ドウデュース

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ドウデュース
第89回東京優駿のウィニングランで歓声に応えるドウデュースと武豊騎手
(2022年5月29日、東京競馬場)
欧字表記 Do Deuce[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2019年5月7日(5歳)[1]
ハーツクライ[1]
ダストアンドダイヤモンズ[1]
母の父 Vindication[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 (株)キーファーズ
調教師 友道康夫栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀2歳牡馬(2021年)
生涯成績 8戦4勝[1]
中央:6戦4勝
海外:2戦0勝
獲得賞金 3億8727万500円
中央:3億8595万1000円[1]
フランス:9100ユーロ[2][注 1]
(2022年10月2日現在)
勝ち鞍
GI 朝日杯FS 2021年
GI 東京優駿 2022年
Listed アイビーS 2021年
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ドウデュース(欧字名:Do Deuce2019年5月7日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2021年朝日杯フューチュリティステークス2022年東京優駿

馬名の意味は「する+テニス用語(勝利目前の意味)」[3]。2021年のJRA賞最優秀2歳牡馬である。

戦績

デビュー前

2019年5月7日、北海道安平町ノーザンファームで誕生。松島正昭が代表を務める株式会社キーファーズの所有馬となり、ノーザンファーム空港牧場で育成の後、栗東トレーニングセンター友道康夫厩舎に入厩した。

2歳(2021年)

9月5日に小倉競馬場で行われた2歳新馬戦(芝1800メートル)に武豊鞍上で出走。1番人気に推されると、レースは直線でガイアフォースとの追い比べをクビ差制してデビュー勝ちを果たした[4]

次走はリステッド競走のアイビーステークスを選択。2番人気に推され、レースでは追い比べから抜け出すと、最後は追い込んできたグランシエロをクビ差凌いで優勝、デビュー2連勝とした[5]

続いて朝日杯フューチュリティステークスに出走。重賞勝ち馬セリフォスジオグリフをはじめとした自身と同じ無敗馬が多く顔を揃える中[6]、3番人気に支持される。レースでは直線で外に出すと、先に抜け出していたセリフォスを半馬身差で差し切り優勝、無傷3連勝でGI初制覇を果たした[7]。鞍上の武豊はこの競走22回目の挑戦で初制覇[注 2]となり、日本の中央競馬 (JRA) の平地GI完全制覇までホープフルステークスを残すのみとした[7]。また馬主である松島及びキーファーズにとっては初の単独所有馬によるGI勝利、並びに国内GI初制覇となった[8]

3歳(2022年)

3歳初戦として、弥生賞ディープインパクト記念に出走。単勝オッズ2.2倍の1番人気に推された。道中は勝ち馬アスクビクターモアを見る形で追走。残り800メートル過ぎに後方からロジハービンが一気に進出したため、いったんポジションを下げる。そこから立て直し、ゴール前では勝ち馬を懸命に追い上げたがクビ差届かず2着に。デビューからの連勝は3でストップした[9]

続いて、4月17日に行われた皐月賞に出走。1番人気には推されたものの単勝のオッズは3.9倍で、これは1984年のグレード制導入以降、1990年アイネスフウジンの4.1倍に次ぐ皐月賞1番人気の低支持率オッズであった。レースでは道中後方からじっくり運び、最後の直線は外からメンバー最速となる上がり (競馬)3ハロン33秒8の鋭い脚を使って追い詰めたものの、3着に敗れた[10]

次に、5月29日東京優駿(日本ダービー)に出走。単勝4.2倍の3番人気でレースを迎えた[11]。レースではスタートから後方に控え、前半1000メートルを58秒9という早いペースの中落ち着いてレースを進め、直線に入ってスパート。鞍上武豊の右ムチに応え加速し先団を捉え、大外から伸びてくるイクイノックスをクビ差抑え込み優勝。朝日杯以来のGI制覇となり、勝ちタイムは2分21秒9のダービーレコード。鞍上の武は、歴代最多を更新する2013年キズナ以来となるダービー6勝目、かつ歴代最年長、史上初の50代でのダービージョッキーの名誉となった[12]。また朝日杯フューチュリティステークスの勝ち馬が日本ダービーを制したのは、1994年のナリタブライアン(前身である朝日杯3歳ステークスを勝利)以来28年ぶりとなった[13]

6月10日に国際競馬統括機関連盟が発表した「ロンジンワールドベストレースホースランキング」において、ドウデュースは日本ダービーを勝利した功績を評価され、シャフリヤールエンブレムロードと並ぶレーティング120で第15位タイに位置づけられた[14]

