Prologでは引数のどれかである。入力も複数あり得る。

しかもどの引数が入力であるか、あるいは出力であるかを示すモード宣言は、ほとんどの処理系で採用されていない[注 2]。したがって、Prologでmap述語を構成するためには、対象となるリストの項はどの引数に当たるのかを陽に示さなくてはならない。

以下に、map述語を二つ示す。map/4とmap/5である。

map(_副目標,_要素,_対象リスト,_収集された副目標リスト) :-
        findall(_収集解,(
                    member(_要素,_対象リスト),
                    _副目標),_収集された副目標リスト).


map(_副目標,_要素,_対象リスト,_収集項,_収集項のリスト) :-
        findall(_収集項,(
                    member(_要素,_対象リスト),
                    _副目標),_収集項のリスト).

どちらも、対象リストの要素が反映して副目標の実行が変化して、それをリストに収集している。map/4は収集されるのが実行された_副目標 自体であるのに対して、map/5では実行された _副目標 自体ではなく、実行した時々に構成された _収集項 がリストに積み上がる。

以下にこのmap述語使用例を示す。

?- map(sub_atom(_文字列,S,Len,_,S),
       [_文字列,S,Len], [[abcde,0,2],[efgh,2,1],[qazxyz,1,2]], L).

L = [sub_atom(abcde,0,2,3,ab),sub_atom(efgh,2,1,1,g),sub_atom(qazxyz,1,2,3,az)]


?- map(sub_atom(_文字列,S,Len,_,S),
       [_文字列,S,Len], [[abcde,0,2],[efgh,2,1],[qazxyz,1,2]],S, L).

L = [ab,g,az]

となる。

上記事例で map は、_副目標の引数 _文字列,S,Len,Y が map述語の中で巧みに結びつけられているが、やはり難解である。これではfindall/3を直接使って、

?- findall(Y,(
         member([_文字列,S,Len],[[abcde,0,2],[efgh,2,1],[qazxyz,1,2]]),
         sub_atom(_文字列,S,Len,_,Y)),L).

L = [ab,g,az]

と記述してしまっても差がない。member/2が副目標として追加されただけの差である。一般に Prolog に於いて高階述語を使ったmap述語はあまり使用されないが、Prologにはこのように強力なメタ述語 findallsetof が既に存在している。しかも、関数型言語のように引数が事前評価されることはなく、引数に関数を置いて渡すこともできないため、map述語の効用は関数型言語のようには大きくない。

関係データベース[編集]

Prologはルールを持つデータベースであり、演繹データベースであるといえる。このルールの部分を全てtrueのみに限定した単位節のみからなる述語をデータベースと呼び、関係データベースに模して解釈されることが多い。このPrologのデータベースとリレーションナルデータベースは集合論的に類似しているが、異なる部分もあり、この部分がSQLなどデータベース照会言語との変換などで問題となる。

ここでは主としてふたつのデータベースの相違点に焦点を当てて、プログラミング手法を考えてみる。

関係データベースはテーブルの集まりであり、

テーブルとは属性(最終的に列となる)の定義域集合の全ての可能な値の組み合わせ(直積)の部分集合である。

属性が、四季と果物の二つ集合 {春,夏,秋,冬} {みかん,りんご,もも,いちご} の直積は

{(春,みかん),(春,りんご),(春,もも),(春,いちご),(夏,みかん),(夏,りんご),(夏,もも),(夏,いちご),(秋,みかん),(秋,りんご),(秋,もも),(秋,いちご),(冬,みかん),(冬,りんご),(冬,もも),(冬,いちご)} であるが、

この部分集合であるテーブル「季節の果物」は季節の果物 :: {(春,いちご),(夏,もも),(秋,りんご),(冬,みかん)} であるとする。

この直積の組み合わせの中で、真となる関係、あるいはその更に一部がテーブルだと考えればよいだろう。

これが関係データベースのテーブルの実体である。一方このテーブルをProlog単位節で表すと

季節の果物(,いちご).
季節の果物(,もも).
季節の果物(,りんご).
季節の果物(,みかん).

となる。

Prologデータベースの第一節は「春といちごは季節の果物関係にある」というものであり、述語名として季節、果物が暗示されてはいるものの、実は第一引数が季節であり、第二引数が果物であるという情報はどこにもない。「季節」や「果物」といった属性(列)から出発した関係データベースとは明らかに異なる。

この相違に起因する問題がSQL問い合わせをProlog述語に変換する際に生じる。

以下のような、SQLに問い合わせを考える。

select 季節 from 季節の果物 where 果物 = 'もも'

これに相当するPrologの質問は

?- 季節の果物(X,もも).

X = 

であるが、問題点がふたつある。

  1. 第一引数が果物なのか、第二引数が果物なのか定かでない。季節についても同様である。
  2. 実はSQLの質問からだけでは季節の果物テーブルの属性がここに現れた「季節」と「果物」だけであるかどうか決められない。

例えば、「産地」などの属性も実はあるのかも知れない。つまり、何引数の述語を用意すれば良いのかさえ、わからないのである。

関係データベースに対するSQLのQueryとPrologの述語に対する質問を比較してみると、Prologの質問側には属性の情報が欠落しているということが分る。 一方、関係データベースのテーブルは属性(の集合)が出発点になっているのだから、この属性情報は既に根幹に定義されていて、SQLがこれを利用することは容易であるし、自然なことである。

したがって、Prolog述語がSQLと対等の関係でデータベースに質問し、相互に変換するためには、Prolog側に、

テーブル定義(季節の果物,1,季節).
テーブル定義(季節の果物,2,果物).

のような、補助情報を定義して置く必要がある。

ここでは、テーブル定義/3を管理情報の述語名として用いたが、Prologの規格によってこの役割を果たす述語名/アリティが規定されている訳ではないから、テーブル定義/3でなくてはならない、ということではない。

このような定義を前提にすれば、

属性名での照会(_テーブル名,_選択する属性名,_) :-
        テーブルの引数をリストとして得る(_テーブル名,_引数のリスト),
        属性名と値を結びつける(_テーブル名,_選択する属性名,_,_引数のリスト),
        テーブルを照会する(_テーブル名,_引数のリスト).

テーブルの引数をリストとして得る(_テーブル名,_引数のリスト) :-
        count(テーブル定義(_テーブル名,_,_),_アリティ),
        length(_引数のリスト,_アリティ).

属性名と値を結びつける(_テーブル名,_選択する属性名,_,_引数のリスト) :-
        テーブル定義(_テーブル名,_何番目の引数,_選択する属性名),
        nth1(_何番目の引数,_引数のリスト,_).

テーブルを照会する(_テーブル名,_引数のリスト) :-
        _テーブル =.. [_テーブル名|_引数のリスト],
        call(_テーブル).

count(P,Count) :-
        findall(1,P,L),
        length(L,Count).

length/2を使って変数だけからなる _引数のリスト を生成して、それと質問の引数である _値 をnth1/3を使って単一化している。変数と変数の間に = の制約を築いておく。 属性名と値を結びつける/4 がそれだ。

=.. は二引数の組込述語であるが、この述語は関数名を第一項に第二項以後を引数を順序に持つリストを複合項に変換するメタ述語と呼ばれる範疇の述語である。

?- P =.. [季節の果物,,みかん].

P = 季節の果物(,みかん).

となる。

これで属性名(列名)を与えての照会が、

?- 属性名での照会(四季の果物,果物,X).

X = いちご;
X = もも;
X = りんご;
X = みかん

可能となった。

次に、鍵名とその値を与えての参照は、

鍵による照会(_テーブル名,_鍵名,_鍵の値,_選択する属性名,_) :-
        テーブルの引数をリストとして得る(_テーブル名,_引数のリスト),
        '鍵名と鍵値、選択する属性名と値を結びつける'(_テーブル名,_鍵名,_鍵の値,_選択する属性名,_,_引数のリスト),
         テーブルを照会する(_テーブル名,_引数のリスト).

