HH-60 ペイブ・ホーク

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HH-60 ペイブ・ホーク

アラスカ空軍州兵212th Rescue Squadron所属のHH-60G

アラスカ空軍州兵212th Rescue Squadron所属のHH-60G

HH-60 ペイブ・ホーク(HH-60 Pave Hawk)は、アメリカ空軍において遭難した航空隊員や戦争地域で孤立した人間を救助することを主な目的として、UH-60 ブラックホークを基にシコルスキー・エアクラフト社が開発した戦闘捜索救難ヘリコプターである。

概要[編集]

1981年アメリカ空軍は、UH-60A ブラックホーク11機を取得し、そのうち1機を戦闘捜索救難ヘリコプターに改修し、他の9機を訓練用に回した。改修した機をHH-60Aとして、空軍は約240機の保有を計画した。しかし、初飛行を経て試験した結果、元々がアメリカ陸軍向けの機体であったこともあって、空中給油機構や先進的な電子機器の欠如など難点が残されていた。また、予算の都合でHH-60Aの取得数を89機まで削減し、夜間飛行能力を排したHH-60Eも計画されたが、HH-60Aの最適化が不可能と判断されるまでにHH-60Eの開発計画も頓挫してしまった。

空軍は、HH-60Aの改修を参考に、UH-60Aを基に基本的な電子機器以外を簡素化したHH-60Dを開発した。しかし、こちらも財政的な問題で、100機取得の計画も破綻したため、UH-60Aに空中給油機構の装備、燃料タンクの大型化、荷室後部に寝台の設置などの改良を行って、UH-60A クレディブル・ホークと呼称した。その後、合計で82機が2回の性能向上改修を経て、1991年HH-60G ペイブ・ホークと改名された。

ペイブ・ホークに改修された機体は、大半が電子機器の一新を受け、GPS航法とドップラー・レーダー航法の内部システム統合化や衛星や無線などの通信能力向上が施された。さらに、自動航法制御システムが採用され、暗視ゴーグルFLIRを備えることで、昼夜を問わない低空飛行能力が強化された。また、気象レーダーと防氷装置をローターに装備することで、全天候作戦能力も付与されている。

湾岸戦争では、潜入活動中のNavy SEALsも含めて戦闘捜索救難活動を行った。他にもアライド・フォース作戦不朽の自由作戦イラク戦争などに参加し、イラクでは2007年に至っても作戦行動中である。

ペイブ・ホークは、その用途の広さで戦場以外でも出動する機会は多い。市民の捜索救難、災害救助、緊急航空患者搬送(MEDEVAC)などである。

2014年12月1日、HH-60Gの後継としてHH-60Wが選定された。2019年からの納入が予定されている[1]

HH-60H レスキューホーク、HH-60J ジェイホーク[編集]

なお、アメリカ海軍戦闘捜索救難機であるHH-60H レスキューホーク、アメリカ沿岸警備隊救難機であるHH-60J ジェイホークは、上記の機体と同様に「HH-60」という番号を振られてはいるが、海軍の対潜ヘリコプターであるSH-60F オーシャンホークをもとに開発されており、基本設計は共通だが、おおむね別系列の機体である。

墜落事故[編集]

平成25年8月5日沖縄県キャンプ・ハンセン敷地内においてHH-60が1機墜落、乗員4名中1名が死亡した[2][3]。この機は、アメリカ第5空軍第18航空団の第33救難飛行隊に所属する機だった。

派生型[編集]

HH-60A レスキュー・ホーク
UH-60A装甲を強化した試作機。
HH-60D ナイトホーク
HH-60Aの燃料積載量を増大した試作機。
HH-60E
開発のみ。
HH-60G ペイブ・ホーク
UH-60Aを改良した捜索救難型。
MH-60G ペイブ・ホーク
エンジンを換装して特殊作戦能力を付与したタイプ。
HH-60W
UH-60Mをベースに開発した捜索救難型。メインローターは幅の広い複合材製に変更され、キャビンスペースおよび燃料搭載量の増大、低空での高機動や腐食に対応した機体構造の採用などの改良が行われている[1]

仕様 (HH-60G)[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]