アカネイア王国
アカネイア王国(アカネイアおうこく、Kingdom of Akaneia)は、任天堂(開発・インテリジェントシステムズ)のコンピュータゲーム『ファイアーエムブレム』のシリーズ作品中『暗黒竜と光の剣』『紋章の謎』『アカネイア戦記』(各リメイク版を含む)に登場する架空の国家。
作中では時期によりアカネイア聖王国( - せいおうこく)→アカネイア神聖帝国( - しんせいていこく)→アカネイア連合王国( - れんごうおうこく)と名称が変遷するが、本項では原則としてアカネイア王国に統一する。
概要
アカネイア大陸の中央に位置する最古にして最大の国で、いわゆる七王国の宗主国。大陸諸国家の総本家ともいうべき大国で、総合的な国力は最も高い。アカネイア大陸の総人口約100万人のおよそ3分の1がアカネイア王国に集中しているとされる[1]。
貴族階級は相当に堕落している者が目立ち、朝貢国民を迫害したり、挙句の果てにはドルーアにあっさりと寝返って同胞を売り渡したりする人物も存在している。そのため、マケドニア太子ミシェイルのようにアカネイアに対して露骨に反感を持つ者も多い。
また、元々は人間に好意的であったメディウス一味が決起した原因も初代国王の犯罪とその後の竜人族迫害にあるため、客観的に見れば3度の戦乱に対する諸悪の根源・自業自得という面もある。
歴史
初代国王アドラ1世がこの地にあった多数の都市国家を統一、アカネイア聖王国を建国したことにより始まる。またこの建国年をもってアカネイア暦元年としている。アカネイア暦493年、ドルーア帝国の侵攻により聖王国は滅亡。5年後にカルタスと聖王国の王女であったアルテミスによりアカネイア王国として再興される。 アカネイア暦600年に再びドルーア帝国の侵攻を受けて首都・パレスは陥落、グルニア黒騎士団のカミュに保護されてオレルアンへ亡命した王女・ニーナだけを残して王族は滅亡してしまう。
暗黒戦争終結後のアカネイア暦606年、ニーナと婚約したオレルアン王弟・ハーディンが新国王となる。アカネイア暦607年、アカネイア神聖帝国へ改称。 強大な武力を背景に近隣の弱小国を併合し、さらにはアリティアを侵略・占領し、英雄戦争を引き起こす。 だがアリティア占領以降、優秀な騎士たちは次々に離反し、アカネイア軍の大半は傭兵が占めるようになってしまった。首都パレスでの決戦の際も、多くが質の悪い傭兵だった(ただし、『新・紋章の謎』では、狼騎士団の残党がパレスの軍勢の中核を占めるようになったためか、この記述はない)。 最終的にアリティア軍の反撃により帝国は1代限りで滅亡、その勝者であるアリティア国王子・マルスがニーナの要望もあって新たにアカネイア連合王国を王位継承権の断絶した周辺諸国を編入する形で建国。これまでの横暴と敗戦、真実が暴かれたことにより権威を完全に失い、権威を持った国としては実質の滅亡となる。なお、その後ニーナは消息を絶ち、アカネイア王族は事実上断絶している。
地理
アカネイア大陸の南東に位置し、陸続きに北西でオレルアンと、また海を挟んで西にドルーア帝国、マケドニア王国と、北東にタリス王国と接する。
首都パレスはアカネイア王家の直接統治下にあり、その他の地域は五大侯爵の自治によって治められている。オレルアン王国との国境には無数の砦を要するレフカンディの谷、南方にはディール城と要塞、グラ王国との国境にはメニディ砦、大軍で越えることは不可能と言われている中央山脈のアドリア峠、そしてガルダとの国境である半島を南北に貫くサムスーフにはサムシアンという山賊が跋扈するデビルマウンテンがある。
パレス王宮の城下町であるノルダには、暗黒戦争以前から奴隷市場が存在していた(『新・暗黒竜』ではこの表記は修正されている)。タリス王国の義勇軍隊長を務めた傭兵・オグマや、その弟子・サムトーはこの町で興行のための剣士奴隷とされていた過去がある。『新・紋章』から登場したカタリナは幼少時このノルダにいたが、本人の弁によればかなり劣悪な環境だったという。
