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'''成人向けゲーム'''とは、18歳未満の者の購入が禁止されているかもしくは推奨されない[[コンピューターゲーム]]のことを指す。
'''成人向けゲーム'''とは、18歳未満の者の購入が禁止されているかもしくは推奨されない[[コンピューターゲーム]]のことを指す。



2009年3月10日 (火) 06:48時点における版

成人向けゲームとは、18歳未満の者の購入が禁止されているかもしくは推奨されないコンピューターゲームのことを指す。

性的描写を含む成人向けゲームについては、アダルトゲームにて詳述している。また、過度の暴力表現等を含む成人向けゲームについては、残酷ゲームを参照。

日本の成人向けゲーム

18禁という通称でも言われ、日本では現在のところ、成人向けゲームのほとんどがパーソナルコンピュータで、WindowsMicrosoft社製)のOSをプラットフォームとする男性向けゲームであり、かつ性的描写を含むゲームという印象が強い。

厳密にはコンシューマーゲームを中心に展開されている暴力的な表現があるものも含まれる。しかし、現在は18歳以上推奨(コンピュータエンターテインメントレーティング機構(以下CERO)のレーティングコードなど)程度にとどめており、アダルトゲームとは違い販売店での規制は定められていない[1]。また、コンピュータソフトウェア倫理機構(以下ソフ倫)[2]コンテンツ・ソフト協同組合の規制の対象外である(その作品に該当するメーカーすら存在しない)。

性的描写の規制そのものの問題に関しては、アダルトゲームと表現の規制を参照のこと。

ゲームに対する規制

業界内の自主規制

ゲーム業界も決して黙認していたわけではなく、早くからSCESEGA任天堂などが自社のソフトに一定の規制を設けていた。また2001年には、パッケージや広告などに「このゲームには暴力的な表現が含まれています。」という注意書きを記載して、ユーザー等へ向けて啓発を行ってきた。

しかし、より具体的な規制を求める声が高まり、2003年12月にCEROを発足させ、ゲームのレーティングを審査するようになったが、こういった規制にまだ日本の市場がなれておらず、多少迷走している現状がある。CEROも設立当初は、審査対象家庭用ゲームのみであったが、後にPCゲームにおいても対象とするようになった。ただ、性的表現についてはCEROでなく、ソフ倫やコンテンツ・ソフト協同組合の審査であることも迷走の理由になっている節もある。

自治体レベルでの規制

業界の自主規制では実行力不足として、地方自治体において暴力表現を含むゲームを有害図書として規制を行う流れが加速している。

2005年5月30日には神奈川県の児童福祉審議会が「Grand Theft Auto 3」を有害図書に指定し、18歳未満への販売を禁止する、という答申を出した。(ITmediaによる記事) しかし、神奈川県は10分間の映像を見ただけで有害図書類に指定したり、審議を円滑に進ませるための事前の根回し疑惑が発覚したこと、マスコミの情報を鵜呑みにする姿勢などが批判を集め、特に神奈川県の松沢成文知事の行為および言動はゲーム愛好者以外からも非難された。

規制の問題点

判断能力が未発達であったり、よりメディアに感化され易いとされた未成年者から悪影響を与えると見られるゲームを含む各種媒体(主に娯楽に供される物)を、有害図書として遠ざけようとする動きがあるのは、上記の例からも明らかである。しかし、何がどれほど悪影響を与えるか、どの年齢ならばよいのかを客観的に測定する事は不可能であり、また児童・未成年者に精神的悪影響を与えるという科学的根拠は皆無に等しく、少年犯罪との因果関係も証明されていない。またこれらの規制に対して、ゲーム団体からは表現の自由に絡んで反対の声も挙がっている。

欧米の成人向けゲーム

日本においてはそのほとんどが性的描写を含むことによる指定である一方、欧米では成人向けゲームの多くがスプラッターもの、反社会的性質を帯びたもの、過度な暴力表現を含むものなどであり、日本のように性的描写が含まれているものは少ない。

例えばアメリカでは日本の成人指定に相当するものとしてEntertainment Software Rating BoardによるAOレーティングがあるが、日本のような性的描写による作品が多く含まれる(その中には日本のアダルトゲームの翻訳もある)ものの、その他、欧米でも同様に反社会的なものとしての成人指定作品が多い傾向にある。また欧米では、喫煙関連表現の有無などといった詳細部分においても、多方面よりチェックが入る。また日本と違い、ゲームソフトだけでなくテレビ番組映画ビデオソフトといった、その他の著作物媒体においても統一した基準が存在する。

過去には米コロンバイン高校の銃乱射事件に見られる凶悪事件とテレビゲームの影響が示唆され、良く似た状況を扱ったポスタルが、全米店頭発売禁止になるなどの波紋を呼んでいる。

これらの規制は基本的に映画やテレビ番組の放送基準と同様の扱いである。これは、日本と違い倫理委員会が連携して、統一基準を作っているためと考えられる。古くは格闘物のアーケードゲームであるモータルコンバットが、ダメージ表現で出血するのを残虐とされ、やむなく緑色の飛沫が飛ぶ形でマイナーチェンジを行っている。

このような欧米の傾向は、日本でもSNKプレイモアが『サムライスピリッツ零SPECIAL』(2004年)や『メタルスラッグ』シリーズにおいて、家庭用ゲーム移植時に、流血シーンや身体の損壊シーン(例:サムライスピリッツにおける胴体斬り)などの削除などといった措置を執るという形で影響を与えている。

なお欧米では、ソフト販売店に国(もしくはそれに準ずる機関)が発行する身分証による年齢確認を徹底させ、違反者に厳しい罰則を設けている方式が主流になっている。この点も日本との相違点である。

脚注

  1. ^ ただ、ビデオショップやレンタルビデオ店で成人指定(R-18)の映画がアダルトビデオとは違いアダルトコーナーではなく一般コーナーに置かれることがほとんどのため、ある意味同じような状況と言える。
  2. ^ ソフ倫は映像コンテンツ倫理連絡会議(仮称)において、審査基準・表示の一本化を協議することに参加しており、暴力・反社会的な作品を審査する確率が高くなった。

関連項目