ドクター・ドリトル (2020年の映画)

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ドクター・ドリトル
Dolittle
監督 スティーヴン・ギャガン
脚本 スティーヴン・ギャガン
ダン・グレゴール
ダグ・マンド
原案 トーマス・シェパード
原作 ヒュー・ロフティング
ドリトル先生』シリーズ
製作 スーザン・ダウニー
ジェフ・キルシェンバウム英語版
ジョー・ロス
製作総指揮 サラ・ブラッドショウ
ロバート・ダウニー・Jr
ジョン・モーン
出演者 ロバート・ダウニー・Jr
アントニオ・バンデラス
マイケル・シーン
ジム・ブロードベント
トム・ホランド
セレーナ・ゴメス
ジョン・シナ
クメイル・ナンジアニ
ラミ・マレック
クレイグ・ロビンソン
マリオン・コティヤール
レイフ・ファインズ
オクタヴィア・スペンサー
エマ・トンプソン
音楽 ダニー・エルフマン[1]
撮影 ギレルモ・ナヴァロ
編集 クレイグ・アルパート
ニック・ムーア英語版
製作会社 ユニバーサル・ピクチャーズ
ロス/キルシェンバウム・フィルムズ英語版
パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 2020年1月17日
日本の旗 2020年6月19日
上映時間 101分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $175,000,000[2]
興行収入 世界の旗 $251,409,156[3]
日本の旗 5億6500万円[4]
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ドクター・ドリトル』(原題:Dolittle)は、2020年アメリカ合衆国ファンタジー冒険映画

ヒュー・ロフティングの児童文学『ドリトル先生』シリーズを原作とする。監督はスティーヴン・ギャガン、脚本はギャガンとトーマス・シェパード。主演のタイトルキャラクターをロバート・ダウニー・Jrが務め、ほかにアントニオ・バンデラスマイケル・シーンハリー・コレット英語版ジム・ブロードベントらが出演。また、動物の声での出演をエマ・トンプソンラミ・マレックジョン・シナクメイル・ナンジアニオクタヴィア・スペンサートム・ホランドクレイグ・ロビンソンレイフ・ファインズセレーナ・ゴメスマリオン・コティヤールらが務める。

アメリカでは2020年1月17日ユニバーサル・ピクチャーズによって公開された。

ストーリー[編集]

「動物と会話できる」という特殊能力を持った獣医で医者であるジョン・ドリトルは、かつてはその功績でヴィクトリア女王から動物保護区を与えられた名医であったが、冒険家である妻のリリー・ドリトルを海難事故で失い、今や人との関わりを避けて生きる、世捨て人となっていた。

ある日、猟師の叔父に育てられながら狩猟を嫌がる少年トミー・スタビンズは、自分が誤って撃ってしまったリスのケヴィンの治療のためジョンの屋敷を訪れる。トミーは、屋敷に住む動物たちと会話しながらケヴィンの治療に当たるジョンの姿に魅せられ、ジョンの助手になりたいと申し出る。時を同じくして、ヴィクトリア女王の使いであるレディ・ローズが、病気となった女王の治療をジョンに求めてやってくる。屋敷から出たくないジョンは一時断るが、屋敷を含んだ動物保護区が女王の権限で存続しており、女王が死ねば保護区指定が解除され、屋敷を追い出されることに気づき、やむなくバッキンガム宮殿へ向かう。

病床の女王を診察したジョンは、部屋で飼われていたタコのレオナと会話し、その原因がなぜか紅茶に含まれていた「ベラドンナの毒」が原因であると見抜くと、唯一の治療薬であり、妻リリーが探し求めていた「エデンの樹の果実」を求めて大海原へ旅立つことを決める。トミーは一時自宅へ返されるが、ジョンのパートナーであるオウムのポリーの計らいで、旅に同行することになる。

一行は一路、リリーの故郷である海賊島へ進路を取る。道中、ジョンの大学時代の同期であり、彼をライバル視する医師のブレア・マッドフライに襲撃されるが、クジラのハンフリーの助けを得て、窮地を脱する。

