叙情詩 (曲)

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叙情詩
L'Arc〜en〜Cielシングル
初出アルバム『AWAKE
B面 HEAVEN'S DRIVE 2005
リリース
規格 マキシシングル
デジタル・ダウンロード
ジャンル ポップス
ロック
時間
レーベル Ki/oon Records
作詞・作曲 hyde (作詞)
ken (作曲)
プロデュース L'Arc〜en〜Ciel
岡野ハジメ
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 2005年5月度月間4位(オリコン)
  • 2005年度年間69位(オリコン)
  • 登場回数7回(オリコン)
  • L'Arc〜en〜Ciel シングル 年表
    New World
    (2005年)
    叙情詩
    (2005年)
    Link
    (2005年)
    AWAKE 収録曲
    LOST HEAVEN
    (2)
    叙情詩
    (3)
    TRUST
    (4)
    ミュージックビデオ
    L'Arc〜en〜Ciel「叙情詩」-Music Clip- - YouTube
    (※) 2019年12月11日から2022年4月28日まではYouTube Music Premium限定有料公開
    (※) 2022年4月29日から無料公開
    テンプレートを表示

    叙情詩」(じょじょうし)は、日本ロックバンドL'Arc〜en〜Cielの27作目のシングル。2005年5月18日発売。発売元はKi/oon Records

    解説

    L'Arc〜en〜Cielの2005年第3弾シングルであり、前作「New World」以来約1ヶ月ぶりとなるシングルリリース。同年6月に発売された10thアルバム『AWAKE』の先行シングルとなっている。

    本作の表題曲は、本作発売の約1ヶ月前となる2005年4月11日から、日本テレビ系列で放送された情報番組『スーパーテレビ情報最前線』のエンディングテーマに起用された。また、表題曲の作曲はkenが手掛けており、クラシカルなイントロからモダンな16ビートに展開するミディアム・バラードソングとなっている[2]。ちなみに、L'Arc〜en〜Cielのシングル表題曲の作曲をkenが担当するのは、2000年1月に発表した「NEO UNIVERSE」以来約5年4ヶ月ぶりで、バラードソングがシングル表題曲になったのは2004年3月に発表した「瞳の住人」以来4作ぶりのこととなった。

    フィジカルの初回限定仕様は、ピクチャーディスク仕様となっている。また、本作のジャケットデザインは、写真家デザイナーであるモート・シナベルが手掛けている。モート・シナベルは本作のアートワーク以外に、アルバム『ray』やリミックスアルバム『ectomorphed works』、アルバム『REAL』、アルバム『AWAKE』など、L'Arc〜en〜Cielの多くの作品のアートワークを手掛けており、バンドと縁深い人物となっている。このジャケットデザインは表題曲を作曲したkenもお気に入りだったようで、kenはこのデザインをペイントしたシグネチャーモデルギター2005年から2006年の間に開催したL'Arc〜en〜Cielのライヴでメインギターとして使用していたことがある。ちなみに、後年にこのギターを基に「Fernandes LD-Custom kk 叙情詩」と銘打ったギターが製造され、フェルナンデス社より完全受注生産で発売されることとなった。

    発売初週の2005年5月30日付のオリコン週間シングルチャートでは、前作「New World」に続く通算16作目の首位を獲得している。これにより2001年9月発表の「Spirit dreams inside -another dream-」から本作にかけ、L'Arc〜en〜Cielとして最長となるシングル7作連続オリコン週間シングルチャート首位獲得を記録した。

    ミュージックビデオ

    トマ・クチュール作/退廃したローマ人
    (1847年制作、オルセー美術館)
    ミュージック・ビデオ内で使用された絵画作品の一部

    表題曲「叙情詩」のミュージック・ビデオは、HYDEがソロ名義で発表した楽曲「HELLO」と「COUNTDOWN」のミュージック・ビデオを手掛けた小島淳二がディレクター、「COUNTDOWN」の映像を手がけた松岡公一が脚本ならびにクリエイティブ&アートディレクション、木城慎也がプロダクションプロデューサーを務めた作品となっている。

