ポーランドの観光地

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ポーランドの県
ワルシャワ王宮前広場

ここではポーランドの観光について述べる。

概要[編集]

1989年12月25日までポーランド全土は冷戦体制のもとで東側諸国の重要な軍事拠点となり外国人に門戸が閉ざされていた。冷戦が終わってポーランドに駐留していたソ連軍が全面撤退してから約20年たち、現在では国内観光は完全に自由化され、「ヨーロッパのハートランド」[1]として、欧米諸国ではバカンス客からバックパッカー客まで幅広い層の観光客の間で人気を得ている。2007年12月21日にはシェンゲン協定に加盟し、シェンゲン協定加盟国すべてとの往来がパスポートなしで可能となった。加盟国の間では国境のどこからでも出入りが自由となっている。 ポーランドには歴史的価値の高い街、建物、施設、景観が数多くある。とりわけ古都クラクフの旧市街にある中央広場(Rynek Głowny)は「世界で最も美しい広場」と評価されている[2]

良好な治安[編集]

ポーランドで特筆すべきは治安の良さである。観光ガイドブックや外務省の海外渡航情報のウェブサイトではポーランドの治安が悪いような印象を読者に与えるような記述がなされていることが多いが、ポーランドの犯罪被害はまれで、アイルランドイギリスアイスランドエストニアオランダデンマークスイスベルギースウェーデンノルウェーといった、一般に「治安がよい」と考えられている国々よりも犯罪被害率が低い[3]。この低い犯罪被害率でさえ年々さらに激減しており(2004年から2010年にかけての7年間で25%の減少)、ポーランドの警察への国民の信頼度は非常に高い[4]。また、ポーランド人にはヨーロッパ人のうち犯罪被害に遭うのを最も恐れる用心深い気質がある[5]。ヨーロッパ人の間に定着した偏見として、「ポーランドでは自動車の盗難が多い」と言われるが、実際のところポーランドの自動車の盗難率はイギリスデンマークアイルランドスペインポルトガルオランダアイスランドイタリアノルウェーなどといった国々より低い[6]。一般的に旅行者に親切な国民性があり、また対日感情は伝統的に非常に良い。

世界遺産と自然環境[編集]

前述のとおり世界遺産の数は全部で13件あり(中東欧地域で最多)、さらに4件が暫定リストに登録されている。また自然環境もよく保存され、国立公園や県立公園が多数あって保護されており、ユネスコ生物圏保護区が9か所ある。

宿泊[編集]

また、国内のあらゆる地方に無数に存在する貴族宮殿は近年次々とリフォームされ美しいホテルとして営業しており、これら「宮殿ホテル」や「城館ホテル」に宿泊しても西欧諸国よりはるかに割安に贅沢な旅行ができる。また、農家に滞在して農業体験をしたりゆっくりと一日を過ごしたりする「アグロツーリズム」も近年は盛んである。大都市では安宿から超高級ホテルまでさまざまなバリエーションが増えてきた。

問題点[編集]

日本人観光客が戸惑いがちなのは、看板等の表示や列車での音声案内などがポーランド語だけである場合が多いことである。表示や案内は固有名詞や時刻のほかはほとんどが決まり文句のため慣れればポーランド語を話せなくても理解できるようになるが、事実上の国際語である英語での表示や音声案内が少ないことはポーランドを訪れる日本人観光客の多くが不満を持つ点である。またポーランドの鉄道は社会主義時代から働いている高齢の職員が窓口にいることも多く、英語を解さない場合もまだまだ多い。しかし前述のようにポーランド人は観光客に親切な気質があるので、英語を話す人だけでなく、英語を話さない人までもが助けてくれることが多い。

観光者の国内移動[編集]

鉄道[編集]

PKPユーロシティー

鉄道は2001年に民営化されているもと国有の「ポーランド鉄道グループ(Polskie Koleje Państwowe、PKP)」が総延長23,429kmにも及ぶ国内の主要鉄道網(線路等の施設は国有)の列車と国際列車を運営している[1]

PKPリージョナルトランスポートの電車

PKPグループの会社のうち、ポーランドを旅行する外国人に主に利用されるのは「PKPインターシティー社(PKP Intercity[2]」と「PKPリージョナルトランスポート社(PKP Przewozy Regionalne)」[3]の運行する列車である。前者は「インターシティー特急InterCity)」や「ユーロシティー特急EuroCity)」の運行会社、後者は普通列車急行列車を運行する。

