「サーキットの狼」の版間の差分

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====ホークス結成====
====ホークス結成====
街に突然現れてはスポーツカーをクラッシュに追い込む2台のスーパーカー、フェラーリ512BBとランボルギーニ・カウンタックLP500Sが社会問題となっていた。ローザとドライブを楽しんでいた飛鳥のミウラも2台の襲撃を受け、相手がマシンだけでなく相当なテクニックを持つ男達である事を知る。谷田部は全国の暴走族トップクラスの走り屋を集めて対策を行う事を発案。そのリーダーに風吹を任命し、ランチャ・ストラトスを与えた。ホークス結成にあたり筑波サーキットでレースを行い、風吹は暴走族たちに圧倒的な実力を披露。これで風吹はリーダーとして認められた。ランボルギーニ・シルエットに乗る椿とポルシェ928に乗る京極さくらがサブリーダーとして任命された。さらに風吹の幼馴染であるフェアレディZの長岡五郎も加わった。街で512BBとLP500Sを見つけたホークスは風吹とともに2台を追い詰める。2台の正体は親の愛情に飢えた金持ちの若い兄弟であった。
街に突然現れてはスポーツカーをクラッシュに追い込む2台のスーパーカー、フェラーリ512BBとランボルギーニ・カウンタックLP500Sが社会問題となっていた。ローザとドライブを楽しんでいた飛鳥のミウラも2台の襲撃を受け、相手がマシンだけでなく相当なテクニックを持つ男達である事を知る。谷田部は全国の暴走族トップクラスの走り屋を集めて対策を行う事を発案。そのリーダーに風吹を任命し、ランチャ・ストラトスを与えた。ホークス結成にあたり筑波サーキットでレースを行い、風吹は暴走族たちに圧倒的な実力を披露。これで風吹はリーダーとして認められた。ランボルギーニ・シルエットに乗る椿とポルシェ928に乗る京極さくらがサブリーダーとして任命された。さらに風吹の幼馴染であるフェアレディZの長岡五郎も加わった。街で512BBとLP500Sを見つけたホークスは風吹とともに2台を追い詰める。2台の正体は親の愛情に飢えた金持ちの若い兄弟であった。
 このホークス結成編までは作者もストーリー・作画ともにのっていたが、次のルマン・イン・ジャパン編からの話の質の面白くなさ・画質の粗さが目立ち、実質あからさまに人気が落ちた。


====ル・マン・イン・ジャパン====
====ル・マン・イン・ジャパン====

2013年7月17日 (水) 05:08時点における版

サーキットの狼』(サーキットのおおかみ)は、漫画家池沢さとし1975年昭和50年)から1979年昭和54年)にかけて「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載した漫画作品。続編に『サーキットの狼II モデナの剣』、『21世紀の狼』がある。実写映画が1977年に製作・公開された。

概要

愛車ロータス・ヨーロッパを駆る主人公の風吹裕矢が、一匹狼の走り屋から始まり公道やサーキットを舞台にライバル達との競争を繰り広げ、プロレーサーへと成長していく物語である。ライバルとしてポルシェフェラーリランボルギーニマセラティ日産・フェアレディZシボレー・コルベットトヨタ・2000GTなど、世界中の著名なスポーツカーが多数、劇中に登場。いわゆるスーパーカーブームの火付け役となった。

単行本の発行部数は1977年時点で1100万部を突破している[1]

ストーリー

主人公・風吹のマシンと勝負イベントを中心にストーリーの概略を示す。ストーリー整理の便宜上、風吹のマシンが主にロータスヨーロッパである街道レーサー時代とプロレーサー時代で章を分けて紹介する。なお、作品上は特に『~編』という分類で発表されていない。

【街道レーサー編】

極道連との確執

一匹狼の走り屋、風吹裕矢は愛車ロータス・ヨーロッパを駆り、巷で「ロータスの狼」と呼ばれていた。デ・トマソ・パンテーラに乗った暴走族・極道連のスポンサー(通称ぼっちゃん)からの誘いを受けているミキを咎めた風吹はパンテーラとのシグナルグランプリで勝負し、あっさりと勝利してしまう。極道連からの恨みを買った風吹は以降しつこく命を狙われる事になる。

首都高バトル

ロータスヨーロッパを駆る風吹とポルシェ911カレラRSを駆る早瀬の初バトル。新宿中央公園に集結していたポルシェの暴走族「ナチス軍」に喧嘩を売った風吹は総統である早瀬左近と首都高速で勝負をすることになった。新宿ランプを起点に4号線~都心環状線~4号線と走り、新宿ランプがゴール。風吹はガードレールに足回りを強打しスタビライザーにダメージを負い、ゴール寸前で負けてしまうが早瀬は風吹のマシンの故障を理由として勝負はノーカウント(勝ちの証明である★マークを付けない)とした。二人はこのときからライバル関係となり、同時に友情も築いていくことになる。

沖田との出会い

ある日風吹は交通機動隊のパトカーの隊員、沖田に声を掛けられる。風吹は車好きの沖田と意気投合し、ライバルとしての友情が芽生える。風吹は姉ローザの恋人で若手のホープと呼ばれるプロレーサー飛鳥ミノルと車趣味を通じ意気投合する。後日、飛鳥のミウラに同乗した風吹は沖田のパトカー(フェアレディZ)に追いかけられるが、沖田は時速230キロから直角にコーナリングするという飛鳥のテクニックに翻弄されクラッシュしてしまう。沖田のZはフロントを激しく損傷し追跡不可能となってしまった。

富士スピードウェイ

風吹は飛鳥の薦めで富士スピードウェイのスポーツ走行を体験する。そこには早瀬のポルシェの姿があった。飛鳥は早瀬の父の会社である早瀬電機からレースのスポンサードを受けており、早瀬にドライビングテクニックを教えているという間柄であった。風吹は首都高バトルでの早瀬のテクニックが飛鳥のレッスンで培われたものと知る。そして極道連とのシグナルグランプリで知り合ったミキも早瀬の見学に来ていた。ミキが早瀬の恋人であると疑う風吹。そこに突然現れた軟派な金髪ハーフの隼人ピーターソンがミキに声を掛けた。ピーターソンはミキとのデートの約束を賭けて風吹、早瀬との勝負に愛車トヨタ2000GTで挑む。富士スピードウェイのコース上では風吹のロータスは他の二台に比べパワーで劣り圧倒的に不利。しかし早瀬のポルシェとのバトルに熱くなったピーターソンは風吹にスリップストリームを許し、風吹はゴール直前でスリップを抜け出し一気に勝負に出る。ゴールラインで3台は横一線に並び、勝負つかず。その後、ホームストレート上で行うゼロヨン競争で再度勝負し、初めて勝利した風吹はミキとのデートを楽しむ。そこで風吹はミキが早瀬の妹であることを知る。

谷田部との出会い

富士スピードウェイでのバトルを見ていた車好きの実業家、谷田部行雄は風吹の走りに感銘を受ける。風吹はミキとのデート中に立ち寄った喫茶店で谷田部と遭遇した。谷田部は風吹に将来日本人F1ドライバーを育てる夢を語る。そこに沖田が現れた。谷田部は既にスポンサーとして同郷で警官の沖田に目をつけており、風吹と沖田のどちらかをバックアップしていく事を誓う。沖田は谷田部の申し出を受け入れ、警官を辞める事を決意する。そして谷田部は沖田にディノ246GTを与え、沖田は公道グランプリに出場することになった。

公道グランプリ

全国から腕自慢の街道レーサー達が集まる非合法イベント「公道グランプリ」に風吹は早瀬とともに参加することになった。前年勝者はピーターソンであり今回の優勝候補でもあった。谷田部からディノ246GTを提供された沖田は密かに参加するが、既に病魔に冒されていた。未明のスタートから間もなく多数の車を巻き込む大事故が発生する。被害者を気遣った風吹は序盤から大きく出遅れてしまう。風吹は中盤で上位に上り詰めるが沖田の体調を気遣い、再び下位に沈む。途中、極道連の罠がいくつも仕掛けられるが失敗。ついに極道連は風吹の右腕をナイフで刺し重傷を負わせる。オートバイでレースを見守っていたミキが風吹の異変に気づき、助手席に強引に乗り込む。ミキは風吹の右腕の代わりにシフトチェンジを行うことになった。一方、早瀬のポルシェはトラックから落ちてきた丸太が当たり、オイルパンを損傷。オイルを漏らしながら走り続けることになる。天候が霧、雪、嵐と悪化していく中で風吹は再び上位に浮上。ピーターソンは殺人的な攻撃を仕掛けつつトップ集団を走っていたが風吹と絡んだ挙句、海へ転落しリタイアした。瀕死の重傷を負ったピーターソンは風吹へ強い憎悪を持つようになる。沖田は病魔と闘いながら終盤トップに浮上。風吹のロータスは度重なるバトルで様々なダメージを負い、損傷したスタビライザーによるまともに走れる状態でなくなってきた。ゴール直前で横転し逆さになったロータスは急にスローダウンした沖田のディノを抜きゴール。これで風吹が1位、沖田が2位。早瀬のポルシェもゴール直前でオイル切れによりエンジンブローしながらも惰性でゴールし3位となった。沖田はハンドルを握ったまま絶命していた。

暴走族からの卒業

ロータスヨーロッパが公道グランプリのダメージを修理中で乗る車の無い風吹は谷田部の計らいで沖田のディノに乗っていた。風吹は富士スピードウェイでGCレースを観戦し、そこで飛鳥は5連勝目となる優勝を挙げた上でローザとの結婚を発表する。風吹は帰り途中の東名高速でまたもや極道連に狙われる。数々の戦いで圧倒的なテクニックを身につけた風吹は、その走りで極道連をぶっちぎる。格の違いを思い知らされた極道連総長は風吹を男として認め、今後は一介の走り屋出身のレーサーとしてさらに男を上げるようエールを送る。風吹はもはや暴走族で収まる器ではない男に成長していた。その後、風吹は飛鳥から腕前を披露してくれと言われ海岸の駐車場までの道のりを勝負することになる。二人は公道を時速200キロ以上で突っ走り、追走するパトカーをはるか後方へ追いやる。飛鳥のミウラは風吹にプロレーサーの腕を遺憾なく発揮し、限界を超えた風吹はコースアウトしてしまう。飛鳥の行動は風吹に公道の恐ろしさを教えるものであった。風吹は飛鳥に対しプロレーサーへの道を宣言する。そこにパトカーが到着。乗っていたのは沖田の同僚、土方であった。土方も沖田の遺志を継ぎ、プロレーサーになることを誓う。

シュトコー戦闘隊・神風とのバトル

沖田亡き後、風吹へのバックアップを決意した谷田部はロータス・ヨーロッパ用ターボチャージャー開発を行い、早速風吹のマシンに取り付ける。一方、早瀬は廃車となったカレラRSの代わりとしてポルシェ930ターボを手に入れていた。シュトコー戦闘隊・神風の魅死魔国友はホームである首都高速でのバトルを風吹と早瀬に挑む。戦いは早瀬、風吹、魅死魔の順で終わる。その中で風吹はターボ車の弱点(ターボラグ)をカバーする走りを見出した。