王国北部には大陸最大の貿易港である独立都市・ワーレンが存在。 暗黒戦争時にはドルーア帝国に重税を納めながら、その一方で他のアカネイア大陸の国々とも友好関係を保ち続けることで、戦争終結まで自治権を保ち続け中立地帯として存在することに成功している。
王国東部にはマムクートである火竜族マヌーの支配するペラティ王国が存在。 アカネイアの流刑地であるこの国は他国との交わりが少なく、暗黒戦争時には同じマムクート国家のドルーア帝国とも同盟を結ばず、また逃亡する形で侵入してきた同盟軍にも攻撃をしかけた。
王国南部のディールには暗黒戦争時にマケドニア軍が進駐して砦を築いており、同国の第二王女・マリアが幽閉されていた。
三種の神器
アカネイア王家に代々伝わる3種の武器。伝説ではアドラ1世が神から託された武器とされていたが、 本来はラーマン神殿に奉られていた竜族の遺産で、それをアドラ1世が奪取したものであり、これを用いた武力によってアカネイアは建国された。
- グラディウス (Gladius)
- 岩をも砕く力を秘めた槍。左右に大きな斧頭が付いた三叉の構造をしている。投擲して使うことも可能[2]。暗黒戦争時は奪われ、グルニアのカミュが使用した。その後はアカネイアに戻り、英雄戦争時は皇帝ハーディンの得物となる。
- メリクル (Mercury)
- 美しいフォルムを持つ細身の剣[2]。暗黒戦争時はグルニアに奪われていたが、エストの手によりアリティア軍にもたらされた。英雄戦争時はアストリアが所持していた。
- 名称は作品ごとに変化しており、『暗黒竜』では「メリクルレイピア」、『紋章』では「メリクルソード」、『新・暗黒竜』からは単に「メリクル」となっている。
- パルティア (Parthia)
- 聖なる弓。この弓から放たれた矢は敵を浄化する聖なる炎をまとう[2]。暗黒戦争時は敵に奪われており、パレス解放と共にアリティア軍の所有となった。英雄戦争時はジョルジュが所持していた。
国旗
ゲーム中には一切登場せず、設定画のみ存在する。背景(フィールド)は桃色。黄色と白の縁取りがある赤い帯が、斜め十字の形および水平に入り背景を6分割する。土台(コンパートメント)は縒り合わされた黒と白の縄。サポーターはランパントの姿勢をとり、左にユニコーン、右に獅子が配される。これらはユニコーンがカルタス貴族、獅子が軍神を示している。盾(エスカッシャン)は完全な円形。ミドル・チーフの位置に白い十字、ミドル・ベースに王冠が置かれ、左右の縁を2株の麦が飾る。中央は左右に分割され、左が黒、右がベージュ。左にはドルーアの紋章と同じく三日月が描かれ、右には翼を持った女神が描かれている。女神は右手にハープ、左手に短剣を持つ。中央には壺が置かれ、火を噴くドラゴンが上半身を見せているが、女神の持つ短剣が壺ごと竜を貫いているという意匠である[3]。
『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』に参戦しているマルスのマントはこの国旗が『DX』『X』共に起用されている。
なおアカネイア王国に限らず、アカネイア大陸諸国家の大半の国旗は中央部分が紋章学を意識したデザインとなっており、中央だけを見れば国章といっても差し支えない。 現実でも国旗のデザインに国章を使用している国として、スペイン、モルドバ、セルビア、アンドラなどがある。
人物
声優は「箱田」が「GファンタジーコミックCDコレクション」(原作・箱田真紀)・「電撃」がファイアーエムブレム 旅立ちの章(著者・あかほりさとる)・「#FE」が『幻影異聞録♯FE』(開発・アトラス)・「ヒーローズ」が『ファイアーエムブレム ヒーローズ』・「無双」が『ファイアーエムブレム無双』を指す。
王族
- ニーナ (Niena/Nina/Nyna)