テーブルの引数をリストとして得る(_テーブル名,_引数のリスト) :-
        count(テーブル定義(_テーブル名,_,_),_アリティ),
        length(_引数のリスト,_アリティ).

'鍵名と鍵値、選択する属性名と値を結びつける'(_テーブル名,_鍵名,_鍵の値,_選択する属性名,_,_引数のリスト) :-
        属性名と値を結びつける(_テーブル名,_鍵名,_鍵の値,_引数のリスト),
        属性名と値を結びつける(_テーブル名,_選択する属性名,_,_引数のリスト).

属性名と値を結びつける(_テーブル名,_選択する属性名,_,_引数のリスト) :-
        テーブル定義(_テーブル名,_何番目の引数,_選択する属性名),
        nth1(_何番目の引数,_引数のリスト,_).

テーブルを照会する(_テーブル名,_引数のリスト) :-
        _テーブル =.. [_テーブル名|_引数のリスト],
        call(_テーブル).

count(P,Count) :-
        findall(1,P,L),
        length(L,Count).

このようにテーブル情報/3のような補助的情報を与えることを前提に、SQLに対応する述語を定義していくことによって、Prolog述語はオンメモリデータベースシステムとしての機能性を得ていくことになる。

実行例

?- 鍵による照会(季節の果物,果物,もも,季節,_).

_ = 

ここでは説明を簡素化するために、選択する属性値を一つに限定したが、一般には鍵、選択項それぞれをリストとして、複数の鍵の指定と、複数の選択項の値が得られるように設計されるべきであろう。

関係データベースとProlog述語の関係をProlog述語を関係データベースと見なすことでProlog処理系内にこれを築くことについて述べた。関係データベースの環境がPrologで記述され、かつSQLはPrologの述語とその呼び出しに変換される。

これとは別に、 Prologの節の中で文字列としてのSQLを生成し、これを外部インターフェイスを経由して、関係データベース管理システムに送り解集合をワークエリアに用意させて、これを順にフェッチしていくということは、多くのProlog処理系でライブラリを用意して実現している。

この場合は必ずしもPrologによって完全なデータベース環境を築く必要はなく、データベース的なデータ管理は外部の関係データベース管理システムに頼ることになる。Prolog側ではアプリケーションの要求に応じて、SQLのパターンに対応する述語を用意する。この述語は、テーブル名、属性名、とそれぞれの値といった情報を引数に持ち、その情報から、 select, from, where, and, join, group by, といったSQLのキーワードとその情報を組み合わせるロジックを担う。そして一旦、SQLの関数を組み合わせて並べたリストを生成する。さらに、それを組込述語 atomic_list_concat/3 などで、結合して、SQL文字列が生成される。

生成されたSQL文字列を処理系のライブラリで用意されたインターフェイス述語を呼び出して、その引数として渡す。求めるデータを関係データベース管理システムが選択して返してくるまでこの呼び出しで待つことになる。

それでは、Prologの中で、SQLの表現を展開することはできるであろうか。オペレータ定義を駆使して、

select * into _ from _関係表名 where _属性名 = _ :- ・・・

のような定義をして、

?- select * into X from 季節の果物 where 果物 = もも.
X = [[,もも]]

のように、SQLに模した表現でPrologにデータを取得することは部分的には実現できる。これができれば、このSQLに見立てられる関数構造をSQL文字列に変換して、それを関係データベースのインターフェイスに与えればよい。

しかし以下のような表現はどのようにオペレータ定義を工夫してもできない。

select 季節,果物 into X from 季節の果物 where 果物 = もも.

ここでは詳細には述べないが 季節,果物 の表現をPrologでは取れない。季節と果物の間のカンマを境に、それ以前と以後が副目標として分離されてしまう。

select (季節,果物) into X from 季節の果物 where 果物 = もも.

このように括弧で括れば、Prolog述語として定義可能になるが、今度はこの括弧が SQL の構文違反になる。このように双方の構文規則に整合しない癖があり、SQLとPrologとの間に完全に互換性のある構文を得ることは難しい。

集合[編集]

Prologでは特別な集合表現は用意されていない

例えば、{_,_, ... ,_} が集合を表すというような規則はなく、リストが代用されることが普通である。

リストが集合に利用されると、不都合な点が二つ存在する。

  1. リストは要素の重複が許されるが、集合は重複が存在しない。
  2. リストは要素の順序に意味があり、それを前提にして使用されている。一方、集合の要素には出現順位のような概念はない。

リストでは当たり前に存在する [1,1,4] は集合では [1,4] であり、しかも [4,1] でも集合として等しい。 集合演算の引数として、[1,1,4]が与えられた時に、これを、[1,4]または[4,1]と理解するかエラーと考えるかの選択がまず存在する。

もしもPrologに集合型が存在したならば、集合::[1,4] = U1 であり、同じく 集合::[4,1] = U2 であったとすれば、 U1 = U2 、というような単一化の拡張があり得たかも知れない。しかしながら、Prologはこのような道を歩まず、アトムと数だけを例外として、型を考慮しない単一化の道を進んだ。そういうことで、

型付けのないPrologではこのように利用者が集合としてリストを見なすことが集合プログラミングの前提になる。さらに、四季を表す集合を例に取ると、集合が[春,夏,秋,冬]の順序で渡されるとは限らないことを常に意識している必要がある。集合を表すリスト [春,夏,秋,冬] と [秋,春,冬,夏] は集合としては等しいと考えられるが

?- [,,,] = [,,,].
false.

リストとしては集合として等しいからといって単一化できるとは限らない。

Prologの組込述語として is_set/1, subset/2, subtract/3, intersection/3, union/3, さらにメタ述語として setof/3 などが集合演算のために用意されている。プログラマはできる限り、この組込述語のみで集合演算を行うように心がけることによって、リストと集合の意味の齟齬に起因する誤謬を、回避することができる。

Prologには同一の集合を定義する述語が用意されていないため、組込述語subset/3を使って 集合として等しい/2 を定義してみよう。

集合として等しい(_集合_1,_集合_2) :-
        subset(_集合_1,_集合_2),
        subset(_集合_2,_集合_1).

これで、

?- 集合として等しい([,,,],[,,,]).
true.

?- 集合として等しい([,,,],[,,]).
false.

となる。ただし、論理変数を複数導入した例では、解が

?- 集合として等しい([1,2,3],[X,3,Y]).
X = 1,
Y = 2.

?-

のみで、順序に関わりなく充足しているというべきで、X = 2,Y = 1 という解は得られない。この点は特に注意を要する。

この集合として同一を中置演算子として定義してみる。

:- op(700,xfx,===).

(L1 === L2) :- 集合として等しい(L1,L2).

これで

?- [2,1,3] === [1,2,3].
true.

となる。演算子の導入は後々までプログラミングに影響を与えるものだから、極めて慎重に行う必要はあるが。


既に、言語の基本仕様の中でリストの内包表記はできないことを書いた。それでは、これがリストではなく集合であるとどうであろうか。整数 5,7,9 を共通の性質で括ったとする。その一つの括り方が 5以上10以下の奇数 であるが、これをPrologでは以下のように表現する。

'5以上10以下の奇数'(5).
'5以上10以下の奇数'(7).
'5以上10以下の奇数'(9).

これを 5以上10以下の奇数外延的な表記と見做すことは自然である。則ち、述語とは集合であるという視点である。

さらに、以下のようなPrologの非決定性のルール節定義

'5以上10以下の奇数'(N) :-
        between(5,10,N),
        1 is N mod 2.

