クララベル・カウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クララベル・カウ
Clarabelle Cow
初登場 トロリー・トラブルズ英語版(1927年 / 名無し)
Hungry Hoboes英語版(1928年 / ベッシーとして)
ミッキーの畑仕事英語版(1929年 / クララベルとして)
作者 アブ・アイワークス
ウォルト・ディズニー
原語版声優 マーセリット・ガーナー(1930年)[1]
エルヴィア・オールマン英語版(1933年 - 1990年)[2]
エイプリル・ウィンチェル英語版(1996年 - 現在)[3][4]
日本語版声優 引田有美
水谷優子
土井美加
真山亜子
朴璐美
福島桂子
滝沢久美子(「ミッキーの王子と少年」のみ)
詳細情報
種族 ウシ
性別
テンプレートを表示


クララベル・カウ: Clarabelle Cow)は、1927年にウォルト・ディズニー・ピクチャーズで誕生したウシをモチーフにしたディズニーキャラクターである。ホーレス・ホースカラーのガールフレンドとして描かれるが、グーフィーとペアになることもある。ミニーマウスの親友でありながら、オズワルド・ザ・ラッキー・ラビットの最大の敵でもある。アメリカでは脇役にとどまり、イタリアで初めて主要なキャラクターとして扱われるようになった。

出演[編集]

アニメーション[編集]

クララベルは、1927年に『トロリー・トラブルズ英語版』に名前のないウシとして初めて登場した[5]。1930年から1932年まで頻繁にアニメに登場し、その後はあまり登場しなくなり、1942年にクラシック時代の最後の活躍をした[6]。他のディズニーキャラクターと同様、その後、長編映画『ミッキーのクリスマスキャロル』(1983年)、『ミッキーの王子と少年』(1990年)や『ロジャー・ラビット』(1988年)でカメオ出演があった。

30本以上出演した作品でもあまり目立つことなく、ミッキーマウスやミニーのようにキャラクターが確立されることはなかった。ホーレスも、必要に応じて農場の動物から擬人化された存在に変化し、初期こそ鳴き声のみのキャラだったが『ミッキーの消防隊』で初めて喋るようになり、『ミッキーマウス・ワークス』をきっかけに準レギュラーとして登場するようになる。

現代のアニメでは、『ミッキーマウス・ワークス』の数分と『ミッキーのクリスマスの贈りもの』の短いシーンで登場し、現役復帰を果たしている。『ハウス・オブ・マウス』では、「ゴシップはいつも真実」というキャッチフレーズのもと、芸能記者として登場することが多い。

クララベルは、旧作ではホーレスと一緒にいることが多かった為、彼と恋仲になることが多く、グーフィーに対しては事故や勘違いとはいえ、入浴を覗いたことや服が脱げたことで攻撃するなど険悪なシーンがいくつかあったが下記のコミックのように『ミッキーマウス・ワークス』をきっかけにグーフィーのガールフレンドとして登場し、『ミッキーマウス クラブハウス』にも出演しており、噂好きで惚れっぽい性格に設定され、他の男性にも惚れる描写がある。『ミッキー・ドナルド・グーフィーの三銃士』ではピートの手下の中尉として出演し、グーフィーと恋に落ちている。その後、『ミッキーマウスとロードレーサーズ』にも登場し、作品によってグーフィーとホーレスに好意を寄せている。またその関係か『ミッキーマウス!』ではグーフィーポジションになることが多い。

ディズニー100周年記念として作られた短編映画『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-』ではカーに催眠術をかけられるもラプンツェルがフライパンで彼を殴ったことで解放される。

作品[編集]