筑波サーキットA級ライセンス取得模擬レース

風吹と早瀬は公道での走りを卒業することを決意し、レーサーへの道の第一歩として筑波サーキットでA級ライセンスの取得をする。そこで模擬レースを走る事になるが、新たなライバル達が風吹や早瀬を倒そうと意気揚々としていた。ターボで武装した風吹のロータスは以前に比べ飛躍的にパワーが増大したものの、早瀬のポルシェターボやフェラーリ、ランボルギーニといった高性能マシンの前には非力であり苦戦を強いられた。大クラッシュやオイルによるコース汚れが発生するなど波乱の展開となった。圧倒的な強さを誇った早瀬が1位となり、続いて風吹が2位でゴールするもロータスはエンジンブローしてしまった。風吹はこの戦いを終えダメージを負っている相棒ロータスへの感謝の意を表した。

謎のGCカーとの戦い

沖田のディノは流石島で行われるレースのためにレーシングカーとして大改造する事になった。そこに山岸みのりが新車のポルシェ930ターボで風吹の前に現れる。風吹はみのりのポルシェに乗り、早瀬のポルシェと合流する。風吹と早瀬は東名高速に現れてはスポーツカーを事故においこむ謎のGCカーの正体を探るべく、2台のポルシェで東名高速へ向かう。途中、マセラティ・ボーラの切替テツも加わった。風吹は新車でブレーキのあたりがついてないポルシェに苦戦するが、早瀬と謎のGCカーをテクニックを駆使して追い込み、勝負に熱くなったGCカーは無謀な突っ込みをしてクラッシュしてしまう。GCカーの正体は日頃からジグザグ走行のスポーツカーに悩まされる職業トラックドライバー達の恨みから始まったものだった。

【プロレーサー編(ツーリングカーレース)】

流石島レース

A級ライセンス取得後、風吹のデビューレースは瀬戸内海の孤島に新設された流石島サーキットレースであった。沖田の形見であるディノを大改造したディノRSで出場する風吹とヨーロッパレースの実戦車ポルシェ911カレラRSRターボを取り寄せた早瀬は新たな戦いに挑む。旧来のライバルであるピーターソン (BMW)、土方(カプリ)、魅死魔(リジェ)、ハマの黒ヒョウ(カウンタック)、切替テツ(ボーラ)、北海の龍(ストラトス)に加え、新たなに潮来のオックス(イオタ)、フェラーリの女豹 (308GTB)、四国の獅子(パンテーラ)、ジャック・シンカー(コルベット)、鈴木サトル(ヨーロッパ)が出場する。これに触発され飛鳥のミウラも参加が急遽決定した。スタートして間もなく早瀬、オックスらがトップグループを形成。風吹は復讐に燃えるピーターソンの攻撃で中盤に沈む。風吹は女豹とトラブルで出遅れた飛鳥と共に上位を目指し追い上げる。この中で風吹は幻の多角形コーナリングを開眼した。度重なるクラッシュにライバル達は次々と脱落していき、雨の予兆を感じ取った早瀬はレインタイヤにチェンジ。女豹とサトルも同時にレインに。狙い通り雨が降り出しペースダウンを強いられるスリックタイヤ勢を横目にレインの3台は1週30キロというコースの特性を生かしてリードを築き、悠々とトップ3を形成する。一方、四国の獅子の仲間は崖からコースめがけて多数の岩を落としレースのかく乱を狙う。コースに散らばった岩でトップグループは足どめを喰らい、再びレースは振り出しに戻る。風吹の命を狙うピーターソンは30度バンクの高速域で風吹をプッシュ。しかし止めに入った女豹がはじき出され308GTBは爆発炎上し命を落とす。怒りが頂点に達した風吹はピーターソンとの死闘を繰り広げクラッシュに追い込んで女豹の敵をとった。日が沈み、終盤にはいよいよ早瀬と風吹の一騎打ちとなったが接触により風吹はヘッドライトを失う。早瀬は足回りに異常をきたしたがトップで走行を続ける。最終ラップとなり緊急ピットインによりライトを取り戻した風吹はマシンの異常でペースダウンする早瀬に怒涛の追い上げを見せる。最終コーナーで並んだ2台はほぼ同時にチェッカーを受けるがわずかにリードした風吹は見事デビューウィンを飾った。しかし早瀬はゴールラインを越えピットウォールに激しく突っ込む大クラッシュを起こしてしまった。

富士フレッシュマンレース

風吹は谷田部の薦めでTSサニーを駆り、富士フレッシュマンレースに出場する。練習走行ではコースレコードを記録する走りを披露。そして怪我で療養中の早瀬に代わり、強力なライバルとなる椿健太郎が現れた。レースは風吹と椿の一騎打ちとなり、第1コーナーのせめぎ合いでは椿が勝ち、風吹は下位に沈む。リードしていた椿のサニーは風吹の追い上げを意識しすぎて回し過ぎ、エンジンブロー。これで風吹は優勝となった。なお、風吹サニーのチューナーは「まつおか自動車」、椿サニーのチューナーは「土屋エンジニアリング」であり、ともにマイナーツーリングレースにて活躍していた実在のチューナーである。尚、土屋エンジニアリングは現在もレースサポートをしている。

ホークス結成

街に突然現れてはスポーツカーをクラッシュに追い込む2台のスーパーカー、フェラーリ512BBとランボルギーニ・カウンタックLP500Sが社会問題となっていた。ローザとドライブを楽しんでいた飛鳥のミウラも2台の襲撃を受け、相手がマシンだけでなく相当なテクニックを持つ男達である事を知る。谷田部は全国の暴走族トップクラスの走り屋を集めて対策を行う事を発案。そのリーダーに風吹を任命し、ランチャ・ストラトスを与えた。ホークス結成にあたり筑波サーキットでレースを行い、風吹は暴走族たちに圧倒的な実力を披露。これで風吹はリーダーとして認められた。ランボルギーニ・シルエットに乗る椿とポルシェ928に乗る京極さくらがサブリーダーとして任命された。さらに風吹の幼馴染であるフェアレディZの長岡五郎も加わった。街で512BBとLP500Sを見つけたホークスは風吹とともに2台を追い詰める。2台の正体は親の愛情に飢えた金持ちの若い兄弟であった。

ル・マン・イン・ジャパン

ツーリングカーレースの最高峰、シルエットフォーミュラのレースが日光市街地特設コースで開催される事になった。上位6名にはヨーロッパでのレース遠征をサポートする事も発表された。風吹はストラトスをシルエットフォーミュラに大改造しレースに挑む事が決定するが谷田部からはこれを最後にサポートを打ち切ると宣言される。谷田部が風吹に代わって選んだのは椿だった。早瀬も今回より復帰し、飛鳥は見守り役でなくライバルとして参加する事を宣言。かつてのライバル達も大挙して参加。さらに国内トップレーサーも加わり一大レースとなった。風吹のストラトスは富士スピードウェイで行われた予選でターボのトラブルにより低迷。早瀬のポルシェ935-77や飛鳥のGCカーのサポートで決勝出場権ぎりぎりの50位で予選を終える。決勝で最後尾スタートとなった風吹はあらゆるテクニックを駆使して上位へ追い上げる。早瀬はトップグループを走っていたがパンテーラと絡み、そのパンテーラはガードレールを突き破り崖底へ転落。早瀬はスピードに対する恐怖が突然芽生えスローダウンしてしまう。その後、激しいクラッシュで爆発炎上したカウンタックから運び出され、黒焦げとなったハマの黒豹の遺体を見た早瀬は恐怖により完全にスランプに陥る。もはやアクセルを踏むこともままならなくなり、リタイアしようとする早瀬に風吹は檄を飛ばし、2人はリハビリのように走り始める。やがて走りの勘を取り戻した早瀬はレース中に完全に立ち直る。そして風吹と早瀬はトップグループに再び加わったものの、風吹のストラトスはダメージを受けトラブルを抱えてしまう。トップで迎えたゴール手前でコースアウトし激しくクラッシュし、リタイアした風吹はヨーロッパ進出の夢を絶たれてしまう。 ヨーロッパ行きの切符を手に入れた飛鳥、早瀬たちは風吹を日本に残し世界の舞台へと旅立っていった。

【プロレーサー編(フォーミュラカーレース)】

カートとの出会い

早瀬、飛鳥がヨーロッパでF2を戦う中、日本に取り残された風吹は失意の日々を送っていた。みのりのポルシェを借りた風吹はミキとドライブに出掛け、興味本位で富士サーキットでカートレースを見学する。子どもの乗り物と馬鹿にする風吹に怒った全日本チャンピオンの鈴本は風吹と10周のレースを行う。久々にレースの楽しさを体で感じ取った風吹は自力でヨーロッパに飛び、レースをする事を誓う。姉のローザは弟の志を喜び、マンションを売り払って2人で渡欧する事を決意した。

F3参戦

風吹はイギリスへ向かう飛行機でモータージャーナリストの大和と出会う。イギリスに着いた風吹は早瀬や飛鳥と久々に再会した。風吹はヨーロッパF2選手権で戦うかつての仲間たちの近況を聞くが、いまだに優勝した仲間がいないことに憤慨する。また、潮来のオックスが再起不能のクラッシュを起こしていたことも知る。風吹は飛鳥からヨーロッパのレースのレベルの高さを教えられるが不屈の精神で頂点を目指す事を誓う。そしてペイドライバーとしてF3チームへ。そこには大富豪のレーサー、ジョージ・プライスがいた。ファーストドライバーのプライスに対し、風吹は契約上あらゆる面でプライスを優先するという屈辱的な待遇のもと、セカンドドライバーとして戦うことになる。思うようにマシンを操ることができない風吹。コースサイドから走りを見ていた大和は風吹にアドバイスをする。そして風吹は大和を「大和先輩」と慕い、F3での走りに開眼する。初参戦のBPF3選手権ブランズハッチ戦ではプライスの圧倒的な速さに苦戦するが、それまでF3全戦優勝を誇っていたプライスはエンジンブローでリタイア。風吹はF3デビューウィンを飾る。その後F2チーム、マーチのテストドライブの機会を得た風吹はレギュラードライバーに匹敵する実力を披露し、注目を受けることになる。そこで日本人メカニック三次(さんじ)に出会い、以降サポートを受けることになった。

マーチのテストドライブで高評価を得た風吹は現在のマーチF2レギュラードライバー2名に加え、サードカーでの参戦を約束される。しかしマーチからはF3での実戦結果を求められた。ブランズハッチでの風吹の好成績によりフランスのオイルメーカー、エルフからのスポンサードを獲得した風吹はF3の世界大会であるモナコF3へ参戦することになった。

F3モナコグランプリ

各国のF3猛者たちがこぞって参戦するモナコグランプリに風吹はエントリーする。F2参戦中の早瀬もエントリーし、久々に宿敵との戦いとなる。既に強力なライバルとなったジョージ・プライスの他、悪評高い「クレイジー・フランケン」ことフランケン・ホフマン、紅一点のフランス人女性ドライバーの「バラのセシル」ことセシル・ラピエールも新たなライバルとして登場した。