海賊島に着いたジョンは、トミーとともに海賊王ラソーリの宮殿へ忍び込む。狙いは、ラソーリが隠し持っているリリーの航海日誌だが、あえなく二人は捕まってしまう。娘のリリーをみすみす死なせたとしてジョンを恨むラソーリは、ジョンを殺そうと同じくジョンに恨みのあるトラのバリーをけしかけるが、駆け付けたポリーとゴリラのチーチーの協力で助かった。ホッキョクグマのヨシがダイナマイトで宮殿を攻撃し、混乱に乗じてジョンたちは宮殿を脱するが、港で待ち受けていたマッドフライに日誌を奪われ、船も破壊されてしまう。意気消沈するジョンに、追いついたラソーリが刃を向けるが、ラソーリは「お前を殺したいが、娘への愛がそれを邪魔する」と刃を収め、また代わりの船も譲ってくれた。

再び航海に出たジョンたちは、リリーの航海日誌を元に、遂にエデンの島へたどり着く。先に到着していたマッドフライに見つからないよう洞窟を進む一行だが、行き止まりでマッドフライに見つかってしまう。そのとき、岩場に隠れていたドラゴンが目覚め、ジョンたちもマッドフライたちもなく攻撃してくる。マッドフライは縦穴に落下、ジョンもドラゴンに捕まるが、ドラゴンに話しかけ、彼女の戦意を緩ませる。さらに、ドラゴンがひどい便秘に悩まされていることを見抜き、トミーや動物たちと協力して、彼女の腸につまっていた様々な異物を除去することに成功した。ドラゴンはお礼に、エデンの果実をジョンに渡した。

ロンドンでは、女王があわや命を落とすところだったが、寸前でジョンたちは間に合い、エデンの果実の果汁を女王に飲ませることに成功する。目覚めた女王と関係者の前で、ジョンは部屋の額縁に忍ばせておいたナナフシからの報告を受け、今回の件が貴族院のバッジリー卿による暗殺未遂事件であったと明かした。バッジリー卿の衣服からはベラドンナの入った瓶が見つかり、事件は解決した。

後日、ジョンは屋敷の門を再び開き、助手となったトミーとともに、多くの患者を診るようになった。

キャスト[編集]

※括弧内は日本語吹替[5][6][7]

獣医。動物と会話が出来る。
猟師の叔父を持つ少年。気が優しい。
海賊王。
医者。
女王を救うために奮起する。
病で床に臥せている。
ジョンの妻。冒険家。冒険の途中で事故にあい亡くなる。
  • レディ・ローズ - カーメル・ラニアード(遠藤璃菜
ヴィクトリア女王の使い。
トミーの叔父。
アーナルの息子

声の出演[編集]

ドリトルの親友でもある。
臆病な性格。チェスが出来る。

製作[編集]

2017年3月20日、本作の主演がロバート・ダウニー・Jrに決定したことが報じられた[10]。2017年12月、ハリー・コレット、ジム・ブロードベントがキャスティングされた[11][12]2018年2月、アントニオ・バンデラスマイケル・シーンの出演と、トム・ホランドエマ・トンプソンレイフ・ファインズセレーナ・ゴメスの動物の声での出演が決定した[13][14]。2018年3月、クメイル・ナンジアニオクタヴィア・スペンサージョン・シナラミ・マレッククレイグ・ロビンソンマリオン・コティヤールフランシス・デ・ラ・トゥーアカルメン・イジョゴが声の出演に加わった[15]

主要製作は2018年2月後半に開始した。

主演のロバート・ダウニー・Jrの日本語吹き替えを専属で務めていた藤原啓治が公開前にあたる4月12日に癌で亡くなったため、本作が藤原の遺作となった[16]

公開[編集]

2019年4月12日ユニバーサル・ピクチャーズより公開予定とされていた[17]。当初は2019年5月24日の公開が予定されていたが、『スターウォーズ エピソード9(仮題)』の公開と重なるため変更された[18]。しかし、後に9か月後ろ倒しになり、2020年1月17日公開[19]。日本では2020年3月20日に公開予定だったが、3月5日、東宝東和株式会社は新型コロナウイルス感染拡大を受け、公開延期を発表した[20]。その後、6月19日に公開されることが決定された[21]

評価[編集]

本作は批評家から酷評されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには236件のレビューがあり、批評家支持率は14%、平均点は10点満点で4点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『ドクター・ドリトル』は年少の観客が楽しむには十分な内容かもしれないが、型どおりの脚色には粗雑なストーリーと陳腐なユーモアがあるだけであえて勧めるほどの値打ちはない」となっている[22]Metacriticには46件のレビューがあり、加重平均値は26/100となっており、否定的なレビューが多く集まった[23]