次走として凱旋門賞への出走を表明した[15]。ドウデュースののんびりとした性格上、フランスへ赴いた場合に放牧と勘違いする可能性を踏まえ、日本ダービー直後の時点で友道は直行する予定と語っていたが[16][17]、のちに松島はニエル賞を前哨戦として使ってから凱旋門賞に出走するプランもあり、その後はアメリカのブリーダーズカップ・ターフへの出走も検討していると述べた[18]。最終的に友道は凱旋門賞に直行ではなくニエル賞を経由して凱旋門賞に出走すると発表した[19][20][19]

競走成績

以下の内容はJBISサーチ[21]、netkeiba.com[22]およびFrance Galop[23]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2021.09.05 小倉 2歳新馬 芝1800m(良) 13 8 13 001.70(1人) 01着 R1:50.2(34.1) -0.1 0武豊 54 ガイアフォース 494
0000.10.23 東京 アイビーS L 芝1800m(良) 8 4 4 003.80(2人) 01着 R1:49.3(34.0) -0.0 0武豊 55 (グランシエロ) 506
0000.12.19 阪神 朝日杯FS GI 芝1600m(良) 15 5 9 007.80(3人) 01着 R1:33.5(34.5) -0.1 0武豊 55 セリフォス 496
2022.03.06 中山 弥生賞ディープ記念 GII 芝2000m(良) 11 6 7 002.20(1人) 02着 R2:00.5(35.0) -0.0 0武豊 56 アスクビクターモア 504
0000.04.17 中山 皐月賞 GI 芝2000m(良) 18 6 12 003.90(1人) 03着 R2:00.0(33.8) -0.3 0武豊 57 ジオグリフ 496
0000.05.29 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 7 13 004.20(3人) 01着 R2:21.9(33.7) -0.0 0武豊 57 イクイノックス 490
0000.09.11 パリロンシャン ニエル賞 G2 芝2400m(So)[注 3] 7 7 5 003.40(2人) 04着 R2:33.46(37.33) -0.65 0武豊 58 Simca Mille 計不
0000.10.02 パリロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m(TS)[注 4] 20 3 19 037.0(11人)[注 5] 19着 02:44.48(46.30) -8.77 0武豊 56.5 Alpinista 計不
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す
  • 海外の競走の「枠番」欄はゲート番を記載
  • 海外のオッズ・人気は現地主催者発表のもの(日本式のオッズ表記とした)
  • 競走成績は2022年10月2日現在

血統表

ドウデュース血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

ハーツクライ
2001 鹿毛 北海道千歳市
父の父
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
アイリッシュダンス
1990 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
*ビューパーダンス Lyphard
My Bupers

*ダストアンドダイヤモンズ
2008 鹿毛 アメリカ
Vindication
2000 黒鹿毛
Seattle Slew Bold Reasoning英語版
My Charmer
Strawberry Reason Strawberry Road
Pretty Reason
母の母
Majestically
2002 黒鹿毛
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Darling Dame Lyphard
Darling Lady
母系(F-No.) 3号族(FN:3-d) [§ 3]
5代内の近親交配 Hail to Reason 4×5, Lyphard 4×4 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ[29]およびnetkeiba.com[30]、競馬ラボ[31]
  2. ^ 前者は競馬ラボ[32]、後者はnetkeiba.com[30]
  3. ^ JBISサーチ[29]、netkeiba.com[30]
  4. ^ JBISサーチ[29]、競馬ラボ[31]、netkeiba.com[30]

