XH-17 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ヒューズ XH-17

ヒューズ XH-17 フライングクレーンXH-17 "Flying Crane")は、ヒューズ航空機ヘリコプター部門で計画された最初のヘリコプターである。 直径134 feet (41 m)の2枚ブレードの主ローターを持つXH-17は、50,000ポンド (23,000 kg)以上の総重量を持ち上げる能力を持っていた。

設計と開発[編集]

重量物吊り上げ用回転翼機のXH-17は、15トン以上の荷物を持ち上げられるように設計された。製作期間の短縮を図るためにXH-17の各部はその他の航空機から流用されていた。前輪はノースアメリカン B-25 ミッチェル爆撃機、後輪はダグラス C-54 スカイマスター輸送機、燃料タンクはボーイング B-29 スーパーフォートレス爆撃機の爆弾倉内搭載用の物、コックピット部はウェイコ CG-15グライダーの物で、ヨー制御用に使用されるテールローターはシコルスキー H-19のものを流用していた。

1940年代遅くにヒューズ社がヘリコプターの分野に事業を拡大する意欲を大きくしていたところ、1947年8月にヘリコプター製造業者のケレット(W. Wallace Kellett)が巨大なXH-17 フライングクレーンの設計案をヒューズ社へ売却し、ケレット自身はXH-17実験機の開発に関与し続けた。1948年にXH-17は形となり始め、1952年からカルバーシティ (カリフォルニア州)上空での3年間に渡る飛行試験が開始された。1953年にXH-17は50,000ポンド (23,000 kg)を超える重量の状態で飛行した。本機は最大の回転翼を持つ航空機として世界記録を保持している。その扱い難さとそれ以上の開発による効果が疑問視されたために1機が製造されただけであった。

推進方式は通常とは異なり、2基のジェネラル・エレクトリック J35 ターボジェットエンジンを使用してローターハブを通して抽気を送出し、高温の圧縮空気は中空のブレード内を通って燃料と混合されるチップジェットまで導かれていた。飛行中にローターは88 rpmで静かに回転した。ローターは中心のハブ部ではなく先端で駆動されるために、補正すべきトルクはほとんど無かったため、XH-17のテールローターはその大きな主ローターに比べると極めて小さなものであった。このローター駆動方式は効率が悪く、テスト機の航続距離は僅か40マイル (64 km)でしかなかった。

XH-28は最大重量104,000ポンド (47,000 kg)の派生型であったが、木製モックアップが製作されただけで計画は破棄され、実機が製作されることはなかった。

要目[編集]

  • 乗員:3名(操縦士、機関士、飛行テスト技士)
  • 全長:16.25 m (53 ft 3 in)
  • 全高:9.17 m (30 ft 2 in)
  • 主ローター直径:39.62 m (129 ft 11 in)
  • 主ローター旋回面積:11.5 kg/m² (2.34 lb/ft²)
  • 空虚重量:12,956 kg (28,563 lb)
  • 全備重量:14,184 kg (31,270 lb)
  • 有効搭載重量:4,665 kg (10,284 lb)
  • 最大離陸重量:19,731 kg (43,500 lb)
  • エンジン:2 × ジェネラル・エレクトリック J35 ターボジェットエンジン
  • 最高速度:145 km/h (90 mph)
  • 巡航速度:137 km/h (85 mph)
  • 航続距離:64 km (40 mi)
  • 巡航高度:3,995 m (13,100 ft)
  • 上昇率:8.4 m/s (1,650 ft/min)

関連項目[編集]

出典[編集]

  • Jim Winchester The World's Worst Aircraft, 2005
  • Rene J. Francillon McDonnell Douglas Aircraft since 1920: Volume II, 1997

外部リンク[編集]