レースはプラクティス、予選レースのクオリファイ、予選レース、決勝という長丁場であり、予選のための予選まであることに風吹は驚く。F1関係者のスカウトの目が光る中、戦いの火蓋は切られた。

午前のプラクティスを終え、休憩中、ホテルのプールでセシルの泳ぐ姿からインスピレーションを受けた風吹は新たなテクニック、ジャンピング・ターン・フラッシュのヒントを得る。偉大なるF1チャンピオン、ジャッキー・スチュワートも完成できなかったといわれるそのテクニックを駆使し、午後の予選レースのクオリファイでは見事ポールポジションを獲得。三次はジャンピング・ターン・フラッシュ向きのセットアップを施すことになった。

しかし予選レースではジャンピング・ターン・フラッシュを重視するあまり、他のセッティングに手が行き届かずマシンは調子を崩し、ポジションを落としていく。決勝進出にぎりぎりに順位で何とかゴールした風吹はライバル達とともに決勝へ進む。

決勝では狭いコース、多数が出走する参加車両に苦戦するものの優勝を目指し快走を重ねる。強引な運転で優勝を狙うプライスはクラッシュ後の不安定な状態の早瀬のマシンをプッシュ。早瀬のマシンは横転し、裏返しになった状態で炎上。風吹はマシンを止め、救出を試みるものの、助け出す事ができず、早瀬は絶命した。怒りに燃える風吹の執念に同調したセシルは周回遅れになりつつも果敢にプライスをブロック。風吹に復讐のチャンスを与えた。 レース終盤、ジャンピング・ターン・フラッシュを武器に風吹は壮絶な戦いを繰り広るが、プライスとのドッグファイトでタイヤを酷使しフロントウィングを失った風吹は、もはや勝利を狙えない状態に陥る。風吹は勝負を諦めることなくプライスのタイヤに執拗にアタック。プライスのエアバルブを飛ばしてスローパンクチャーの状態に陥れ、両者のコンディションはイーブンに。最後に絞り出したジャンピング・ターン・フラッシュを決め、ついにトップチェッカーを受ける。しかし最大のライバルであり親友である早瀬を失ってしまった。

F1へ

ロータスF1のテストドライブの機会を得た風吹はコーリン・チャップマンからのラブコールを受けるが、あっさり断り、オールジャパン体制の新興F1チーム「神風」で戦うことを明言。ゼロ戦 007と名付けられたそのマシンはサッカー界のスーパースターからの転向という異色の経歴のレーサー、神藤速人が開発を担っていた。チーム神風は風吹と神藤の2台体制で1978年F1第7戦スペインGPへスポット参戦することになった。ハラマ・サーキットを舞台として鮮烈なデビューを飾ったチーム神風は好戦を展開、その戦いの最中、F3での雪辱を晴らすべくロータス78で参戦していたプライスが風吹と絡み空中へ舞い上がる。ファイアストーン・ブリッジにコックピットから激突したプライスは即死してしまう。風吹はもっとも不幸な展開で早瀬の敵を取ってしまった。その後、風吹と神藤は突然のスローダウン。シャーシー剛性不足がトラブルの原因であった。新興チーム特有のマシン熟成不足による悔しいリタイア。この結果はマスコミにも酷評され、チーム神風は1戦限りでF1サーカスから姿を消した。

F1再挑戦、そして最後の戦い

水面下で熟成を重ねていたチーム神風はマシンをゼロ戦009へ進化させ、満を持して1979年F1第6戦ベルギーGPへスポット参戦。再び風吹、神藤でレースに臨む。戦いの舞台、ゾルダーサーキットには風吹の師匠であり義兄である飛鳥ミノルの姿があった。 飛鳥は前年にヨーロッパF2選手権でブルーノ・ジャコメリと同ポイントでダブルチャンピオンとなり、ジャコメリはアルファロメオから、飛鳥はポルシェからF1デビューとなった。

ポルシェチームはツーリングカーレースの参戦経験から満を持してターボF1マシンを引っ提げてシーズン途中からの新規参戦であった。 マスコミの注目はこのポルシェ一点のみとなり、風吹たちのチーム神風は一切注目されることなくレースは幕を開ける。

予選では風吹と飛鳥の戦いとなり、風吹が僅差でポールポジションを獲得した。 決勝日はモナコF3以来、サーキットに足を運んでいなかったミキも訪れた。ミキはこのレースの優勝で風吹との結婚を誓う約束をした。 決勝では風吹が少し出遅れるものの、最終的には風吹と飛鳥の一騎打ちとなった。 トップ争いを繰り広げる二人。このままどちらが優勝しても日本人ドライバー初優勝となる。 ファイナルラップの最終コーナーまでホイールトゥホイールの戦いを続けた2台は並んだままチェッカーを受けた。運命的な戦いを駆け抜けた2人はウィニングランへ…(作中ではどちらが優勝したのかは触れられていない[2]

作品に関する評価

リアル感

本作の大きな特徴は、「マッハGoGoGo」などそれまでの作品が架空の車種しか登場しないのに対し劇中に登場する車種を実際に存在するものにした点である。触れるどころか目にすることも希な外国製超高級スポーツカーを、作品を通じて疑似体験できることが人気を呼んだ。

登場するスーパーカーは、作者である池沢さとしの愛車や、作者のクルマ仲間の愛車そのものであることが多く、ナンバーも実在のものである。主人公達が競争を行う箱根ターンパイクなどの道路や、主人公達がたむろする喫茶店も実在のものであり、不思議なリアル感もあった。また、星野一義などの実在の人物が実名で登場することも多かった。

欧州製のスポーツカーが多数登場する一方で日本車・アメリカ車の扱いは非常に低く、殆どが暴走族の車等、端役扱いとなっていた。この当時の日本・アメリカの各メーカーはオイルショック後の排気ガス対策に追われ、スポーツカーを生産する余裕が無く、作中において活躍させるような車種がほとんど存在しなかった。本編で活躍が見られる数少ない日本車は、トヨタ・2000GTおよびS30型フェアレディZの240Z-G・432Rだが、前者は本作連載当時は既に生産を終了、後者も240Z-G・432Rは生産終了し排ガス規制に適合させた型のみ生産継続という状態であった。ブーム時に登場した国産スポーツカーとしては1978年童夢-零サバンナRX-7があるが、その時は既に本作の舞台が公道からサーキットへと移っており、作中で取り上げられる事が無かった。アメリカ車については後年作者が「当時興味がなかった」という理由で端役扱いしたことを述べている[3]

高い人気

連載当初は関係者の間から「自分の趣味をマンガにするなんて」、あるいは「子供に車の運転技術はわからない」といった批判があったらしい。読者からの人気も今ひとつだったため、「少年ジャンプ」の伝統ともいえる「10週で連載打ち切り」が決定していたという。そのため初期のストーリーには、話の展開が急すぎる部分もある[4]

しかし連載7週目から読者からの支持が急激に高まったため、急遽連載続行が決定[5]。その後も人気は伸び続け、「少年ジャンプ」の看板マンガとしての地位を確立した。

広いファン層

ちいぃっ」、「ちぎられちまったぜいぃっ」、「ドリュリュリュリュー」、「アタイは・・・」といった独特の台詞回しや派手な走行音、また実際にはありえない走行テクニックやレース展開など、その独特の世界観が当時の小学生から社会人まで多くの読者の心をつかんで、「スーパーカーブーム」という空前絶後の社会現象にまで発展した。スーパーカーブームは、1976年と1977年に富士スピードウェイF1レースが開催されたことに始まるF1レースブームと連動する形になり、多くの少年が自動車レースに目を向けるきっかけを作った。

作者・池沢自身が自動車マニアで、登場するスポーツカーの多くを自らまたは知人が所有した経験があり、レースにも参戦していたことから、車種ごとの構造的な特徴や乗車感覚の違いが体験に基づき事細かに描写されており、少年マンガの枠を越え、大人の自動車好きの興味をも引いた。連載中には、様々なスポーツカーのオーナーたちが「たとえ一コマでクラッシュしてしまう様な役どころであっても自分の車を漫画に出して欲しい」と作者に要望してくる事が多かったという。

「小よく大を制す」

特筆すべきは主人公の愛車ロータス・ヨーロッパが、高性能スポーツカーとしては比較的エンジンの排気量が小さく、絶対的なパワーとスピードに欠ける車種だったことである。このため主人公は、ライバルが乗るポルシェフェラーリランボルギーニといった大排気量ハイパワー車に対し、コーナリング性能と運転技術で懸命に対抗するという図式が出来上がった。作中で主人公がランボルギーニ・ミウラを羨ましがる台詞や、直線において国産GTカーに追いつかれる場面もある。しかしマンガのストーリー展開としては「小よく大を制す」という図式は、大柄で力の強い番長を、小柄で非力な少年が知恵と勇気で倒すという、日本の少年マンガの普遍的なカタルシスに重なるという指摘もあり、作者自身もそれを意図したと述べている。この後、主人公は何度か愛車を変えることになるが、比較的パワーの低い車種でハイパワー車を倒すという基本的な図式は大きく変わらなかった。この図式は後の自動車バトル漫画「頭文字D」にも引き継がれている。

ブーム後の展開

タイトルに「サーキット」という言葉が入っているだけに、最終的にはサーキット(レース場)での本格的なレースが主題になっていくが、連載の終盤にはスーパーカーブームもF1レース人気も完全に下火となっていた。さらに、ストーリーがプロレースの本質の部分に近づくほど悪い意味でマニアックになり過ぎ、初期の荒唐無稽な魅力が薄れてしまうというジレンマが発生。かといって本当のレース関係者やマニアが見れば、細部の考証にアラや絵空事が目立ってしまう。初期に見られたリアル感と荒唐無稽さのバランスが、後半には悪い方向に逆転してしまった。実在しないF1マシン(日本の複数の自動車メーカーが共同で製作したという設定)に乗り、主人公が日本人初のF1優勝者になるところで連載終了となったが、この最終回を迎えた頃の作品の人気はブームの頃と比べかなり低迷していた。なお、日本オリジナルF1マシンで参戦するというエピソードは1974年から1976年に活動していたマキF1をモチーフとしている。

公道レースを題材に人気を得た漫画が、本格レースへとステップアップした途端に人気が落ちるという現象は、後に「バリバリ伝説」(しげの秀一)などでも見られた。

高い影響力

スーパーカーブームから約10年を経た1980年代後半、アイルトン・セナや劇中にも登場したネルソン・ピケが日本のホンダエンジンで活躍し、中嶋悟鈴木亜久里ら日本人がF1に参戦したのがきっかけとなり、日本には再度のF1ブームが訪れる。そのブームに最も心踊らせて熱中したのは、スーパーカーブーム時に少年だった1960年代から1970年代生まれの青年たちだろう。少年期に「サーキットの狼」をきっかけにスーパーカーやF1を愛好し、モータースポーツ文化や精緻なメカニズムに親しんでいた世代にとって、F1は受け入れやすいスポーツジャンルだった。そうした点からも「サーキットの狼」は、日本におけるモータースポーツ普及にとって非常に重要な作品と評される。

