HYDE[INSIDE]
『HYDE[INSIDE]』 | ||||
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HYDE の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
2019年 - 2024年 日本 | |||
ジャンル | ||||
レーベル | Virgin Music | |||
プロデュース | HYDE | |||
チャート最高順位 | ||||
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HYDE アルバム 年表 | ||||
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『HYDE[INSIDE]』収録のシングル | ||||
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『HYDE[INSIDE]』(ハイド インサイド)は、日本のロックバンド・L'Arc〜en〜Ciel、VAMPSのボーカリストで、シンガーソングライターであるHYDEの5作目のアルバム。2024年9月13日に配信発売。フィジカルは2024年10月16日に発売。発売元はVirgin Music。
解説
[編集]前作『ANTI』以来約5年5ヶ月ぶりとなる5作目のスタジオ・アルバム。
本作には、<静>から<動>に活動方針を再転換してから発表されたデジタルシングル「PANDORA」「TAKING THEM DOWN」「6or9」3作の表題曲に加え、2020年以降にリリースされたシングル「BELIEVING IN MYSELF/INTERPLAY」「LET IT OUT」2作の表題曲と、デジタルシングル「DEFEAT」「ON MY OWN」を含めた13曲が収められている。ちなみに「INTERPLAY」に関しては、アルバムミックスで本作に収録されている。なお、本作のマスタリングは、前作『ANTI』に続き、グラミーエンジニアのクリス・アセンズが担当している。
アルバムタイトル、アートワーク
[編集]アルバムタイトルは、ロバート・ルイス・スティーヴンソンが綴った小説『ジキル博士とハイド氏(原題:Strange Case of Dr.Jekyll and Mr.Hyde)』から引用されている。この小説が人間の二面性を題材にした代表的な作品であることに加え、自身のアーティスト名義との関連性を踏まえ、HYDEがタイトルに据えることを決めている。ただ、2009年に『HYDE』というタイトルでベストアルバムを発表したことがあったため、何か副題を付けたいと考えていたという。そして、「"内なるHYDE"という意味合いも出るし、ちょっと韻も踏んでる[4]」「悪魔ってそれぞれの心の中にいる[5]」という考えから、[INSIDE]を副題に付けることにしたという[4][6]。なお、HYDEは本作収録曲の制作が始まった2020年に、同小説のタイトルをツアー名に引用したライヴ「HYDE LIVE 2020 Jekyll & Hyde」を開催していた。
余談だが、2024年4月25日に本作のタイトルを発表したタイミングで出演した動画配信サイトにおいて、HYDEは今後の構想にも触れており、上記の小説名をもとに『JEKYLL』というワードを使ったアルバムタイトルで、<静>をコンセプトにした「『ROENTGEN』の第二弾」をリリースすることを予告している[6]。ただ、本作発売時点ではハードな路線を中断するかは決めかねており、HYDEは「(『JEKYLL』を出す)その前にまた激しい<動>の作品を出すかもしれない[4]」とも語っている。
アルバムジャケットには、タトゥーの入ったHYDEの上裸姿が使用されている。HYDE曰く、本作に収録されたすべてのシングルのアートワークにタトゥーをテーマにしたデザインを入れていたことを踏まえ[4][7]、アルバムのアートワークでは自身の首周りから胸にかけて入れた蛇のタトゥーを採用するつもりでいたという[7]。HYDEは本作のデザインについて「最後は僕のタトゥーで締めるという流れを5年前に考えて作ってきたんですけど、いざできあがって冷静に見たら恥ずかしいし、なんで裸なんだろう?となっちゃって。恥ずかしさのあまり目を隠しました(笑)。最初はジャスティン・ビーバーみたいなジャケットをイメージしてたんですけどね[4]」と述べている。ちなみに上裸姿の写真は、デジタルシングル「6or9」をリリースする頃に撮影されていたという[7]。
