エオドロマエウス

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エオドロマエウス
生息年代: 231.4–229 Ma
Eodromaeus murphi.jpg
復元骨格
地質時代
三畳紀後期
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
: エオドロマエウス属 Eodromaeus
学名
Eodromaeus
Martinez et al.2011

エオドロマエウス(Eodromaeus 「暁のランナー」の意味)は三畳紀後期に現在のアルゼンチンに生息した基部英語版獣脚類恐竜の絶滅属の1つである[1]。かつてポール・セレノにより全ての恐竜の共通祖先である恐竜の「イヴ」と位置づけられていた[2]

発見[編集]

アーティストによる復元図

エオドロマエウスの化石は最初、1996年にアルゼンチンの古生物学者Ricardo N. MartinezおよびEarthwatch volunteer Jim Murphyによって発見され、エオラプトル属の新種と考えられた。しかし、化石のより詳細な研究が行われると、エオラプトルには見られない骨格の特徴が多数発見された[3]ため、独自の新属であるとみなされるようになった。

エオドロマエウスのホロタイプPVSJ 560は完全に近い関節した骨格であり、イスチグアラスト層英語版のバレ・デ・ルナ(月の谷)部層最上部で発見された。 また、これ以外にこの種のものとされる標本としてPVSJ 534, PVSJ 561, PVSJ 562 およびPVSJ 877があり、これらは バレ・デ・ルナおよびイスチグアラスト層のCancha de Bochas部層の三畳紀後期カルニアン英語版(約2億3200万ー2億2900万年前)の地層から発見されている[1]

特徴[編集]

ヒトとの大きさ比較

エオドロマエウスは比較的小型の恐竜であり、全長は1.2 m、体重は約5 kgである。胴体は細長い。どの程度の速さで走れたかは分っていないが、30 km/hほどで走れたことが示唆される[4] 。肉食性の基部英語版獣脚類である。前肢は後肢よりはるかに短く、手には5本の指がある。第四指、第五指(人間の薬指、小指に相当)は非常に小さくなっている[1]

命名[編集]

エオドロマエウス属およびそのタイプ種 Eodromaeus murphi は2011年にRicardo N. Martínez、ポール・セレノ、Oscar A. Alcober, Carina E. Colombi, Paul R. Renne, Isabel P. Montañez および Brian S. Currieにより命名、記載された。属名はギリシャ語で「暁」もしくは「早期」を意味するEos と「ランナー」を意味する Dromaeus から造語されている。種小名は化石発見地の近隣地域で働いていたJim Murphyに献名されたものである[1]

分類[編集]

復元図

エオドロマエウスは肉食恐竜を含むグループである獣脚類の初期のメンバーであるとみなされている。エオドロマエウスの発見にともない、エオラプトル(かつて獣脚類とみなされていた)はアパトサウルスに代表される竜脚形類のメンバーとして再分類された[1]。しかしこの再分類にはエオラプトルをエオドロマエウスのような獣脚類だと再主張するBergmanおよびSuesが疑問を呈している[5]

下記に示すクラドグラムはMartinez et al., 2011に従いエオドロマエウスの系統上の位置を示したものである[1]

恐竜様類

ラゲルペトン科




マラスクス




シレサウルス科英語版


恐竜

鳥盤類


竜盤類
竜脚形類


エオラプトル



パファンギア英語版



サトゥルナリア英語版




竜脚型類



獣脚類


ヘレラサウルス



スタウリコサウルス





エオドロマエウス




新獣脚類


コエロフィシス科英語版

タワ




ディロフォサウルス




"Syntarsus" kayentakatae




S. rhodesiensis



コエロフィシス














参照[編集]

  1. ^ a b c d e f Ricardo N. Martinez, Paul C. Sereno, Oscar A. Alcober, Carina E. Colombi, Paul R. Renne, Isabel P. Montañez and Brian S. Currie (2011). “A Basal Dinosaur from the Dawn of the Dinosaur Era in Southwestern Pangaea”. Science 331 (6014): 206–210. doi:10.1126/science.1198467. PMID 21233386. http://www.sciencemag.org/content/331/6014/206.abstract. 
  2. ^ Bowdler N, "'Dawn runner casts light on birth of the dinosaurs", www.bbc.co.uk, 13-1-2011.
  3. ^ Choi T.Q., "Dinosaur Graveyard Reveals Oldest T. Rex Relative: Dawn Runner", www.FoxNews.com, 13-01-2011.
  4. ^ Weise E, "New dog-sized dinosaur discovered", www.usatoday.com, 23-01-2011.
  5. ^ Bergman D.S., Sues H-D. (2011), "A late-surviving basal theropod dinosaur from the latest Triassic of North America", Proceedings of the Royal Society B, published online 13-4-2011.

外部リンク[編集]