ブームから30年以上経つ現在も関連グッズの発売が続いており、2009年には当時の実車や漫画、スーパーカー消しゴム等のグッズを展示した「サーキットの狼ミュージアム」が茨城県神栖市にオープンした。

スポ魂作品としての側面

前述のとおり、連載当時は少年誌の読者層を無視した自動車という大人の世界を持ち込んだ事でその違和感が際立つ作品となったが、物語自体はあくまで主人公・風吹の成長を描いたものであり決して奇をてらった展開ではなく、むしろスポ魂作品の王道ともいえる内容である。小柄で貧しく感性型天才の主人公に格上で裕福な理論型天才のライバルとの成長物語という図式は「巨人の星」の星飛雄馬と花形満や「あしたのジョー」の矢吹丈と力石徹に代表されるスポ魂作品の図式との類似性が多く見られ、読み込む程に少年誌の読者に馴染む物語展開であった。(ただし、必ずしも風吹本人が虚弱というわけではなく操るマシンが早瀬のポルシェに比べ非力という設定)レースは別名モータースポーツというスポーツの一種であり、その意味からも本作が亜流のスポ魂作品と捉えることもできるが、連載当時の世間の認識は「レース=暴走族」といったものがほとんどであった。一方で暴走族は公道で不法行為を繰り返し大きな社会問題となっており、暴走族出身のレーサーもほとんどいなかった。レースは多額の費用を必要とするため、暴走族はレーサーへの憧れを持つ一方で妬みの対象だったと、作中でも言及されている。この件は本編中でも度々触れられており、(作中で実際の新聞記事を紹介したり、谷田部が暴走族のための無料サーキット構想を熱弁する場面がある)こうした背景から作者が題名にサーキットという文字を入れた事には強い思い入れがあったという。これもまた、「喧嘩っぱやい不良少年がボクシングで大成する」といったスポ魂作品に通じる部分でもある。よって主人公の他、ライバル達も公道での非合法な戦いから舞台をサーキットへ移し、レーサーとして成長していく展開となっている。

ジレンマ

多くのスポ魂作品が陥るジレンマが本作品にも投影されている。一点目は主人公の成長に合わせて戦いのレベルがより高度になってしまう事、二点目は強力なライバルを複数登場させる事により本来のライバルとの戦いの意味が薄れていく事である。

一点目はモータースポーツというピラミッドの頂点は一般的にF1(特に日本ではその傾向が強い)を指すために、ストーリー展開上F1への道筋が既定路線と成らざるを得なかった事がある。F1やF3に代表されるフォーミュラカーのレースは規則が統一されている為、リアルなストーリーにすると劇的なレース展開が盛り込みづらく、シリーズチャンピオンを描くとなると長々と同じマシン、同じライバルで転戦する展開を描かなければならなくなってしまう。また、市販車やツーリングカーレースに比べて外観の違いが少ない為に画のみで見分けが難しいという側面があるため、リアルさを追求すると単調な展開に単調な画という状態が続き、読者に飽きが生じてしまう可能性があった。本作の連載当時はフジテレビのF1中継開始以前でF1レギュラードライバーの中島悟も誕生していない事から、本作がこうした展開で成功するには時期尚早だったとも言える。その為、本作ではF3やF1はスポット参戦という極力自然な形で展開を早めており、後半はやや急ぎ足でステップアップしていく物語となっている。こうして暴走族からF1優勝までを描ききった成長物語はもっとも王道でスポ魂作品にふさわしい内容であった。なお、後のレース作品「カペタ」ではカートからフォーミュラへの成長物語であるが、長期連載の人気作品となっている。これは日本人F1ドライバーの台頭など時代とともモータースポーツへの理解が深まってきた表れとも言える。

二点目についてはレースという性質上、登場人物が多いために次々と強力なライバルが登場し、最大のライバル早瀬のキャラクターが埋没してしまったことである。初期は絶対的な強さの象徴として君臨した早瀬はスランプを経験し風吹の力で立ち直るなど、最大のライバルにふさわしい成長物語が盛り込まれていたが、中盤以降は療養で欠場したり、そもそも勝負に参加していないなど徐々に存在感をなくし、志半ばのF3で事故死するという衝撃の運命となってしまった。しかし本作は初期段階の伏線を見事に繋げ、風吹と飛鳥の直接対決で物語を完了しているため、風吹の成長物語としてのストーリーは破綻せずに完成している。これも巨人の星で最終対決相手が最大のライバル花形でなく伴であったことやあしたのジョーでやはり最大のライバル力石が中盤で衝撃死するなど、長編のスポ魂作品には多く見られる展開である。

劇中のコーナリングテクニック

  • スピンターン
  • 三回転スピンターン
  • パワースライド
  • ドリフト
    • 四輪ドリフト
    • ブレーキングドリフト
    • 逆ドリフト
    • 慣性ドリフト
  • 幻の多角形コーナリング
  • ジャンピング・ターン・フラッシュ - F1編で登場した、その名のとおりマシンを空高くジャンプさせてカーブを曲がるというテクニック。本作に登場するレーステクニックでは唯一完全架空のものである。

登場人物

初期の公道レース時代の登場人物の多くが作者にとって身近な自動車趣味仲間がモデルになっており、後半のモータースポーツ編では実在する世界的なレーシングドライバーたちが登場している。その一方、漫画作品では珍しく中堅クラスの登場人物でもフルネームが存在せず、苗字あるいは通称でしか呼ばれない人物も多い。

主な登場人物

風吹裕矢(ふぶき ゆうや)
本編の主人公。普段は姉のローザ(ファッションモデル)と二人暮らし。
公道時代から一匹狼のドライバーとして活躍しており、暴走族仲間から「ロータスの狼」と呼ばれていた。ドライビング面では天才的なテクニックと冷静な判断力、そしてバトル中にドライビング・テクニックを生み出すなど驚異的な適応力を持ち、数多くの修羅場をクリアしてきた。普段は女の子を見るとデレデレになってしまうなど軟派な性格(最初期では硬派)だが、運転中は負けん気の強い性格となり、相手ドライバーを「イモ」と罵る光景もしばし見られる。コーナリングを得意としており、「多角形コーナリング」や「慣性ドリフト」などを編み出すことから「コーナリングの魔術師」とも呼ばれる。愛車のロータスにはトランク部分に☆マークを刻んでいたがそれは勝負して勝った相手の印。勝つ度に星の数が増えた。後に公道グランプリのゴール直前に亡くなった沖田の愛車・ディーノを受け継ぐ。ディーノはボディ・エンジンともに大幅に改造(エンジンは308GT用V型8気筒3,000cc)され、作品オリジナルのマシンとなった。
F1参戦で優勝したのちドライバーを引退。続編の『サーキットの狼II モデナの剣』ではファッションデザイナーに転身している。
名前は作者が応援していたレーサー・風戸裕に由来する。
早瀬佐近(はやせ さこん)
主人公最大のライバル。
電機メーカー「早瀬電機」の御曹司で、ポルシェ専門の暴走族「ナチス軍」総統。甘いマスクとやさしさを兼ね備え、人望も厚い非の打ち所のない人物。ドライビングは風吹と対照的に極めて冷静沈着であり、風吹とは何度も激しいライバル争いを行ってきた。
物語後半では風吹と同じくプロレーサーの道に進むが、モナコグランプリでクラッシュし事故死してしまう。
ちなみに早瀬の操るカレラRSには側面ドア部分にハーケンクロイツのマークがあるのが特徴。同マークに関する近年の国際情勢を配慮してか、モデルカーやプラモデルではこのマークが省略されて発売されることが多い。また、風吹と同じく勝負して勝った相手の数を☆マークに置き換えトランク部分に刻んでいた。
早瀬ミキ(はやせ みき)
佐近の妹。春花学園の高校生。自らも女暴走族集団「赤い流れ星」を率い、関東近辺の暴走族を纏め上げている。
兄の佐近と風吹の戦いを通じ、途中からは風吹と実質的な恋人関係となる。公道グランプリでは途中で右腕を負傷しシフトチェンジが困難になった風吹の代わりに、ロータス・ヨーロッパの助手席に同乗してシフト操作を担当するなど、風吹との深い結びつきが作中で示されることが多い。日光レース後、18歳になったミキは免許を取得し、初心者にしてポルシェ930ターボ(みのりから借りた車)に乗っていた。第六感的な神経に長けており、時に嫌な予感に怯え、日光レースでゴール寸前の風吹のクラッシュや、モナコF3での兄・左近の死について望まぬ未来を的中させてしまった。
飛鳥ミノル(あすか みのる)
プロレーサー。
かつては神奈川で、集団「湘南タイガー」のトップであり、街道レーサーチャンピオンとして君臨していた。若手では実力ナンバーワンのレーサーで、時速230キロの時点からミウラを直角に曲げるテクニックを持ち、その技術の高さから風吹を驚かせた。若く暴走しがちな風吹を制御する兄貴分的存在であり、良きライバルでもあった。
風吹の姉であるローザとは恋人関係にあり、サーキット場の表彰台で婚約発表をして結婚。風吹とは義兄弟の関係となる。トヨタ自動車のワークスドライバー川合稔がモデル(現実の川合稔もモデルの小川ローザと結婚した)。
風吹ローザ(ふぶき ろーざ)
風吹の姉。幼くして両親を亡くし、兄弟でマンションに同居している。職業はモデル。危険なレースに出る弟を心配しつつも暖かく見守る。飛鳥ミノルとは恋人同士であり、レースの世界で弟を見守るよう託す。小川ローザがモデル。
谷田部行雄(やたべ ゆきお)
作中では数多くの不良少年を更生させた実績から「青少年の父」の異名を持つ人物。その関係で警察にも顔が利く。
自称「年がいもないカーマニア」で、当初は沖田をプロレーサーとして育てるべく様々な援助を行っていたが、その沖田が公道グランプリで亡くなってしまったこと、また風吹に沖田に勝るとも劣らない才能を感じたことから、その後は風吹のスポンサーとなり、主に資金面で風吹をバックアップした。
山岸 みのり(やまぎし みのり)
早瀬電機とライバル関係にある電機会社の社長令嬢。
早瀬を幼少時から慕い、彼を魅了する自動車の世界に少しでも近づきたいと思いレーサーから訓練を受けて公道グランプリにコスモで参戦。その後、少しでも早瀬に近づきたいために一時的にマシンを失った風吹に自らのポルシェ930を貸し出し東名高速で勝負をさせる。しかし風吹のドライビングテクニックを見ているうちに自らしてきたことの愚かさを反省し、街道レースの世界から足を洗うことになる。勝負ののちに早瀬の前で号泣した。風吹や早瀬がプロレースの世界に進んだ後は、もっぱらミキと一緒にレースに観戦する側に徹し、女子らしくはしゃぐ一面も見せる。

