鉄拳シリーズ
鉄拳シリーズ(てっけんシリーズ)は、バンダイナムコエンターテインメント(旧・ナムコ)が開発・販売を手掛ける3Dタイプ対戦型格闘ゲームの1シリーズ。
概要
鉄拳シリーズは、まずアーケードゲームとしてリリースし、後に家庭用ゲームソフトとして発売するという形を取っている。それを見越して、シリーズ第1作目の『鉄拳』当時から業務用機はPlayStationとの互換基板・SYSTEM11で開発されていた。
シリーズの特徴は第1作目から既に見られ、その当時からキャラクターの四肢に対応させた4つの打撃ボタンや10連コンボなどの鉄拳独自のシステム、そして、色モノ臭漂うキャラクターなどを盛り込んだ内容で制作されていた。しかし、アーケード版リリース当時は日本各地のゲームセンターでセガ(後のセガ・インタラクティブ)の『バーチャファイター2』が人気を博していたこともあって注目度は低く、対戦が盛んに行われることは無かった。
アーケードとは事情が異なる家庭用では、3D格闘ゲームとして強力なタイトルであるバーチャファイターシリーズが当時はセガ系ハードでしか移植されず、鉄拳はPlayStationソフトとして移植されたことにより3D格闘ゲームとして徐々に地位を確立していく。次回作の『鉄拳2』で100万本セールスのメガヒットを達成。そして、横移動・受け身・投げ抜けなど後年作でも重要視されるシステムが出揃った『鉄拳3』からは、本格的な対戦型格闘ゲームとしても注目され始め、『鉄拳3』および続編の『鉄拳タッグトーナメント』はアーケードでも3D格闘ゲームの分野においてはバーチャファイターシリーズと人気を二分する存在へと成長していく。『鉄拳4』ではアーケードで人気を大きく落とすものの、『鉄拳5』からは対戦成績の記録やキャラクターのカスタマイズなどのサービスが受けられる連動型オンラインネットワークシステム『TEKKEN-NET』の運用を開始し、アーケードプレイヤーの呼び込みを図った。また『鉄拳5』はPlayStation 2での忠実な移植も大きく、アーケード業界がいちはやく消え去った海外などではEvo2kなど大きな大会が家庭用で大会を行われることも多くなり(Evoは2005年)、家庭用移植が遅れた『鉄拳5.1』や『鉄拳5DR』よりPS2の『鉄拳5』で大会が行われるなど、時期的に競合した『バーチャファイター5』がPlayStation 3とXbox 360世代に移植されたため海外で大会が行われにくくなるなど、海外市場で有利な展開が進んだ(PS3は高価で海外で普及が遅れ、そのため新興国中心に安価でPS2が売られ、結果PS2が据え置きゲーム屈指の発売台数を記録する、など)。
アーケード版のうち、『鉄拳6 BLOODLINE REBELLION』までの筐体のサポートは部品調達難に伴い、2015年7月以降順次終了することが発表された[1]。
日本国内での人気も然ることながら、海外でも高い人気を誇っているシリーズで、全世界でのシリーズ累計出荷本数は4000万本以上に達している[2]、これはバンダイナムコエンターテインメントのゲームシリーズにおいて最高の販売本数となる。北米中心だけでなく、韓国市場などでも活躍したのも特徴的で、日本の格闘ゲーム大会「闘劇」で『鉄拳5』最初の優勝者が韓国人プレイヤーであり、その後も韓国人と日本人の強力なプレイヤー同士で日韓の対戦大会が行われ日本人トップレベルと互角の勝負を繰り広げるなど、『鉄拳5』『5DR』などで韓国人の活躍が目立った。
ゲームシステム
記事の体系性を保持するため、 |
プレイヤーキャラクター
記事の体系性を保持するため、 |
シリーズ作品
- メインシリーズ
- 鉄拳
- 鉄拳(アーケード、SYSTEM11、1994年12月稼働開始)
- 鉄拳(PlayStation、1995年3月31日発売)
- 鉄拳(PlayStation 2、ナムコレクションに収録、2005年7月21日発売)
- 鉄拳(PlayStation Portable/PlayStation 3、ゲームアーカイブスで配信、2011年7年6日配信開始)
- 鉄拳2
- 鉄拳2 (アーケード、SYSTEM11、1995年8月稼働開始)
- 鉄拳2 Ver.B (アーケード、SYSTEM11、1995年10月稼働開始)
- 鉄拳2 (PlayStation、1996年3月29日発売)
- 鉄拳2 (FOMA903i用メガアプリ、2006年11月2日配信開始)
- 鉄拳2 (PlayStation Portable、ゲームアーカイブスで配信、2006年11月22日配信開始)
- 鉄拳3
- 鉄拳3 (アーケード、SYSTEM12、1997年3月稼働開始)
- 鉄拳3 (PlayStation、1998年3月26日発売)
- 鉄拳タッグトーナメント