    映像は、バンドの演奏シーンとhydeが洋館を巡りメンバーから受け取った手紙を開封していくシーンを合わせた構成となっている。映像で登場する洋館は、東京都新宿区にある小笠原伯爵邸がロケ地となっている。演奏シーンは、前述の洋館に加え、西洋絵画作品が舞台となっており、ルネサンス期、ロココ期を中心とした西洋絵画の中にメンバーやエキストラを空間的にコラージュした映像が撮影されている(使用されている絵画作品の一部は図参照)。このコラージュは、すべてアートディレクションを担当した松岡公一が手掛けている。ちなみに、tetsuyaはこの撮影において、ヘフナー社のヴァイオリンベースHofner G500/1」を使用している。

    映像公開となる2005年に開催された「平成17年度(第9回)文化庁メディア芸術祭」において、エンターテインメント部門 審査委員会推薦作品として、このミュージック・ビデオが上映されている[3]。さらに、2006年には音楽専門チャンネルスペースシャワーTV』が主催した音楽賞「SPACE SHOWER Music Video Awards 06」において「ART DIRECTION VIDEO WINNERS」にこの映像が選出されている。

    また、このミュージック・ビデオは2007年12月5日に発表したクリップ集『CHRONICLE 3』に初収録されている。さらに、2019年12月11日公式YouTubeアーティストチャンネルにおいてYouTube Music Premium限定で映像の有料公開を開始している。そして有料公開開始から約2年4ヶ月後となる2022年4月29日からは映像の無料公開が開始された。

    収録曲

    1. 叙情詩 / L'Arc〜en〜Ciel
      日本テレビ系番組『スーパーテレビ情報最前線』エンディングテーマ。
      クラシカルなイントロからモダンな16ビートに展開するミディアム・バラードソングとなっている[2]2004年に開催したライヴツアー「SMILE TOUR 2004」が終わった後の作曲期間中に、kenがデモを制作していた楽曲[4]。作曲を担当したken曰く「作曲期間中に何曲か作ったんですが、こういうタイプのバラードはまだやってないから"いっちょ作ろうかな!"って思って何気なく作り出した[4]」といい、デモを制作始めた当初は、ギターを使わずキーボードでコードなどを打ち込んで制作したという[4]。デモ制作のアプローチについて、kenは「キーボードで作る時は、自分はコードをぽーんと弾くことぐらいしかできないので、メロディとかコードとかを打ち込みながら作るんですね。そういう作り方をすると、メロに細心の注意を払いながら曲を作ることができるんですよ[5][4]」「携帯電話に鼻歌で1フレーズを入れてそれを聴いて曲を作る時もあれば、本当に楽器を持った時に最後までできちゃう曲とかもあるんですよ。で、「叙情詩」は後者のほう[4]」と語っている。
      また、この曲の構成について、kenは「最近なんかAメロ〜Bメロ〜Cメロ〜Dメロみたいな曲が多いなと思って、そこから抜け出したかった。この曲はよくサビと言われる部分で展開がいっぱいあるというか、ブロックが明確に分かれきらずに、変化を持っていけるような曲。AメロとBメロが一緒くたになってサビにつながるとか、3番まで書かないぞとか。そういう意味でこの曲はちょっとチャレンジでしたね[6]」と語っている。さらに、自身が手掛けたデモの印象について、kenは「メロディをギターとオーボエで入れたので雰囲気の南国っぽい部分とクラシックっぽい部分ができた[7]」と述べている。この曲のドラムは、yukihiro曰く「昔から好きで聴いていたグラウンド・ビートをイメージして演奏した[8]」という。ちなみに、弦編曲はマイケル・ジャクソンホイットニー・ヒューストンなどの楽曲でアレンジやオーケストラの指揮を担当したジェレミー・ラボックが担当している。
      作詞を担当したhydeは、デモを聴いた際に「聴いた瞬間に、歌ものとして自分でグルーヴが作りやすい曲だっていうのがすぐわかったんで、これは歌としていい歌が歌えるし、歌いたいなと[9][10]」と思ったといい、「こういう曲が歌いたいと思っていた時にkenが持ってきてくれた曲がまさに「叙情詩」だった。だから詞もすぐに書けた」と作詞作業がスムーズに進んだ旨を語っている。
      2007年に開催したホールツアー「Are you ready? 2007 またハートに火をつけろ!」では、全36公演中35公演でこの曲がアンコールを含めラストナンバーとして披露されている[11]。また、2011年5月29日に開催したライヴ「20th L'Anniversary LIVE」では、出だしのサビ部分のみア・カペラにしたアレンジで披露されている。さらに、2012年3月より世界10都市で開催したライヴツアー「WORLD TOUR 2012」では、前奏にストリングス・パートを追加し、前年のライヴと同様に出だしをア・カペラで披露している。この2012年開催のライヴツアーにおけるマディソン・スクエア・ガーデン公演で、この曲をア・カペラで披露した際は、hydeは「公演の中で一番緊張した[12]」という。
    2. HEAVEN'S DRIVE 2005 / P'UNK〜EN〜CIEL
      15thシングル「HEAVEN'S DRIVE」の表題曲のパートチェンジバンド、P'UNK〜EN〜CIELによるカバー。
    3. 叙情詩 (hydeless version)
    4. HEAVEN'S DRIVE 2005 (TETSU P'UNKless version)