サブキャラクター

複数のイベントに参加している登場人物は初登場の項に記す。

公道グランプリ
沖田(おきた)
警察官出身のレーサー。秋田県出身。名前の由来は沖田総司。原作では最後まで下の名前は登場しなかったが、2009年に製作されたパチンコ機「CR 新サーキットの狼」では大治郎という名前がつけられている。
元々は町工場の工員だったが、中古でトヨタ・スポーツ800を手に入れてからスピードに目覚めるようになり、街道レーサーとして活躍。その後堂々とスピードを出せると言う理由から交通機動隊に転職を果たす。警官時代はスピード違反取締りの特殊部隊「新選組」に属し、新撰組の隊旗を模した塗装を施したパトカー(日産・フェアレディZ)で暴走族の取締りを行っていた。
のちに同じ秋田出身の谷田部からプロレーサーの道に誘われ、フェラーリ・ディーノの提供を受けて公道グランプリに参戦するが、実はすでに結核に体を冒されており満身創痍の状態であった。レース中に発作を起こしながらも最終コーナーでトップに立ったものの、なぜかコーナー脱出後に突然スローダウンしてしまう。最後は風吹に次いで2位でゴールしたが、ゴール直前ですでに沖田はステアリングを直進状態に握ったまま絶命、壮絶な最期を遂げていた。
隼人ピーターソン(はやと ピーターソン)
富士スピードウェイでのレースから登場するハーフのレーサー。一人称は「ミー」。風吹が参戦する前年の公道グランプリ優勝者。
非常にプライドが高く、レースで勝つためならプッシングやブロックなどの悪質な走行妨害も平気で行い、果ては相手を死なせても何とも思わない、シリーズ最大の悪役。しかしながらドライビングテクニックは優秀なものがあり、風吹・早瀬も一目置く存在。妨害工作に熱中するあまり、それが自らに跳ね返ってくることがしばしばあり、公道グランプリではクラッシュを起こして顔の左半分に大火傷を負ってしまう。その後BMWに乗り換えたのちもその性格が改まることはなく、最終的には流石島レースで火山地帯に突っ込みクラッシュ、マシンごと炎上。作中ではその後が描かれなかったため生死不明の状態となっていたが、『モデナの剣』で再登場した。
ハマの黒ヒョウ
横浜の暴走族連合の総元締めで本名は不明。
公道グランプリから一貫してカウンタックで参戦。最終的に3度クラッシュを起こすもののそのたびに修理して復帰し、風吹からもその執念深さは評価されるほど。しかし公道グランプリでは途中地点からの乱入、A級ライセンス取得レースでは周回遅れとなってわざと早瀬のポルシェを抑える等、本編内ではアンフェアなプレーが目立っていた。日光で開催された「ルマン・イン・ジャパン」でのレース中、トンネル出口でクラッシュしてカウンタックとともに散る。
影法師の会長(姓名不明)
愛車はランボルギーニ・ウラッコ。富士フレッシュマンレースに出場している。公道グランプリではそのテクニックを駆使して序盤にトップ争いを繰り広げるものの、ピーターソンのフェイントブロックに惑わされてクラッシュした。
極道連総長(姓名不明)
愛車はマツダ・サバンナ。スポンサーの仇をとるために執拗に風吹を狙う。数々の極悪非道な手口で風吹の命を奪おうとするが公道グランプリ後、風吹が手の届かない存在になったことを悟った。
ロータス・プレイヤー(風吹裕矢と同じロータス・ヨーロッパを駆る5人組、姓名不明)
チームプレイを得意とする5台。公道グランプリでは3台がクラッシュしたため、仲間の安否を気遣って全員リタイアした。
筑波Aライ模擬レース
土方年男(ひじかた としお)
沖田と同じ警察官出身のレーサー。名前の由来は土方歳三で、沖田とは「新選組」時代からの同僚だった。
沖田の遺志を継いでプロレーサーとなり、筑波サーキットで行われたA級ライセンス取得模擬レースでデビューする。ドライブテクニックは決して派手ではないものの着実に順位を伸ばすタイプで、谷田部からは一時期沖田とどちらをレーサーに育ててゆこうか迷わせてしまうほどの実力を持っている。先述のA級ライセンス取得レースではスタート時にエンストを起こしてしまうものの、最終的に3位に入賞した。その後流石島(瀬戸内海に存在する架空の島)で行われたレースにはカプリで参戦したが、ヨットの浮かぶ港湾に飛び込みリタイアした。
魅死魔国友(みしま くにとも)
各地の解散した暴走族の生え抜きが集結して結成された「シュトコー戦闘隊『神風』」のリーダー。
首都高速道路をホームとして夜中~明け方に何千週と駆け回り、首都高のことなら道路の継ぎ目や舗装の荒れ具合まで分かると豪語する。常に『神風』と書かれた鉢巻きをしており、右目には切り傷のような跡がある。風吹・早瀬を交えて首都高でレースに挑んだものの結果は3位となった。愛車のフェアレディZは白い車体に日の丸の図柄というインパクトの強いもので、登場当初はリア部分に国旗が取り付けられていた。A級ライセンス取得レースでは4位に入った。
人物のモデルは作家の三島由紀夫であるが、「国友」の名は当時池沢のアシスタントだった国友やすゆきから取ったもの。
切替 テツ(きりかえ てつ)
「カーショップディノ」経営者。
筑波のA級ライセンス模擬レースから登場。レースでボーラを大破させたものの見事に蘇らせ、その後風吹・早瀬がポルシェ930を操って行った「東名高速道路の辻斬りマシン討伐」に割り込む形で参戦。最初は善戦したもののポルシェの戦闘力に負けて敗戦。その後流石島レースにも参戦したがレース途中でいつの間にか姿を消した。なお登場当初は「ボーラの男」と呼ばれており、名前が出てくるのは流石島での時点となる。
フェラーリ・クラブ・ジャパン会長で、フェラーリ専門店の「レーシングサービスディノ[6]」の切替徹がモデルである。
原田和夫(はらだ かずお)
「北海の龍」の通称を持つ。
筑波のA級ライセンス模擬レースから登場。北海道の大自然道を走破。コーナリング性能No.1と言われるストラトスを駆り、風吹のライバルとなる。Aライ模擬レースでは最終コーナーでトップ争いを演じたがコースアウトしてしまう。流石島レースではターボチャージャーを装着したストラトスで参戦し、風吹と互角のコーナリング対決を演じたが、豪雨のホテル街でクラッシュした。ルマン・イン・ジャパンではドイツ・シュニッツァーチューンのセリカLBターボで出場するも8位に終わった。
辻本征一郎
A級ライセンス模擬レースの解説で登場。日産レーシングスクール校長(当時)で実在の人物。
橋本(名不明)
A級ライセンス模擬レースで辻本とともに登場。ジプシー・オートクラブ所属で審査委員長としてコントロールタワーでレースを見守る。ジプシー・オートクラブは後のチェッカーモータースポーツクラブ(現・ブレインズモータースポーツクラブ)で会長の橋本弘がモデル。[7]
ハイエナの6(姓名不明)
愛車はポルシェ914・6(通常は4気筒エンジンが搭載されているがこれは2L・6気筒エンジンを搭載したモデル)関東地方の走り屋。A級ライセンス取得レース前半では、風吹のロータスとミッドシップ同士で戦ったが、最終的には周回遅れとなってしまう。
流石島レース
関根英次(せきね えいじ)
「潮来のオックス」の通称を持つレーサー。愛車はランボルギーニ・イオタ
流石島レースから登場。風吹の恋人である早瀬ミキも思わず「ハンサム」と言ってしまうほどの美男子。若干ナルシストな側面もある。レース終盤に火山地帯で岩に衝突、リタイヤした。ルマン・イン・ジャパンでは6位に入り、のちに飛鳥、早瀬らと共にヨーロッパF2選手権に出場するものの、クラッシュで重傷を負い再起不能となった。
人物のモデルは潮来市に在住していた関根氏というスーパーカーを多数保有しているカーマニアで、当時発売されたスーパーカーのレコードにランボルギーニ・ミウラのオーナーとして登場していた。
田原 ミカ(たはら みか)
流石島レースで登場する女性レーサー。通称「フェラーリの女豹」
田原財閥のお嬢様で、後継者探しに躍起となっていた父親の依頼で18歳までに15回のお見合いをさせられる。しかし、自分より速い男で無ければ満足できないという理由からレーサーの道を選ぶ。流石島レースでは風吹・早瀬を苦しめるものの最終的に隼人ピーターソンの悪辣な妨害に巻き込まれクラッシュし、そのまま帰らぬ人になる。なお、彼女の生い立ちについてはスピンオフ編の「フェラーリの女豹」で描かれた設定であり、本編では名前を含め多くは明かされていない。
四国の獅子(姓名不明)
愛車はデ・トマソ・パンテーラGT4。四国地方の走り屋。流石島レース後半、トップに進出するために、部下達に火山地帯で故意に崖崩れを起こすように指示した。フェラーリの女豹の308GTBとトップ争いを演じたが、火山地帯で岩石に衝突しクラッシュした。
ジャック・シンカー
愛車はシボレー・コルベット・スティングレー。谷田部が流石島レースのために呼んだ、アメリカの新鋭トップレーサー。1周目後半のホテル街でクラッシュした。
鈴木サトル
愛車はロータス・ヨーロッパ。風吹に憧れており、アンダーパワーなロータスで流石島レースを戦い抜こうとしていた。豪雨となったレース後半、いち早くレインタイヤに交換したことで、一時3位にまで順位を上げた。ラスト1周、風吹を他車から守るためにブロック、クラッシュした。
セリカLB(リフトバック)の男
トヨタ・ニュー7の5リッター・ターボエンジンを搭載したセリカで流石島レースに出場。800馬力のパワーで30度バンクにおいて頭角を現し、ビーチラインでは国産車初のトップに躍り出た。レースラスト1周、追い抜きをかけた風吹を抑えようとした際、サバンナRX-3、フェアレディ240ZGと共に鈴木サトルのロータスと接触、クラッシュした。
ホークス
椿健太郎
愛車は、日産TSサニー→ランボルギーニ・ウラッコ3000シルエット→BMW320ターボ。
富士フレッシュマンレースから参戦。風吹に勝利するという自信を得るために、ツーリングカーレースに出ていた。フレッシュマンレースではエンジン・ブローでリタイア。暴走するカウンタックLP500Sとフェラーリ512BBの事件では、新しく結成された暴走族グループ「ホークス」のサブリーダーとしてウラッコで参加、事件解決に協力した。ルマン・イン・ジャパンではBMW320ターボで、3位に入った。のちに飛鳥、早瀬らと共にヨーロッパF2選手権に出た。
京極さくら
愛車はポルシェ・928→BMW3.0cslターボ。
京都の女暴走族「紅孔雀」の総統。暴走するカウンタックLP500Sとフェラーリ512BBの事件では、新しく結成された暴走族グループ「ホークス」のサブリーダーとして928で参加、事件解決に協力した。ルマン・イン・ジャパンではBMW3.0cslターボのパワーを生かし、一時はトップに立った。
長岡五郎
愛車は日産・フェアレディ240ZG。風吹の学生時代の同級生。風吹は「二輪の狼」、長岡は「四輪のタカ」と呼ばれていた。新暴走族グループ「ホークス」の団結心を高めるために谷田部が企画した、筑波サーキットでのレースに参戦。事件解決後は、ルマン・イン・ジャパンに出場した。
ルマン・イン・ジャパン
ボビー・歌田
愛車はシボレー・コルベット・スティングレー。日系2世。ルマン・イン・ジャパンで、一度クラッシュした不安定なマシンで風吹と早瀬を追うが、中禅寺湖畔道路で林に突っ込みクラッシュした。流石島レースのジャック・シンカーと似ているが別人物という設定。
高林(名不明)
プロ・レーサー。ルマン・イン・ジャパンにGCマシン・マーチBMWで参戦した。椿とのドッグファイト中にクラッシュした。高原敬武がモデル。
従山(名不明)
プロ・レーサー。ルマン・イン・ジャパンにGCマシン・マーチロータリーで参戦した。京極のスピンに巻き込まれクラッシュした。従野孝司片山義美がモデル。
生島(名不明)
プロ・レーサー。ルマン・イン・ジャパンにGCマシン・GRDで参戦、4位に入った。生沢徹がモデル。
桑沢(同上)
プロ・レーサー。ルマン・イン・ジャパンにGCマシン・マーチBMWで参戦し5位に入った。桑島正美がモデル。
F3
ジョージ・プライス
一流ブランドメーカー、ルイ・バートンの御曹司。BP・F3選手権のニュー・スター。BP・F3選手権第4戦ブランズハッチ・サーキットでF3初参戦の風吹と対決するが、エンジン・ブローでリタイヤする。モナコF3で早瀬のマシンをプッシュ、クラッシュさせ死に追いやった。その後F1スペインGPにロータス・78で参戦するも、風吹のゼロ戦007と接触後宙を舞い、ファイアストーンブリッジに激突した。生死は不明。トム・プライスがモデル。
フランケン・ホフマン(クレイジー・フランケン)
F3ドライバー。モナコF3に参戦。マシンはラルトRT-1。人間性の問題からF3に留まってはいるが、ドライビング技術ではジョージ・プライスに匹敵する。モナコの決勝で、風吹を押し出そうとしてコース脇コンクリートウォールに激突、大破した。
セシル・ラピエール
女性F3ドライバー。モナコF3に参戦。マシンはシェブロン。「バラのセシル」の通称を持つ。フランスの貴族出身で裕福な生活に反抗してモータースポーツにかけている。風吹に「ジャンピング・ターン・フラッシュ」のヒントを与えた。決勝で、早瀬の敵討ちに燃える風吹のために、周回遅れになりながらもジョージ・プライスをブロックした。
三次(姓不明)
マーチのメカニック。モナコF3を観戦に来て、風吹のマシンに「ジャンピング・ターン・フラッシュ」に最適なセッティングを施した。
F1
神藤速人
元はサッカー界の国際的スター。谷田部のF1プロジェクトで純日本のチーム「神風」のテスト・ドライバーとして「ゼロ戦007」の開発に協力、チームのNo.2ドライバーとなった。風吹に強いライバル心を持ち、デビュー戦のスペインGPで激しいバトルを繰り広げたが、シャーシの剛性不足で両者ともリタイヤした。1年後のベルギーGPに風吹と共に「ゼロ戦009」で参戦した。
その他の登場人物