リリースプロモーション
[編集]本作のリリースプロモーションとして、2024年10月5日から同年10月20日にかけて東京・原宿竹下通りにあるUNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKUにおいて、ポップアップストア「HYDE [INSIDE] Release Special POP-UP STORE in HARAJUKU」が開催された[8]。このストアでは、イラストレーターの森チャックが手がけるクマのキャラクター、いたずらぐまのグル〜ミ〜とのコラボグッズなど[9]、新たに制作された数々のオリジナルグッズが販売されている[8]。また、内装はアルバムの世界観を踏まえた写真やモチーフを散りばめた仕様になっている[8]。
リリース形態
[編集]2024年10月からライヴツアー「HYDE [INSIDE] LIVE 2024 -EXTRA-」「HYDE [INSIDE] LIVE 2024 WORLD TOUR」を開催するにあたり、同年9月13日に全世界配信が開始された[10]。なお、本作は英語圏の多くの国で不吉な日とされている『13日の金曜日』に合わせた配信リリース日が設定されている。一般的に音楽作品は、HYDEの作品に限らずオリコン週間チャートの集計期間を考慮し、月曜日もしくは水曜日に発売されることが多いが、今回ホラーやオカルト要素を好むHYDEのこだわりにより配信日がずらされている。
そして配信翌月となる2024年10月16日には、初回限定盤 (CD+BD) 、通常盤 (CD)、完全数量限定ボックスの全3形態でフィジカルアルバムが発売された。初回限定盤には、アルバムに収録された12曲のミュージック・ビデオ、リリック・ビデオが収録されたBlu-rayが付属されている[11]。完全数量限定ボックスには、初回盤に収められたBlu-rayに加え、2022年に開催されたライヴツアー「HYDE LIVE 2022」のダイジェスト映像を収めたBlu-ray[11]、LPサイズのブックレット、オリジナルTシャツが梱包されている。
チャート成績
[編集]- 配信開始初週となる2024年9月23日付のオリコン週間デジタルアルバムチャートとBillboard Japan Download Albumsにおいて、集計期間四日で週間4位を獲得している[1][3]。
- フィジカル発売初週となる2024年10月28日付のオリコン週間アルバムチャートにおいて、週間4位を獲得している。また、Billboard JAPANチャートでは、「Hot Albums」で5位、CDアルバムセールスを示す「Top Albums Sales」で4位を獲得している。
収録曲
[編集]# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
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1. | 「INSIDE HEAD」 | HYDE, hico | hico | ||
2. | 「LET IT OUT」 | HYDE, Kuboty, hico, Ali | HYDE, Kuboty, hico, Ali | Kuboty, hico | |
3. | 「PANDORA」 | HYDE, SHOW-HATE from SiM, hico, Ali | HYDE, SHOW-HATE from SiM, hico, Ali | SHOW-HATE from SiM | |
4. | 「TAKING THEM DOWN」 | HYDE, Julian, hico, Ali | HYDE, Julian, hico, Ali | Julian, hico | |
5. | 「DEFEAT」 | HYDE, SHOW-HATE from SiM, hico, Ali | HYDE, SHOW-HATE from SiM, hico, Ali | SHOW-HATE from SiM | |