は、集合 5以上10以下の奇数内包的な表記と見做すことができる。ただしどちらの例も、リストの内包表記ができないことを述べた場合と同様、この表現を集合型として引数に持ち回って利用するというようなことはできない。

このように述語を集合と見做すという視点は、Prologは述語論理に基礎を持つ言語であり、それ故に述語と集合の極めて親近した関係から、根拠を持つと考えられる。

副作用について[編集]

Prologプログラミングの中で常に留意するべきものとして副作用がある。

副作用を考える場合、それではPrologに於いて作用とは何かを示す必要があるだろう。これは、目標(副目標)の実行に伴う真偽値のことである。Prologが質問に対して返すものは真か偽のみである。これ以外に処理系の動作に影響のある変化が起こった時、それを副作用という。ただし真か偽に決まるための論理変数の単一化による代入は副作用ではないとする。

大域変数など、破壊代入を伴う機能は提供されないというのがPrologの原則であるが、大域変数を用意してプログラマに手続き言語的な便宜を供している処理系もある。また、次期ISO標準規格の議論の中でも大域変数の使用が提案されている。

しかし、以下の副作用についての解説では、大域変数は利用できないこととして話を進める。


組込述語もなく、もちろんカットもなく、ユーザが定義した述語だけで実行される純Prologに於いては、副作用は生じない。述語論理のイメージに近い純Prologはこの系の規範となる。したがってPrologプログラマにとって、この純Prologからの逸脱を象徴する副作用は厄介な存在である。

副作用を大別すると、

・ 述語定義に変更を与えるもの。

・ 入出力に伴うもの。

・ 処理系が管理するプロパティ情報の参照や変更。

がある。

最初に述語定義に変更を与えたため起こる副作用の例を示そう。年齢合計/1は年齢/2を関係データベースと見做し、この第二引数を全て合計したいという述語である。

年齢(尾崎,65).
年齢(山下,37).

:- dynamic(一時年齢合計/1).

年齢合計(_年齢合計) :-
    assertz(一時年齢合計(0)),
    年齢(_,_年齢),
    retract(一時年齢合計(_年齢合計_1)),
    _年齢合計_2 is _年齢合計_1 + _年齢,
    assertz(一時年齢合計(_年齢合計_2)),
    fail.
年齢合計(_年齢合計) :-
    retract(一時年齢合計(_年齢合計)).

これは強制的な失敗とバックトラックを使って述語定義とその解消を繰り返して、年齢を合計(集約)するものだ。見れば分るとおりどの言語のそれにも増しても冗長なコードである。このようなコードだけは決して書きたくないとほとんどのPrologプログラマは思っていて、実際にこのタイプの述語定義が書かれることはない。それでは、どのように集約プログラムを書くのだろうか。

この年齢合計は、以下のように定義するのが普通である。

年齢合計(_年齢合計) :-
    findall(_年齢,年齢(_,_年齢),_年齢のリスト),
    加算(_年齢のリスト,_年齢合計).

加算([],0).
加算([_年齢|R],_年齢合計) :-
    加算(R,_年齢合計_2),
    _年齢合計 is _年齢 + _年齢合計_2.

findall/3で一旦リストに年齢を取り出した上で、これを再帰的に加算する。洗練された表現であるし、一般にはこれで良しとする。しかし、実はfindall/3自体に上記のようなassert/retractのからくりが含まれている。findallは第二引数が真になった場合、第一引数によって指定された項を収集するものだが、その収集する場が乃ち副作用であるという関係になる。findallが組込述語になっていて、C言語などでその記述がされている場合は、普通に破壊代入を使ってこれを実現していると見て間違いない。findall/3を利用しているプログラマは意識していないかもしれないが、findall/3にはこのような副作用が含まれ、しかし、それが利用者には隠蔽されているのである。

副作用という観点から少し外れるが、Prologと関係データベースの関係にもう一度触れる。

Prologの述語の定義節はそれぞれが論理的に全く独立で何の連関もない。連関がないものを集約できるわけもない。述語の節定義を関係データベースと見做した年齢/2であるが、そのことの本質的な無理が露呈していると考えることもできる。findall/3は連関がないものを、順序性を持つリストに組み立てることによって連関を付けたのである。

述語を関係データベースと見做した場合、更新や削除は当然副作用である。

氏名をキーとした年齢の更新(_氏名,_更新する年齢) :-
    retract(年齢(_氏名,_)),
    assertz(年齢(_氏名,_更新する年齢)).

これは、先ほどの一時年齢合計/2の場合とは異なり、確信犯的に副作用を使用していると云って良い。

述語定義に変更を与える副作用としては、組込述語のasserta/1,assertz/1,retract/1などがあり、これが実行された前と後では、同じ目標を与えたとしても真偽値に変化があったり、引数の単一化の決まり方に変化が起こり、プログラマの予期に反する結果が起こる可能性がある。また上記の例のように冗長な表現になる。それらがこのタイプの副作用が嫌われる理由である。

入出力に伴う副作用は、組込述語の read,get,get_char,write,put,put_charなどの実行でおこり、オペレーションシステムに管理されるファイル指示子が変化してしまったり、画面に表示、用紙に印字されるなど、元に戻すことが極めて難しい変化が起こる。キーボードからの入力も副作用である。この中でもファイルの指示子などは一度進んでしまうと、簡単には元に戻することができない場合もあり、再実行を指向するバックトラックによる制御と整合しなくなることも多い。

入出力に伴う副作用の例を示す。

奇数が入力されるまで整数をリストに得る([]) :-
    read(_奇数),
    1 is _奇数 mod 2.
奇数が入力されるまで整数をリストに得る([_整数|R]) :-
    read(_整数),
    奇数が入力されるまで整数をリストに得る(R).

read/1で整数を得る。奇数なら終了するのだが、偶数だと第一節は失敗する。ここでは、_奇数に偶数が入力されて偽となったのである。だからといってファイルの指示子が元に戻ることはない。第二節に移行して、 read(_整数) が実行されると、既に読み込んだ情報の次の指示子に基づいて入力が得られる。この結果、第一節で読み込んた偶数はリストに取得されることなく飛ばされてしまう。

ここでは最も単純な例を挙げたが、ほとんどの入出力部分には多かれ少なかれ、このような危険が潜んでいる。

上記副作用プログラムの適切な述語定義を示す。これでread/1が一箇所に絞られたから読み飛ばしの危険がなくなる。

奇数が入力されるまで整数をリストに得る(_偶数リスト) :-
    read(_整数),
    奇数が入力されるまで整数をリストに得る(_整数,_偶数リスト).

奇数が入力されるまで整数をリストに得る(_奇数,[]) :- 奇数(_奇数),!.
奇数が入力されるまで整数をリストに得る(_偶数,[_偶数|R]) :-
    奇数が入力されるまで整数をリストに得る(R).

奇数(_奇数) :- \+(0 is _奇数 mod 2).

処理系が管理するプロパティ等の情報もほとんどの場合副作用である。処理系の挙動を制御するために使うものが多いが、事実上の大域変数の破壊代入である。目標(質問)の実行から停止までの間に、度々変更するような使い方をするならば、プログラムの分かりやすさを損なう。一般にこのタイプの副作用があまり問題にならないのは、設定の変更が滅多に起こるものではないからである。使い方が難しいこともあり、あまり頻繁に使用されるというものではない。しかし、prolog_propertyといった述語で管理される情報は増える傾向にある。

述語定義に変更を加えるもの、入出力に伴うもの、処理系の管理するプロパティの書き換え。どれを取っても、副作用が生じると論理的な必然だけでは理解することが済まなくなり、コードの見通しが悪くなる。

現在のPrologの規格では、手続き型のほとんどの言語とは異なり、大域変数などの破壊代入(既に保持されている値を上書きする形で更新される代入)は基本的にできないことになっている。もちろん破壊代入が許される場合はここを舞台に起こる変化は全て副作用である。いつ記述されたか必ずしも明らかにできない変数に代入された値が、後に利用されることはプログラムの理解を著しく損ねる。Prologでは原則、目標の引数に現れた値は全ての解を得て完了した時点で、二度とこれを利用出来なくなる。多くの場合情報を積んであったスタックがPOPされてしまう。

