CH-53K (航空機)
CH-53K キングスタリオン
- 用途:大型輸送ヘリコプター
- 製造者:シコルスキー・エアクラフト社
- 運用者: アメリカ合衆国(アメリカ海兵隊)
- 初飛行:2015年10月27日[1]
- 生産数:18機
- 運用状況:運用中
- ユニットコスト:1億2,800万USドル
- 原型機:CH-53E スーパースタリオン
CH-53Kは、シコルスキー・エアクラフト社がCH-53Eをベースに開発した大型輸送ヘリコプター。愛称はキングスタリオン(King Stallion)。
概要[編集]
CH-53Eは、1981年からアメリカ海兵隊・アメリカ海軍で運用されてきたが、老朽化のため2009年から順次退役が始まった。その後継としてHLR(Heavy Lift Replacement)計画で配備が決まったのがCH-53Kである。
当初はCH-53Eを近代化改修で機齢延伸する案が出ていたが、飛行時間あたりに要するコストと整備時間が初期の数倍に膨れ上がっていた問題の解決にはつながらないことから採用は見送られ、代わりにCH-53Eの大規模発展型を新造する事が決定した。これに際し、シコルスキーの下請け契約先として、GKN、EDO Corporation、ロックウェル・コリンズ(ロックウェル・インターナショナルの後身会社の1つ)、Sanmina、スピリット・エアロシステムの5社が開発に加わる事が発表された。
主な改良点として
- GE製GE38-1B(アメリカ軍識別符号:T408-GE-400)エンジンを搭載することによる出力向上
- コックピットの近代化(グラスコックピット化)
- 機体の大型化(全長、全幅。ハンヴィーが機内搭載可能となる予定)
- 最大搭載可能重量の増加
が挙げられる。
2018年には初期作戦能力の獲得が予定されている。作戦配備後は、小型ヘリコプターのUH-1Y ヴェノム、中型ティルトローターのMV-22B オスプレイと共に、大型輸送ヘリコプターとして配備される。
配備[編集]
運用国[編集]
採用検討国[編集]
- イスラエル
- イスラエル空軍はS-65C-3"Yasur"の後継機として、CH-53Kに関心を示している。"Yasur"の後継機は約20機の発注が予定されており、シコルスキー・エアクラフトのCH-53Kと、ボーイングのCH-47Fが競合している。
- 日本
- 日本もCH-53Kに関心を示している[2]。2023年3月15日から17日に、日本の幕張メッセで開催された「DSEI Japan 2023」では、ロッキード・マーティンのブースにCH-53Kの模型が展示されていた[3]。
過去に検討された国家[編集]
- ドイツ
- ドイツ国防省は、ドイツ空軍のCH-53Gの後継機の調達を決定し、シコルスキー・エアクラフトはCH-53Kを、ボーイングはCH-47Fを提案した。比較検討の結果、2022年6月1日、ドイツ国防省はCH-47Fの採用を明らかにした[4]。
性能・主要諸元[編集]
- 全長(胴体のみ):30.2m
- 高さ:8.46m
- 主回転翼直径:24.1m
- 発動機:ゼネラル・エレクトリック T408-GE-400(GE38-1B)(7,500shp(5,600kW)×3
- 機体重量(自重/全備):33.600t
- 貨物室:914x262x198cm
- 速度(巡航):170ノット(315km/h)
- 上昇率(海面上):664m/m
- 上昇限度(実用/限界):14,400ft
- 航続距離:841km
- 乗員:5名
- 武装:XM218、M3M/GAU-21(12.7x99mm NATO弾)
脚注[編集]
- ^ Sikorsky's CH-53K Stallion helicopter prototype successfully performed first test flight
- ^ “Lockheed, Rheinmetall team up to bid for German helicopter order”. Reuters. Berlin.. (2018年10月26日) 2018年12月2日閲覧。
- ^ 文林堂(編)「大規模防衛・セキュリティ総合展示会DSEI Japan 2023」『航空ファン』第846号、文林堂、2023年6月、56-59頁。
- ^ “NATOの相互運用性向上へ ドイツ連邦軍 次世代大型ヘリにCH-47F「チヌーク」を採用”. 乗りものニュース. (2022年6月7日) 2022年7月24日閲覧。
関連項目[編集]
- CH-53E - ベース機
- アメリカ海兵隊
- シコルスキー・エアクラフト