6. | 「6or9」 | HYDE, hico, APAZZI, Ali | HYDE, hico, APAZZI, Ali | hico, APAZZI | |
7. | 「INTERPLAY (Album ver.)」 | HYDE, hico, Ali | HYDE, hico, Ali | Nhato, PABLO | |
8. | 「ON MY OWN」 | HYDE, Kevin "Thrasher" Gruft, Aaron Edwards, Josh Wilbur, Ali | HYDE, Kevin "Thrasher" Gruft, Aaron Edwards, Josh Wilbur, Ali | Kevin "Thrasher" Gruft, Aaron Edwards, Josh Wilbur | |
9. | 「BELIEVING IN MYSELF」 | HYDE, Sho from MY FIRST STORY, Ali | HYDE, Sho from MY FIRST STORY, Ali | Sho from MY FIRST STORY | |
10. | 「BLEEDING」 | HYDE, Julian, hico, Ali | HYDE, Julian, hico, Ali | Julian, hico | |
11. | 「I GOT 666」 | HYDE, Drew Fulk, PABLO, Ali | HYDE, Drew Fulk, PABLO, Ali | PABLO | |
12. | 「SOCIAL VIRUS」 | HYDE, YD from CRYSTAL LAKE, Ali | HYDE, YD from CRYSTAL LAKE, Ali | YD from CRYSTAL LAKE | |
13. | 「LAST SONG」 | HYDE, Ryo "LEFTY" Miyata, hico, Ali | HYDE, Ryo "LEFTY" Miyata, hico, Ali | Ryo "LEFTY" Miyata, hico | |
合計時間: |
楽曲解説
[編集]- INSIDE HEAD
- LET IT OUT
- 作詞・作曲:HYDE, Kuboty, hico, Ali / 編曲:Kuboty, hico
- 2020年11月に14thシングルの表題曲として発表された楽曲。
- ヘヴィメタルとスタジアム・ロックを融合させたようなハードなナンバーで[12]、2020年9月から開催したライヴ「HYDE LIVE 2020 Jekyll & Hyde」[13]以降の公演で披露されていた楽曲となっている。この曲の制作には、Kuboty(ex.TOTALFAT)がコンポーザーとして参加している[14]。なお、HYDE曰く、この曲は前曲「INSIDE HEAD」から繋がる、アルバムの幕開けとなる位置に据えることを当初から考えていたという[7]。
- この曲の歌詞は、2020年から2021年にかけて全世界で蔓延した新型コロナウイルスの影響により、多くの行動規制が敷かれた"コロナ禍の世界"を踏まえ手掛けられている。HYDEはシングル発売当時に受けたインタビューの中で、この曲のリリックについて「ライブでファンと一緒に弾けたい気持ちがあって、歌詞にはこの曲でみんな叫ぼうぜという思いを込めました。まずは叫んで、今抱えている思いを全部吐き出せと。これからが始まりという思いもあったので、"目覚めろ""新しくスタートしよう"というメッセージも入れた[12]」と語っている。
- PANDORA
- 作詞・作曲:HYDE, SHOW-HATE from SiM, hico, Ali / 編曲:SHOW-HATE from SiM
- TAKING THEM DOWN
- 作詞・作曲:HYDE, Julian, hico, Ali / 編曲:Julian, hico
- 2023年6月にデジタルシングルとして発表された楽曲。