実務的なプログラムでは、Prologの単一化と導出、バックトラックを使って記述されるロジックを基礎に、その間に、表示を代表とする副作用述語を挿入記述することによって、実用的な機能を実現している。 定理証明やデータベースの参照に於いては、このような副作用の挿入記述なしに、インタプリタ上で解を確認したり、真偽値を得ることだけで、目的を達成できる。しかし、他のほとんどのプログラムでは、必要な箇所で、適切な時期に、整理したデータの開示を要求される。 このような表示はPrologに於いても、ほとんど全てが副作用であって、「Prologプログラムとはロジックの上に副作用をちりばめることだ」と言っても過言ではない。現実に、データベースの更新の例を挙げて述べた表現のように、「確信犯的」に副作用述語が利用されている。

そのこともまた事実であるが、Prologコミュニティではプログラムコードの副作用を極力少なく書くことが強く奨励されている。多くのプログラマが副作用に注意し、これを減らす努力をするし、大域変数が許された処理系の利用者も最小限にしかこれを使わない。ほとんどのPrologプログラムには、破壊代入に見られるような一命令で与えられる変化で全体の制御が変わってしまうという部分はない。これは、副作用として現れた変化を利用することはしないという姿勢、意識がPrologプログラマの間で貫かれ、共有されているからである。

Prologの制御の焦点は、単に述語の引数の単一化にある。副作用の存在が、実際のPrologプログラムの中で、単一化を注視することだけでプログラムを理解することの妨げになっている例を見ることは、ほとんどない。

構文解析[編集]

Prolog構文解析を行うのに向いたプログラミング言語である。元々、Prologは論理を利用した自然言語処理のために開発された[18]。実際、文脈自由文法トップダウン構文解析の動きはProlog自身の動きと同じである。

限定節文法[編集]

Prologには限定節文法: definite clause grammar)と呼ばれる特別な表記法が用意されている。文脈自由文法を拡張したもので、文法を記述する場合は :-/2 ではなく -->/2 を用いる。

 head --> body.

文法での非終端記号Prologの項で、終端記号は非終端記号と区別するためリスト内の項で表現する。付加的な条件や動作を指定したい場合、文法の最後に任意のProlog述語を { } で囲んで記述する。限定節文法の例を以下に示す。この例では数式を解析し計算を行う。

expression(E) --> term(X), [+], expression(Y), {E is X + Y}.
expression(E) --> term(X), [-], expression(Y), {E is X - Y}.
expression(E) --> term(E).

term(T) --> num(X), [*], term(Y), {T is X * Y}.
term(T) --> num(X), [/], term(Y), {T is X / Y}.
term(T) --> num(T).

num(N) --> [+], num(N).
num(N) --> [-], num(X), {N is -X}.
num(N) --> [N], {number(N), between(0, 9, N)}.

これはバッカス・ナウア記法で書かれた以下の文法規則に計算の動作を付加したものと同じ意味を持つ。

<expression> ::= <term> "+" <expression> | <term> "-" <expression> | <term>
<term> ::= <num> "*" <term> | <num> "/" <term> | <num>
<num> ::= "+" <num> | "-" <num> | 0..9

実行結果は以下のようになる。

?- expression(Z,[-, 2, +, 9, *, 2, +, 3, *, 5],[]).
Z = 31

このように直接計算を行うのではなく抽象構文木を作成するような文法規則を作成することもできる。構文木はPrologの項として素直に表現できるため、その後の機械語へのコンパイルや最適化などを行うことも可能である。

次の、極めて簡単な日本語の解析例を見てみよう。先程の計算例では頭部の引数は変数であったが、文法的な解析結果を項として積み上げるために、ここでは変数でなく、直接ここに項の構造を記述してしまうことにする。

((_主部,_述部)) --> 主部(_主部), 述部(_述部).

主部(主部(_名詞句)) --> 名詞句(_名詞句).

名詞句(名詞句(_名詞,_後置詞)) --> 名詞(_名詞),後置詞(_後置詞).

名詞(名詞(サザエ)) --> [サザエ].
名詞(名詞(マスオ)) --> [マスオ].

後置詞(後置詞()) --> [].
後置詞(後置詞()) --> [].

述部(述部(_動詞)) --> 動詞(_動詞).
述部(述部(_形容詞)) --> 形容詞(_形容詞).

動詞(動詞(泳ぐ)) --> [泳ぐ].

形容詞(形容詞(美しい)) --> [美しい].
形容詞(形容詞(速い)) --> [速い].

注目するべきことは、本体が極めて簡素で読み易いことだ。

ここでの例は厳密な文法であるとは言えないが、以下のような解析や文の生成が可能になる。

?- (A,[サザエ,,速い],B).
A = (主部(名詞句(名詞(サザエ), 後置詞())), 述部(形容詞(速い))),
B = [] ;
false.

?- (A,[サザエ,,速い,マスオ,,泳ぐ],B).
A = (主部(名詞句(名詞(サザエ), 後置詞())), 述部(形容詞(速い))),
B = [マスオ, , 泳ぐ] ;
false.

?- (A,B,C).
A = (主部(名詞句(名詞(サザエ), 後置詞())), 述部(動詞(泳ぐ))),
B = [サザエ, , 泳ぐ|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(サザエ), 後置詞())), 述部(形容詞(美しい))),
B = [サザエ, , 美しい|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(サザエ), 後置詞())), 述部(形容詞(速い))),
B = [サザエ, , 速い|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(サザエ), 後置詞())), 述部(動詞(泳ぐ))),
B = [サザエ, , 泳ぐ|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(サザエ), 後置詞())), 述部(形容詞(美しい))),
B = [サザエ, , 美しい|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(サザエ), 後置詞())), 述部(形容詞(速い))),
B = [サザエ, , 速い|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(マスオ), 後置詞())), 述部(動詞(泳ぐ))),
B = [マスオ, , 泳ぐ|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(マスオ), 後置詞())), 述部(形容詞(美しい))),
B = [マスオ, , 美しい|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(マスオ), 後置詞())), 述部(形容詞(速い))),
B = [マスオ, , 速い|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(マスオ), 後置詞())), 述部(動詞(泳ぐ))),
B = [マスオ, , 泳ぐ|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(マスオ), 後置詞())), 述部(形容詞(美しい))),
B = [マスオ, , 美しい|C] ;
A = (主部(名詞句(名詞(マスオ), 後置詞())), 述部(形容詞(速い))),
B = [マスオ, , 速い|C].

二番目の例は与えられた語リストの途中で文の解析が完了した場合は、質問の第三引数Cには残りの未解析部分のリストが返されることを示している。

最後の例はBに変数を置き、可能な全ての文を生成させている。第一引数に積み上がった項が第二引数の語リストの「意味」であると考えられる。


限定節文法の文法規則は、Prologの構文とは全く独立したもののように見えるが、実際にはProlog節を見やすくするための糖衣構文である。他のプログラミング言語でのマクロ展開のように、文法規則読み込み時にPrologの述語に変換される。

変換規則は expand_term/2 で定義されている。たとえば、

p(X,Y) --> q(X), r(X,Y), s(Y).

の文法規則は

p(X,Y,S0,S) :- q(X,S0,S1), r(X,Y,S1,S2), r(Y,S2,S).

