アウトブレイク (映画)

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アウトブレイク
Outbreak
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
脚本 ローレンス・ドゥウォレット
ロバート・ロイ・プール
製作 ゲイル・カッツ
アーノルド・コペルソン
製作総指揮 ダンカン・ヘンダーソン
アン・コペルソン
出演者 ダスティン・ホフマン
レネ・ルッソ
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
撮影 ミヒャエル・バルハウス
編集 ウィリアム・ホイ
リンジー・クリングマン
スティーヴン・E・リフキン
ニール・トラヴィス
配給 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国の旗 1995年3月10日
日本の旗 1995年4月29日
上映時間 127分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $50,000,000
興行収入 $67,659,560[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
$189,859,560[1] 世界の旗
配給収入 18億円[2] 日本の旗
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アウトブレイク』(Outbreak)は、1995年制作のアメリカ映画。アフリカから持ち込まれた非常に致死性の高いウイルスによる未曾有の「バイオハザード(微生物災害)」に立ち向かう人々を描いたサスペンス映画。

ストーリー[編集]

1967年ザイールモターバ川流域で内戦に参加していた傭兵部隊に原因不明の出血熱が流行し、多数の死者を出した。調査の為に現地を訪れたアメリカ陸軍は想像以上の感染に驚き、感染者の血液を採取した後、隠蔽のため部隊のキャンプを燃料気化爆弾の投下で壊滅させる。

時は流れ、モターバ川流域の小さな村で未知のウイルスによる出血熱が発生する。兵士を伝染病等から守る“医学防衛”を任務とするアメリカ陸軍所属の研究機関「アメリカ陸軍感染症医学研究所(United States Army Medical Research Institute of Infectious Diseases:USAMRIID(ユーサムリッド))」のLEVEL4(最高警戒度)研究チームを率いるサム・ダニエルズ軍医大佐がビリー・フォード准将の命令で現地に赴くも時既に遅く、村の医師と村から離れて暮らしていた祈祷師を除いて村は全滅状態となっていた。空気感染は無いとしながらも、ダニエルズはウイルスの致死率の高さと感染者を死に至らしめるスピードの早さに危機感を抱き、軍上層部と「アメリカ疾病予防管理センター(The Centers for Disease Control and Prevention:CDC)」に勤務する元妻のロビー・キーオに警戒通達の発令を要請するが、双方から却下されてしまう。喧嘩別れしたロビーはともかく、軍上層部の反応にダニエルズは不審を抱く。

そんな折、アフリカから1匹のサルがアメリカに密輸入された。密売人のジンボはカリフォルニア州沿岸の田舎町シーダー・クリークのペットショップに売りつけようとするが失敗し、持て余したサルを森に放す。その後、サルを輸送している最中に飲んでいた水を顔にかけられたジンボと、彼とキスをしたジンボの恋人、サルに腕を引っかかれたペットショップの店長ルディーらが次々とモターバ熱を発症し死亡する。更に、不注意でルディーの血液を浴びた血液検査技師ヘンリーが恋人と町の映画館へ行ったのを機に、飛沫感染によって「アウトブレイク(爆発的な感染)」が始まってしまう。

上層部のドナルド・マクリントック少将とフォード准将は、この伝染病が以前モターバ川流域で派生した伝染病と同じであることに気づく。かつて患者を救うどころか抹殺して持ち帰った血液は、マクリントックの指示によって、医師でもあるフォードも絡んで密かに細菌兵器として保管されており、血清も作られていた。正義感の強いダニエルズに細菌兵器の存在を知られる事を恐れて彼を今回の伝染病対策から外したフォード達だが、人命優先のダニエルズは命令を無視して密かに部下と共にシーダー・クリークへ飛び、ロビー率いるCDCのチームと協力して治療法の研究と感染ルートの特定を進める。

その最中、宿主のサルが食べていたバナナを盗み食いして感染した別のサルが、軍から運び込まれた医薬品によって回復する。ダニエルズは既に血清が作られていたことと細菌兵器にされたモターバ・ウイルスの存在に気がつくが、空気感染するウイルスに変異した伝染病には血清が効かなかった。更に調査を進めると、空気感染しないアフリカン・モターバも変異して空気感染するようになったヤンキー・モターバも、共にアメリカに持ち込まれた宿主が保菌しているという結論に行きつく。その矢先、ダニエルズの友人でもあるケイシー・シュラー少佐が不慮の事故で感染・死亡して、ロビーも彼から採血する際に偶然注射針で指を刺し感染してしまう。