その他の登場人物には以下のような人物がいる。

極道連スポンサー(姓名不明)
愛車はデ・トマソ・パンテーラ。シグナル・グランプリで風吹のロータスに破れる。
飯島チーフ(名不明)
ロータスのメンテナンスを担当しているメカニック。公道グランプリでクラッシュしたロータスに、谷田部が資金援助し開発したターボエンジンを搭載、ロータス・ヨーロッパ・ツインカム・ターボ・スペシャルとして再生した。飯島の所属は作中の建物の文字から当時、ロータスの正規輸入代理店をしていたアトランティック商事(現・アトランティックカーズ)と思われる。
高速をGCマシンで走る男(姓名不明)
元レーサーのトラック運転手。輸送中に遭遇する危険運転車両に腹を立て、マシン狩りをするために他のトラック仲間と共同でGCマシンを入手した。
成金息子A(カウンタックの男)(姓名不明)
成金息子B(ボクサーの男)(姓名不明)
共に、谷田部とライバル関係にある実業家の息子。物だけを与えられ、見かけ上は不自由のない生活をしていた。兄はLP500S仕様のカウンタック、弟はフェラーリ512BBで暴走行為を繰り返した。
鈴本(名不明)
全日本カートチャンピオン。富士サーキット・ゴーカート場で、風吹とレーシングカートで対決した。鈴木利男がモデル。

主なレース

公道グランプリ
全国から街道レーサーが集まり、公道で争うレース。非合法のため、警察が阻止しようとする。前年の覇者は隼人・ピーターソン。
コースは、伊豆スカイライン芦ノ湖スカイライン表富士周遊道路料金所手前で折り返し→芦ノ湖スカイライン→箱根ターンパイク真鶴道路熱海ビーチライン→伊豆スカイライン。
参加台数は55台。全距離は約250キロメートル。
A級ライセンス取得模擬レース
国内A級ライセンス取得の為のレース。午前中に筆記試験があり、午後にレーシングコースでの走行となる。
コースは筑波サーキット。1周約2キロメートル。
流石島レース
谷田部行雄が、瀬戸内海塩飽諸島の流石島(架空の島)に計画しているレジャー施設の一つ、サーキットコースの完成を記念した耐久レース。
1周30キロメートルのコースを20周する。コースにはカント30度のバンクがあり「うず潮バンク」と呼ばれている。
富士フレッシュマンレース
飛鳥や谷田部に同一レベルのマシンで戦うことを勧められ風吹が出場した、富士スピードウェイで行われるプライベート・チューナーによるマイナーツーリングカー・レース。なお富士フレッシュマンレースは実在したレースである(現在の富士チャンピオンレースの前身)[8]
ホークスレース
筑波サーキットで開催。
ル・マン・イン・ジャパン (日光レース)
日光、中禅寺湖付近の公道封鎖コースによるレース。
ゴーカートレース
富士サーキット(富士高原サーキット)のゴーカート(カート)レース。450mのコースを10週。
BP・F3選手権
英国ブランズハッチサーキットで開催。
モナコF3
モンテカルロ市街地コースで開催。
F1 (スペイングランプリ)
ハラマ・サーキットで開催。
F1 (ベルギーグランプリ)
ゾルダー・サーキットで開催。

主な登場車両

公道グランプリ~筑波Aライ獲得レースまで

  • ロータスヨーロッパスペシャル - 風吹の愛車。白いボディに赤いライン。リアウィングを装備している。ダンプの荷台からジャンプを決めても無傷であったが、終盤ではスタビライザーを壊しハンドリングが不安定になる。その後(当時存在していなかった)国産のターボエンジンを搭載し、赤いラインの星を消してリニューアルするが、筑波Aライ試験編の最後でブローし、廃車となる。
  • ポルシェ911カレラRS - 早瀬の愛車。1973年の通称73カレラ。ファンベルトが切れたが自ら修理してレースに復帰するものの、リアスポイラーを損傷し、さらにオイルパンを打ちオイル漏れが発生。ゴール時にはエンジンブローし廃車となる。
  • ポルシェ930ターボ - 早瀬二台目の愛車。沖田のディーノを操る風吹を影のように見守りながら登場。シュトコー戦闘隊、筑波Aライ取得レースでは見事に1位に輝く。
  • ディノ246GT - 沖田の愛車。中盤で軽いクラッシュを起こしフロントのナンバープレートを無くす。それ以外はゴールまで特にダメージは無かったが沖田自身が運転したまま病死する。
  • トヨタ2000GT - ピーターソンの車。
  • ランボルギーニ・ウラッコ - 影法師会長の車。ピーターソンのフェイント・ブロックによりコントロールを失いクラッシュ。
  • フェラーリ・デイトナ - 早瀬をクラッシュに追い込もうとするが、早瀬のポルシェがこぼしたオイルに乗りスピン・別のバトルでクラッシュリタイア。
  • マツダ・カペラロータリー - マフラーから火を噴く程のチューンを施している。風吹との勝負でコントロールを失いクラッシュ。
  • ジャガー・Eタイプ - トップグループに加わったがクラッシュ。
  • マセラティ・ボーラ - 宙に舞い激しくクラッシュ。後に登場する切替テツとは別人物。
  • 日産フェアレディ2000 (SR311) - 雪の中で風吹と勝負し自ら雪に突っ込みリタイア。
  • 日産フェアレディZ - フォグランプを装備したラリー仕様。霧の中では抜群の速さを誇ったが崖から転落しリタイア。
  • マツダ・コスモスポーツ - 山岸みのりの愛車。赤色。早瀬に勝負を挑むがメカニカルトラブルで停止。そのままリタイアした。
  • ランボルギーニ・ミウラP400S - 飛鳥ミノルの愛車。公道グランプリにはエントリーしていなかったが、風吹、早瀬、沖田を見守るように谷田部から頼まれ併走する。時折プロレーサーらしい凄腕を披露した。
  • 日産サニーエクセレント - 一般車だが公道グランプリに巻き込まれトラックと激しく衝突する事故を起こす。この事故でトラックから積荷の丸太が早瀬のポルシェを襲い、オイル漏れを引き起こす。運転していた男性の息子は暴走族に入って事故死してしまったという事が作中で語られる。
  • トヨタ・パトロール - クラウンのパトカー版。違法レースの通報を受け静岡県警より3台が出動するが沿道で応援する暴走族たちに襲われ捕われる。その後、早瀬の手下たち(ナチス軍)に拘束される。コマによって「警視庁」と車体に書かれているがコミックス版では「静岡県警」に一部訂正されている。

流石島レース

流石島サーキットのツーリングカーレース。出場車両はFIAグループ4(GTカー)相当[9]