の節に変換され、付加された変数間で解析の情報が受け渡される。

処理系[編集]

多くの処理系は Prolog の基本機能以外に、制約プログラミング並行プログラミングのための拡張機能や Constraint Handling Rules などの各種言語をライブラリとして含んでいる。

処理系 オープンソース 有償・無償の別 準拠規格 備考
Amzi!Prolog N/A 有償 ISO規格
AZ-Prolog N/A 個人/学術は無償 ISO/DEC-10 Prolog 日本語対応 Prolog-KABA互換(グラフィックスを除く)
B-Prolog N/A 学術は無償 N/A
Ciao Prolog N/A ISO規格
GNU Prolog N/A ISO規格
Jekejeke Prolog 無償 ISO規格
K-Prolog N/A 有償 ISO規格 日本語対応
micro-Prolog N/A N/A N/A 学術研究用 [19] CP/M80 上で動作
MINERVA N/A 有償 ISO規格 業務用、Java ベース
Open Prolog N/A 無償 ISO規格 Mac OS
Prolog Cafe N/A N/A Prolog プログラムを Java プログラムに変換
Prolog.NET N/A N/A .NETProlog を使用できる
P# N/A N/A N/A PrologプログラムをC# プログラムに変換
Qu-Prolog N/A N/A N/A マルチスレッド処理系
Rebol Prolog N/A N/A N/A
SICStus Prolog N/A 有償 ISO規格 多くのオペレーティングシステムに対応。Java.NET でのウェブアプリケーション開発可能。
Prolog for Squeak N/A N/A N/A Squeak に統合された Prolog 環境
Strawberry Prolog N/A N/A
SWI-Prolog N/A ISO規格 多くのオペレーティングシステム、Unicodeに対応
TuProlog N/A N/A N/A
Visual Prolog N/A 個人は無償 N/A Windows専用
XSB N/A N/A
YAP Prolog N/A ISO規格 Prolog コンパイラ。

書籍[編集]

