毎日デザイン賞

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毎日デザイン賞(まいにちデザインしょう)は、1955年に創設された毎日新聞の主催によるデザイン賞。インダストリアルデザイングラフィックデザイン、ファッション・テキスタイルデザイン、建築・環境デザイン、電子メディアデザインなどの分野において、すぐれた活動を残したものが受賞対象となる。原則として毎日デザイン賞は、各年一件である。

なお、1975年までの名称は毎日産業デザイン賞であった。また毎日商業デザイン賞と呼ばれていたこともある。

毎日産業デザイン賞の受賞者一覧[編集]

年度 受賞対象 受賞者 カテゴリ
1955年 1 松田三輪トラック、蛇の目ミシン」 その他 小杉二郎 作品賞
「年間を通じての一連の作品」 早川良雄 作品賞
国井喜太郎 特別賞
山名文夫 特別賞
1956年 2 ダットサン・1955年112型セダン」 佐藤章蔵 作品賞
グラフィック'55展 原弘河野鷹思亀倉雄策伊藤憲治大橋正早川良雄山城隆一 作品賞
1957年 3 真野善一氏を中心とする松下電器産業株式会社中央研究所意匠部」 松下電器産業株式会社 中央研究所意匠部 作品賞
「年間を通じての一連の作品」 亀倉雄策 作品賞
1958年 4 「一連の作品(久保田鉄工株式会社のディーゼル・エンジンほか農機具)」 金子徳次郎 作品賞
「東京ADC編・'57年鑑広告美術」 東京アートディレクターズ・クラブ 作品賞
1959年 5 セコニックの8ミリ撮影機・映写機ならびにセコニック製品における一連のデザイン活動」 KAK(河潤之介秋岡芳夫金子至 作品賞
「テレビコマーシャルを中心とする一連のデザイン活動」 寿屋(サントリー株式会社)宣伝部/開高健柳原良平酒井睦雄山口瞳 作品賞
1960年 6 C100型スーパーカブ号 本田技研工業株式会社 作品賞
「『アサヒビール』一連の新聞広告デザイン」 山城隆一氏を中心とする日本デザインセンターメンバー 作品賞
「創立10年を迎えた日本宣伝美術会(日宣美)」 特別賞
1961年 7 「ソニーの製品における一連のデザイン活動」 ソニー株式会社
トヨペットコロナ1500 トヨタ自動車工業株式会社デザイン課員 部門賞
「音楽会ポスターを中心とする一連のグラフィック・デザイン」 杉浦康平 部門賞
「製紙におけるシリーズ・デザイン『アングルカラーSTカバーなど』」 原弘 部門賞
1962年 8 ヤマハ電動オルガンを中心とする楽器デザイン」 GKインダストリアルデザイン研究所 準賞
「ライトパブリシティにおける村越襄早崎治細谷巖氏らを中心とするフォト・デザイン」 ライトパブリシティのフォト・デザイングループ 準賞
1963年 9 「工業生産のためのファニチュア・デザイン一連の作品」 剣持勇デザイン研究所
「オリンピック公式ポスター三部作」 亀倉雄策
「季刊『グラフィック デザイン』におけるエディターシップ」 勝見勝 特別賞
1964年 10 「量産家具におけるデザインの確立」 株式会社天童木工製作所
オリンピック東京大会運営におけるデザイン・ポリシーの確立」 日本オリンピック委員会委員長 竹田恒徳 特別賞
1965年 11 NEC銀座ネオン塔を代表作とする一連のネオンサイン広告デザイン」 伊藤憲治
大阪市の街頭ゴミ容器の計画と都市美の推進」 大阪市の街頭ゴミ容器の計画と都市美の推進に貢献した人々 特別賞
1966年 12 グラフィック・デザイン展《ペルソナ》」 粟津潔宇野亜喜良片山利弘勝井三雄木村恒久田中一光永井一正福田繁雄細谷巖横尾忠則和田誠
「15年にわたり工業デザイン運動に貢献した日本インダストリアル・デザイナー協会(JIDA)」 「15年にわたり工業デザイン運動に貢献した日本インダストリアル・デザイナー協会(JIDA)」 特別賞
1967年 13 「紙製家具と卓上電気置時計などの開発」 Qデザイナーズ 代表者 渡辺力
「資生堂ウインドーなど一連の展示構成」 伊藤隆道
「国際・国内にわたる15年のデザイン運動」 日本デザインコミッティ 特別賞
1968年 14 「軽量型汎用エンジンG25およびそのアタッチメント・シリーズ」 本田技研工業株式会社
トミーマジック・スカイレールおよびメカニック・シリーズ」 トミー工業株式会社 奨励賞
「日本の広告美術─明治・大正・昭和全3巻」 東京アートディレクターズ・クラブ 特別賞
1969年 15 「百貨店における商品デザインの組織的研究」 鈴木庄吾をチーフとする伊勢丹研究所ID研究室
1970年 16 「石井幹子氏の照明デザイン活動」 石井幹子
「福田繁雄氏の3Dデザイン活動」 福田繁雄
EXPO'70のストリート・ファニチュアとその展開」 〈ディレクター〉栄久庵憲司〈チーム〉剣持勇デザイン研究所、
トータル・デザイン・アソシエート
GKインダストリアルデザイン研究所
特別賞
1971年 17 「長大作・松村勝男・水之江忠臣3氏のファニチャー・コレクション」  長大作松村勝男水之江忠臣
「粟辻博氏のインテリア・テキスタイル・デザイン活動」 粟辻博
1972年 18 「『キッコーマン醤油』一連の広告イラストレーション」  大橋正
「商店建築における一連の家具とディスプレイ」 倉俣史朗
1973年 19 「『西武劇場ポスター、文楽の造本、観世能ポスター』一連のデザイン活動」 田中一光
世界インダストリアル・デザイン会議実行委員会 特別賞
1974年 20 「1971年~74年展-千年王国への旅」 横尾忠則
白山陶器における新しい食器群」 森正洋
1975年 21 パルコ一連の広告デザイン」 石岡瑛子
「羽生道雄氏を中心とするモノプロのデザイン活動」 羽生道雄

