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東京都第8区 (中選挙区)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

東京都第8区(とうきょうとだい8く)は、かつて存在した衆議院の選挙区。1964年公職選挙法改正により新設された選挙区で、それまでは1区の一部だった。設置当初の定数は3議席であったが、定数是正により第40回総選挙1993年)のみ定数2議席で行われた。

区域

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1992年平成4年)の公職選挙法改正当時の区域は以下のとおりである(定数2)[1]

1964年昭和39年)の公職選挙法改正当時の区域は以下のとおりである(定数3)[2]

  • 中央区
  • 文京区
  • 台東区

この選挙区の区域は、小選挙区制に移行した当初の2区と同一である。現在は文京区が10区に移動となっている。

概要

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東京の都心部の中でも、いわゆる日本橋上野浅草などの商業地や文京区などの文教地域を選挙区としており、いわゆる下町の旦那衆や町内会など保守系の地盤が強い一方で、革新系にシンパシーを抱く知識層・未組織労働者も少なくない。このため、選挙戦は常に当選者が入れ替わる激しいものだった。

1区から分区された直後の1967年総選挙では、自民党四宮久吉山田久就を、日本社会党原彪依田圭五を擁立。更に民社党荒瀬修一郎日本共産党金子満広・保守系無所属の長野高一が参戦したが、結局四宮・山田・依田で議席を分け合った。1969年総選挙では四宮が引退し地盤を継いだ石井桂が当選したが、この選挙では依田が落選し入れ替わりに公明党中川嘉美が当選。社会党は1972年総選挙でも依田が返り咲きを目指すが落選に終わり、その後も1980年総選挙まで連続して候補を擁立するが、議席回復は成らず以降は独自候補擁立を断念。いみじくも都市部における社会党の衰退を象徴する選挙区となった。1990年総選挙では土井ブームに乗って久々に候補を擁立したが、やはり落選している。

1972年総選挙では全国的な共産党の伸張に乗って金子が初当選、逆に中川は落選の憂き目に遭った。一方、保守系でも都議会議員から出馬した深谷隆司が石井を押しのけて初当選を果たしている。1976年総選挙では鳩山邦夫新自由クラブの推薦と1区から「完全無所属」を標榜して出馬した麻生良方の応援で初当選、中川も雪辱を果たし金子・深谷が落選した。その2人も1979年総選挙で揃って返り咲き、今度は鳩山と山田が落選。翌1980年総選挙では鳩山が復活した(中川が落選)ものの、山田は不出馬に追い込まれ政界を引退する。

その後は自民の深谷・鳩山が互いに得票を競う一方で、残り1議席を共産党の金子と公明党で争う構図が続く。金子は1980年・86年に、公明党の中川は83年に当選した。だが中川が86年総選挙後に参議院議員に鞍替え当選したため、1990年総選挙では太田昭宏が公明党から立候補。しかし落選に終わっている。1993年総選挙では公明党は擁立を断念し、太田は東京都第9区に鞍替えして初当選した。

1993年総選挙では長く続いた定数3から2に削減され、文字通り前職3人の激戦となったが、自民党を離党した鳩山に非自民票が集中。結局、鳩山・深谷で議席を分け、金子が落選した。

選出議員

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選挙名 #1 #2 #3
第31回衆議院議員総選挙 1967年 山田久就
自由民主党
依田圭五
日本社会党
四宮久吉
(自由民主党)
第32回衆議院議員総選挙 1969年 山田久就
(自由民主党)
石井桂
(自由民主党)
中川嘉美
公明党
第33回衆議院議員総選挙 1972年 金子満広
日本共産党
山田久就
(自由民主党)
深谷隆司
無所属
第34回衆議院議員総選挙 1976年 鳩山邦夫
(無所属)
山田久就
(自由民主党)
中川嘉美
(公明党)
第35回衆議院議員総選挙 1979年 深谷隆司
(自由民主党)
金子満広
(日本共産党)
中川嘉美
(公明党)
第36回衆議院議員総選挙 1980年 深谷隆司
(自由民主党)
鳩山邦夫
(自由民主党)
金子満広
(日本共産党)
第37回衆議院議員総選挙 1983年 鳩山邦夫
(自由民主党)
中川嘉美
(公明党)
深谷隆司
(自由民主党)
第38回衆議院議員総選挙 1986年 鳩山邦夫
(自由民主党)
深谷隆司
(自由民主党)
金子満広
(日本共産党)
第39回衆議院議員総選挙 1990年 鳩山邦夫
(自由民主党)
深谷隆司
(自由民主党)
金子満広
(日本共産党)
第40回衆議院議員総選挙 1993年 鳩山邦夫
(無所属)
深谷隆司
(自由民主党)

選挙結果

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解散日:1993年(平成5年)6月18日 投票日:1993年(平成5年)7月18日
当日有権者数:332,337人 最終投票率:63.08%(前回比:減少7.64ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
鳩山邦夫44無所属保守系89,800票
43.46%
深谷隆司57自由民主党57,809票
27.98%
金子満広68日本共産党57,395票
27.78%
山崎義章40国民党873票
0.42%
吉澤保43雑民党751票
0.36%