- 声 - 佐久間レイ(電撃、ヒーローズ)/根谷美智子(箱田)
- クラスは司祭(賢者)。『暗黒竜』『紋章』『アカネイア戦記』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイアの王女。彼女以外の王族はドルーア帝国によってすべて処刑されたが、ニーナ自身だけは敵将カミュにより処刑を免れた。カミュとは紆余曲折を経てお互い愛し合うようになったが、それぞれの立場により敵同士として戦場でまみえることとなる。
- 暗黒戦争後、周囲の勧めで暗黒戦争の功労者ハーディンと結婚するもカミュのことを忘れられず、ハーディンの愛情に応えられなかった事が彼を暴走させることの一因になったため、ある意味では第2部における戦乱の元凶の1人である。それにより、竜の祭壇では半ば無意識ながらもハーディンへの謝罪を呟き続けていた。ハーディンの暴走後、紋章の盾をリンダを通してマルスに渡したためハーディンに軟禁され、後にハーディンによってガーネフに引き渡された。ニーナもほかの3人のシスター(司祭)と共に竜の祭壇にてメディウスに生贄にされそうになったところを、シリウス(カミュ)により救われる。英雄戦争終結後、ニーナはアカネイアをマルスに託し、姿を消した。
- ハーディンとの婚姻に関しては、同じく暗黒戦争の功労者だったマルスと結婚するという選択肢もあったが、マルスと恋仲であったシーダに遠慮して辞退したとボアが述べている。
- 髪型は作品によって差異があり、『暗黒竜』では髪を纏めてシニヨンにしているが、『紋章』ではシニヨンにしながら髪を一部下ろしていると言う変更をされている。
- 『新・暗黒竜』ではストーリー上での登場頻度が増えており、イベントのMAPグラフィックも司祭から賢者に変更されている。
- 島田ひろかずの『ファイアーエムブレム』では、書き下ろし作品で主役になっている。
- 佐野真砂輝&わたなべ京の漫画版では家族を殺された経緯から剣を嫌う。仕草でレナを貴族の娘だと見破っているが、レナにそのことは言ってはいない。諸事情で連載が長期休止したため、一部のキャラクターが『紋章』に準じた姿で登場しているが、ニーナは『暗黒竜』に準じている。
- ハーディン (Hardin)
- 英雄戦争後にニーナ王女と婚約しアカネイア第24代国王、アカネイア神聖帝国初代皇帝に就任したオレルアン王弟。
- 詳細はオレルアン王国#王族を参照。
- アドラ1世 (Adra I)
- 『紋章』からの追加キャラクターで、アカネイア大陸で起きた泥沼の悲劇の元凶。出自は盗賊(ただし、ガトーたち竜族側の見解で、本当のところは不明)。ラーマン神殿から盗んだ封印の盾にはめ込まれたオーブを売り払って得た大金を元手に軍団を作り、同じく盗んだ三種の伝説の武器と彼の軍団の力で周辺の都市国家を統合してアカネイアを建国し、初代アカネイア王となった(また、竜族を蔑視するマムクートを作り出したのも彼)。この一連の悪行とも言える行いがメディウスの人間に対する感情を逆転させ、後のドルーア帝国の建国、そして幾多に渡るアカネイア大陸における大規模戦争の引き金となった。
- 篠崎砂美の小説版(ファミ通文庫)でのアドラ1世の正体は『トラキア776』の登場人物であるリフィスとしていることが作者のHP上にて公開された。
- アドラ1世=リフィスの設定は篠崎砂美が『トラキア776』の小説版を書いたことからのクロスオーバーと思われる。さらに小説版ではラーマン神殿から三種の伝説とオーブを盗んだ際の経緯が表記されており、当時、ラーマン神殿の神官長だったメディウスを騙した上に、ラーマン神殿の神官を皆殺しにするという暴挙を行っている。ただし、リフィスの部下達が神官に見つかったために独断で行ったことであり、リフィス自身はラーマン神殿の神官を皆殺しにする意図はなかった。
- アルテミス (Artemis)