雑誌『バラエティ』の映画批評家コートニー・ハワードは本作を「狂った、酷い子供向け映画」と酷評した[24]。イギリスの映画評論家マーク・カーモードは本作を「ひどい脚本。ひどいビジュアル。鈍いプロット。陰鬱なギャグ。本作は101分の忍耐力テスト」という評価を与えた。またロバート・ダウニー・Jrのウェールズ語訛りの演技を特に批判し、「火星からの何か」と酷評した[25]

本作は第41回ゴールデンラズベリー賞において、最低作品賞をはじめ、最低監督賞最低主演男優賞ロバート・ダウニー・Jr)、最低スクリーンコンボ賞(ロバート・ダウニー・Jr&彼の全く説得力のない(ウェールズ)アクセント)、最低脚本賞最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞の最多6部門でノミネートされ[26]、このうち最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞を受賞した[27]

テレビ放送[編集]

放送日 放送時間(JST 放送局 放送枠 視聴率 備考 出典
1 2023年9月1日 金曜21:00 - 22:54 日本テレビ 金曜ロードショー
(第2期)
地上波初放送 [28]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ “Danny Elfman to Score 'The Voyage of Doctor Dolittle'” (英語). Film Music Reporter. https://filmmusicreporter.com/2018/07/16/danny-elfman-to-score-the-voyage-of-doctor-dolittle/ 2018年7月16日閲覧。 
  2. ^ Kit, Borys (2019年4月12日). “‘Ninja Turtles’ Director Jonathan Liebesman Tackling ‘Doctor Dolittle’ Reshoots (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/ninja-turtles-director-tackling-doctor-dolittle-reshoots-1201707/ 2021年7月29日閲覧。 
  3. ^ Dolittle (2020) - Financial Information” (英語). The Numbers. 2021年7月29日閲覧。
  4. ^ 『キネマ旬報』2021年3月下旬特別号 p.36。
  5. ^ 藤原啓治、小野大輔、朴璐美、中村悠一、斉藤壮馬、沢城みゆき、花澤香菜 、黒田崇矢、茅野愛衣、杉田智和、井上和彦、諏訪部順一、池田秀一、 森功至、大塚芳忠、大塚明夫、増田俊樹、武内駿輔、沢城千春ほか 総勢23名の超豪華人気声優陣が揃い踏み!”. ドクター・ドリトル公式サイト (2020年2月13日). 2020年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月13日閲覧。
  6. ^ “豪華すぎ!『ドクター・ドリトル』吹替版に藤原啓治、小野大輔、杉田智和、大塚明夫ら23名参加”. シネマトゥデイ. (2020年2月13日). https://www.cinematoday.jp/news/N0114072 2020年2月13日閲覧。 
  7. ^ ドクター・ドリトル”. ふきカエル大作戦!! (2020年6月8日). 2020年6月8日閲覧。
  8. ^ a b c 石田ゆり子、頑固なオウム役で26年ぶり動物声優! 八嶋智人、鹿、恐竜、猫に続き…陽気なダチョウ役! 霜降り明星、マフィアのアリ役で声優初挑戦!!第一弾!豪華日本語吹替え版声優解禁!”. ドクター・ドリトル公式サイト (2020年1月31日). 2020年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月31日閲覧。
  9. ^ a b c “『ドクター・ドリトル』石田ゆり子、八嶋智人、霜降り明星が吹き替え声優に!”. シネマトゥデイ. (2020年1月31日). https://www.cinematoday.jp/news/N0113806 2020年2月1日閲覧。 
  10. ^ Ford, Rebecca; Kit, Borys (2017年3月20日). “Robert Downey Jr. to Star in 'The Voyage of Doctor Dolittle'” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/robert-downey-jr-star-voyage-doctor-dolittle-986798 2017年3月21日閲覧。 
  11. ^ Kroll, Justin (2017年12月6日). “Robert Downey Jr.'s‘Voyage of Doctor Dolittle’ Taps ‘Dunkirk’ Actor Harry Collett (EXCLUSIVE)” (英語). Variety. https://variety.com/2017/film/news/robert-downey-jr-doctor-dolittle-movie-harry-collett-1202632151/ 2021年7月29日閲覧。 
  12. ^ Kroll, Justin (2017年12月12日). “Jim Broadbent Joins Robert Downey Jr. in Universal's‘Voyage of Doctor Dolittle’ (EXCLUSIVE)” (英語). Variety. https://variety.com/2017/film/news/jim-broadbent-voyage-of-doctor-dolittle-robert-downey-jr-1202638025/ 2018年3月27日閲覧。 
