クラシック (ロードレース)
クラシック (Classic) とは、ヨーロッパ各地で開催されている ロードレースの形態の一つである「ワンデイレース(シングルデーレース)」(1日で競技を終了するレース)のなかで、特に長い歴史を持ち、高い格式を誇るレースを指す。ツール・ド・フランスのように複数日にわたって行われる「ステージレース」は、いかに歴史や格式があってもクラシックとは呼ばれない。
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クラシックと呼ばれるレース [編集]
ロードレースにおいては、厳密な定義はないものの、以下のレースが「クラシック」と呼ばれることが多い[1]。
- ミラノ〜サンレモ(1907年)
- ヘント〜ウェヴェルヘム(1934年)
- ロンド・ファン・フラーンデレン(1913年)
- パリ〜ルーベ(1896年)
- リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(1894年)
- アムステルゴールドレース(1966年)
- フレッシュ・ワロンヌ(1936年)
- ヴァッテンフォール・サイクラシックス(1996年)
- クラシカ・サンセバスティアン(1981年)
- チューリッヒ選手権[2](1914年)
- パリ〜ブリュッセル[3](1893年)
- パリ〜ツール[4](1896年)
- ジロ・ディ・ロンバルディア(1905年)
※ ()内は第1回大会の開催年度
ミラノ〜サンレモは「プリマヴェーラ(春)」「クラッシチッシマ(最高のクラシックレース)」、パリ〜ルーベが「北の地獄」「クラシックの女王」、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュが「ラ・ドワイエンヌ(最古参)」、ジロ・ディ・ロンバルディアが「落ち葉のクラシック」と呼ばれるなど、いずれのクラシックレースにもさまざまな異名が付けられて親しまれている。
モニュメント [編集]
ミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、ジロ・ディ・ロンバルディアの五つは、クラシックの中でも、とりわけ古い歴史があり、記念碑的なレースという意味合いを込めて、モニュメント (The Monuments) と呼ばれる。過去にモニュメント全制覇を達成した選手は、以下の3人がおり、最多優勝回数はメルクスの19回となっている。達成順に列挙する。
- リック・バンローイ(ベルギー)…8回
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- エディ・メルクス(ベルギー)…19回
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- ロジェ・デフラミンク(ベルギー)…11回
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※バンローイとメルクスは、ワンデイレースの最高峰と目される世界選手権・個人ロードレース種目でも優勝経験がある。
モニュメント優勝回数ランキング [編集]
| 選手名 | 国籍 | MSR | RVV | PR | LBL | GDL | 通算 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| エディ・メルクス | 7 | 2 | 3 | 5 | 2 | 19 | |
| ロジェ・デフラミンク | 3 | 1 | 4 | 1 | 2 | 11 | |
| コスタンテ・ジラルデンゴ | 6 | 3 | 9 | ||||
| ファウスト・コッピ | 3 | 1 | 5 | 9 | |||
| ショーン・ケリー | 2 | 2 | 2 | 3 | 9 | ||
| リック・バンローイ | 1 | 2 | 3 | 1 | 1 | 8 | |
| ジーノ・バルタリ | 4 | 3 | 7 | ||||
| トム・ボーネン | 3 | 4 | 7 | ||||
| アンリ・ペリシエ | 1 | 2 | 3 | 6 | |||
| アルフレッド・ビンダ | 2 | 4 | 6 | ||||
| フレット・デ・ブリュイヌ | 1 | 1 | 1 | 3 | 6 | ||
| フランチェスコ・モゼール | 1 | 3 | 2 | 6 | |||
| モレノ・アルジェンティン | 1 | 4 | 1 | 6 | |||
| ヨハン・ムセウ | 3 | 3 | 6 | ||||
| ファビアン・カンチェラーラ | 1 | 2 | 3 | 6 | |||
| ガエターノ・ベローニ | 2 | 3 | 5 | ||||
| リック・バンステーンベルヘン | 1 | 2 | 2 | 5 | |||
| ベルナール・イノー | 1 | 2 | 2 | 5 | |||
| ミケーレ・バルトリ | 1 | 2 | 2 | 5 | |||