- 100年前のマムクートと人間の戦争の際、滅ぼされたアカネイア王家のただ一人の生き残りとして、当時辺境の地だったアリティアにかくまわれた王女。彼女を愛するアンリがメディウスを倒しアリティア初代国王となったが、平民出身のアンリとアルテミスが結ばれることはついになかった。
- この事柄は、平和の代償として愛する人と決して結ばれない悲しい運命の伝説として「アルテミスの定め」と比喩されており、暗黒戦争時カミュとの間に悲劇的な結末を迎えたニーナと、シーダが戦死した場合のマルスを、ニーナがこれに喩えている。
- カルタス (Cultus)
- 100年前の人物。アカネイア王国の有力貴族の出身で、「聖騎士」の称号を持った武将。初代オルレアン王マーロンの兄。主君である王女アルテミスから覇者の証「ファイアーエムブレム」を託され、反ドルーアの兵を纏め上げた。戦後アルテミスと結婚、アカネイア国王となる。即位後はアリティア・オレルアン・グルニア・マケドニア建国の端緒を作っており、武勇のみならず政治面でも優れた傑物であることが窺える。
- しかし一方では、オレルアンの原住民を奴隷階級に落とし、マケドニアに対しては100年に及ぶ内政干渉の因習を作り、グルニアに至ってはアカネイアを凌ぐ国力を持つことを恐れて、度々圧力をかけた張本人である。ドルーアの戦争中は、ガトーからメディウスに対抗する神剣ファルシオンを授けるとの啓示を受けながら、前人未到の氷の神殿まで行くことを厭う余り、同志とともにその言葉を「妄言」と一蹴したこともあり、能力の高さとは裏腹に、陰湿で猜疑心が強く傲慢な性格が窺える人物でもある。
- 『紋章』からの追加キャラクターである。
- アカネイア王
- ニーナ王女の父親。『アカネイア戦記』に登場し、『暗黒竜』『紋章』『新・暗黒竜』『新・アカネイア戦記』では名前のみ登場する。アカネイアパレス陥落時、ドルーア軍に処刑され死亡。
- 心優しいが気弱な性格で、アカネイアの大軍がカミュのグルニア軍に大敗したことが元でパレスに引き篭ってしまい、娘のニーナが何度も諫めても聞き入れなかった。国政への意識も薄かったようである。この国王の惰弱な気質がパレス陥落の一因に繋ってしまった。『アカネイア戦記』でのカミュ曰く「王として失格」「快楽に溺れ政治を忘れ、国民を見捨てた」「国民にとっては最悪の王」とまで酷評されていた。
アカネイア軍
騎士団
- オーエン (Oen)
- かつてアカネイア軍最高司令官だった人物。ミディアの父。娘のミディアが捕らえられていたところをみると、すでに第1部の時点で最高司令官の役職にはなかったか死亡していたと思われる。『アカネイア戦記』では、カミュ率いるグルニア軍との戦いで敗死したと語られている。『紋章』からの追加キャラクターである。
- ミディア (Midia)
- クラスはパラディン。『暗黒竜』『紋章』『アカネイア戦記』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- ディール候シャロンの家の出で、オーエン伯爵の娘。アカネイア騎士団の女性聖騎士。アストリアの恋人。ただし出会った当初は、彼が騎士の身ではなかったこともあって、どちらかというと反目し合っていた。女性ながら勇猛且つ媚びない性格だが、恋人をはじめ心を許した相手の前ではお淑やかになる。
- 暗黒戦争時はアカネイア王都パレスで捕虜となっていたが、アリティア軍に救出されそのまま参戦する。終戦後ニーナの意向でアカネイア騎士団の隊長となる。第2部では圧政に喘ぎ苦しむ民衆を見かねてハーディン皇帝に反旗を翻したが失敗し捕らえられていたところを、再びアリティア軍に救出され共に参列する。
- 英雄戦争後はアストリアと結ばれ、共にアカネイア自由騎士団に参加し人々のために働いた。
- 『紋章』では通常騎兵は屋内では下馬して進軍するが、何故か『アカネイア戦記』においては『暗黒竜』と同様、騎乗したまま戦うことが出来る。