解散日:1990年(平成2年)1月24日 投票日:1990年(平成2年)2月18日
当日有権者数:338,485人 最終投票率:70.72%(前回比:増加2.91ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
鳩山邦夫41自由民主党59,850票
25.21%
深谷隆司54自由民主党57,274票
24.13%
金子満広65日本共産党44,154票
18.60%
太田昭宏44公明党38,955票
16.41%
坂本直子49日本社会党36,537票
15.39%
東郷健57地球維新党253票
0.11%
長田準一35地球維新党188票
0.08%
宮本公恵29真理党99票
0.04%
村井秀夫32真理党72票
0.03%

解散日:1986年(昭和61年)6月2日 投票日:1986年(昭和61年)7月6日
当日有権者数:351,790人 最終投票率:67.81%(前回比:増加3.18ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
鳩山邦夫37自由民主党65,008票
27.83%
深谷隆司50自由民主党62,984票
26.97%
金子満広61日本共産党55,098票
23.59%
中川嘉美52公明党50,485票
21.61%

解散日:1983年(昭和58年)11月28日 投票日:1983年(昭和58年)12月18日
当日有権者数:353,728人 最終投票率:64.63%(前回比:減少7.59ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
鳩山邦夫35自由民主党59,897票
26.54%
中川嘉美50公明党55,015票
24.37%
深谷隆司48自由民主党53,826票
23.85%
金子満広59日本共産党50,757票
22.49%
友部達夫55年金党6,042票
2.68%
増田真一60政事公団太平会179票
0.08%

解散日:1980年(昭和55年)5月19日 投票日:1980年(昭和55年)6月22日
当日有権者数:358,630人 最終投票率:72.22%(前回比:増加11.02ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
深谷隆司44自由民主党76,254票
29.92%
鳩山邦夫31自由民主党70,866票
27.81%
金子満広55日本共産党46,208票
18.13%
中川嘉美46公明党45,029票
17.67%
佐藤祐次48日本社会党16,476票
6.47%

解散日:1979年(昭和54年)9月7日 投票日:1979年(昭和54年)10月7日
当日有権者数:360,480人 最終投票率:61.20%(前回比:減少7.95ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
深谷隆司44自由民主党52,967票
24.32%
金子満広54日本共産党42,900票
19.70%
中川嘉美46公明党42,871票
19.69%
山田久就72自由民主党34,602票
15.89%
鳩山邦夫31自由民主党30,584票
14.05%
佐藤祐次47日本社会党13,833票
6.35%

任期満了日: 投票日:1976年(昭和51年)12月5日
当日有権者数:380,713人 最終投票率:69.15%(前回比:増加4.52ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
鳩山邦夫28無所属(保守系)61,207票
23.50%
山田久就69自由民主党47,106票
18.08%
中川嘉美43公明党45,394票
17.43%
深谷隆司41自由民主党44,364票
17.03%
金子満広52日本共産党40,727票
15.63%
佐藤祐次45日本社会党21,698票
8.33%

解散日:1972年(昭和47年)11月13日 投票日:1972年(昭和47年)12月10日
当日有権者数:419,396人 最終投票率:64.63%(前回比:増加5.52ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
金子満広48日本共産党54,638票
20.39%
山田久就65自由民主党47,000票
17.54%
深谷隆司37無所属(保守系)46,161票
17.23%
中川嘉美39公明党42,059票
15.70%
依田圭五51日本社会党30,985票
11.56%
石井桂74自由民主党24,217票
9.04%
荒瀬修一郎43民社党12,398票
4.63%
河合大介40無所属(保守系)10,489票
3.91%

解散日:1969年(昭和44年)12月2日 投票日:1969年(昭和44年)12月27日
当日有権者数:447,591人 最終投票率:59.11%(前回比:増加0.32ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
山田久就62自由民主党53,647票
20.46%
石井桂71自由民主党49,281票
18.80%
中川嘉美36公明党43,604票
16.63%
金子満広45日本共産党37,462票
14.29%
依田圭五48日本社会党34,094票
13.00%
立川談志33無所属(保守系)19,548票
7.46%
荒瀬修一郎40民社党17,605票
6.72%
河合大介37無所属(保守系)6,723票
2.56%
高橋秀郎64立憲養正会198票
0.08%

解散日:1966年(昭和41年)12月27日 投票日:1967年(昭和42年)1月29日
当日有権者数:455,060人 最終投票率:58.79%(前回比:ポイント)

当落氏名年齢所属党派新旧得票得票率推薦・支持
山田久就60自由民主党60,901票
23.38%
依田圭五45日本社会党40,831票
15.68%
四宮久吉71自由民主党40,498票
15.55%
長野高一73無所属(保守系)33,839票
12.99%
原彪72日本社会党32,072票
12.31%
金子満広42日本共産党23,776票
9.13%
荒瀬修一郎37民主社会党22,672票
8.70%
西山由高30無所属5,383票
2.07%
南俊夫54無所属480票
0.18%

脚注

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関連項目

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