岸本佐知子
岸本 佐知子(きしもと さちこ、1960年(昭和35年) - )は、神奈川県横浜市出身の翻訳家、エッセイスト。
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[編集] 経歴
会社員の娘として東京都世田谷区の社宅に育つ。小学校から中学校にかけての愛読書は中勘助『銀の匙』と志賀直哉『小僧の神様』とジュール・ルナール『にんじん』(岸田國士訳)の3冊だった[1]。女子学院中学校在学中、夏休みの英語の宿題で英語の絵本を一冊訳し上げて教師に大変褒められたことが後の翻訳への興味につながったという。また中学3年生のとき筒井康隆の作品を知り、「読む前と後とで人生が変わるくらいの衝撃」を受けた[2]。
女子学院高等学校を経て1978年に上智大学文学部英文科入学。大学在学中に別宮貞徳のゼミで英文の翻訳を学ぶ[3]。
1981年に大学を卒業[4]してサントリーに入社、宣伝部に勤務。しかし「とにかくOLの仕事が向いていなくて、あるとき仕事をほとんど取り上げられてしま」い[5]、急に余暇が増えたため、勤務帰りに週1回、翻訳学校で英文翻訳を学び直す。
6年半のサントリー勤務を経て退社後、翻訳家として独立。海外の先鋭的な小説作品の翻訳を行い、特にスティーヴン・ミルハウザー、ニコルソン・ベイカーの翻訳で広く知られるようになる。現在は「岸本の翻訳作」ということで、その作品・作者が「海外文学愛好家」にアピールする存在である。なお、中田耕治を翻訳の師匠と呼んでいる[6]。
また、『翻訳の世界』編集部にいる友人の依頼で同誌に奇妙な味わいのエッセイを連載、このエッセイは翻訳の技術等に関わる内容ではなかったため一部の読者から苦情の投書を受けたが柴田元幸に高く評価され[6]、後に『気になる部分』として一冊にまとめられた。第二エッセイ集『ねにもつタイプ』で2007年に講談社エッセイ賞を受賞。川上弘美、小川洋子、北村薫を愛読者に持つ[7]。
[編集] 著書・訳書
[編集] 訳書
- (ジーン・リース)カルテット(早川書房、1988)
- (トム・レオポルド)君がそこにいるように(白水社、1989)のち白水Uブックス
- (マーガレット・アトウッド)ダンシング・ガールズ マーガレット・アトウッド短編集(白水社、1989)
- (ビヴァリー・S・マーティン)ブロードウェイの彼方(上下、ハヤカワ文庫、1990)
- (スティーヴン・ミルハウザー)エドウィン・マルハウス ジェフリー・カートライト著あるアメリカ作家の生と死(1943-1954)(福武書店、1990、後に『エドウィン・マルハウス あるアメリカ作家の生と死』として白水社、2003)
- (ジャネット・ウィンターソン)さくらんぼの性は(白水社、1991)のち白水Uブックス(1997)
- (トム・レオポルド)誰かが歌っている(白水社、1992)
- (ニコルソン・ベイカー)もしもし(白水社、1993)のち白水Uブックス(1996)
- (マイケル・シェイボン)モデル・ワールド(早川書房、1993)
- (ニコルソン・ベイカー)中二階(白水社、1994)のち白水Uブックス(1997)
- (ニコルソン・ベイカー)フェルマータ(白水社、1995)のち白水Uブックス(1998)
- (トム・ジョーンズ)拳闘士の休息(新潮社、1996)のち河出文庫
- (マイク・フェイダー)ニューヨーク・バナナ(白水社、1997)
- (ジョン・アーヴィング)サーカスの息子(上下、新潮社、1999)のち新潮文庫
- (ニコルソン・ベイカー)室温(白水社、2000)
- (ジャネット・ウィンターソン)オレンジだけが果物じゃない(国書刊行会、2002)のち白水Uブックス
- (イヴ・エンスラー)ヴァギナ・モノローグ(白水社、2002)
- (ニコルソン・ベイカー)ノリーのおわらない物語(白水社、2004)のち白水Uブックス
- (リディア・デイヴィス)ほとんど記憶のない女(白水社、2005)のち白水Uブックス
- (ジュディ・バドニッツ)空中スキップ(白水社、2007)
- (ジャネット・ウィンターソン)灯台守の話(白水社、2007)のち白水Uブックス
- 変愛小説集(編訳)講談社 2008
- 変愛小説集Ⅱ(編訳)講談社 2010
- (ミランダ・ジュライ)いちばんここに似合う人(新潮社、2010)
- (リディア・デイヴィス)話の終わり(作品社、2010)
- (ショーン・タン)遠い町から来た話(河出書房新社、2011)
[編集] 著書
- 気になる部分(白水社、2000)のち白水Uブックス(2006)
- ねにもつタイプ(筑摩書房、2007)のち ちくま文庫(2010)講談社エッセイ賞受賞
[編集] 外部リンク
[編集] 脚注
- ^ http://www.hakusuisha.co.jp/topics/talk0711_5.php
- ^ http://www.hakusuisha.co.jp/topics/talk0711_7.php
- ^ http://www.info.sophia.ac.jp/englit/prospective_s/msg_gr.html
- ^ 卒論のテーマはリチャード・ブローティガンだった。後年、「翻訳家を志すきっかけとなった本」を問われた際にはブローティガンの『西瓜糖の日々』(藤本和子訳、河出書房新社)を挙げ、「学生時代にこの本と出会っていなかったら、今ごろはまちがいなく別の人生を送っていたでしょう」と述べている(岩波書店編集部編『翻訳家の仕事』巻末執筆者紹介p.5、岩波新書、2006年)。
- ^ http://www.fellow-academy.com/fellow/magazine/userMailMagazineView.do?deliveryId=4
- ^ a b 新元良一『翻訳文学ブックカフェ』(本の雑誌社、2004年)
- ^ http://www.1101.com/editor/2007-04-24.html