  • フェラーリ・ディーノレーシングスペシャル - 風吹のレースカー。ゼッケン17。フェラーリ308GTBのV8エンジンを積む。デザインはピニンファリーナが発表したディーノのショーモデルを模しており、フロントスポイラーは作品オリジナル仕様。終盤でヘッドライトを破損するが、アクリルカバーを外して応急処置をしてレース復帰した。フェラーリの版権を避けるためにメディアでは「ヤタベRS」と称することもある。
  • ポルシェ911RSR - 早瀬のレースカー。ゼッケン3。ヨーロッパのレースを戦った実績のあるワークスカー。終盤で下回りにダメージを受け(早瀬いわくアンチロールバー(スタビライザー)あたり)フィニッシュ時の大クラッシュの原因となる。
  • フェラーリ308GTB - フェラーリの女豹のレースカー。チェッカーをあしらったストライプラインが特徴。ピーターソンの激しい攻撃から風吹を守りバンク上で激しくクラッシュ、炎上する。
  • ランボルギーニ・ミウラ - 飛鳥ミノルのレースカー。ゼッケン1。リップスポイラーを追加している。スタートからイグニッションコイルの不調で出遅れるが、ピットで部品交換を行い復調する。終盤はトップグループに位置していたが、油温上昇によりペースダウンせざるをえなくなり、トップ争いを風吹と早瀬に譲る。
  • ランボルギーニ・イオタ - 潮来のオックスのレースカー。ゼッケン6。トップグループを形成し、序盤から中盤まで順調なレースを重ねるがランボルギーニ社はワークス活動をしていなかったゆえにレース実績がなく、後半はマイナートラブルによる性能低下に悩ませられる。
  • ランボルギーニ・カウンタック - ハマの黒ヒョウのレースカー。長丁場の耐久レースで室内が高温になり、体力低下に悩ませられる。つり橋でクラッシュ・リタイア
  • マセラティ・ボーラ - 切替テツのレースカー。目立った走りができず切替は「トホホ俺っていつも負けてばっかり」とこぼす。
  • BMW 3.0CSL - ピーターソンのレースカー。クラッシュでフロントフェンダーを損傷するが応急処置でレース復帰。風吹と激しいドッグファイトの末、火山地帯でクラッシュ、炎上しリタイア。
  • フォード・カプリ - 土方のレースカー。豪雨の中スリックで吹雪とバトル中・ピットレーン入り口でコースアウト・リタイア
  • リジェ・JS2 - 魅死魔のレースカー。
  • ロータス・ヨーロッパ - 鈴木サトルのレースカー。ゼッケン15。他のレースカーに比べ非力さが目立つが、ウェットコンディションとなりレインタイヤを装着。ドライタイヤ勢に一矢を報いる。
  • デ・トマソ・パンテーラ - 四国の獅子のレースカー。
  • ランチャ・ストラトス - 北海の龍のレースカー。バンクで激しいスピンをして多重クラッシュのきっかけとなる。・ホテル街手前でクラッシュ・リタイア
  • セリカ・リフトバック - トヨタ7のエンジンを積むモンスターマシン。

ホークス

ホークス結成の筑波レース。およびホークス活動である走り屋狩り2台(カウンタックLP500Sとフェラーリ512BB)の捕獲作戦。

  • ランチアストラトス - 風吹の車。谷田部から与えられた。ロードカー(市販車)であるが、ホークス活動完了後にレースカーに改造する事を予め宣言されていた。レースは赤旗中断であったが、実質優勝扱い。捕獲作戦ではオーバーステアセッティングを施し、ダートで走り屋狩り2台を追い込む。
  • ランボルギーニウラッコシルエット - 椿の車。ホークスでのみ使用。レースはピットロードから飛び入り参加し、終始トップ争いを演じる。その走りから谷田部に見初められた。捕獲作戦でも先回りしてダートに走り屋狩り2台を誘導するなど、クレバーな走りを見せた。
  • ポルシェ928 - 京極の車。レースで男勝りな速さを披露し、ホークス幹部の座を勝ち取るが走り屋狩りに翻弄されクラッシュ。
  • 日産フェアレディ240ZG - 長岡の車。長岡自身がチューニングを施している。レースではエンジンブロー、走り屋狩りにはクラッシュに追い込まれた。
  • ランボルギーニ・カウンタックLP400 - 黒ヒョウの車。レースに途中参加するが、最終コーナーでスピンしエンストし終了。捕獲作戦には参加せず単独で行動するも、走り屋狩りに追い込まれドアを弾き飛ばされた上、自身も失神する。
  • ランボルギーニ・カウンタックLP500S - 謎の走り屋狩りの1台。ウォルター・ウルフ特注のLP500Sに準ずる外装であるが、黒ヒョウからは偽物であると断言されている。
  • フェラーリ512BB - 謎の走り屋狩りのもう1台。特に目立った改造箇所のない市販車であるが、連載当時は市販車最速の最高速度302キロと言われていた。

ルマン・イン・ジャパン(日光レース)

予選は富士スピードウェイ、決勝は日光市街地コース。出場車両はFIAグループ4(GTカー)、グループ5(シルエットフォーミュラ)、グループ6(プロトタイプ)相当の混走。

  • ランチアストラトス・シルエット - 風吹のレースカー。当時のグループ5仕様で実在のレースカーとほぼ同仕様の容姿を持つ。フロントフードに大きく書かれた「狼」の文字が特徴。ターボで武装するが予選では特定の回転域しか過給されず低迷。決勝では完調となり終盤トップへ立つが足回りトラブルによりリタイア。
  • ポルシェ935-77ターボ - 早瀬のレースカー。マルティニカラーのワークスカー。決勝で順調にトップ争いしていたが、他車のクラッシュにより突然スランプに陥る。風吹の激によりスランプを脱し優勝。
  • BMW320ターボ - 椿のレースカー。早瀬同様、ヨーロッパのワークスカーという設定。決勝では独走状態であったが、路面ミューの低いところで単独スピンしタイムロス。早瀬たちに抜かれるものの入賞。
  • BMW3.5CSL - 京極のレースカー。巨大なパワーを誇り、途中では女性として初めてトップに立つ。終盤トップ集団の気迫に押され後退。
  • ランボルギーニ・カウンタック・シルエット - 黒ヒョウのレースカー。架空のマシン。固定ライト化され、追加フェンダーを装備している。決勝中にオーバースピードでコーナーに入りクラッシュ、炎上。風吹たちの救助活動も空しく焼死する。
  • セリカLBターボ - 北海の龍のレースカー。シュニッツァーチューンで実在のレースカーと同型。カラーリングも実車同様であった。
  • リジェJS2 - 魅死魔のレースカー。流石島レースと同型車であるが、全く同じ個体であるかは不明。
  • トヨタ2000GTシルエット - 土方のレースカー。架空のマシン。リトラクタブル廃止、スポイラー追加がされている。作中では目立った活躍はなかったものの、連載終了後に商品化される等マニアックな人気を誇る。
  • デトマソパンテーラGT Gr.5 - ドライバー不明。実在のレースカーと同型。丸目2灯フェイスが特徴。
  • フェラーリ365GT4BB Gr.5 - ドライバー不明。実在のレースカー。実車同様にリトラクタブルを廃し、アクリルカバー付き4灯となっているのが特徴。
  • マーチ74s・BMW - 飛鳥のレースカー。実在のGCマシン。オープン2座シャシーで排気量2000cc。決勝では2位に入る。

F1

当作品で登場する風吹たちの「チーム神風」は架空のチームであるが、マキF1やコジマF1といった日本チームの挑戦をモチーフとしている。また飛鳥のポルシェF1も架空である。その他の車両、ドライバーなどは実在のものがほとんどである。

  • チーム神風 ゼロ戦007 - チーム神風のデビュー第1号モデル。コジマ・KE007がモデル。
  • チーム神風 ゼロ戦009 - チーム神風の改良版モデル。コジマ・KE009[10]がモデル。

作品に登場する場所・会社など

サーキット

  • 富士スピードウェイ - 風吹がロータスで初めて走ったサーキット。静岡県駿東郡小山町に実在するサーキット。本来スポーツ走行はサーキットのライセンスが必要であるが、作中にその描写はない。富士フレッシュマンレース、日光レースの予選もここで行われた。連載当時は30度バンク廃止後のショートコースであるが、後に追加されたシケイン(Aコーナー、Bコーナー)は設置前の状態である。
  • 筑波サーキット - 風吹がロータスで走ったAライ模擬レースの開催場所。茨城県下妻市に実在するサーキット。風吹たちが走ったのは本コース(現・筑波サーキット2000)である。ホークス・レースもここで行われた。現在もコースレイアウトに大きな変化はない。

店・会社

  • アトランティック商事 - 風吹のロータスのメンテナンスを行う飯島チーフが登場。東京都港区に実在する外国車ディーラー。当時はロータス輸入正規代理店であった。現在は株式会社アトランティックカーズとしてアストンマーチンなどを扱っている。
  • スナック喫茶ポルシェ - 風吹や早瀬が訪れた喫茶店。風吹と谷田部が初めて出会った場所でもある。千葉県柏市に実在した喫茶店。当時に駐車場でスーパーカーショーを開催した事もあった。
  • バラライカ御殿場店 - 公道グランプリではこの店の駐車場に沿道から声援を送る暴走族達が集まった。静岡県御殿場市に実在したロシア料理レストラン。
  • カーショップ・ディノ - 筑波Aライ模擬レースの他で登場したマセラティ・ボーラの切替テツのヘルメットに書かれていた店名。茨城県土浦市に実在するフェラーリ等を扱う外国車ディーラー。オーナーは切替徹(とおる)である。
  • 日産レーシングスクール - 筑波Aライ模擬レースや流石島レースで解説を勤めた辻本を校長とするメーカー直系のレーシングスクール。現在もレーシングスクールの他、マーチ・カップなどを手がける。
  • ジプシー・オートクラブ - 筑波Aライ模擬レースで審査委員長を務めた橋本が所属するJAF公認モータースポーツクラブ。現・ブレインズモータースポーツクラブ。連載当時はA級を含むモータースポーツライセンスはJAF公認クラブに所属する必要があった。
  • 三和(みつわ)自動車 - 作中登場するポルシェ930ターボの解説に登場。作者が当時購入した実際の車の解説の中で紹介されている。東京都港区赤坂のポルシェ正規輸入代理店。現・ミツワ自動車。
  • 若松エンジニアリング - 風吹のディノRSを製作した工場。谷田部がイタリアよりフェラーリのメカニックを招致し、ここで組み上げた。静岡県富士市に実在するレーシングカー工房(現・レーシングエンジニアリングスピード若松)である。完成したディノRSに仮ナンバーを付け、風吹が谷田部とともにテスト走行を行った箱根やシェイクダウンを行った富士スピードウェイにも比較的近い距離に位置し、作品にリアリティを与えている。
  • まつおか自動車 - 風吹のサニーをメンテナンスしていたチューニングショップ。風吹が最初に訪れた時にメカニックは挑戦的な態度で接するが、富士での練習走行を見て態度を改める。神奈川県横浜市に実在するチューニングショップ。現在もサニーのチューニングやパーツ販売を行っている。

書籍情報

ジャンプコミックス

巻末 発行
1巻 ウワサの男 1.ウワサの男
2.デッド・ヒート
3.プロのテクニック
4.富士の激突
解説:「スピードに挑戦する世界的レーサーを…」レーサー/生沢徹 1976年1月31日初版
2巻 空中ジャンプ 5.勝機をさがせ
6.スタート前夜
7.空中ジャンプ
8.パトカー出動
解説:「早瀬さんのポルシェに乗ってみたいなあ…」歌手/木之内みどり 1976年3月31日初版
3巻 手おいの狼 8.パトカー出動
9.手おいの狼
10.ふりかかる材木
11.飛鳥の追走
[特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「爆走するマシンの魅力!!」歌手フォーリーブス/おりも政夫

1976年5月31日初版
4巻 トップにたつ 12.ブロック合戦
13.しぶきをかけろ!
14.トップにたつ
15.新しい敵出現
[特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「裕矢のように走りたい」タレント/長谷直美