彼女が発症する前に血清を完成させようと奔走するダニエルズは、部下のソルト少佐と2人で陸軍のヘリを盗み、感染源の調査を続ける。一方、マクリントックは細菌兵器の存在を隠し通すために策謀を巡らせ、モターバ川流域で傭兵部隊のキャンプを焼き払った時のように、燃料気化爆弾を搭載した爆撃機を差し向ける。宿主であるサルが森に逃がされた事も突き止めたダニエルズらは、軍からの追っ手を振り切りつつサルを捕獲、アフリカン・モターバ用の血清をベースとして、ヤンキー・モターバ用の血清を合成する。ロビーへの臨床試験も成功し、治療の目処が立ったが、爆撃機はもう目前まで迫っていた。ダニエルズとソルトはヘリで爆撃機の進路を阻みつつ、無線通信で爆撃機の操縦士に作戦中止を懇願するも、最終的には爆弾が投下される。あわや住民達も新しい血清も灰燼に帰するかに思われたが、爆弾はシーダー・クリークから大きく逸れ、沖合で炸裂する。操縦士達は歪んだ軍命に従うよりも人命を救うことを選び、風で流されたように見せかけて狙いを外したのだ。そして、フォードも人間として行動することを選択しマクリントックを逮捕、ダニエルズは快方に向かうロビーと共に新たな人生を踏み出すのであった。

モターバ・ウイルス[編集]

劇中に登場する架空のウイルス。

高熱、下痢、全身や消化管からの出血などエボラ出血熱に似た症状を引き起こす(ウイルスの形状もエボラと似ている)が、体内に侵入すると驚異的なスピードで増殖を行い内臓を融解させて感染者を数日で死に至らしめ、致死率は100%と極めて高い。ジンボと彼の恋人アリス、ペットショップで宿主の隣のにいたサルなどが感染したウイルスは、血液などの液体を介した接触感染のみだが、ヘンリー以下シーダー・クリークの住民達が感染したウイルスは空気感染も可能になっており、エボラ以上の致死率と感染力を併せ持つようになった。

名前の由来は感染が確認された村の近くを流れる「モターバ川」から。一方、アメリカで発見された空気感染するタイプは「ヤンキー・モターバ」と呼ばれた。更にヤンキー・モターバには髭状の物質が生えているのが特徴である。映画では「宿主が原株とヤンキー・モターバの両方を保持している」と説明されているが、小説版では「原株がヘンリーの持病である喘息から遺伝子的影響を受けてヤンキー・モターバに変異した」と推測されている。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
ソフト版 日本テレビ
サム・ダニエルズ大佐 ダスティン・ホフマン 野沢那智 大和田伸也
ロビー・キーオ レネ・ルッソ 宮寺智子 小山茉美
ビリー・フォード准将 モーガン・フリーマン 前田昌明 坂口芳貞
ケイシー・シュラー少佐 ケヴィン・スペイシー 仲野裕 牛山茂
ソルト少佐 キューバ・グッディング・Jr 北川勝博 家中宏
ドナルド・マクリントック少将 ドナルド・サザーランド 納谷悟朗 田口計
ジンボ パトリック・デンプシー 田中正彦 山路和弘
フリオ ベニート・マルティネス
ベンジャミン・アイワビ医師 ゼイクス・モカエ
ブリッグス大佐 デイル・ダイ 小山武宏
大統領補佐官 J・T・ウォルシュ
(クレジットなし)
野島昭生
翻訳 プロセンスタジオ 平田勝茂
演出 福永莞爾
調整 滝沢康 山田太平
録音
効果 リレーション
音響制作 相原正之
中西真澄
プロデューサー 貴島久祐子
制作 ワーナーホームビデオ
プロセンスタジオ
ムービーテレビジョン
初回放送 1998年1月9日
金曜ロードショー

その他[編集]

本作のプロデューサーであるアーノルド・コペルソンは元々、エボラ出血熱の感染危機を追ったリチャード・プレストンによるノンフィクション『ホット・ゾーン』の映画化を進めていた。『羊たちの沈黙』の脚本家テッド・タリーが脚色し、ロバート・レッドフォードジョディ・フォスターの共演とリドリー・スコット監督による20世紀フォックスの企画であったが、進捗しないまま監督、出演者とも他の作品に取り掛かってしまい製作は中止。代わりにオリジナル脚本で臨んだのが本作である。

  • 検疫施設のサルの間で空気感染が発生した事実も描かれた『ホット・ゾーン』について、20世紀フォックスは2002年にもデヴィッド・シーゲルとスコット・マッギーヒーの共同監督作として映画化をアナウンスしたが、やはり中止。2014年になって原作者のプレストンをコンサルタントに迎え元々企画に携わっていたリドリー・スコットがプロデュースするテレビシリーズ制作が発表された。アメリカでも感染者が出た「2014年の西アフリカエボラ出血熱流行」を踏まえた内容になる[3]

エボラ出血熱が連続殺人に用いられるロビン・クック作のサスペンス『アウトブレイク-感染』(出版は1987年)が本作公開と同じ1995年に『Virus』のタイトルでニコレット・シェリダン主演でテレビドラマ化されている。日本では『LEVEL4』としてビデオ化、『ロビン・クックの死の処方箋』としてNHK-BS2で放映された。

病院の検査技師ヘンリーが恋人と映画館で観ているのは『トムとジェリー/ウソをついたら』であり、登場人物が劇中同じような行動をとる描写もある。

この映画が公開中の1995年に、ザイール(現・コンゴ民主共和国)でエボラ出血熱(エボラ・ザイール)が流行した。

出典[編集]

  1. ^ a b Outbreak (1995)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年2月6日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)544頁
  3. ^ リドリー・スコットが「エボラ出血熱」をドラマ化 CINEMATODAY

関連項目[編集]

外部リンク[編集]