そのほか、ワルシャワ周辺では「ワルシャワ都市高速鉄道社(Szybka Kolej Miejska (Warsaw)、SKM Warszawa)」[4]、「ワルシャワ交通鉄道社(Warszawska Kolej Dojazdowa)」[5]、「マゾフシェ地方鉄道社(Koleje Mazowieckie)」[6]が郊外列車を運行し、グダニスクソポトグディニャのいわゆる「三連都市(Tricity)」では「三連都市高速鉄道社(Szybka Kolej Miejska (Tricity)、SKM Tricity)」[7]が郊外列車を運行している。

長距離バス[編集]

田舎の村をつなぐポーランド道路交通社(PKS)の地方バス

長距離バスは「ポーランド道路交通社(Państwowa Komunikacja Samochodowa、PKS)」の各社、「ポーランド鉄道社(PKP)」、「ユーロラインズ・ポーランド社(Eurolines Poland)」、「ポルスキ・エクスプレス社(Polski Express)」などによって運行されている[8][9]。PKSはもと国営であるが、民営化され、各主要都市ごとに分社化されている。

ポーランド各所の空港

そのほか比較的小規模のバス会社がいくつかあり、各地方で都市間を結ぶバスを運営している。

バスターミナルは主に各地のPKSによって運営されている。各都市バスターミナルの時刻表はそれぞれの都市のPKSのサイトで検索できる。

飛行機[編集]

LOTポーランド航空国内線

飛行機は国際線も運航しているLOTポーランド航空[10]が国内各主要都市(ワルシャワWAW、クラクフKRK、カトヴィツェKTW、グダニスクGDN、ヴロツワフWRO、ポズナニPOZ、シュチェチンSZZ、ウッチLDJ、ブィドゴシュチュBZG、ジェロナ・グラIEG)を結んでいる。遠距離移動には他の交通手段より飛行機が便利なことが多い。時刻表は各空港のサイトからも検索できる。

[編集]

ポーランドには河川運河を利用した総延長3,812kmの水上交通網がある。

ポルフェリーズ社のフェリー「スカンディナヴィア号」

海上主要港はグダニスクグディニャシュチェチン=シフィノウイシチェ、ウストカ(Ustka)、コウォブジェク(Kołobrzeg)であるが、そのほかに比較的小さな港があり、客船やフェリーが運航している。

主な定期船運航会社には国営でヨーロッパ最大の貨物船運航会社である「ポーランド汽船社(Polska Żegluga Morska、愛称Polstream)」[11]の客船部門をはじめ、ポーランド最大のフェリー運航会社である「ポルフェリーズ社(Polferries)」[12]や「ポーランド海上線社(Polskie Linie Oceaniczne、POL)」[13]の客船部門などがある。これらの会社はポーランドとスウェーデンデンマークなどとの間でフェリーを運航している。

ポーランド各地には小規模の客船会社があり、河川や運河を往来するフェリーや観光船を運航させている。

市内交通[編集]

ティヒ(Tychy)の住宅地を走るトロリーバス
ワルシャワの地下鉄(メトロ)の駅

都市内の公共交通にはバス路面電車(トラム)があり、路面電車は国内30都市で運行している。

グディニャソポト(の一部)、ルブリン、テュィヒュィ(Tychy)ではトロリーバスも使われている。

ワルシャワには地下鉄(メトロ)があるが、現在営業しているのは南北の1路線のみである。他に数路線が計画・着工されており、数年後の開業を目指している。

さらにワルシャワや三連都市では上の「鉄道」の項に挙げた郊外列車が市街地中心部に乗り入れている。

レンタカー[編集]

計画/建設中の高速道路/準高速道路網

広いポーランドを自由に旅行するのに最適なのはレンタカーであるといえる。国内外の資本の多くのレンタカー会社が各地に営業所を設けている。

ポーランドは高速道路や都市バイパスが少ないため、幹線道路や都市部は混雑することが多く、舗装の耐久性の許容度を超えた交通量があるためところどころ路面が痛んでいる。現在ポーランド全国で高速道路(アウトストラーダ)、準高速道路(エクスプレスウェイ)、幹線道路、バイパスの整備が数年後の完成をめざして急ピッチで進められているため、道路工事と、それに伴う渋滞が発生することがある。