  • 『プログラムの理論 コンピュータ・サイエンス研究所シリーズ』 Zohar Manna 著 五十嵐滋 訳 1975/1/25 日本コンピュータ協会
  • 『人工知能の基礎 知識の表現と理解』 Daniel G.Bobrow Allan Collins 共著 淵一博 石崎俊 板橋秀一 太田耕三 大谷木重夫 黒川利明 桜井彰人 佐藤泰介 島田俊夫 田中穂積 田村浩一郎 溝口文雄 元吉文雄 山口喜教 横井俊夫 横山昌一 訳 1978/9/20 近代科学社
  • 『日常言語の論理学』 オールウド・アンデソン・ダール 著 公平珠躬 野家啓一 訳 1979/9/25 産業図書 ISBN 4-7828-0011-8
  • 『日本語の文法と論理』 坂井英寿 著 1979/11/25 勁草書房
  • 『人工知能 岩波講座 情報科学-22』 白井良明 辻井潤一 共著 1982/4/9 岩波書店
  • 『人工知能の原理 コンピュータ・サイエンス研究書シリーズ26』 Nils.j.Nilsson 著 白井良明 辻井潤一 佐藤泰介 訳 1983/1/15 日本コンピュータ協会
  • 『最適化 岩波講座 情報科学-19』 西川偉一 三宮信夫 茨木俊秀 共著 1982 / 9 / 10 岩波書店
  • 『言語工学 人工知能シリーズ2』 長尾真 著 1983/6/25 昭晃堂 ISBN 4-7856-3042-6
  • 『Prologプログラミング』 W.F.Clocksin C.S.Mellish 共著 中村克彦 訳 1983/6/25 マイクロソフトウェア
  • 『機械知能論 人工知能シリーズ1』 志村正道 著 1983/7/15 昭晃堂 ISBN 4-7856-3043-4
  • 『Prolog』 中島秀之 著 1983/8/25 産業図書
  • 『PROLOG入門 ソフトウェアライブラリI』 後藤滋樹 著 1984/4/10 サイエンス社 ISBN 4-7819-0352-5
  • 『Prolog入門』 太細孝 鈴木克彦 伊藤ひとみ 佐藤裕幸 共著 1984/8/30 啓学出版 ISBN 4-7665-0146-2
  • 『人工知能2 マグロウヒル コンピュータシリーズ』 E.リッチ 著 廣田薫 富村勲 訳 1984/9/1 マグロウヒル ISBN 4-8950-1172-0
  • 『知識表現とProlog/KR』 中島秀之 著 1985/2/28 産業図書
  • 『Prologプログラミング入門』 安部憲広 著 1985/3/20 共立出版 ISBN 4-320-02237-8
  • 『エキスパート・システム ソフトウェア サイエンス シリーズ』 フレデリック ヘイズーロス レナルドA.ウォーターマン 編 ダグラスB.レナート 著 中島秀之 白井英俊 田中卓史 中川裕志 鈴木浩之 松原仁 寺野隆雄 斎藤康巳 平賀譲 片桐恭弘 訳 1985/6/27 産業図書 ISBN 4-7828-5002-6
  • 『Prologとその応用2 プログラム作成支援 エディタ設計 自然言語設計 データベース』 溝口文雄 武田正之 畝見達夫 溝口理一郎 共著 1985/7/15 総研出版 ISBN 4-7952-6307-8
  • 『人工知能の世界 コンピュータに関心あるすべての人のために』 田村隆一 柳原圭雄 唐沢博 共著 1985/9/16 技術評論社 ISBN 4-87408-168-1
  • 『日常言語の推論 認知科学選書2』 坂原茂 著 1985/10/1 東京大学出版会 ISBN 4-13-013052-8
  • 『PROLOGデータベース・システム』 D.リー 著 安部憲広 訳 1985/10/1 近代科学社 ISBN 4-7649-0106-4
  • 『Prologのソフトウェア作法 岩波コンピュータサイエンス』 黒川利明 著 1985/11/8 岩波書店 ISBN 4-00-007681-7
  • 『Prologと論理プログラミング』 中村克彦 著 1985/12/25 オーム社 ISBN 978-4-275-07266-5
  • 『新世代プログラミング』 井田哲雄 尾内理紀夫 黒川利明 竹内彰一 外山芳人 淵一博 共著 1986/2/10 共立出版 ISBN 4-320-02259-9
  • 『micro-PROLOGプログラム コレクション 人工知能のための』 山田眞市一 著 1986/3/25 サイエンス社 ISBN 4-7819-0435-1
  • 『知識ベース入門』 石塚満 上野春樹 大須賀節雄 奥野博 小山照夫 白井良明 辻井恭一 速水悟 共著 1986/4/20 オーム社 ISBN 4-274-07287-8
  • 『知識の学習メカニズム 知識情報処理シリーズ2』 国藤進 有川節夫 篠原武 北上始 原口誠 武脇敏晃 堀浩一 共著 1986/5/5 共立出版 ISBN 4-320-02262-9
  • 『知識指向言語Prolog 人工知能プログラミングへの序曲』 小谷善行 著 1986/5/20 技術評論社 ISBN 4-87408-827-9
  • 『協調型計算システム --分散型ソフトウェアの技法と道具立て--』 R.E.フィルマン D.P.フリードマン 共著 雨宮真人 尾内理紀夫 高橋直久 訳 1986/7/1 マグロウヒル ISBN 4-89501-030-9
  • 『BASICで学ぶPROLOGシステム 言語と構造理解のために』 市川新 著 1986/8/20 啓学出版 ISBN 4-7665-0294-9
  • 『Prolog-KABA入門 岩波コンピュータサイエンス』 柴山悦哉 桜川貴司 萩野達也 共著 1986/9/22 岩波書店 ISBN 4-00-007687-6
  • 『Prolog入門』 古川康一 著 1986/9/30 オーム社 ISBN 4-274-07308-4
  • 『自然言語の基礎理論』 石川彰 松本裕治 向井国昭 安川秀樹 安食敏宏 共著 1986/10/16 共立出版 ISBN 4-320-02264-5
  • 『Prolog 人工知能用言語シリーズ 1』 新田克己 佐藤 泰介 共著 1986/10/25 昭晃堂 ISBN 978-4-7856-3601-2
  • 『micro PROLOGはじめてのプログラミング』 ヒュー・ド・サラム 著 倉田和彦 山田和美 訳 1986/10/ 31 啓学出版 ISBN 4-7665-0306-6
  • 『知識情報処理 知識工学講座1』 大須賀節雄 著 1986/11/25 オーム社 ISBN 4-274-07321-1
  • 『知識工学 人工知能シリーズ10』 小林重信 著 1986/12/10 昭晃堂 ISBN 4-7856-3068-X
  • 『RUN/Prolog入門 データベースとしての活用と述語解説』 小島政行 著 1986/12/10 アムコインターナショナル ISBN 978-4-8705-0034-1
  • 『エキスパート・システム入門』 安部憲広 滝寛和 共著 1986/12/15 共立出版 ISBN 4-320-02297-1
  • 『エキスパートシステム --知識工学とその応用--』 上野晴樹 著 1986/12/25 オーム社 ISBN 4-274-07318-1
  • 『エキスパート・システム 基礎概念と実例』 J.L.アルティ M.J.クームス 共著 太原育夫 訳 1987/1/10 啓学出版 ISBN 4-7665-0312-0
  • 『知識の表現と利用 知識工学講座2』 上野春樹 小山照夫 岡本敏雄 松尾文雄 石塚満 共著 1987/2/10 オーム社 ISBN 4-274-07331-9
  • 『RUN/PROLOG ばじめての人工知能言語』 斎藤孝 著 1987/2/20 HBJ ISBN 4-8337-8511-0
  • 『論理による問題の解法 ---Prolog入門 情報処理シリーズ8』 R.コワルスキ 著 浦昭二 山田眞市 菊池光昭 桑野龍夫 訳 1987/3/20 培風館 ISBN 4-563-00788-9
  • 『知識の獲得と学習 知識工学講座3』 大須賀節雄 佐伯胖 小橋康章 大槻説乎 北橋忠宏 田中譲 篠原武 宮原哲浩 原口誠 共著 1987/3/20 オーム社 ISBN 4-274-07346-7
  • 『Prologプログラミング入門 RUN/Prologを用いた』 鑰山徹 著 1987/4/1 工学図書株式会社 ISBN 4-7692-0163-X
  • 『人工知能コンピュータ 判断・推論のしくみ』 秋田輿一郎 著 1987/5/25 電気書院 ISBN 4-485-57102-5
  • 『Prologランニングブック RUN/Prolog演習プログラム 下』 横井与次郎 著 1987/5/25 ラジオ技術社 ISBN 4-8443-0185-3
  • 『Prologランニングブック RUN/Prolog演習プログラム 上』 横井与次郎 著 1987/5/25 ラジオ技術社 ISBN 4-8443-0180-2
  • 『AI入門』 矢田光治 著 1987/5/25 オーム社 ISBN 4-274-07355-6
  • 『はじめてのRUN/PROLOG』 成田佳応 谷田部賢一 共著 1987/5/30 ナツメ社 ISBN 4816307001
  • 『論理プログラミングの基礎』 J.W.ロイド 著 佐藤雅彦 森下真一 訳 1987/6/30 産業図書 ISBN 978-4-7625-5003-4
  • 『プログラム変換 知識処理シリーズ7』 佐藤泰介 二木厚吉 玉木久夫 二村良彦 竹内彰一 安村通晃 吉田紀彦 共著 1987/8/1 共立出版 ISBN 4-320-02267-X
  • 『並列論理型言語GHCとその応用 知識情報処理シリーズ6』 竹内彰一 上田和紀 野田泰徳 松本裕治 杉本勉 田中二郎 太田由紀子 共著 1987/9/10 共立出版 ISBN 4-320-02266-1
  • 『はじめてのProlog Prolog-KABAによる人工知能へのアプローチ』 舟本奨 著 1987/9/20 ナツメ社 ISBN 4-8163-0712-5
  • 『TURBO PROLOGトレーニングマニュアル』 小林鉾史 著 1987/10/3 JICC出版局 ISBN 4-88063-335-6
  • 『RUN/Prologとその応用』 杉原敏夫 著 1987/11/30 工学図書株式会社 ISBN 4-7692-0176-1
  • 『Prologプログラミング入門 RUN/Arity』 大原茂之 著 1988/2/25 オーム社 ISBN 4-274-07401-3
  • 『コンピュータ言語進化論 思考増幅装置を求める知的冒険の旅』 Howard Levine Howard Rheingold 共著 椋田直子 訳 1988/3/21 アスキー出版局 ISBN 4-87148-301-0
  • 『Prologで学ぶAI手法 推論システムと自然言語処理』 高野真 著 1998/3/31 啓学出版 ISBN 4-7665-0110-1
  • 『パソコンエキスパートシステム -低価格ツールによるエキスパートシステムの構築手順-』 OHM編集部編 1988/4/30 オーム社 ISBN 4-274-07409-9
  • 『述語論理と論理プログラミング』 有川節夫 原口誠 共著 1988/5/10 オーム社 ISBN 4-274-07386-6
  • 『知識の帰納的推論 知識処理シリーズ3』 E.Y.Shapiro 著 有川節夫 訳 1988/7/20 共立出版 ISBN 4-320-02263-7
  • 『知識と推論 岩波講座 ソフトウェア科学-14』 長尾真 著 1988/7/25 岩波書店 ISBN 4-00010-354-7
  • 『記号処理プログラミング 岩波講座 ソフトウェア科学-8』 後藤滋樹 著 1988/8/10 岩波書店 ISBN 4-00-010348-2
  • 『Prologの技芸』 L.Sterling E.Shapiro 共著 松田利夫 訳 1988/8/1 共立出版 ISBN 4-320-09710-6
  • 『TURBO PROLOG入門』 Carl Townsent 著 倉谷直臣 酒見高広 訳 1988/8/25 オーム社 ISBN 4-274-07449-8
  • 『知識プログラミング 知識処理シリーズ8』 鈴木浩之 小野典彦 中島秀之 国藤進 石塚満 松田哲史 井下博史 有馬淳 佐藤健 房岡璋 高橋和子 著 1988/9/1 共立出版 ISBN 4-320-02268-8
  • 『Prologプログラミング入門 体験学習ビジネスマンのための』 高橋三雄 著 1988/9/30 オーム社 ISBN 4-274-07442-0
  • 『エキスパートシステム 知識工学講座5』 上野晴樹 小山照夫 共著 1988/12/20 オーム社 ISBN 4-274-07462-5
  • 『並列Prologコンピュータ データフロー処理によるアプローチ』 マイケル・J・ワイズ 著 曽和将容 訳 1989/1/10 啓学出版 ISBN 4-7665-0345-7
  • 『コンピュータによる推論技法』 L.ウォス R.オーバーピーク E.ラスク J.ボイル 共著 川越恭二 久野茂 前田康行 光本圭子 訳 1989/1/20 マグロウヒル ISBN 4-89501-292-1
  • 『TURBO Prolog プログラミング』 Information&computing 玉井浩 著 1989/2/25 サイエンス社 ISBN 978-4-7819-0539-6
  • 『新しいプログラミングパラダイム』 相場亮 井田哲雄 大須賀昭彦 加藤和彦 柴山悦哉 田中二郎 富樫敦 横内寛文 横田一正 共著 1989/11/10 共立出版 ISBN 4-320-02493-1
  • 『制約論理プログラミング』 坂井公 佐藤洋裕 田中二郎 相場亮 川村十志夫 橋田浩一 丸山文宏 渡辺俊典 佐藤由美子 森文彦 戸沢義夫 昭尾雅之 森下真一 共著 1989/11/20 共立出版 ISBN 4-320-02469-9