1976年7月31日初版
5巻 勝利への爆走 16.勝利への爆走 [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「映画にしたい爆走シーン!!」タレント/黒沢浩

1976年9月30日初版
6巻 ロータスの復活 17.ロータスの復活 [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「サーキットの実感が伝わってくる!!」レーサー/桑島正美

1976年11月30日初版
7巻 コーナーの闘魂 18.コーナーの闘魂 [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「F1マシンで味わったサーキットのスリル!」歌手/あいざき進也

1977年1月31日初版
8巻 新テクニック開眼 19.新テクニック開眼 [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「あの慣性ドリフトおどろきましたねェ」コメディアン/小松政夫

1977年2月28日初版
9巻 チェッカーをめざせ! 20.チェッカーをめざせ! [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「レーサーかいどうひたはしり……!」レーサー/星野一義

1977年4月30日初版
10巻 トラック軍団 21.トラック軍団 [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「紙ひとえの真剣勝負がカーレースのだいご味」レーサー/長谷見昌弘

1977年6月30日初版
11巻 海岸通りの攻防 22.海岸通りの攻防 [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「池沢さんが"狼"になる時!」ニッサンレーシングスクール校長/辻本征一郎

1977年8月31日初版
12巻 キバむく女豹 23.キバむく女豹 [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「風吹裕矢の役を演じて感激のひとこと……!!」俳優/風吹真矢

1977年10月31日初版
13巻 風吹のひらめき 24.風吹のひらめき [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「完走!そして……栄光のチェッカーを!!」レーサー/高橋国光

1977年12月31日初版
14巻 風吹の受難 25.風吹の受難 [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「スランプを脱出して勝利に酔いしれた時!」レーサー/従野孝司

1978年3月31日初版
15巻 暗雲たれこめる 26.暗雲たれこめる [特別プレゼント]世界名車シリーズ

解説:「カーレースはシビアな人生勉強の場」レーサー/ニコ・ニコール

1978年6月30日初版
16巻 狼健在 27.狼健在 解説:「クールできびしい男たちの世界!!」レーサー/北野元 1978年8月31日初版
17巻 ゴール目前 28.ゴール目前 解説:「レースはいつも真剣勝負!!」レーサー/小池伸子 1978年11月30日初版
18巻 新たな闘志 29.新たな闘志 解説:「風吹や早瀬のように走りたい」レーサー/高原敬武 1979年3月31日初版
19巻 河原の激闘 30.河原の激闘 解説:「無限の可能性を求めて!」レーサー/寺田陽次郎 1979年6月15日初版
20巻 限界点 31.限界点 解説:「夢を現実のものとして…」レーサー/和田孝夫 1979年9月15日初版
21巻 コーナーに散る 32.コーナーに散る 解説:「ワールドチャンピオンめざして」レーサー/高橋健二 1979年11月15日初版
22巻 激走のはてに 33.激走のはてに 解説:「レースの一つ一つが思い出」レーサー/柳田春人 1980年2月15日初版
23巻 狼旅立つ 34.狼旅立つ 解説:「F1チャンピオンめざして!」レーサー/中島悟 1980年6月15日初版
24巻 悪魔の使者 35.悪魔の使者 解説:「サーキットの狼は青春の夢!」歌手/五十嵐夕紀 1980年8月15日初版
25巻 炎の追走! 36.炎の追走! 解説:「美しい季節の中を走る風吹裕矢とわたし…!!」歌手/中川みどり 1980年10月15日初版
26巻 涙の激走! 37.涙の激走! 解説:「風吹裕矢はスバラシイ先輩!!」レーサー/下山恵子 1981年1月15日初版
27巻 狼よ永遠に… 38.狼よ永遠に… 解説:「自分自身も燃えて描いたサーキット!!」漫画家/池沢さとし 1981年4月15日初版

MCCコミックス

付録書籍情報

第1巻[スタート前夜]

1.ウワサの男
2.デッド・ヒート
3.プロのテクニック
4.富士の激突
5.勝機をさがせ
6.スタート前夜

スーパーカー旋風を巻き起こした「サーキットの狼」誕生秘話!
池沢さとし

1996年8月8日初版発行
ISBN4-944017-80-4C0979
定価591円(本体563円)

第2巻[手おいの狼]

7.空中ジャンプ
8.パトカー出動
9.手おいの狼
10.ふりかかる材木
11.飛鳥の追走

ドリフトと聞くだけでゾクゾクした「サーキットの狼」との出会い!
レーシングドライバー太田哲也
サーキットの狼扉頁に描かれた名車イラスト集

1996年9月16日初版発行
ISBN4-944017-81-2C0979
定価591円(本体563円)

第3巻[勝利への爆走]

12.ブロック合戦の巻
13.しぶきをかけろ!の巻
14.トップにたつ
15.新しい敵出現
16.勝利への爆走

古本屋を血眼で探さなくてももう大丈夫「サーキットの狼」で新しい世界が始まる!
ライター清水草一

1996年10月14日初版発行
ISBN4-944017-83-9C0979
定価591円(本体563円)

第4巻[ロータスの復活]

16.勝利への爆走
17.ロータスの復活

思わず「うおおおおぉぉぉー」と叫んでしまう強烈な迫力に大満足!
モータージャーナリスト山崎元裕

1996年11月18日初版発行
ISBN4-944017-84-7C0979
定価591円(本体563円)

第5巻[コーナーの闘魂]

18.コーナーの闘魂
19.新テクニック開眼

「サーキットの狼」があのときなかったら、きっとぼくの人生は暗かった!
俳優唐沢寿明

1996年12月11日初版発行
ISBN4-944017-85-5C0979
定価591円(本体563円)

第6巻[チェッカーをめざせ]

19.新テクニック開眼
20.チェッカーをめざせ!

「サーキットの狼」魅力の登場人物列伝1
重要な役割を演じたとんでもない警察官
沖田

1997年1月20日初版発行
ISBN4-944017-86-3C0979
定価591円(本体563円)

第7巻[トラック軍団]

21.トラック軍団
22.海岸通りの攻防

「サーキットの狼」魅力の登場人物列伝2
風吹を熱くさせたクールな超エリート
早瀬佐近

1997年2月12日初版発行
ISBN4-944017-87-1C0979
定価591円(本体563円)

第8巻[キバむく女豹]

22.海岸通りの攻防
23.キバむく女豹

「サーキットの狼」魅力の登場人物列伝3
悪辣な手段ばかりで勝ちにいった
隼人ピーターソン

1997年3月8日初版発行
ISBN4-944017-88-XC0979
定価591円(本体563円)

第9巻[風吹のひらめき]

24.風吹のひらめき
25.風吹の受難

「サーキットの狼」魅力の登場人物列伝4
胸元から覗くミキのバストに話題騒然!
早瀬ミキ

1997年4月15日初版発行
ISBN4-944017-89-8C0979
定価600円(本体571円)

第10巻[暗雲たれこめる]

25.風吹の受難
26.暗雲たれこめる

我らがヒーロー・風吹裕矢誕生秘話

1997年5月8日初版発行
ISBN4-944017-90-1C0979
定価600円(本体571円)

第11巻[狼健在]

27.狼健在
28.ゴール目前

池沢さとしの実戦・公道グランプリ!!
「タルガ・タスマニア・ラリー」

1997年6月11日初版発行
ISBN4-944017-91-XC0979
定価600円(本体571円)

第12巻[ゴール目前]

28.ゴール目前
29.新たな闘志

池沢さとしの秘話?
「なぜボクはこの年でSVを購入したか!?」

1997年7月10日初版発行
ISBN4-944017-92-8C0979
定価600円(本体571円)

第13巻[河原の激闘]

30.河原の激闘
31.限界点

池沢さとしの最新・スーパーカー日記!!

1997年8月13日初版発行
ISBN4-944017-93-6C0979
定価600円(本体571円)

第14巻[コーナーに散る]

31.限界点
32.コーナーに散る

池沢さとしの最新・スーパーカー日記!!

1997年9月11日初版発行
ISBN4-944017-94-4C0979
定価600円(本体571円)

第15巻[激走のはてに]

33.激走のはてに
34.狼旅立つ

池沢さとしの最新・スーパーカー日記!!

1997年10月16日初版発行
ISBN4-944017-95-2C0979
定価600円(本体571円)

第16巻[悪魔の使者]

34.狼旅立つ
35.悪魔の使者

池沢さとしの最新・スーパーカー日記!!

1997年11月13日初版発行
ISBN4-944017-96-0C0979
定価600円(本体571円)

第17巻[炎の追走!]

36.炎の追走!
37.涙の激走!

池沢さとしの最新・スーパーカー日記!!

1997年12月18日初版発行
ISBN4-944017-97-9C0979
定価600円(本体571円)

第18巻[狼よ永遠に…]

37.涙の激走!
38.狼よ永遠に…

池沢さとしの最新・スーパーカー日記!!

1998年1月16日初版発行
ISBN4-944017-98-7C0979
定価600円(本体571円)

第19巻[番外編]

サーキットの狼番外編1
サーキットの狼番外編2
フェラーリの女豹
誓いのチェッカー
白熱の愛
フェラーリVSランボルギーニ

著者からのメッセージ

1998年2月19日初版発行
ISBN4-944017-99-5C0979
定価600円(本体571円)

  • 1970年代を代表する人気漫画ながら現在まで文庫版やコンビニ廉価版は一切発売されておらず、また愛蔵版もすでに発売から15年以上たっていることから、原作漫画の入手は困難に近い作品のひとつである。ただし本作の一部が散発的に復刊されることもある(2009年には『モーターマガジン』編集で(公道グランプリ編)が復刊された)。また電子書籍としてはジャンプコミックス版を電子化したものがイーブックイニシアティブジャパンから刊行されている。

映画

1977年8月6日東映系公開

作詞:池沢さとし 作曲・歌:子門真人 編曲:鈴木宏昌

テレビ

MONDO21にて、池沢さとしが出演する実写版のクルマ番組『蘇れ!サーキットの狼』が2006年6月より放映中。

脚注

  1. ^ BS日テレ - おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR,NO LIFE! #11 池沢早人師(2012年2月1日放送)
  2. ^ 続編の「モデナの剣」ではF1参戦で優勝したのちドライバーを引退したことになっている。
  3. ^ 「別冊宝島780 サーキットの狼熱狂伝説―懐かしのスーパーカー大図鑑」より
  4. ^ 池沢自身の談話。
  5. ^ 「さらばわが青春の『少年ジャンプ』」(西村繁男著、飛鳥新社)p.223
  6. ^ [1]
  7. ^ http://brainssports.blog116.fc2.com/blog-entry-177.html
  8. ^ 富士チャンピオンレース - 富士スピードウェイ
  9. ^ 作中にレギュレーションの説明はないが、出場車両はGr.4で実際に出場していたモデルが多い。Gr.4は400台以上のホモロゲーションが必要だが、風吹のディノRSはワンオフとなるため、Gr.4には合致しない。
  10. ^ コジマエンジニアリングにはKE008というF2マシンが存在したため、飛び番となっていた。チーム神風ではその設定は無いが同様に飛び番になっている。

関連項目

外部リンク