スポーン

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スポーン(Spawn)は、1992年アメリカイメージ・コミック社から出版された、トッド・マクファーレン原作の複数の漫画タイトルとそれに登場するスーパーヒーローの名前。

スポーンという語には「ヒヨッ子」という意味もあるが、「地獄の使い」と言う意味でその名が付けられた。

2009年までに世界120カ国で約1億9000万部が出版された。

ここではキャラクターとしてのスポーンと作品としてのスポーンに分けて記述する。

キャラクター[編集]

本名、アル・シモンズ。黒人。別名、ヘルスポーン。身長2m、体重200kg。妻はワンダ・ブレイク。

黒いコスチューム(ネクロプラズミック・アーマー)は、意思を有する魔界の寄生生物で、宿主であるスポーンを守るために巨大な真紅のマント、チェーン、スパイク、両腕の鉤爪などを操って自ら攻撃や防御を行う。マスクの中の素顔は醜く焼けただれている。また魔界から与えられた強大な魔力を有し、それは緑の炎で現されることが多い。魔力は有限であり、連載当初はスポーンが魔力を行使する度に読者のみに見える4桁の数字が段々減っていき、これが0になった時点でスポーンの魂は地獄に堕ちるとされていた。魔力で普通の人間に姿を変えることも可能ではあるが、生前とは全く似ていない白人の姿にしかなれないため、黒人であることにプライドを持つアルはほとんど使用していない。

作品[編集]

概要[編集]

作中に殺伐とした描写が多いのが特徴だが、主要なテーマに「愛」を掲げ、『愛の前には通常の善悪の基準など何ら意味をなさない』とするストーリー展開に創刊直後から人気が沸騰。創立直後のイメージ・コミックを、たちまち業界NO.3に引き上げた。 また、作者自らが立ち上げたマクファーレン・トイズより発売されたアクションフィギュアは非常に出来がよく、1994年から2008年まで長期に渡りシリーズが出続けており、一時は日本でもコレクションが大ブームとなった。映画版の後に制作されたアニメ版ではアルの性格やキャラクターなどもコミックや映画と少し異なっており、コミックだけではなくアニメの脚本も手掛けた作者によるとスポーン役のキース・デイヴィッド が以前に演じたキャラクターであるテレビアニメ『ガーゴイルズ』のゴライアスサイラゴを意識したキャラクターにしたとのことである。両者の間には、1話目の時点で結婚していたが悲劇により妻と引き裂かれ悲哀に終わる、という共通点がある。

あらすじ[編集]

優秀なCIA工作員であったアル・シモンズは、魔界第8階層の支配者マレボルギアの目に止まり、暗殺された。魔界に送り込まれたアルは最愛の妻ワンダと再会するためにマレボルギアと契約を交わし、魔界の軍団構成員”ヘルスポーン”となった。80億ものスポーンの軍勢を率いる将官候補として特別にスカウトされたアルは、マレボルギアの策略で「5年後の」地球に跳ばされた。そこでアルは、妻がかつての親友と再婚しており、子供までいることを知り、絶望する。

スラム地区に居を構えたスポーンは彼を王と慕うホームレスたちや自らを守るために、マフィアサイボーグや天界から送り込まれたアンチスポーン「リディーマー」らと戦う。また、天使アンジェラとは敵として相争い、その後は共闘する仲となっていく。

うち続く戦いの中で“地球”の意志に触れたスポーンは、魔界に属する存在ではなくなり、彼は自らの信じる正義に基づいてを犯したを殺害していく影のヒーローと変わっていく。

主人公とその交友関係・敵対関係[編集]

