序数標識
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序数標識(じょすうひょうしき)は、アラビア数字またはローマ数字の後につけて序数を表すのに使われる約物。
各言語での用法[編集]
スペイン語、ポルトガル語、ガリシア語、イタリア語[編集]
ロマンス語に属する言語のうち、スペイン語、ポルトガル語、ガリシア語、イタリア語では、数字の後ろに上付きの o または a を標識としてつけて、序数を表す。o と a の2種類があるのは、ロマンス語の形容詞に男性形と女性形が存在するためである。標識の下に線が引かれる場合もある。ポルトガル語では数字のあとにピリオドをつけてから o / a をつける。
例:1 (uno) の場合 イタリア語: 1º (primo), 1ª (prima) スペイン語: 1º (primero), 1ª (primera) ポルトガル語: 1.º (primeiro), 1.ª (primeira)
なお、スペイン語の1番目と3番目の男性形には語尾のつかない形(primer、tercer)も存在するが、その場合は 1er、3er のように書く。
同じロマンス語でも、カタルーニャ語、オクシタン語、フランス語、ルーマニア語などの形容詞は -o で終わらないので、この形式を使うことはできない。
ISO/IEC 8859-1 には、標識(º ª)のために専用の文字が用意されている。º は、「度」(° U+00B0) や上つきのゼロ (⁰ U+2070) 、リング符号(˚ U+02DA) などとよく似ているが、別の記号である。
英語[編集]
英語の序数は基本的に基数詞に接尾辞 "-th" をつける形をしているため、数字に "th" をつけて序数を表すことができる。但し、1〜3は不規則な変化をするため、それに対応した接尾辞をつける ("-st", "-nd", "-rd")。また、21以降は一の位の数に従うため、一の位が1〜3であれば "-1st" 〜 "-3rd" を用いる(序数詞#英語も参照)。
例: 1 (one) → 1st (first) 2 (two) → 2nd (second) 3 (three) → 3rd (third) 4 (four) → 4th (fourth) 11 (eleven) → 11th (eleventh) 21 (twenty-one) → 21st (twenty-first)
上付きで「1st」のように書かれる場合もあるが、特別に文字は割り当てられていない。『シカゴ・マニュアル・オブ・スタイル』第16版によると、上付きにすべきではない[1]。
フランス語[編集]
フランス語の序数は "-ième" といった形をしている。序数標識としては数字の後に "e" を加える。但し、1は例外的な形をしており、男性形と女性形で形が異なる。
例: 1 (un) → 1er(男性形:premier), 1re(女性形:première) 2 (deux) → 2e (deuxième) 21 (vingt-et-un) → 21e (vingt-et-unième) 101 (cent-un) → 101e (cent-unième)
しばしば 1re を 1ère と書いたり、2e を 2me / 2ème / 2ième のように書いたりするが、これは正しくない[2]。
「2番目」を意味する second, seconde は、2d, 2de のように書く。
順序数詞の修飾する語が複数のときは、1ers、2ds のように -s を加える。
また、ラテン語の順序数詞に由来する副詞 primo、secundo、tertio などは数字のあとに -o をつけて 1o、2o、3o のように書く。
ドイツ語など[編集]
ドイツ語では、序数は数字のあとにピリオドをつけることで表す。ドイツ語の序数詞は複雑な格変化をするが、たとえば「1.」と書いてあったときに、これが erster、erste、ersten などのうちどれであるかは、読む時に前後から判断しなければならない。
エスペラント[編集]
エスペラントの序数は規則変化であり、すべて「基数詞-a」の形になる。表記の際は「1-a (unua)」、「2-a(dua)」のようにハイフンに続けてaと書く。また、対格の場合は「a」を「an」に変えて表記する。
符号位置[編集]
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
ª | U+00AA |
1-9-7 |
ª ª ª |
女性序数標識 |
º | U+00BA |
1-9-17 |
º º º |
男性序数標識 |
脚注[編集]
- ^ “9.6 Ordinals”. The Chicago Manual of Style (16th ed.). The University of Chicago Press. (2010). "The letters in ordinal numbers should not appear as superscripts (e.g., 122nd, not 122nd)."
- ^ Jacques Poitou. “Premier, deuxième s’abrègent en 1er, 2e. Première s’abrège en 1re.” (フランス語). 2013年10月10日閲覧。
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