- 鉄拳タッグトーナメント(アーケード、SYSTEM12、1999年7月稼働開始)
- 鉄拳タッグトーナメント(PlayStation 2、2000年3月30日発売)
- 鉄拳4
- 鉄拳4 (アーケード、SYSTEM246、2001年8月稼働開始)
- 鉄拳4 (PlayStation 2、2002年3月28日発売)
- 鉄拳5
- 鉄拳5 Version 5.0 (アーケード、SYSTEM256、2004年11月稼働開始)
- 鉄拳5 Version 5.1 (アーケード、SYSTEM256、2005年7月稼働開始)
- 鉄拳5 DARK RESURRECTION (アーケード、SYSTEM256、2005年12月稼働開始)
- 鉄拳5 (PlayStation 2、2005年3月31日発売)
- 鉄拳 DARK RESURRECTION (PlayStation Portable、2006年7月6日発売) - PSP版のみがナンバリングの無いタイトルで発売された。
- 鉄拳5 DARK RESURRECTION (PlayStation 3、2006年12月27日ダウンロード販売開始)
- 鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE (PlayStation 3、2007年8月1日ダウンロード販売開始)
- 鉄拳6
- 鉄拳タッグトーナメント2
- 鉄拳タッグトーナメント2(アーケード、SYSTEM 369、2011年9月14日稼働開始)
- 鉄拳タッグトーナメント2 アンリミテッド(アーケード、SYSTEM 369、2012年3月27日稼働開始)
- 鉄拳タッグトーナメント2 (Playstation 3 / Xbox 360、2012年9月13日発売)
- 鉄拳タッグトーナメント2 Wii U EDITION(Wii U、2012年12月8日発売)
- 鉄拳7
- 鉄拳7(アーケード、2015年2月18日一部店舗で先行稼働開始、2015年3月18日正式稼働開始)
- 鉄拳7(PlayStation 4、発売日未定)
- 鉄拳7 FATED RETRIBUTION(アーケード、稼働日未定)
- 外伝的作品
- 鉄拳 ハイブリッド (PlayStation 3、2011年12月1日発売)
- 後述のCGアニメ映画『鉄拳 BLOOD VENGEANCE』、前述の鉄拳TTをHDリメイクした『鉄拳タッグトーナメントHD』、同じく『鉄拳TT2』をベースに映画に登場するキャラクターに焦点を当てた『鉄拳タッグトーナメント2プロローグ』の3作品を収録。映画と『鉄拳TT2』プロローグは三次元立体視(3D)に対応。映画はPS3以外のブルーレイプレーヤー・レコーダーでも再生可能。
- 鉄拳 3D プライム エディション(ニンテンドー3DS、2012年2月16日発売)
- シリーズ初のグラスレス三次元立体視プレイ可能作品。なお、このソフトにも『鉄拳 BLOOD VENGEANCE』が(別途ディスク同梱などでは無く、3DSカードに)収録されており、グラスレスで3D映像視聴が可能。
- 鉄拳 レボリューション (PlayStation 3、2013年6月12日サービス開始)
- 鉄拳シリーズ初のF2Pを採用した作品。
- 連動コンテンツ
- TEKKEN-NET - 『鉄拳5』以降のアーケード版の全シリーズが対応するオンラインネットワークシステムの名称で、ゲームセンター各店が販売する『TEKKEN-NET IDカード』(『鉄拳タッグトーナメント2』以降は『バナパスポートカード』)を介して稼動中の筐体と連動する。携帯電話向けサイト『TEKKEN-NET』に登録することで対戦成績や全国ランキングなどの閲覧が可能になる他、同サイト連動のアプリケーションを用いることでキャラクターのカスタマイズも可能になる。なお、従来型携帯電話向けのTEKKEN-NETは『鉄拳タッグトーナメント2アンリミテッド』までの対応となり、『鉄拳7』版TEKKEN-NETはPC・スマートフォン向けのみに展開する。
- i-mode (2004年11月15日サービス開始)
- Vodafone live! → Yahoo!ケータイ(2004年12月1日サービス開始)
- EZweb (2004年12月2日サービス開始)
- PC・スマートフォン (2011年9月14日サービス開始)- 『鉄拳タッグトーナメント2』稼働日と同日にサービス開始
パチスロ・パチンコ
- パチスロ
全機種とも山佐から発売。
- 鉄拳R(2004年5月) - ナムコと山佐が共同開発したパチスロ機で、販売は山佐が担当。登場人物のグラフィックは、PS2版の『鉄拳タッグトーナメント』が元になっている。