  • アル・シモンズ/スポーン:本作の主人公。上記を参照。
  • アンジェラ:天界の闘天使でトップクラスの戦士。番外編の「アンジェラ」でスポーンと手を組んで汚名を晴らしたこともある。
  • カリオストロ伯爵:アルに助言を与え、見守る謎の男。
  • サム&トゥイッチ:かつては腕利きの警官であったが、現在は私立探偵。サムは猪突猛進の大巨漢。トゥイッチは7人の子供を持つ狙撃手でもある。
  • バットマン:他社DCコミックのキャラクター。彼の住む街での悪魔の発現に際し共闘する。
  • マレボルギア:魔界第8階層の支配者。資料によってはメルボージャと書かれている場合あり。
  • オーバートキル:マフィアのサイボーグ。イタリアンマフィアからトニー・ツイストに貸し出された。頭脳以外は全て機械化されており、「過剰殺戮(オーバーキル)」の異名を持つ。
  • バイオレ-ター:マレボルギアの手下。スポーンの監視役。似たような姿の弟たちがおり、「フレビアック兄弟」として恐れられている。
  • クラウン:バイオレーターのヒューマンフォーム。
  • ザ・カース:スポーンを悪魔として抹殺しようとする狂信者。全身をサイボーグ化している。
  • ザ・フリーク:離婚のショックから自分をスーパーヒーローだと思いこむようになった精神病患者。「ホームレスの王」スポーンの地位を狙う。
  • テリー・フィッツジェラルド:アルの親友。
  • ワンダ:アルのかつての伴侶。現在はテリーと結婚している。名前の由来はトッド・マクファーレンの妻の名前から。
  • サイアン:テリーとワンダの娘。名前の由来はトッド・マクファーレンの娘から。
  • トニー・ツイスト:マフィアのドン。
  • トレマー:元は人間の殺し屋だったが、トニー・ツイストに改造され怪物のような姿のサイボーグになった。家族を殺したトニーに復讐しようとしている。
  • リディーマー:天界から送り込まれた対スポーン用の戦士で、「アンチ・スポーン」とも呼ばれる。炎の精霊の力を借り、スポーンを追いつめる。
  • ハリー・フーディニー:実在の大手品師。本作では天界でも魔界でもない「重複地帯」と呼ばれる異世界からのエージェントとして登場。本物の魔法の力を駆使しスポーンに能力の制御法を教え、共闘する。
  • サイゴー:アルの友人マイクの頭脳を移植されたゴリラのサイボーグ。
  • サンスカー:ニューヨーク市警に招かれた男。しかし本当の正体は、18世紀から生き続ける吸血鬼
  • ティファニー:アンジェラと同じ天界の闘戦士。スポーンを倒そうとしたが…。

映画[編集]

アニメ[編集]

アメリカ合衆国のHBOにて、Todd McFarlane's Spawnというタイトルで1997年から1999年まで放送された。 1999年、プライムタイム・エミー賞アニメーション番組部門(1時間以上) を受賞した。  日本ではカートゥーン ネットワークにおいて『SPAWN スポーン The Animated Series』というタイトルで12話まで放送された。

キャスト[編集]

  • スポーン/アル・シモンズ(声 - 大塚明夫/英 - キース・デイヴィッド
  • カリオストロ(声 - 北村弘一/英 - リチャード・A・ダイサート)
  • バイオレーター/クラウン(声 - 千田光男/英 - マイケル・ニコロージ)
  • ジェイソン・ウィン(声 - 有本欽隆/英 - ジョイン・ラフター・リー)
  • アンジェラ(声 - /英 - デニス・ポワリエ)
  • ワンダ・ブレイク(声 - /英 - ドミニク・ジェニングス)
  • テリー・フィッツジェラルド(声 - /英 - ヴィクター・ラヴ)
  • サイアン(声 - /英 - キャス・スーシー
  • サム・バーク(声 - 小山武宏/英 - ジェームズ・キーン
  • トゥイッチ・ウィリアムス(声 - 城山堅/英 - マイケル・マクシェーン)
  • チャペル(声 - 小形満/英 - ルーベン・サンチャゴ=ハドソン
  • トニー・トゥイスト(声 - /英 - ジェームズ・キーン)
  • スコット・マクミラン上院議員(声 - 北村弘一/英 - ロニー・コックス
  • オーバートキル(声 - 中多和宏/英 - ジェームズ・へインズ)
  • ギャレッブ(声 - 神谷和夫/英 - マイケル・マクシェーン)
  • マックス・キバラ(声 - 小山武宏)
  • ジェード/リサ・ウー(声 - /英 - ミン・ナ

邦訳コミック[編集]

全てメディアワークス刊。 権利の関係上全て絶版となっている。

  • スポーン 日本語版 1~26巻
本編の翻訳版。海外での86話までを収録している。マレボルギアとの決着を見る一つの大きな区切りである100話を目前にして日本展開が終了してしまったため、復刊や続刊を望む声も多い。
  • カースオブスポーン 日本語版 1~6巻
話毎に主人公が代わる短編集。アルとは別に世紀末の世界や、ギリシャ神話の世界に生まれたスポーン等が登場する。
  • スポーン・ブラッドフュード 日本語版
外伝作。スポーンのコスチュームの謎などが描かれる。
  • アンジェラ 日本語版
  • バイオレーター 日本語版
バイオレーターとその兄弟たちの死闘を描く。
同じイメージ・コミックのキャラであるウィッチブレイドとのクロスオーバー作品。この作品に登場するスポーンはアル・シモンズではなく、メディーバル・スポーンという中世に存在した元騎士のスポーン。
  • スポーン/バットマン 日本語版
バットマンとのクロスオーバー作品。競演作のほか、映画版のコミカライズが収録されている。

その他[編集]

  • SHADOWS OF SPAWN 1~3巻
メディアワークス刊。所十三による作品。本命であるアルの影として生まれた他のスポーンの物語。

ノヴェライズ[編集]

ゲーム[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]