- ヘヴィなギターとシンセサウンドが印象的なロックナンバー。この曲のデモ音源は、Julian(ex.MAKE MY DAY)が制作している。なお、Julianは20年近く前にこの曲の原型を作っていたという[16]。HYDEは配信開始当時に受けたインタビューの中で、Julianらとの楽曲制作を振り返り「Julianが"HYDEさんに曲を書きました"と2021年に原型となる曲を持ってきてくれて。それをAliとhicoを交えてああだこうだ言いながら制作していきました。自分が歌ううえでキャッチーであることは常に大切にしてるんだけど、Julianが作ってきたデモはちょっとヘヴィメタル色が強かったので、シンセ系の音を入れたり、hicoにメロを加えてもらったり、それぞれのよさを持ち寄って作り上げましたね[17]」と述べている。
- なお、HYDE曰く、この曲の歌詞は「置かれている状況や人生観を反映した[17]」という。HYDEは作詞作業を振り返り「作り始めたときはパンデミックの真っ最中で大変な時期だったけど、いつかファンと一緒にこの状況に反撃できるタイミングがきてほしいと願ってました。この曲はライブでも盛り上がるんじゃないかな。最初にJulianからデモが届いたときに、直感的に"FXXX"って叫びたいと思ったんです。それが作詞のとっかかりで[17]」と述べている。
- DEFEAT
- 作詞・作曲:HYDE, SHOW-HATE from SiM, hico, Ali / 編曲:SHOW-HATE from SiM
- 6or9
- 作詞・作曲:HYDE, hico, APAZZI, Ali / 編曲:hico, APAZZI
- 2023年9月にデジタルシングルとして発表された楽曲。
- EDMビートに妖しいメロディラインとメタリックなギターリフがのせられたロックナンバーで[20]、HYDEが2022年に結成したロックバンド、THE LAST ROCKSTARSのライヴでリリース前にセルフカバーしたことのある楽曲となっている。この曲の原型は、5~6年ほど前から存在しており、HYDE曰く「2017年に発表したVAMPSの4thアルバム『UNDERWORLD』のレコーディングの時には既にあった」という[20]。そしてアメリカ・ラスベガスで行われた『UNDERWORLD』のレコーディングでこの曲の原型を提示したが、周りの評判があまり良くなかったことから、一旦寝かせていたという[20]。ただ、HYDE自身はこの曲を気に入っていたため、サビにアレンジを施したうえで友人達にこの曲の原型を聴かせたところ[21]、好評価を得たためアレンジを重ね、完成に至ったという[21]。
- この曲の制作には、トラックメイカーのAPAZZIがアレンジャーとして参加している。HYDEは配信開始当時に受けたインタビューの中で、APAZZIとの作業について聞かれた際に「実は、彼とのプリプロはこれまでもあったんですよ。(中略)何回かプリプロの段階でお願いしていて。5年前につくっていたバージョンからは一旦離れてしまって、その後は、バンドメンバーのhicoとかと作業するようになったから、最終的なアレンジは彼とは作業してないんですけど、本当に初期の段階の打ち込みの音とかを彼がやってくれていて。基本的なメロディーやコードは僕が考えていったので、その頃の原型はほぼないんですけどね。THE LAST ROCKSTARSのライヴでの「6or9」は、久しぶりに参加してくれて、彼がメインでアレンジしてくれました[20]」と答えている。
- この曲の歌詞は、HYDE曰く「ジミ・ヘンドリックスの楽曲「イフ・シックス・ワズ・ナイン」(アルバム『アクシス:ボールド・アズ・ラヴ』収録)からインスパイアされて作った」という[22]。HYDEは、前記の楽曲からの影響について「「If 6 Was 9」という曲には、"6が9であってもかまわない"という歌詞が出てきて、酔っ払って寝転んだらどっちがどっちだかわからない。そんな混沌とした状況をアッパーなサウンドで表現したかったんです[22]」「パーティー中で酔っぱらって、寝転がったら上か下かもよく分からない、みたいな内容がいいな、と思ったんですよね。悲劇だけど、遠くから見たら喜劇みたいな。6も9もひっくり返して見たらどっちか分からないし。大した意味はないです(笑)。意味というよりもサウンドとして、言葉の響きや言い方のほうが、僕的には重要だった[20]」と述べている。
- INTERPLAY (Album ver.)