- 鉄拳X(2006年10月) - 上記『鉄拳R』のスペック違い。液晶画面などは全く同じだが、筐体デザインなどが一部異なる。
- パチスロ鉄拳2nd(2012年1月) - 2世代目となるパチスロで、ART機となった。
- パチスロ鉄拳 DEVIL Ver.(2012年5月) - 2ndのスペック違い。ARTが1ゲーム当り3.0枚の獲得になるなど、爆発力を大幅にアップ。
- パチスロ鉄拳3rd(2014年6月)
- パチンコ
- CR鉄拳(2013年10月、ビスティ)
派生作品
- 鉄拳カードチャレンジ(ワンダースワン、1999年6月17日発売)
- 鉄拳コマンドバトル(ezplus、2001年7月4日配信開始)
- 鉄拳アドバンス(ゲームボーイアドバンス、2001年12月21日発売) - 原作のCGを取り込んで操作感を再現した2D格闘になっている。
- 鉄拳コマンドバトル2 (ezplus、2002年1月31日配信開始)
- デス バイ ディグリーズ(PlayStation 2、2005年1月27日発売) - ニーナ・ウィリアムズが主人公のアクションアドベンチャーゲーム。派生作品ではあるが、シリーズ唯一の15歳以上対象作品となっている。
- ストリートファイター X 鉄拳(PlayStation 3 / Xbox 360、2012年3月8日発売) - カプコンの2D格闘ゲーム「ストリートファイターシリーズ」とのクロスオーバー作品。
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT(アーケード、2015年7月16日稼動) - 「ポケモン」とのコラボレーション。
その他の関連作品
- ゼビウス3D/G+ (PlayStation、1997年3月28日発売) - 三島平八、ポール・フェニックスが隠しキャラクターとして登場する。
- ソウルシリーズ - いずれも吉光の祖先(『IV』までは初代、『V』は2代目)がプレイヤーキャラクターとして登場する。
- ソウルキャリバー(ドリームキャスト、1999年8月5日発売)
- ソウルキャリバーII (PlayStation 2 / ニンテンドーゲームキューブ / Xbox、2003年3月27日発売) - PS2版で三島平八がゲストキャラクターとして登場する。
- ソウルキャリバーIII (PlayStation 2、2005年11月23日発売)
- ソウルキャリバーIV (PlayStation 3 / Xbox 360、2008年7月31日発売)
- ソウルキャリバーV (PlayStation 3 / Xbox 360、2012年2月2日発売)- キャラクタークリエイションモードの戦闘スタイル選択に「デビル仁スタイル」もある。
- スマッシュコートシリーズ
- スマッシュコート2 (PlayStation、1998年11月12日発売) - 吉光、三島平八がゲストキャラクターとして登場する。
- スマッシュコート3 (PlayStation、2000年11月9日発売) - ポール、木人がゲストキャラクターとして登場する。
- スマッシュコート プロトーナメント2 (PlayStation 2、2004年7月1日発売) - リン・シャオユウ、三島平八が隠しキャラクターとして登場する。
- NAMCO x CAPCOM (PlayStation 2、2005年5月26日発売) - 三島平八、デビル一八、風間仁、キング、アーマーキング、P.ジャック、木人が登場する。
- アーバンレイン(PlayStation 2、2005年9月29日発売) - ポール・フェニックス、マーシャル・ロウがゲストキャラクターとして登場する。
- リッジレーサー6 (Xbox 360、2005年12月10日発売) - 三島平八がゲストDJとして登場する。
- アブノーマルチェック - デモ画面に三島一八、三島平八が登場する。
- NARUTO -ナルト-ナルティメットストーム2(PlayStation 3 / Xbox 360、2010年秋発売) - ラース・アレクサンダーソンがゲストキャラクターとして登場する。
- PROJECT X ZONE(ニンテンドー3DS 2012年10月11日発売) - 風間仁、リン・シャオユウ、アリサ・ボスコノビッチ 、三島平八が登場する。
- PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD(ニンテンドー3DS 2015年11月12日発売) - 風間仁、三島一八、リン・シャオユウ、三島平八、アンノウン、木人、鉄人が登場する。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U - 2015年6月15日のアップデートで、Miiファイター向けのコスチュームとして三島平八の衣装が有料配信開始。