しかし、ポーランドの田園地帯や自然の景観は非常に美しく、鉄道や長距離バスといった公共交通機関を利用したのではなかなか見ることのできない景色を見たり、時刻表の都合で時間に制約されて訪れることが難しい名所を訪ねたりするにはやはりレンタカーでの旅が最適であるといわれる。

タクシー[編集]

ホテルのタクシー

客からの電話に応じて無線で配車をしている市内タクシー(ラジオタクシー)はメーター制である。初乗り料金や料金単位は各自治体で異なるが、同じ自治体では業者にかかわらず同一である。

空港や主要駅などには個人営業のいわゆる白タクがいることがあり、交渉によっては(特に長距離移動では)正規のタクシーよりかなり安くなることがあるが、市内移動などの近距離では正規のタクシーより高い料金を提示されることが多いので、近距離移動に白タクを使うのは避けたほうがよい。

ホテルが自前の送迎タクシーを持っている場合があるが、高級車を使用しているため、特別な許可を得て高めの料金設定をしている。

遠隔地の空港などと目的地の間で運行される長距離タクシーもあり正規の運行をしているが、これも近距離移動では通常の市内タクシーより料金が高くなるので近距離の利用には避けたほうがよい。

公営のタクシースタンドは正規の市内タクシー(ラジオタクシー)しか利用できない。

主な観光地の一覧[編集]

ポーランドの主な観光地を以下に列挙する。

世界遺産(暫定登録含む)[編集]

世界遺産の正式登録地は13箇所

暫定登録地を以下にあげる

ポモージェ県(Województwo pomorskie)
ポドラシェ県(Województwo podlaskie)
マウォポルスカ県(Województwo małopolskie)

県ごとの一覧[編集]

観光地についての詳細は、それぞれの県の記事を参照。

西ポモージェ県(Województwo zachodniopomorskie)
ポモージェ県(Województwo pomorskie)
ヴァルミア・マズールィ県(Województwo warmińsko-mazurskie)
ポドラシェ県(Województwo podlaskie)
マゾフシェ県(Województwo mazowieckie)
クヤヴィ・ポモージェ県(Województwo kujawsko-pomorskie)
ウッチ県(Województwo łódzkie)
ヴィエルコポルスカ県(Województwo wielkopolskie)
ルブシュ県(Województwo lubuskie)
ドルヌィ・シロンスク県(Województwo dolnośląskie)
オポーレ県(Województwo opolskie)
シロンスク県(Województwo śląskie)
シフィェンティクシシュ県(Województwo świętokrzyskie)
マウォポルスカ県(Województwo małopolskie)
ルブリン県(Województwo lubelskie)
ポトカルパチェ県(Województwo podkarpackie)

ギャラリー[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ http://www.airfrance.fr/US/en/local/guidevoyageur/destination/guidevoyage_pl.htm
  2. ^ http://www.pps.org/squares/info/squares_articles/international_squares
  3. ^ http://www.unicri.it/wwd/analysis/icvs/pdf_files/ICVS2004_05report.pdf J. van Dijk, J. van Kesteren, P. Smit, Criminal Victimisation in International Perspective, Key Findings from the 2004-2005 ICVS and EU ICS, WODC 2007
  4. ^ http://www.wbj.pl/article-52845-polands-overall-crime-rate-falls.html?typ=ise
  5. ^ http://www.europeansafetyobservatory.eu/downloads/EUICS_The%20Burden%20of%20Crime%20in%20the%20EU.pdf J. van Dijk, R. Manchin, J. van Kesteren, S. Nevala, G. Hideg The Burden of Crime in the EU Research Report: A Comparative Analysis of the European Crime and Safety Survey (EU ICS) 2005
  6. ^ http://www.unicri.it/wwd/analysis/icvs/pdf_files/ICVS2004_05report.pdf J. van Dijk, J. van Kesteren, P. Smit, Criminal Victimisation in International Perspective, Key Findings from the 2004-2005 ICVS and EU ICS, WODC 2007

外部リンク[編集]