  1. トロリー・トラブルズ英語版(1927年 / 名無し)
  2. Hungry Hoboes英語版(1928年 / ベッシーとして)
  3. 蒸気船ウィリー(1928年)
  4. プレーン・クレイジー(1929年)
  5. ミッキーの畑仕事英語版(1929年 / クララベルとして)
  6. ミッキーの汽車旅行(1929年)
  7. カーニバル・キッド英語版(1929年)
  8. The Barnyard Concert英語版(1930年)
  9. The Shindig英語版(1930年)
  10. ミッキーの陽気な囚人(1930年)
  11. Pioneer Days英語版(1930年)
  12. The Birthday Party英語版(1931年)
  13. Mother Goose Melodies英語版(1931年)
  14. Blue Rhythm英語版(1931年)
  15. The Barnyard Broadcast(1931年)
  16. The Beach Party(1931年)
  17. The Mad Dog(1932年)
  18. Barnyard Olympics(1932年)
  19. Mickey's Revue英語版(1932年)
  20. Mickey's Nightmare英語版(1932年)
  21. ミッキーのフーピー・パーティー英語版(1932年)
  22. Touchdown Mickey(1932年)
  23. ミッキーのアカデミー候補者パレード英語版(1932年)
  24. ミッキーの脱線芝居英語版(1933年)
  25. ミッキーの騎士道(1933年)
  26. Mickey's Gala Premier英語版(1933年)
  27. Camping Out(1934年)
  28. ミッキーの芝居見物(1934年)
  29. ミッキーの大演奏会(1935年)
  30. ミッキーのアイス・スケート(1935年)
  31. ミッキーの消防隊英語版(1935年)
  32. Mickey's Grand Opera(1936年)
  33. ミッキーのポロゲーム(1936年)
  34. ミッキーのアマチュア合戦英語版(1936年)
  35. ミッキーの芝居見物(1941年 / リメイク版)
  36. ミッキーの誕生日(1941年)
  37. ミッキーのオーケストラ(1942年)
  38. ミッキーのクリスマスキャロル(1983年)
  39. ロジャー・ラビット(1988年 / カメオ出演)
  40. Roller Coaster Rabbit英語版(1990年 / カメオ出演)
  41. ミッキーの王子と少年(1990年)
  42. ボンカース(1993年 / 『The Stork Exchange』『The Rubber Room Song』)
  43. ミッキーマウス・ワークス(1999年)
  44. ハウス・オブ・マウス(2001年)
  45. ミッキー・ドナルド・グーフィーの三銃士(2004年)
  46. ミッキーマウス クラブハウス(2006年)
  47. ミッキーのミニー救出大作戦(2013年)
  48. ミッキーマウス!(2014年)
  49. ミッキーマウス ミックス・アドベンチャー(2017年)
  50. シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年 / カメオ出演)

コミック[編集]

ディズニーキャラクターがコミックに登場するようになったとき、クララベルはその最初の一人だった。彼女の初登場は、1930年4月2日のコミック『Mickey Mouse』である[7]。ホーレス、クララ・クラック、グーフィー、ミニー、ミッキーとともに、50年代、60年代、70年代と定期的にコミックに登場した。

1960年代後半の一時期、クララベルはグーフィーと交際を始めた。グーフィーに恋人を作ろうとしたとみられた。この間のホーレスの所在は不明である。クララベルとグーフィーの関係は、グローリービーという別のギャルから挑戦された[8]。後のコミックでは、クララベルとホーレスは再びカップルになったが後のアニメでも作品によってグーフィーかホーレスのどちらかと付き合っている。クララベルには、幼いいとこのバーティ・ザ・ジンクス、姪のイッツィ・ベッツィ、社交界のおばさんのミス・ボヴィナもおり、『Walt Disney's Comics and Stories英語版』の数号に登場する。

80年代以降、アメリカではクララベルが登場する物語は数少なくなった。一方、ヨーロッパ、特にイタリアでは、物語の制作が続けられ、今日に至っている。イタリアのコミックでは、クララベルはとても人気がある。

パーク[編集]