OVA
1998年1月21日に、『鉄拳 -TEKKEN-』というタイトルでOVA化された。全2巻。内容は『鉄拳2』のサイドストーリーをベースに、アニメオリジナルの展開を加えたものとなっている。主人公は三島一八。
OVA版キャスト
- 三島一八(声 - 山路和弘)
- 風間準(声 - 冬馬由美)
- 三島平八(声 - 郷里大輔)
- 李超狼(声 - 三木眞一郎)
- ニーナ・ウィリアムズ / 少年時代の一八 / 風間仁(声 - 高山みなみ)
- アンナ・ウィリアムズ(声 - 山像かおり)
- 雷武龍(声 - 中村彰男)
- ブルース・アービン(声 - 佐々木誠二)
- ミシェール・チャン(声 - 日高奈留美)
- 少女時代の準(声 - 仙台エリ)
- W.W.W.C局長(声 - 長克巳)
- ボスコノビッチ博士(声 - 大木民夫)
- ジャック2 / ナレーション(声 - 大塚明夫)
スタッフ
- 監督・脚色・絵コンテ - 杉島邦久
- 脚本 - 山口亮太
- キャラクター原案 - 柳澤一明
- アニメーションキャラクター・作画監督 - 河南正昭
- 美術監督 - 中村光毅
- 色彩設計 - 松本真司
- 音楽 - 外山和彦
- 録音演出 - 若林和弘
- プロデューサー - 増島由美子、森好正、西園寛
- アニメーション制作プロデューサー - 豊住政弘
- 制作協力 - スタジオディーン
- 制作 - フォーサム
- 製作 - アスキー、ソニー・ミュージックエンタテインメント
主題歌
収録メディア・関連商品
- ビデオ
- 鉄拳 -TEKKEN- vol.1 (1998年1月21日発売)
- 鉄拳 -TEKKEN- vol.2 (1998年2月21日発売)
- TEKKEN THE MOTION PICTURE /(Dub Edit)(1998年11月11日発売)
- LD
- 鉄拳 -TEKKEN- vol.1 (1998年1月21日発売)
- 鉄拳 -TEKKEN- vol.2 (1998年2月21日発売)
- DVD
- 鉄拳 -TEKKEN- (2000年11月22日発売)
- 主題歌CDシングル
- 鉄拳テーマ曲 Hero (1997年12月10日発売)
- サウンドトラックCD
- 鉄拳 サウンドトラック(1998年1月21日発売)
- ドラマCD
- 鉄拳 アナザーストーリー(1998年2月21日発売)
映画
- 実写映画『TEKKEN -鉄拳-』
- 2010年3月20日から公開。本作を元にした実写映画。
- 詳細は「TEKKEN -鉄拳-」を参照
- アニメーション作品『鉄拳 BLOOD VENGEANCE』
- 2011年9月3日から3D公開。シリーズ初のフルCG長編アニメーション作品。
- 詳細は「鉄拳 ブラッド・ベンジェンス」を参照
- 実写映画『鉄拳 Kazuya's Revenge』
- 2016年1月から公開。本作を元にした二度目の実写映画[4]。
小説
2011年8月30日に、『鉄拳 the dark history of mishima』というタイトルで小説化された。著者は矢野隆で、集英社より刊行。物語の時系列は『鉄拳5』と『鉄拳6』の間に位置する。ゲーム版の中心キャラクター三島一族の因縁を戦国時代まで遡る。
脚注
- ^ 『弊社商品の保守対応終了について』バンダイナムコエンターテインメント 2015年7月
- ^ “アメリカでも大絶賛!人気格闘ゲーム「鉄拳」の世界を完全再現したCGアニメ技術に驚愕”. MovieWalker (2011年8月30日). 2011年9月27日閲覧。
- ^ PRESS ROOM ナムコ、業務用ビデオゲーム「アブノーマルチェック」を発売
- ^ 人気格闘ゲーム『鉄拳』 ケイン・コスギ主演で実写映画化
関連項目
- 阿部将道 - 『鉄拳2』までの開発コーディネーター。『鉄拳3』ではディレクターを担当。
- 闘劇 - エンターブレイン主催の格闘ゲーム大会。鉄拳シリーズは2004年開催の第2回大会以来、全ての回で種目に選ばれている。
外部リンク
- ゲーム公式サイト
- ナムコ 製品情報
- 鉄拳 PlayStation版
- 鉄拳2 PlayStation版
- 鉄拳3 PlayStation版
- 鉄拳タッグトーナメント PlayStation 2版
- 鉄拳4 PlayStation 2版
- 鉄拳5 PlayStation 2版
- 鉄拳 DARK RESURRECTION PSP版
- 鉄拳6 PS3、Xbox 360、PSP版
- ナムコレクション PlayStation 2版
- 鉄拳アドバンス ゲームボーイアドバンス版
- 劇場版公式サイト