| パオロ・ベッティーニ | 1 | 2 | 2 | 5 |
モニュメント歴代優勝者(1990年以降) [編集]
開催時期 [編集]
3月末から10月末まで長期にわたって開催されるが、現在のロードレースカレンダーでは、5月から8月にかけてはグランツールなどステージレースが中心となっており、そのほとんどが春と秋に開催される。
年間の流れとしてはミラノ〜サンレモで春のクラシックシーズンが幕を開け、ベルギー北西部のフランドル地方を中心として、前半戦の「北のクラシック」もしくは「石畳のクラシック」と呼ばれる3連戦、ロンド・ファン・フラーンデレン、ヘント〜ウェヴェルヘム、パリ〜ルーベが開催される。
そして舞台を南部のワロンヌ地方へと移し、後半戦の「アルデンヌクラシック」と言われるアムステルゴールドレース、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュが行われる。
以後しばらくの中断をはさみ、8月にヴァッテンフォール・サイクラシックスが開催された後、秋のクラシックシーズンがスタート。チューリッヒ選手権、パリ〜ツール、ジロ・ディ・ロンバルディアが行われて、その年のロードレースシーズンは終了する。
レースの特徴 [編集]
アルデンヌクラシックのようにアップダウンが絶え間なく続くレースがあれば、パリ〜ツールのように延々平坦なコースが続くレースもあるほか、ジロ・ディ・ロンバルディアのように長い上りが設定されるレースもあるといった具合に特徴的なコースレイアウトがされているものが多い。
またパリ〜ルーベやロンド・ファン・フラーンデレンのように通常走らないような悪路や急坂を走る、あるいはミラノ〜サンレモのように極端な長距離を走るなど、独特な性格のあるものもある。
こうしたことに加え「1日で勝負が付くこと」「レースの格式が高いこと」があいまって、クラシックでは間断の無いアタック合戦の様相を呈することが多いため、ステージレースとはまた異なるそれぞれのレースの特徴にあわせた戦略や走り方が必要になってくる。
ミラノ〜サンレモやパリ〜ツールなどはスプリンターがエースになることが多いが、上りが多かったり、ゴール手前が上りになっているアルデンヌクラシックのようなレースはオールラウンダーが勝利を狙う。ただ、パンクや落車などの不確定要素も多く、序盤〜中盤で集団からエスケープしたスピードマンたちが、そのまま逃げ切ってしまうことも少なくない。
ロードレースにおける位置づけ [編集]
クラシックでの勝利は極めて価値の高いものであり、1勝でもすれば生涯の勲章となる。自国で開催されるクラシックに対してはグランツールでの勝利以上に重きを置く選手も多い。ファンらは俗に彼らのことを、「クラシックハンター」と呼んで尊敬している。
「クラシックハンター」と呼ばれる主な選手 [編集]
「クラシックスペシャリスト」も参照
- リック・バンステーンベルヘン (
ベルギー) - リック・バンローイ (
ベルギー) - ロジェ・デフラミンク (
ベルギー) - フランチェスコ・モゼール (
イタリア) - ヤン・ラース (
オランダ) - ショーン・ケリー (
アイルランド) - モレノ・アルゼンティン (
イタリア) - アンドレイ・チミル (
ベルギー) - ヨハン・ムセウ (
ベルギー) - エリック・ツァベル (
ドイツ) - トム・ボーネン (
ベルギー) - オスカル・フレイレ (
スペイン) - ダヴィデ・レベッリン (
イタリア) - パオロ・ベッティーニ (
イタリア) - ペーター・ファンペテヘム (
ベルギー) - フアン・アントニオ・フレチャ (
スペイン) - ダニーロ・ディルーカ (
イタリア)もかつては「クラシックハンター」と呼ばれていた。
一方、ファウスト・コッピ (
イタリア)、エディ・メルクス (
ベルギー)やベルナール・イノー (
フランス)も多くのクラシックを制しているが、彼らはステージレースでも同様の強さを発揮したためか、そのように呼ばれることはほとんどない。
脚注 [編集]
- ^ ワンデイレースの最高峰に位置づけられているのは世界選手権だが、チーム戦でなく国別対抗戦であるという理由でクラシックとしては扱われない。また、広義では「オムロープ・ヘット・フォルク」のように有名な大会ではあるが比較的歴史が浅いなどの理由で「セミクラシック」と呼ばれるワンデイレースも含めて「クラシック」と呼ぶ。
- ^ 2006年限りで男子の国際レースとしての役目を終えている。なお、女子の国際レースとしては存続している。
- ^ UCIヨーロッパツアー1.HC扱い。
- ^ 2008年シーズンより、UCIヨーロッパツアー1.HC扱い。
- ^ MSR=ミラノ〜サンレモ
- ^ RVV=ロンド・ファン・フラーンデレン
- ^ PR=パリ〜ルーベ
- ^ LBL=リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
- ^ GDL=ジロ・ディ・ロンバルディア