- 作詞・作曲:HYDE, hico, Ali / 編曲:Nhato, PABLO
- 2020年3月に13thシングルの表題曲として発表された楽曲のアルバムバージョン。
- 新しい時代に飛び込んでいくポジティブなリリックがのせられたロックナンバー。この曲は、元号が"平成から令和に変わった時期"に制作されていたといい、HYDEはシングル発売当時のインタビューにおいて「2020年という、新たなスタートというような雰囲気もあったんで、そういう歌詞になった[23]」と述べている。
- デジタルシングルとして発表したバージョンと異なり、シンセサイザーをはじめとする音色が増えており[4]、リミックスに近いかたちで収録されている。なお、本作収録版を制作するにあたって、DJのNhatoが参加している[4]。本作収録版の制作経緯について、HYDEは「実はこのバージョン、もともとはリリースした直後くらいにリミックスバージョンを作りたくてNhatoさんにお願いしたんです。デペッシュ・モードみたいなアレンジだし、僕としてもすごく気に入って。ライブでもこのアレンジでやり始めたんです[4]」「歌詞を全部英語にしてイングリッシュアルバムを作ろうと思ってたんですけど(中略)結局海外の人もオリジナルバージョン好きな人多いので、Nhatoさんが作ってくれた音源をアルバムに入れてしまおうということになりました[4]」と述べている。
- なお、この曲のミュージック・ビデオは、ビデオノイズを採り入れた加工が施されている。この映像演出について、HYDEは「前回のツアーでやってた僕のイメージが、『ブレードランナー』とか『AKIRA』とか、あの辺の近未来のイメージだったんです。ビデオをダビングした時の荒れた画像とか、あれが当時の未来感だったんで。そういうレトロな未来感を表現してみた[23]」と述べている。また、HYDEは映像撮影において、2019年のアメリカツアーでも衣装として採り入れていた、映画『時計じかけのオレンジ』に登場するキャラクター、アレックスを意識した白いコスチュームを着用している[24]。
- ON MY OWN
- 作詞・作曲: HYDE, Kevin "Thrasher" Gruft, Aaron Edwards, Josh Wilbur, Ali / 編曲:Kevin "Thrasher" Gruft, Aaron Edwards, Josh Wilbur
- BELIEVING IN MYSELF
- 作詞・作曲:HYDE, Sho from MY FIRST STORY, Ali / 編曲:Sho from MY FIRST STORY
- 2020年3月に13thシングルの表題曲として発表された楽曲。
- ポジティブなリリックがのせられた疾走感溢れるロックナンバー[26]。この曲のデモ音源は、Sho(MY FIRST STORY)が制作している。
- この曲は、2020年に開催された「東京マラソン2020」の大会イメージソングに使用されている。なお、このタイアップは東京マラソンのレースディレクターを務めた早野忠昭との対談がきっかけで決まったもので、対談後に同氏からオファーがあったことでこの曲が制作されることになったという[27]。HYDEはシングル発売当時に受けたインタビューにおいて、この曲の制作イメージについて「マラソンやランニングをする人たちが気持ちよく聴ける曲にしたいなと。曲と自分のイメージをつなげようと思ったのは後半からですね。まずは自分が音楽を聴きながら走ることが多いので、走ってるときにエンジンがかかるような曲にしようと考えて[26]」「"東京マラソン"というタイアップがなかったら生まれてなかった曲だと思います。マラソンというテーマがなかったら、もっとヘビーな曲になってただろうし[26]」と語っている。
- BLEEDING
- 作詞・作曲:HYDE, Julian, hico, Ali / 編曲:Julian, hico
- 激しいビートとシャウト、そしてメロディアスなサビ部分でみせる切ない唄声が印象的なメタルナンバー[28]。
- この曲には、FPSに代表されるようなシューティング系ゲームをモチーフにした歌詞が綴られている[7]。HYDEはこの曲の歌詞について「俺らの時代はファミコンとかね。あの頃も充分はまったけどね、『スーパーマリオ』とかさ。今の(ゲーム)はレベルが違うじゃん。今なんてもう自分が体感しているかのようなレベルでしょう。あれはスゴいと思います。なんか、"抜け出せないんじゃないかな?"ってちょっと僕思っちゃうもんね[7]」と述べている。なお、この曲には<Roaming this Virtual Reality life Feeling invincible, not afraid to die(仮想現実を放浪し 無敵な気分で 死をも恐れない)>や、<They say I'm confused With what is the truth But I feel all right(みんなは俺が混乱していると言う 現実とは何か でも俺は全然気にしない)>といった現実とゲームの世界を混濁させたようなフレーズが登場する。