- 本編では失恋が原因で闇に堕ちたハーディンを騎士として激しく糾弾していたが、『新・紋章』におけるマイユニットとの会話ではハーディンに同じく想う者として実は同情の念も抱いていたことを明かしている。
- 小学館『20th Anniversary ファイアーエムブレム大全』の『暗黒竜』の公式イラストでは顔グラフィックの絵がパッケージイラスト風になっている。
- ジョルジュ (George/Jorjue/Jeorge)
- 声 - 間島淳司(ヒーローズ)
- クラスはスナイパー。『暗黒竜』『紋章』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイア弓騎士団の弓騎士で、「大陸一の弓騎士」と称されている。
- アカネイアの有力貴族メニディ候ノアの家の出。アカネイアの王都パレス陥落時に捕虜となったが脱出しペラティに潜伏(『暗黒竜』の場合。『紋章』ではノルダの町)。そこでマルスと出会い、アリティア軍に参加する。暗黒戦争後、アカネイア弓騎士団の隊長となりパルティアを授けられる。
- 第2部ではハーディン皇帝及びラングのやり方を快く思っておらず、オルベルン城下ではアカネイア軍グルニア方面指揮官ラング将軍の命令を無視し、部下を思って寝返りこそしないが配下には「近づいてこない限りは攻撃するな」と攻撃を控えるよう厳命していた。カシミア大橋での戦いでハーディンの命で城を守っていた。弓兵では接近戦ができないため城の防衛には不向きだが、『新・紋章』では彼曰く「ラングを見捨てたことに対する罰で体のいい処刑」だったということで、ゴードンの説得(『新・紋章』ではマルスでも可)によりアリティア軍に寝返る。アカネイア王室三種の神器パルティアを持つ。英雄戦争後はアカネイア自由騎士団を創設し、人々を盗賊から守る活動を行った。
- 「大陸一の弓騎士」と称されているが、それは侯爵家の一族の人間達が名声欲しさに流したものであり、本当の実力はそれほどのものではないと自覚し、その称号も不似合いとして好いてないが相当の実力を有している。ゴードンとの訓練においては、初挑戦ながら樹を撃ち揺らし舞い落ちる木の葉を十二枚打ち抜くという技術を披露しており、またかつてアストリアとの演習の際、振り向きざまに一撃を放ちアストリアを驚嘆させたこともある。
- 一族の人間はジョルジュを同じ名門貴族ディール侯爵家の出であるミディアと婚約させようとしたが、その時既にミディアはアストリアと恋仲にあり、ジョルジュもその気が無かったため身を引いた。メニディ侯爵家の人間はとりたてて武才も名声も無かったが、先を見通す目と権謀術数に長け、それ故に五大貴族の権力を保っていたのである。ジョルジュ自身も打算的で、非常に計算高く知略に長け(新・紋章では上記の寝返りもラングを見捨てることにより、アリティア軍に自身に敵対する意志がないことを感づかせ、同時に部下の安全を確保しつつハーディンの怒りを買うことで城の守りを押しつけられることにより、アリティア軍が安全且つ確実に接触できるように計算していたと指摘されている)、沈着冷静な性格であるが、本人はそういった生き方を好きになれず、心の底では自由で何者にも縛られない生き方を望んでいる。普段はそんな内面は隠しており、人を喰った物言いばかりする気障な人物を演じている。
- 佐野&わたなべ版の漫画では『暗黒竜』の「ペラティの火竜」の場所から登場。村人が「神剣の王子マルスが助けてくれる」との言葉に対して疑念を抱いたり、戦いの経験不足に対してマルスに苦言を呈したり、弓の供給不足に対してアリティア王国の弓手兵(漫画中の文章)・ゴードンに叱咤している反面、アカネイア騎士達から、ジョルジュ自身と使用出来ない「聖炎弓(パルティア)」を託されたことに苦艱を持っていたが、ある戦いで負傷したゴードンと、前日にマルスから聞いた「ドラゴンキラー」が使えない話をきっかけに、一時的に「パルティア」が使えるようになる。この出来事からゴードンから尊敬されている。また、タリス王国の傭兵オグマから「剣士ナバールと同じ呼吸で敵を察する」との評価も受けている。