毎日デザイン賞の受賞者一覧[編集]

年度 受賞対象 受賞者
1976年 22 「三宅一生の衣服デザイン活動」 三宅一生
1977年 23 「遊具および公園などの環境デザイン」 仙田満
1978年 24 「二川幸夫の建築写真とその出版活動」 二川幸夫
「大衆小型カメラコニカC35シリーズ 小西六写真工業株式会社
1979年 25 フォトモンタージュによる一連の作品」 木村恒久
1980年 26 スカイラインGTのトータルデザイン」 桜井真一郎
サントリーの広告活動に於けるアートディレクション」 浅葉克己
1981年 27 「ファッションライブシアターとAXISビルの総合的デザインプロデュース」 浜野安宏
1982年 28 ホンダシティ 渡辺洋男ほかシティ開発グループ
富山県立近代美術館のポスターデザイン」 永井一正
1983年 29 「ガラスを用いた一連のデザイン」 葉祥栄
1984年 30 「現代彫刻と融合した一連の商業空間」 杉本貴志
1985年 31 「交感スルデザイン」に集まった5人のデザイナーの活動と小池一子 安藤忠雄川久保玲喜多俊之黒川雅之杉本貴志小池一子
1986年 32 「パッケージを中心とする一連のグラフィックデザイン活動」 松永真年
1987年 33 「内田繁のインテリアデザイン活動」 内田繁
「大型ポスターに見るグラフィック表現」 サイトウマコト
1988年 34 「CFにみる映像表現」 操上和美
1989年 35 「CIデザインの理論化と実践」 中西元男とパオスの人々
1990年 36 「身障者用具へのデザイン的視点」 川崎和男
「グラフィックデザインにおける日本的精神性」 佐藤晃一
1991年 37 「格調のある量産家具デザイン」 川上元美
1992年 38 「個性に根ざしたグラフィックデザイン」 仲條正義
1993年 39 コンピュータ・グラフィックスによる新しい映像表現」 河原敏文
1994年 40 「勝井三雄のハイテクを生かしたグラフィック表現」 勝井三雄
1995年 41 「紙の建築のデザインとその社会性」 坂茂
1996年 42 APSカメラのデザイン」 塩谷康
「プリーツをはじめとする衣服素材の開発」 皆川魔鬼子
1997年 43 「公共空間の光デザイン活動」 面出薫
「『和田誠 時間旅行』展の成果」 和田誠
1998年 44 「さわやかな情感をもつ広告表現」 葛西薫
1999年 45| 「エンターテインメントロボット“AIBO”の発想とデザイン」 ソニー株式会社AIBO開発チーム
「境界を超えたアートとデザインの関係」 日比野克彦
2000年 46 「『東証アローズ』のインテリアデザイン」 近藤康夫
「『紙とデザイン』のアートディレクション」 原研哉
2001年 47 「化粧品ブランド『qiora』のデザイン」 平野敬子工藤青石
「空間デザインの新たな挑戦」 吉岡徳仁
2002年 48 「展覧会『デザインの解剖』」 佐藤卓
「環境と行為によりそうデザイン」 深澤直人
2003年 49 「一連の広告アートディレクション」 大貫卓也
「A-POCのデザイン」 藤原大
2004年 50 「テクノロジーと人間をつなぐデザイン」 山中俊治
2005年 51 「『佐藤雅彦研究室展』にみるコミュニケーションワークス」 佐藤雅彦と佐藤雅彦研究室
2006年 52 「ホテル マンダリン・オリエンタル東京のテキスタイルに集約された一連の活動」 須藤玲子
「グラフィックデザインを中心とする領域を超えた活動」 佐藤可士和
2007年 53 「一連のブランドづくりとディレクション」 永井一史
「地域活性とデザインプロデュース」 北山孝雄
2008年 54 「インタラクティブデザインの創造的な活動」 中村勇吾
「建築空間と融合した一連のサイン計画」 廣村正彰
2009年 55 「大気の陰影をとらえた一連の写真」 藤井保
2010年 56 JR九州の車両デザインをはじめとする公共デザイン」  水戸岡鋭治
「一連のギャラリー展示・空間構成に対して」 石上純也
2011年 57 「人にやさしいプロダクトデザイン」 柴田文江
「新しいグラフック表現の開拓」 服部一成
2012年 58 「心豊かな暮らしのデザイン」 小泉 誠
2013年 59 「ほがらかなデザイン」 佐野研二郎
「良いものの発掘と再生」 ナガオカケンメイ
2014年 60 「『感じ』をデザイン」 鈴木康広
「潔いデザイン」 長嶋りかこ
2015年 61 「想いをとどける服づくり」 皆川明
2016年 62 「プログラミング可視化への挑戦」 真鍋大度+ライゾマティクス
2017年 63 「先鋭的なグラフィックデザイン活動」 井上嗣也
「一連の建築作品」 西沢立衛
2018年 64 「『なるほど』の視点と表現」 中村至男
「折りのデザイン」 山口信博
2019年 65 「現象から引き出すデザイン」 三澤遥
「センシュアルな写真表現」 吉田ユニ