- ちなみに、この曲は東海テレビ制作・フジテレビ系ドラマ『嗤う淑女』のオープニングテーマに使用されている。HYDEはドラマへ楽曲を提供することが発表された際に「"こんなメタルの曲で大丈夫かな?"と思っていましたが、監督から"ドラマと楽曲・歌詞の世界観がピッタリなので反響も楽しみです"とメッセージをいただき嬉しかったです。恐怖に満ちていて心を震わせる『嗤う淑女』に、"出血"の意味を持つ「BLEEDING」が更なる恐怖の世界に誘っていければと思います[28]」とコメントを寄せている。
- I GOT 666
- 作詞・作曲:HYDE, Drew Fulk, PABLO, Ali / 編曲:PABLO
- SOCIAL VIRUS
- 作詞・作曲:HYDE, YD from CRYSTAL LAKE, Ali / 編曲:YD from CRYSTAL LAKE
- ブレイクダウンを導入した重厚なサウンドが印象的なメタルコアテイストの楽曲。HYDE曰く、この曲を12曲目に置くことは当初から想定していたことだったという[7]。HYDEは、アルバムの最後2曲を含めた楽曲の配置について「1、2と12、13曲目は決まってた[7]」「「LAST SONG」は最後にしたいなって。で、「SOCIAL VIRUS」ってめちゃめちゃヘヴィなんで、この後どの曲も難しかった。だから一気に変えないと[7]」と述べている。
- この曲は、YD(CRYSTAL LAKE)が制作したデモ音源をもとに[4]、HYDEがAliとともに制作した楽曲となっている[4]。HYDEはデモを聴いた印象について「彼(=YD)の作る曲や音はメタルコアと言えばメタルコアなんですけど、世界に通用するようなメタルコアだなっていう印象がありますね。ちゃんと個性もあるし[29]」と述べている。また、HYDEはデモを受け取った後の制作を振り返り「デモではあのイントロパートは違うブロックにあったんですけど、昔のメタルっぽい、いかにもな感じで始まる曲が欲しかったので、ジューダス・プリーストの「ヘリオン」みたいな感じにしたいという思いから構成をいじって、メタル色を強めにしました[4]」と述べている。
- 歌詞はタイトルに表れているように、現代社会の病巣が炙り出されたようなリリックが綴られている[29]。HYDEはこの曲の歌詞について「これはただ僕が怒っていることを書いた詞です。とはいえ、核の部分はあえて誰にも分からないように書いてます。ファンのみんなだって日々いろんなことで何かしら怒ってると思うんでね。それをそれぞれがあてはめる形で、ライヴに来たときは一緒に怒って叫べばいいんじゃない?って考えてます[29]」「僕が怒ることってあまりないんですけど、昔からムカついていることが曲のモチーフにはなってますね。具体的なことは伏せますけど。言葉にするのもはばかられるし、普段は無視しているけど、歌詞を書くときには比喩として表現することで消化してます。具体的になんのことを歌ってるのか、今言うと面倒くさいことになるから。ネットニュースで"HYDEがあんなこと言っていた"とか書かれちゃうし(笑)[4]」と述べている。
- なお、本作のフィジカル発売直後となる2024年10月18日にプロモーションの一環で出演したテレビ朝日系番組『ミュージックステーション』では、アルバムの中からこの曲が披露されている。
- LAST SONG
- 作詞・作曲:HYDE, Ryo "LEFTY" Miyata, hico, Ali / 編曲:Ryo "LEFTY" Miyata, hico
- この曲のタイトル「LAST SONG」は「ライヴの最後にふさわしい曲」という意図で、仮題として付けていたものだった[7]。そのため、歌詞が出来上がった後にタイトルを変更する予定だったが、HYDEの中で「変えなくてもいいかな[7]」と心変わりがあり、正式な曲名として採用することにしたという[4][7]。
- HYDE曰く、前作『ANTI』を制作していた頃から、「こういうバラードをアルバムの最後に収録したい」という思いがあったという[7]。HYDEは本作発売当時に受けたインタビューの中で、この曲の制作経緯について「そもそも、このアルバムの中にバラードが入ってたらいいなとは考えていたんです。例えばリンキン・パークのアルバムにもユルい感じの曲があったり、ブリング・ミー・ザ・ホライズンもかわいい曲があったりするんで。一番は僕がやりたいライブを想像したとき、「LAST SONG」のようなバラードを最後に歌えたらいいなと思ってて[4]」と述べている。