- アストリア (Astria/Astram)
- 声 - 中井和哉(ヒーローズ)
- クラスは勇者。『暗黒竜』『紋章』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイア傭兵隊の勇者。ミディアの恋人であるが、彼女が人質にされていたためやむなくドルーア帝国に与する。メニディ砦(『暗黒竜』の場合。『紋章』ではグラ城内)にいたところをアリティア軍に救出されたミディアと再会し、ミディアの身の安全が確保されたのを知りアリティア軍へ寝返る。暗黒戦争後はアカネイア傭兵隊の隊長として祖国の復興に力を尽くす。
- 第2部ではジョルジュ同様ハーディンのやり方に快く思っていないが、マルスに対しても暗黒戦争のころから懐疑的であり、ニーナ王女への忠義からアカネイアを裏切れない理由でアカネイア帝国軍側に在る。三種の神器のうち1つメリクルを所持する。英雄戦争では、傭兵隊を率いてカシミア大橋やカダイン砂漠でアリティア軍と戦う。アリティア城にてジョルジュにマルスがニーナ王妃からファイアーエムブレムを託されたのを聞き、その事情を確かめるにマルスに対し半信半疑ながらもアリティア軍へ寝返る。英雄戦争後はミディアと結ばれ、共にアカネイア自由騎士団に参加し人々のために働いた。
- 性格は『紋章』第2部や、『新・紋章』の戦闘会話やジョルジュとの会話からして堅物で血気盛んであることが伺える。またミディアとは熱い仲だが初めて会った当時はかなりそりが合わず口論を繰り広げていたらしい。
- 篠崎の小説版ではジョルジュの説得の際にミディアが捕らわれていることも知らされ、傭兵部隊(アストリアはその場で解散するつもりだったが、彼を慕って付いてきた)ごとアリティア軍に寝返っており、ゲームに比べると半信半疑的な一面は薄い。マルスがハーディンとの戦いの時に「ハーディンの武器であるグラディウスに対抗するならば」という理由でファルシオンのないマルスにメリクルソードを貸していた。
- トムス (Tomth/Dolph)
- 声 - 園部好徳(#FE[ゲーム内 1])
- クラスは『紋章』第1部ではアーマーナイト→ジェネラル、『新・紋章』ではジェネラル。『暗黒竜』『紋章』(第1部)『アカネイア戦記』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイア騎士団の重騎士。スキンヘッドが特徴。王都パレスで捕虜となっていたがアリティア軍に救出されそのまま参戦する。
- 暗黒戦争後は将軍となるも突然ミシェランと共に退役。『新・暗黒竜』では、その理由が新王(ハーディン)の方針に反対したためであるとの後付けがなされた。『紋章』第2部では登場しない。
- 『新・紋章』ではアカネイアの正義を取り戻すため、将の位を捨て皇帝ハーディンの元を去りアリティア軍に加わった。暗黒戦争時に捕えられた際、自ら盾となり他の捕虜兵を守ったことをきっかけに守りに注力することを信条としている。それ故、屈強な肉体を保つために人一倍食事を摂る。
- 『#FE』では古の英雄・ミラージュとして登場。
- ミシェラン (Mishelan/Macellan)
- 声 - 船木まひと(#FE[ゲーム内 1])
- クラスは『紋章』第1部ではアーマーナイト→ジェネラル、『新・紋章』ではジェネラル。『暗黒竜』『紋章』(第1部)『アカネイア戦記』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイア騎士団の重騎士。トムスと同様、スキンヘッドと濃く太い眉毛が特徴で、『暗黒竜』ではグラフィックも同一だが『紋章』ではグラフィックが描き分けられており、鎧の色もトムスと異なる。王都パレスで捕虜となっていたがアリティア軍に救出されそのまま参戦する。