    参加ミュージシャン

    • 叙情詩 / L'Arc〜en〜Ciel
      • hydeVocal
      • kenGuitar
      • tetsuBass
      • yukihiroDrum
        • Jeremy Lubbock:Strings Arrangement, Conductor
        • Charles Bisharat:Violins
        • Darius Campo:Violins
        • Joel Derouin:Violins
        • Armen Garabedian: Violins
        • Berj Garabedian: Violins
        • Patricia Johnson: Violins
        • Peter Kent: Violins
        • Miran Kojian:Violins
        • Anatoly Rosinsky:Violins
        • Shari Zippert:Violins
        • Marilyn Baker:Violas
        • Denyse Buffum:Violas
        • James Ross:Violas
        • Evan Wilson:Violas
        • Larry Corbett:Cellos
        • Emie Ehrhardt:Cellos
        • Suzie Katayama:Cellos
        • Dan Smith:Cellos
        • Earle Dumler:Oboe
        • ken:Keyboard & Manipurate
        • yukihiro:Tambourine
    • HEAVEN'S DRIVE 2005 / P'UNK〜EN〜CIEL
      • TETSU P'UNK:Vocal
      • HYDE P'UNK:Guitar, Backing Vocal
      • YUKI P'UNK:Bass, Backing Vocal
      • KEN P'UNK:Drum

    収録アルバム

    オリジナルアルバム

    ベストアルバム

    セルフカバーアルバム

    脚注

    1. ^ ゴールドディスク認定 2005年5月 - 日本レコード協会
    2. ^ a b 『WHAT's IN?』、p.43、ソニー・マガジンズ、2005年7月号
    3. ^ L'arc~en~Ciel/叙情詩 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品
    4. ^ a b c d e 『WORDS L'Arc〜en〜Ciel』、p.128、角川書店、2005年
    5. ^ 『WORDS L'Arc〜en〜Ciel』、p.127、角川書店、2005年
    6. ^ 『GiGS』、p.18、シンコーミュージック・エンタテイメント、2005年11月号
    7. ^ 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 03』、p.202、ソニー・マガジンズ、2006年
    8. ^ 『WORDS L'Arc〜en〜Ciel』、p.151、角川書店、2005年
    9. ^ 『WORDS L'Arc〜en〜Ciel』、p.121、角川書店、2005年
    10. ^ 『WORDS L'Arc〜en〜Ciel』、p.122、角川書店、2005年
    11. ^ 2007年6月27日に行われた島根県民会館公演のみ「瞳の住人」がアンコールを含めラストナンバーとして披露されている。
    12. ^ 【ライヴレポート:速報】VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY 2013>、幕張二日目に「みんな熱い? 火照ってるのね。わかるわかる」 - BARKS