  13. ^ Galuppo, Mia (2018年2月6日). “Tom Holland, Emma Thompson Join Robert Downey Jr. in 'Doctor Dolittle'” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/tom-holland-emma-thompson-join-robert-downey-jr-doctor-dolittle-1081903 2021年7月29日閲覧。 
  14. ^ Galuppo, Mia (2018年2月6日). “Selena Gomez Joins Robert Downey Jr.'s 'Doctor Dolittle' Movie (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/doctor-dolittle-movie-selena-gomez-joins-robert-downey-jr-1081896 2021年7月29日閲覧。 
  15. ^ Couch, Aaron (2018年3月27日). “Robert Downey Jr. Unveils Voice Cast for 'Voyage of Doctor Dolittle'” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/voyage-doctor-dolittle-cast-robert-downey-jr-unveils-full-list-1097797 2018年3月27日閲覧。 
  16. ^ “吹替えキャストも話題の『ドクター・ドリトル』が初登場1位に!『ストーリー・オブ・マイライフ』はリピーターも続出”. MOVIE WALKER PRESS. (2020年6月23日). https://moviewalker.jp/news/article/1003201/ 2020年10月27日閲覧。 
  17. ^ Kit, Borys (2017年4月28日). “Robert Downey Jr.'s 'Doctor Dolittle' Moves Release to Avoid 'Star Wars'” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/news/dr-dolittle-movie-starring-robert-downey-jr-gets-a-new-release-date-998624 2017年4月29日閲覧。 
  18. ^ Fleming Jr, Mike (2017年3月28日). “Universal Sets Doctor Dolittle Film With Robert Downey Jr. For 2019” (英語). Deadline.com. https://deadline.com/2017/03/robert-downey-jr-voyage-of-doctor-dolittle-universal-pictures-stephen-gaghan-1202046872/ 2017年4月29日閲覧。 
  19. ^ McClintock, Pamela (2018年10月1日). “Robert Downey Jr.'s 'Doctor Dolittle' Pushed Back 9 Months to Early 2020” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/robert-downey-jrs-doctor-doolittle-release-date-pushed-back-1148378 2019年4月11日閲覧。 
  20. ^ “『ドクター・ドリトル』公開延期 新型肺炎の影響で”. シネマトゥデイ. (2020年3月5日). https://www.cinematoday.jp/news/N0114534 2020年3月5日閲覧。 
  21. ^ 映画『ドクター・ドリトル』【新公開日決定のお知らせ】”. 映画『ドクター・ドリトル』公式サイト (2020年6月1日). 2020年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月1日閲覧。
  22. ^ "Dolittle (2020)". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2023年9月1日閲覧
  23. ^ "Dolittle" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2023年9月1日閲覧。
  24. ^ Howard, Courtney (2020年1月15日). “'Dolittle': Film Review” (英語). Variety. https://variety.com/2020/film/reviews/dolittle-review-1203467269/ 2021年7月29日閲覧。 
  25. ^ Kermode, Mark (2020年2月8日). Dolittle reviewed by Mark Kermode (YouTube配信) (英語). kermodeandmayo. 2021年7月29日閲覧
  26. ^ “最低映画の祭典ラジー賞ノミネート発表 「ドクター・ドリトル」「愛は、365の日々で」が最多6ノミネート”. 映画.com. (2021年3月18日). https://eiga.com/news/20210318/14/ 2021年7月29日閲覧。 
  27. ^ “ワースト映画賞ラジー発表『ドクター・ドリトル』に最低リメイク・パクリ・続編賞”. シネマトゥデイ. (2021年4月24日). https://www.cinematoday.jp/news/N0123107 2021年7月29日閲覧。 
  28. ^ 金尿ロードシネマクラブ ドクター・ドリトル”. 日本テレビ. 2023年8月16日閲覧。

外部リンク[編集]