- 暗黒戦争後、突然トムスと共に退役。『新・暗黒竜』にてアカネイアの辺境で小さな自警団を結成したという記述が追加された。『紋章の謎』第2部では登場しない。
- 『新・紋章』ではアカネイアの自警団長を務めていた。ハーディンの王政に反発し、アリティア軍が祖国を奪還する際トムスに続いてアリティア軍の援軍に駆け着ける。自身の名前ゆえか美食家であり、食事の味にうるさくまた自らも調理を得意としている。
- 『#FE』では、古の英雄・ミラージュとして登場。
- トーマス (Thormas/Tomas)
- クラスはアーチャー→スナイパー、『新・紋章』ではスナイパー。『暗黒竜』『紋章』(第1部)『アカネイア戦記』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイア騎士団の弓兵。王都パレスで捕虜となっていたがアリティア軍に救出されそのまま参戦する。
- 暗黒戦争後は『暗黒竜』『新・暗黒竜』では故郷に帰って静かに暮らしているとされている。『紋章の謎』第2部では登場しない。
- 『新・紋章』ではグラの村に滞在しており、戦う気力のない新兵ばかりのグラ兵を無理やり戦わせ、捨て駒にしようとするアカネイア軍の蛮行を見逃すことが出来ずアリティア軍に加わる。常に敬語で話し、一人称は「私」。敗北時の台詞から自分の力量が不足していると考えており、努力家で常に鍛錬を欠かせないが、マイユニットの頭にリンゴを乗せてそれを矢で射抜くという弓の達人ならではの芸当を人形でしか試したことがないという事実を事前に明かさずに実行、後にその事実を話してマイユニットを絶句させたり、その危険な訓練中に矢が外れてジェイガンの首を掠めて殺しかけてしまい、二度と忘れられないような怒りの形相で説教されたと語るなどかなりのマイペースぶりを見せる。このときもジェイガンの説教に対して「凄かったですねぇ」と反省の色を全く見せておらず、更には仲良くなったマイユニットにリンゴではなくブドウの実を新たな的として持たせ問答無用で矢を放つなど、天然なのか調子が良すぎる面がある。
- 「漫画版」ではジョルジュをライバル視している。
- ホルス (Holus/Horace)
- クラスはジェネラル。『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイアの若き将軍。元々は騎士団の一員であったが、アカネイア西方の地を引き継ぎ領主となった。
- パレス奪還後も領民を襲撃すると圧力をかけられてドルーアに敢えて降ったが、領内のドルーア勢力が駆逐されると直ちに降伏、部下、領民の安全を確認した後自らの死を以て償いをしようとしたがマルスとニーナの温情で仲間となる。暗黒戦争後は貴族への復帰を果たし、名領主として領地の復興に力を注ぐ。
- 『新・紋章』ではニーナ王女を救い出すため、そして恩義のあるマルスに協力するためにアリティア軍に加わろうとカダインへ向かうが、道中で暗殺組織の一員であるローローの襲撃に遭ってしまう。
- 実直で生真面目な騎士らしい性格。国、領民に命を捧げており、領民からの信頼も厚い。一方で女性マイユニットに告白と取られかねないような訓練の誘い方をしたこともあり、色恋沙汰には疎い模様。
アカネイア神聖帝国
- ラング (Lang)
- 後述の「#アカネイア五大貴族」を参照
- トラース (Toras/Taurus)
- クラスはシューター。『紋章』(第2部)『新・紋章』に登場。
- アカネイアのグルニア占領軍の根拠地となっているオルベルン城の城門を固めている。将軍職にある人物だが、ジェネラルではなくシューターである。