脚注

注釈

  1. ^ 日本円で、131万9500円。
  2. ^ 前身の朝日杯3歳ステークス含む。中山競馬場で開催されていた時は3歳ステークス時を含めて勝利がなかった。
  3. ^ 馬場状態の発表は「Souple」[24]。これをJRAは「重」と発表した[25]馬場状態#芝馬場参照。
  4. ^ 馬場状態の発表は「Tres Souple」[26]。これをJRAは「重」と発表した[27]馬場状態#芝馬場参照。
  5. ^ オッズ・人気はフランス場外馬券発売公社のもの[28]。日本国内では、単勝オッズ7.5倍の3番人気であった。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n ドウデュース”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月18日閲覧。
  2. ^ 2022 ドーヴィル大賞、ヴェルメイユ賞、フォワ賞、ニエル賞、パン賞の登録要綱”. 2022年9月12日閲覧。
  3. ^ ドウデュース”. キーファーズサロン. 2021年12月19日閲覧。
  4. ^ 【小倉5R新馬戦結果】武豊騎手騎乗、ハーツクライ産駒ドウデュースが人気に応える | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2021年9月5日). 2021年12月19日閲覧。
  5. ^ 【アイビーS結果】武豊騎手騎乗ドウデュースが抜け出して出世レースを制す | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2021年10月23日). 2021年12月19日閲覧。
  6. ^ 【朝日杯FS見どころ】セリフォスが無傷4連勝での戴冠に挑む | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2021年12月13日). 2021年12月19日閲覧。
  7. ^ a b 【朝日杯FS結果】ドウデュースが無傷3連勝!武豊騎手は22度目の挑戦で朝日杯初制覇! | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2021年12月19日). 2021年12月19日閲覧。
  8. ^ 【朝日杯FS】武豊騎手22度目の挑戦!ドウデュースで初V”. 競馬のおはなし. 株式会社競馬のおはなし (2021年12月19日). 2021年12月19日閲覧。
  9. ^ 【弥生賞】ドウデュース2着も収穫 武豊「トライアルとしてはいい内容」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2022年3月7日). 2022年8月18日閲覧。
  10. ^ 【皐月賞】ドウデュース3着 またもGⅠ1番人気負ける 武豊最年長Vならず”. 東スポ競馬. 株式会社東京スポーツ新聞社 (2022年4月17日). 2022年4月20日閲覧。
  11. ^ 日本ダービー(G1) 出馬表 | 2022年5月29日 東京11R レース情報(JRA)”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年5月29日閲覧。
  12. ^ 【日本ダービー結果】ドウデュースがV!武豊騎手は前人未到6度目のダービー制覇! | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2022年5月29日). 2022年5月29日閲覧。
  13. ^ 安藤裕 (2022年5月31日). “「競馬の神様」に愛される武豊騎手 ダービーに勝つベストポジションを知る - 安藤裕のハッピー(馬)ダイアリー - 競馬コラム”. 日刊スポーツ. 株式会社日刊スポーツNEWS. 2022年8月18日閲覧。
  14. ^ 最新世界ランキング、日本からはドウデュースが新たにランクイン”. JRAシステムサービス株式会社 (2022年6月11日). 2022年6月12日閲覧。
  15. ^ a b 【ダービー】ドウデュース、凱旋門賞「絶対に行きます」キーファーズ松島正昭代表明言 - 3歳馬特集 | 競馬 : 日刊スポーツ”. 日刊スポーツ. 株式会社日刊スポーツNEWS (2022年5月30日). 2022年5月30日閲覧。
  16. ^ ドウデュースが凱旋門賞直行へ 友道師「豊くんとも意見が一致した」”. デイリースポーツ online. 株式会社デイリースポーツ (2022年6月1日). 2022年8月18日閲覧。
  17. ^ ドウデュースは凱旋門賞直行プラン 武豊「(勝ちを)意識できますね」”. サンスポZBAT!. 株式会社産経デジタル (2022年6月1日). 2022年8月18日閲覧。
  18. ^ 武豊ドウデュースに世界転戦プラン浮上!! 凱旋門賞→BCターフ視野”. Sponichi Annex. 株式会社スポーツニッポン新聞社 (2022年7月11日). 2022年7月11日閲覧。
  19. ^ a b ドウデュースがニエル賞から凱旋門賞へ 来週栗東に帰厩”. デイリースポーツ online. 株式会社デイリースポーツ (2022年7月23日). 2022年8月18日閲覧。
  20. ^ ドウデュース、ニエル賞から凱旋門賞へ向かうことが決定”. サンスポZBAT!. 株式会社産経デジタル (2022年7月23日). 2022年8月18日閲覧。
  21. ^ ドウデュース 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年9月10日閲覧。
  22. ^ ドウデュースの競走成績”. netkeiba.com. 2021年12月19日閲覧。
  23. ^ DO DEUCE JPN”. www.france-galop.com. フランスギャロ. 2022年9月12日閲覧。
  24. ^ QATAR PRIX NIEL”. www.france-galop.com. フランスギャロ. 2022年9月11日閲覧。
  25. ^ 2022ニエル賞(G2)・フォワ賞(G2)の結果”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2022年9月12日閲覧。
  26. ^ QATAR PRIX DE L'ARC DE TRIOMPHE”. www.france-galop.com. フランスギャロ. 2022年10月2日閲覧。
  27. ^ 2022凱旋門賞(G1)の結果”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2022年10月9日閲覧。
  28. ^ 凱旋門賞2022出馬表 - JRA - VAN Ver. World”. world.jra-van.jp. 2022年10月2日閲覧。
  29. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ドウデュース”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年12月19日閲覧。
  30. ^ a b c d ドウデュースの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2021年10月2日閲覧。
  31. ^ a b ドウデュースの血統データ”. 競馬ラボ. 株式会社ドゥイノベーション. 2022年8月18日閲覧。
  32. ^ ドウデュース - Do Deuce - 競走馬データベース”. 競馬ラボ. 株式会社ドゥイノベーション. 2021年12月19日閲覧。

外部リンク