2006年9月から2008年9月まで、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートマジック・キングダムにあるタウンスクエアで、クララベルとホーレスが一緒にグリーティングに登場した。クララベルは、季節ごとに「Mickey's Boo-To-You Halloween Parade」「Mickey's Once Upon a Christmastime Parade」、キャッスルショー「Mickey's Most Merriest Celebration」に登場した。ホーレスとは、「Frontierland Hoedown Happening」やストリート・パーティ「Move It! Shake It! Mousekedance It!」に登場し、特にクララベルは自分のパーティボックスの上に乗って、自分の台詞で登場した。

クララベルは、ディズニーランドにも「The World According to Goofy英語版」「Light Magic英語版」「Parade of the Stars」「ファンタズミック!」「A Christmas Fantasy Parade英語版」「Celebrate!」など、長年にわたってパレードやショーに出演している。東京ディズニーランドでも、クララベルとホーレスがグリーティングに登場したり、パレードやショーに定期的に出演している。2009年、丑年ということで東京ディズニーランドと東京ディズニーシーのニューイヤーズ・グリーティングで主役として登場した。

また、ディズニーランドのキャラクターファンデイのグリーティングに選ばれた。アナハイムのディズニーランドでは初めてのグリーティングとなるホーレスを伴っている。

ディズニーランド・リゾートディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーでは、ブエナビスタ・ストリートのエリアに「Clarabelle's Hand-Scooped Ice Cream」というアイスクリームショップがある。

ディズニーランド・パリの「Mickey's Halloween Celebration」と「Goofy's Garden Party」にもホーレスと一緒に出演している。2016年のクリスマス、クララベルは「Mickey's Most Merriest Celebration」でマジック・キングダムに帰ってきた。

ビデオゲーム[編集]

クララベルは『トゥーンタウン・オンライン』に登場する。プレイヤーに屋敷を飾る家具を与える役割を担っており、プレイヤーが注文するカタログは「キャトルログ」である。外見も多少、オペレーターのように変化している。『キングダム ハーツII』のタイムレスリバーワールドでは、昔の白黒のデザインで登場する。『ディズニー エピックミッキー 〜ミッキーマウスと魔法の筆〜』にも登場し、ミッキーが旅先で出会う忘れられたキャラクターの1人として描かれている。

その他[編集]

  • 初期の作品では、いななき声や笑い声のみであったが、1980年代以降は台詞のある役が増えた。
  • 初台詞となる『ミッキーの消防隊』では、自宅が火事であることに気付かずバスルームで入浴しており、救助に来たグーフィー達を覗きと思い込み彼らをブラシで殴り続けた。
  • 2004年の『ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士』ではピートの手下として登場し、自分に惚れたグーフィーのアプローチで相思相愛になり改心した。
  • 『ミッキーマウス クラブハウス』では「モーマート」というスーパーマーケットを経営しており、イベントがある時は司会も務める。
  • 『ハウス・オブ・マウス』では「クララベル・カウの町の噂」というコーナーを担当している。

脚注[編集]

  1. ^ Marcellite Garner. IMDb. Retrieved on May 30, 2008.
  2. ^ Elvia Allman. IMDb. Retrieved on May 30, 2008.
  3. ^ April Winchell. IMDb. Retrieved on May 30, 2008.
  4. ^ Clarabelle Cow Archived 2016-05-27 at the Wayback Machine.. IMDb. Retrieved on May 30, 2008.
  5. ^ Disney Shorts - Plane Crazy”. web.archive.org (2008年2月24日). 2022年1月30日閲覧。
  6. ^ Clarabelle Cow”. web.archive.org (2009年1月26日). 2022年1月30日閲覧。
  7. ^ Gottfredson, Floyd (2011). Walt Disney's Mickey Mouse. [Volume 1, "Race to Death Valley"]. David Gerstein, Gary Groth. Seattle, WA: Fantagraphics Books. ISBN 978-1-60699-441-2. OCLC 668194718. https://www.worldcat.org/oclc/668194718 
  8. ^ Glory-Bee”. web.archive.org (2015年3月13日). 2022年1月30日閲覧。