毎日デザイン賞(特別賞)の受賞者一覧[編集]

年度 受賞対象 受賞者
1978年 24 「第8回世界クラフト会議・京都」 第8回世界クラフト会議・京都実行委員会
1982年 28 「半世紀にわたるデザイン評論活動」 勝見勝
1988年 34 「カー・デザインにおける時代感覚」 日産自動車株式会社デザインセンター
1989年 35 世界デザイン会議'89名古屋の開催とその成果」 諸星和夫を中心とする世界デザイン会議実行委員会
1993年 39 「季刊『クリエイション』の編集・発行」 亀倉雄策
1995年 41 ギンザ・グラフィック・ギャラリーの10年間の活動」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー
1996年 42 「視聴覚障害児と共遊できる玩具の提案とその成果」 社団法人日本玩具協会「小さな凸」実行委員会
1997年 43 「長年にわたる展覧会、セミナー、出版活動」 ギャラリー・間
1998年 44 「資生堂展にみる企業の文化性」 資生堂
1999年 45 「文字とデザインによる文化活動」 株式会社モリサワ
2000年 46 「『印刷博物館』の開設」 粟津潔凸版印刷株式会社
2001年 47 「デジタルデザインの本質を見据えた啓発性」 前田ジョン
2003年 49 「『世界グラフィックデザイン会議・名古屋2003』企画に対して」 世界グラフィックデザイン会議・名古屋2003企画委員会
2004年 50 「デザインギャラリーの20年間の活動」 大迫修三
2005年 51 「『五十嵐威暢シリーズ展』の活動」 五十嵐威暢
2006年 52 「半世紀にわたる日本のデザイン振興に対して」 グッドデザイン賞(Gマーク)
2007年 53 「50年を超えるデザイン啓蒙活動」 松屋銀座
2008年 54 「30年にわたるグラフィックデザイン活動への貢献」 社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)
2013年 59 「長年にわたる文字を基点とした表現活動」 平野甲賀
2014年 60 「デザインの多視点を提示」 21_21 DESIGN SIGHT
「心地よい暮らしの基準確立」 無印良品
2015年 61 「長年のデザイン普及活動」 株式会社アクシス
2016年 62 「土地の力を引き出すデザイン」 梅原真
2017年 63 「長年の建築写真活動」 藤塚光政
2019年 65 「自動運転バスの提案」 無印良品Sensible4

選考委員[編集]

※2019毎日デザイン賞の選考委員

脚注[編集]

外部リンク[編集]