- ただ、このような思いがあったものの、アレンジを重ねていく中で納得のいく仕上がりにすることができず、制作に3〜4年ほどかかってしまったと述べている[4]。HYDEは長期にわたる制作を振り返り「何人かと一緒にとりかかっていたんだけど、ずっと自分のイメージする形にはならなかったんです。で、最後にレフティ(宮田“レフティ”リョウ)と一緒にやってみるかとなって。(中略)一緒にスタジオに入って作業を始めたらいい感じで。そこでほぼほぼOKになりましたね[4]」と述べている。なお、HYDEはこの曲の仕上がりについて「仕上げはhicoが担当してくれたんですけど、hicoとレフティがいなかったら「LAST SONG」は完成しなかったですね[4]」と語っている。
- なお、この曲のミュージック・ビデオは、全編オーストリアで撮影されている[5][30]。HYDEは2023年11月からオーストリア観光大使を務めており、こういった関係性もあり、日本人アーティストとして初めてウィーンの美術史美術館での映像撮影が行われることになった[31]。ちなみにこの映像の中には、深い陰影による光と影のコントラストが印象的なルカ・ジョルダーノ作の油彩画『反逆天使を破る聖ミシェル』が登場しており[5]、映像序盤ではHYDEが描かれた聖ミシェルを見上げるシーン、映像終盤ではHYDEが絵画の前で崩れ落ちながら狂い笑うシーンが挿入されている。
初回限定盤,完全数量限定ボックス付属Blu-ray
[編集]初回限定盤、完全数量限定ボックス付属Blu-ray
[編集]- LET IT OUT (Music Video)
- Directed by ISSEI
- Produced by HYDE
- PANDORA (Music Video)
- Directed by 山口実果 (NEEDLE-hari-INC.)
- Produced by HYDE
- TAKING THEM DOWN (Music Video)
- Directed by 山口実果 (NEEDLE-hari-INC.)
- Produced by HYDE
- DEFEAT (Lyric Video)
- Directed by Yuya "Shishikaba" Yokokura (NEW BLACK)
- Produced by HYDE
- ©CAPCOM CO.,LTD. 2019. 2020 ALL RIGHTS RESERVED
- 6or9 (Music Video)
- Directed by 山口実果 (NEEDLE-hari-INC.)
- Produced by HYDE
- INTERPLAY (Music Video)
- Directed by ZUMI
- Produced by HYDE, 小浜元 (P.I.C.S.)
- ON MY OWN (Lyric Video)
- Produced by HYDE
- ©藤沢文翁 / SIGNAL.MD / MARS RED 製作委員会
- Produced by HYDE
- BELIEVING IN MYSELF (Music Video)
- Directed by 遠藤研介
- Produced by HYDE, Yuya "Shishikaba" Yokokura (NEW BLACK)
- BLEEDING (Lyric Video)
- Directed by vanishock inc.
- Produced by HYDE
- I GOT 666 (Lyric Video)
- Directed by 二階健
- Art Directed / Graphic Designed by Ryo Misaki
- Rube Goldberg Machine Designed by Ryoutatsu Tamaoki
- Prop Maked by Maho Yuki, Miori Hayashi, Fuhito Sakai
- Special Thanks Kenichi Aikawa
- Produced by HYDE, 二階健
- SOCIAL VIRUS (Music Video)
- Directed by ツネハシタケシ (EPOCH)
- Produced by HYDE, 小浜元 (P.I.C.S.)
- LAST SONG (Music Video)
- Directed by 山口実果 (NEEDLE-hari-INC.)