  • 『自然言語解析の基礎』 田中穂積 著 1989/11/27 産業図書 ISBN 4-7828-5127-8
  • 『定性推論 知識処理シリーズ別巻1』 淵一博 溝口文雄 古川康一 安西祐一郎 田中博 西田豊明 本田一賀 開一夫 堂下修司 清水周作 大木優 元田浩 共著 1989/2/15 共立出版 ISBN 4-320-02468-0
  • 『人工知能』 志村正道 著 1989/4/20 オーム社 ISBN 4-274-07506-0
  • 『人事情報エキスパートシステム』 三重野博司 著 1989/7/20 オーム社 ISBN 4-274-07521-4
  • 『Prologプログラミング入門 KE養成講座』 黒川利明 田中直之 共著 1989/7/25 オーム社 ISBN 4-274-12857-1
  • 『データベースと知識ベース 新しい情報システムを目指して』 大須賀節雄 著 1989/7/30 共立出版 ISBN 4-274-07520-6
  • 『わかる:-Prolog』 塚本龍男 著 1989/11/1 共立出版 ISBN 4-320-02337-4
  • 『入門TURBO PROLOG』 ダン・シェーファー 著 北脇和夫 北脇庸子 訳 1989/11/1 啓学出版 ISBN 4-7665-0990-0
  • 『TURBO Prolog エキスパート・システム設計入門』 Carl Townsend 著 玄光男 佐々木正仁 訳 1989/11/28 HBJ出版局 ISBN 4-8337-8030-5
  • 『OA実務家の書いたエキスパート・システムの本』 三菱商事(株)システム企画部OA技術チーム編 1990/2/1 日本能率協会 ISBN 4-8207-0664-0
  • 『法律家のためのコンピュータ利用法 論理プログラミング入門』 加賀山茂 著 1990/2/10 有斐閣 ISBN 4-641-07541-7
  • 『Prologへの入門 PrologとAI』 I.Bratko 著 安部憲広 訳 1990/3/20 近代科学社 ISBN 4-7649-0165-X
  • 『パソコン言語による人工知能(AI)プログラミング PC-9800対応 Prolog/LISP/Smalltalk/C/FORTRAN/COBOL/BASIC』 舟本奨 著 1990/3/20 ナツメ社 ISBN 4-8163-1035-5
  • 『作品としてのプログラム 黒川利明 著 1990/4/27 岩波書店 ISBN 4-00-005403-1
  • 『自然言語理解と論理プログラミング』 Y.Dahi P.Saint-Dizier 共著 西田豊明 松本裕治 上原邦昭 訳 1990/4/30 近代科学社 ISBN 4-7649-0163-3
  • 『Prologで作る数学の世界 Prologそして集合-位相-群』 飯高茂 著 1990/6/20 朝倉書店 ISBN 4-254-11054-5
  • 『Prolog詳説 対話形式によるアプローチ』 ラマンチャンドウン・バラス 著 斉藤重光 舟本奨 訳 1990/6/30 啓学出版 ISBN 4-7665-1078-X
  • 『Prologユーティリティライブラリ』 ボグダン・フィリビッチ 著 中原誠 伊藤哲郎 訳 1990/8/25 海文堂出版 ISBN 4-303-71700-2
  • 『SF的Prologの世界 コンピュータウイルス盛衰記』 福田敏宏 田村三郎 田中正彦 共著 1990/9/20 現代数学社 ISBN 4-7687-0195-7
  • 『Prologによる論理プログラミング入門』 小川束 著 1990/10/31 啓学出版 ISBN 4-7665-1081-X
  • 『人工知能における知識ベースシステム』 ランドール・デービス ダグラス・B・レナート共著 溝口文雄 諏訪基 実近憲昭 平井成興 仁木和久 豊田順一 上原邦昭 河合和久 山口高平 溝口理一郎 訳 1991/4/10 啓学出版 ISBN 4-7665-1100-X
  • 『情報の論理数学入門 ブール代数から述語論理まで』 小倉久和 高濱徹行 共著 1991/4/20 近代科学社 ISBN 4-7649-0180-3
  • 『自然言語処理入門 情報・電子入門シリーズ』 岡田直之 著 1991/5/20 共立出版 ISBN 4-320-02434-6
  • 『エキスパートシステム MARUZEN Advanced Technology 電子・情報・通信編』 石塚満 小林重信 薦田憲久 竹垣盛一 寺野隆雄 山崎知彦 共著 丸善株式会社 1991/9/30 ISBN 4-621-03622-X
  • 『人工知能概論』 荒屋真二 著 共立出版 1991/11/5 ISBN 4-320-02605-5
  • 『Prologの冒険 アドベンチャーゲームを作りながらPrologをマスターしよう』 Dennis Merritt 著 岩谷宏 訳 1992/10/21 ソフトバンク ISBN 4-89052-344-8
  • 『Prologマシン』 金田悠紀夫 著 1992/4/7 森北出版 ISBN 4-627-80810-0
  • 『Prolog入門 図解コンピュータシリーズ』 江村潤朗監修 瀬下孝之 著 1992/7/15 オーム社 ISBN 4-274-07723-3
  • 『楽しいプログラミングⅡ記号の世界』 中島秀之 上田和紀 共著 1992/5/29 岩波書店 ISBN 4-00-007755-4
  • 『Prologを楽しむ』 松田紀之 著 1993/1/31 オーム社 ISBN 4-2740-7749-7
  • 『Micro-PROLOG ロジックプログラミングによる問題解決』 K.L.クラーク F.G.マッケイブ 著 溝口文雄 大和田勇人 訳 1993/1/31 啓学出版 ISBN 4-76651-165-4
  • 『人工知能最前線 財務エキスパートシステム』 D.E.オゥレアリ P.R.ワトキンス 共著 佐伯光彌 光村司 西ヶ谷邦正 斎藤孝一 三藤利雄 訳 1993/4/30 学友社 ISBN 4-7620-0483-9
  • 『Prologを楽しむ』 松田紀之 著 1993/1/31 オーム社 ISBN 4-274-07749-7
  • 『情報学概論 Prologプログラミング』 吉田要 著 1993/3/25 八千代出版 ISBN 4-8429-0874-2
  • エキスパートシステムII 技術の動向 朝倉AIらいぶらり 溝口理一郎 著 1993/6/20 朝倉書店 ISBN 4-254-12623-9
  • 『意思決定支援システムとエキスパートシステム シリーズ・経営情報システム』 飯島淳一 著 1993/10/23 日科技連出版社 ISBN 4-8171-6162-0
  • 『自然言語 情報数学セミナー』 郡司隆男 著 1994/1/15 日本評論社 ISBN 4-535-60811-3
  • 『Prolog入門. 例題演習』 塩野充 著 1995/4/30 オーム社 ISBN 4-274-07642-3
  • 『Prologを学ぶ 文化とその実践』 杉崎昭生 著 1995/5/25 海文堂 ISBN 4-303-71690-1
  • 『知識処理論 知識・情報メディアシリーズ』 萩野達也 著 1995/6/30 産業図書 ISBN 4-7828-5302-5
  • 『スケジューリングとシミュレーション』 田中克己 石井信明 共著 1995/10/20 コロナ社 ISBN 4-339-08357-7
  • 『形式言語と有限オートマトン入門 例題を中心とした情報の離散数学』 小倉久和 著 1996/10/15 コロナ社 ISBN 4-339-02339-6
  • 『AIプログラミング PrologとAI I.Bratko 著 安部憲広 訳 1996/4/10 近代科学社 ISBN 4-7649-0254-0
  • 『エージェントアプローチ 人工知能』 スチュワート・ラッセル ピーター・ノーヴィグ 共著 古川康一 訳 1997/12/15 共立出版 ISBN 4-320-02878-3
  • 『関数プログラミング 情報数学セミナー』 萩谷昌己 著 1998/3/30 日本評論社 ISBN 4-535-60817-2
  • 『自然言語・意味論・論理』 赤間世紀 著 1998/9/15 共立出版 ISBN 4-320-02908-9
  • 『形式言語の理論 情報科学コアカリキュラム講座』 西野哲朗 石坂裕毅 共著 1999/7/31 丸善株式会社 ISBN 4-621-04626-8
  • 『人工知能の基礎 情報科学コアカリキュラム講座』 西田豊明 著 1999/9/30 丸善株式会社 ISBN 4-621-04646-2
  • 『新しい人工知能 発展編』 前田隆 青木文夫 共著 2000/3/10 オーム社 ISBN 4-274-13198-X
  • 計算論理に基づく 推論ソフトウェア論 山崎進 著 2000/5/26 コロナ社 ISBN 4-339-02373-6
  • 『知的エージェントのための集合と論理 インターネット時代の数学シリーズ6』 中島秀之 著 2000/6/10 共立出版 ISBN 4-320-01645-9
  • 『人工知能の基礎理論』 赤間世紀 著 2000/12/25 電気書院 ISBN 4-485-66246-2
  • 『Interlog コンピュータ言語』 吉川永一 著 2002/3/29 東京図書出版会 ISBN 4-434-03554-1
  • 『帰納論理プログラミング Inductive Logic Programming』 古川康一 尾崎知伸 植野研 共著 2001/5/25 共立出版 ISBN 4-320-12014-0
  • 『知識と推論 Information Science & Engineering-T1』 新田克己 著 2002/6/10 サイエンス社 ISBN 4-7819-1008-4
  • 『法律人工知能 法的知識の解明と法的推論の実現』 吉野一 著 2002/2/29 創成社 ISBN 4-7944-4030-8
  • 『人工知能 IT Text』 本井田真一 松本一教 宮原哲浩 永井保夫 著 2005/7/20 オーム社 ISBN 4-274-20106-6
  • 『組み込みソフトウェアの設計&検証 組込み動作からRTOSを使った,ツールによる動作検証まで』 藤倉俊幸 著 2006/9/1 CQ出版社 ISBN 978-4-7898-3344-8
  • 『言語・知識・信念の論理 知の科学』 東条敏 人工知能学会 共著 2006/3/15 オーム社 ISBN 4-274-20211-9
  • 『論理と計算のしくみ』 萩谷昌己 西崎真也 共著 2007/6/27 岩波書店 ISBN 978-4-00-006191-9
  • 『コンピュータプログラミングの概念・技法・モデル Concepts Techniques and Modelsof Computer Programming』 ピーター・ヴァン・ロイ セイフ・ハリディ 共著 羽永洋 訳 2007/11/7 翔泳社 ISBN 978-4-7981-1346-3
  • 『On Lisp』 Paul Graham 著 野田開 訳 2008/3/23 オーム社 ISBN 978-4-274-06637-5
  • 『数理論理学 コンピュータサイエンス教科書シリーズ 18』 古川康一 向井国昭 共著 2008/6/27 コロナ社 ISBN 978-4-339-02718-1
  • 『新 人工知能の基礎知識』 太原育夫著 2008/6/30 近代科学社 ISBN 978-4-7649-0356-2
  • 『Prologで学ぶAIプログラミング I/OBOOKS』 赤間世紀 著 2008/11/10 工学社 ISBN 978-4-7775-1402-1
  • 『メディア情報学入門』 鈴木昇一 著 2010/4/1 東京図書出版会 ISBN 4862234062
  • 『実用 Common Lisp (IT Architects’Archive CLASSIC MODER)』 ピーター・ノーヴィッグ著 松本宣男 訳 2010/5/11 翔泳社 ISBN 978-4798118901
  • 『7つの言語 7つの世界 Ruby lo Prolog Scala Erlang Clojure and Haskell』 Bruce A. Tate 著 まつもとゆきひろ監訳 田和数 訳 2011/7/25 オーム社 ISBN 978-4-274-06857-7
  • 『入門 自然言語処理』 Steven Bird Ewan Klein Edward Loper 共著 萩原正人 中山敬広 水野貴明 訳 2010/11/8 株式会社オーム社 ISBN 978-4-87311-470-5
  • 『アルゴリズム設計マニュアル上』 S.S スキーナ 著 平田富夫 訳 2012/1/31 丸善出版株式会社 ISBN 978-4-621-08510-3
  • 『知識基盤社会のための人工知能入門 計測・制御テクノロジーシリーズ 16』 国藤進 中田豊久 羽山徹彩 共著 2012/5/9 コロナ社 ISBN 978-4-339-03366-3
  • 『プログラミング言語温故知新―人工言語の継承を学ぶ』 土屋勝著 2014/9/1 カットシステム ISBN 978-4-87783-328-2
  • 『イラストで学ぶ 人工知能概論』 谷口忠大 著 2014/9/25 オーム社 ISBN 978-406-1538238
  • 『数理論理学-合理的エージェントへの応用に向けて』 加藤暢,高田司郎,新出尚之 共著 2014/10/30 コロナ社 ISBN 978-4-339-02489-0
  • 『知能の物語』 中島秀之著 2015/5/31 公立はこだて未来大学出版会発行 近代科学社発売 ISBN 978-4-7649-5552-3