- Produced by HYDE
完全数量限定ボックス付属Blu-ray
[編集]「HYDE LIVE 2022」(Zepp Haneda (TOKYO)公演)から厳選したライヴ映像をダイジェスト収録
クレジット
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タイアップ
[編集]年 | 楽曲 | タイアップ |
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2020年 | BELIEVING IN MYSELF | 東京マラソン2020大会イメージソング |
INTERPLAY | 「P真・北斗無双」テーマソング | |
DEFEAT | PlayStation 5版ゲーム『デビルメイクライ5 スペシャルエディション』コラボレーションソング | |
2021年 | ON MY OWN | 読売テレビ系アニメ『MARS RED』エンディングテーマ |
2022年 | PANDORA | PlayStation 4, PlayStation 5, Xbox One, Xbox Series X/S, Steam用ゲーム『スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE』テーマソング |
2023年 | TAKING THEM DOWN | 「P真・北斗無双第4章」タイアップソング |
2024年 | BLEEDING | 東海テレビ制作・フジテレビ系ドラマ『嗤う淑女』オープニング曲 |
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b "週間 デジタルアルバムランキング 2024年09月23日付". ORICON. 2024年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月19日閲覧。
- ^ "週間 アルバムランキング 2024年10月28日付". ORICON. 2024年10月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月23日閲覧。
- ^ a b "Download Albums 2024/09/18公開". Billboard JAPAN. 2024年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s "HYDE「HYDE [INSIDE]」インタビュー|激しさを極限まで追求し、"INSIDE"をあらわにしたニューアルバム(2/2)". ナタリー. 24 September 2024. 2024年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月28日閲覧。
- ^ a b c "SiM、マイファス、Crystal Lakeのメンバー等参加!ヘヴィ且つ味わい深い約5年ぶりのオリジナル・アルバム『HYDE [INSIDE]』(1/2)". 激ロック. 15 October 2024. 2024年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月19日閲覧。
- ^ a b ニコニコチャンネル『HYDE CHANNEL』2024年4月25日放送分
- ^ a b c d e f g h i j k l m n "NEW ALBUM「HYDE [INSIDE]」リリーススペシャル!!". YouTube. 31 August 2024. 2024年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月31日閲覧。
- ^ a b c "HYDE ニューアルバム「HYDE [INSIDE]」発売記念 初のPOP-UP STORE開催決定!さらに、アルバム封入特典の賞品内容を発表!". encore. 16 September 2024. 2024年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月10日閲覧。
- ^ "「HYDE [INSIDE] Release Special POP-UP STORE in HARAJUKU」にてグル〜ミ〜とのコラボアイテムが販売!". いたずらぐまのグル~ミ~ オフィシャル. 2024年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月10日閲覧。
- ^ "HYDE、約5年ぶりのオリジナル・アルバム『HYDE [INSIDE]』10/16リリース決定!9月"13日の金曜日"に全曲先行配信!アジア&アメリカ回るワールド・ツアーも発表!". 激ロック. 16 August 2024. 2024年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月16日閲覧。
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- ^ "HYDE、攻撃性を全開にしたRock Day初日で新曲「LET IT OUT」披露". ナタリー. 12 September 2020. 2023年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月30日閲覧。
- ^ "【インタビュー】HYDE、新曲「LET IT OUT」を語る「声がカッコよくないと完成しない曲だった」(1/2)". BARKS. 25 November 2020. 2021年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月11日閲覧。
- ^ a b "HYDE、新曲"PANDORA"がゲーム『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』テーマソングに決定". rockin'on.com. 5 September 2022. 2022年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月27日閲覧。
- ^ NACK5系ラジオ番組『ALL The Feels』2024年10月16日放送分
- ^ a b c "HYDE「TAKING THEM DOWN」インタビュー|今こそ反撃の狼煙をあげるとき。獰猛な新曲が示すHYDEの現在地(1/2)". ナタリー. 16 June 2023. 2024年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月20日閲覧。
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- ^ 日本テレビ系情報番組『ズームイン!!サタデー』2024年9月14日放送分