国際会議[編集]

  • INAPInternational Conference on Declarative Programming and Knowledge Management

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ これの糖衣構文として p -> q; r. が存在する。ISO標準の組み込み述語である。
  2. ^ ただし、コメントでそれらを代用することがよくあり、大体通用する表記法がある。引数の前に+を置けば入力、-を置けば出力、?ならばどちらにもなり得る。

出典[編集]

  1. ^ a b Robert Kowalski. The Early Years of Logic Programming, p.38.
  2. ^ Alain Colmerauer, Philippe Roussel. The birth of Prolog, p.2.
  3. ^ : resolution、融合
  4. ^ Buss, Samuel R., "On Herbrand's Theorem".
  5. ^ Alain Colmerauer and Philippe Roussel, The birth of Prolog, p.6.
  6. ^ Alain Colmerauer and Philippe Roussel, The birth of Prolog, pp.14-15.
  7. ^ : David H.D.Warren
  8. ^ W. F. Clocksin
  9. ^ : C. S. Mellish
  10. ^ 古川 康一, p.5.
  11. ^ 古川 康一, p.5.
  12. ^ : extended self-contained Prolog
  13. ^ 萩野達也,桜川貴司,柴山悦哉
  14. ^ https://www.complang.tuwien.ac.at/ulrich/iso-prolog/SWI7_and_ISO
  15. ^ : Bruce A. Tate
  16. ^ : Daniel Jackson
  17. ^ : Ivan Bratko
  18. ^ Alain Colmerauer, Philippe Roussel. The birth of Prolog, pp.3-7.
  19. ^ https://www.researchgate.net/publication/277325585_Aspects_of_Prolog_history_Logic_Programming_and_Professional_Dynamics

参考文献[編集]

  • William F. Clocksin, Christopher S. Mellish: Programming in Prolog: Using the ISO Standard. Springer, 5th ed., 2003, ISBN 978-3540006787.
  • Leon Sterling, Ehud Shapiro: The Art of Prolog: Advanced Programming Techniques, 1994, ISBN 0-262-19338-8.
  • D.L. Bowen, L. Byrd, F.C.N. Pereira,L.M. Pereira and David H.D. Warren: DECsystem-10 PROLOG USER'S MANUAL, University of Edinburgh,1982.
  • ISO/IEC 13211: Information technology — Programming languages — Prolog. International Organization for Standardization, Geneva.
  • Robert Kowalski. The Early Years of Logic Programming, CACM January 1988.
  • Alain Colmerauer, Philippe Roussel. The birth of Prolog, in The second ACM SIGPLAN conference on History of programming languages, p. 37-52, 1992.
  • David H D Warren, Luis M. Pereira and Fernando Pereira, Prolog - the language and its implementation compared with Lisp. ACM SIGART Bulletin archive, Issue 64. Proceedings of the 1977 symposium on Artificial intelligence and programming languages, pp 109 - 115.
  • Buss, Samuel R., "On Herbrand's Theorem", in Maurice, Daniel; Leivant, Raphaël, Logic and Computational Complexity, Lecture Notes in Computer Science, Springer-Verlag, pp. 195–209. 1995.
  • Buss, Samuel R., "On Herbrand's Theorem", in Maurice, Daniel; Leivant, Raphaël, Logic and Computational Complexity, Lecture Notes in Computer Science, Springer-Verlag, pp. 195–209. 1995.
  • 古川康一:第五世代コンピュータからスキルサイエンスへ - 論理プログラミング・アプローチ,特別講演資料, 2014.

関連項目[編集]