- 『紋章』では小太りで口髭を生やしていたが、『新・紋章』では口髭の代わりに顎鬚を生やしたいかつい顔付きになっている。
- エイベル (Eibel)
- クラスはジェネラル。『紋章』(第2部)『新・紋章』に登場。
- アリティア城を守っていた司令官。グラの兵達を出撃させ時間稼ぎをすると同時にエストを人質にとりアベルを無理矢理戦わせるなど卑劣な手を使っていた。
- 『紋章』では痩せ肉で髭がなかったが、『新・紋章』では太り肉で顔全体が髭で覆われており、リメイクに登場する敵キャラの中で最も顔グラフィックが変化している。
- ウィロー (Willow)
- クラスは司祭。『紋章』(第2部)『新・紋章』に登場。
- アリティアを占領しているアカネイアの司祭。アリティア城に立てこもってアリティア軍と戦った。メティオの使い手で、策士的性格。
- ネーリング (Nehring)
- クラスはジェネラル。『紋章』(第2部)『新・紋章』に登場。
- パレスにあるアカネイア本城の城門を固めていた。この時すでにパレスではハーディンに対して反乱が起こっていたが、最期まで彼に忠誠を誓い続けた。
宮廷関係者
- リンダ (Rinda/Linde)
- 声 - 雪乃五月(箱田[4])/瀬戸麻沙美(#FE[ゲーム内 1]・ヒーローズ・無双)
- クラスは魔道士→賢者。『暗黒竜』『紋章』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイア司祭長ミロアの娘の魔道士。ミロアの死後ガーネフの手から逃れるために男装をして逃亡していたが、奴隷商人に捕まりノルダの町の奴隷市場に売られそうになっていたところをマルスが救出、アリティア軍に参加する。父から受け継いだオーラの魔道書を使いこなす。マリクに好意を持っている模様。暗黒戦争後はアカネイアの宮廷女官となる。
- 第2部では、ニーナ王妃の命でマルスにファイアーエムブレムを渡そうとマケドニアを訪れたところを一時囚われてしまっていたが、自力で逃げ出してマルスにニーナ王妃の託とファイアーエムブレムを渡してアリティア軍と合流した。英雄戦争後はパレスに設立された魔道学院に関わった。
- 敵味方を通じて唯一の女魔道士であり、司祭に昇格する時の能力上昇値も男魔道士(マリクは除く)と比べて少し高い。ただし司祭になるとシスターが昇格した司祭と同じグラフィックになり、リンダ(司祭)専用のグラフィックは存在しない。
- 『新・紋章』では世間知らずのお嬢様的なキャラクターが付された。本人にはまったく悪気はないが、田舎育ちなどマイユニットの気にしていることを配慮ができずに斟酌なく突いてしまったりする。男性マイユニットとの会話では、彼女の着用しているローブは父から寄贈された大切なものであり、かなり薄手の生地だが恥ずかしくはないと語る。
- 『20th Anniversary ファイアーエムブレム大全』の『暗黒竜』の公式イラストでは顔グラフィックの絵がパッケージイラスト風になっていて、やや幼い雰囲気になっている。
- 『聖戦の系譜』にも同名の魔道士が代替キャラクターとして(ティルテュに子供がいない場合、ティニーに代わり)登場する。
- 佐野真砂輝&わたなべ京の漫画「ファイアーエムブレム」(角川書店)では、命と引き換えにミロアの魔力から「聖光(オーラ)」を受け取るが、ガーネフの強力な呪いで封じられた。アリティア軍に入隊した時、ナバールから「ただ軍にいるだけなら去れ」と言われるが、その夜ガーネフの幻影に襲われた時にナバールの檄で封じられた呪いを解くことになり、ナバールに対して好意を抱いていると窺わせる描写がある。オリジナルゲームに比べてややきつめな性格になっている。
- 『幻影異聞録♯FE』では古の英雄のミラージュとして登場。ミラージュブラスト選考時に『ファイアーエムブレム 覚醒』のサーリャとの同兵種による競合があり、マスターである黒乃霧亜の近よりがたい、ミステリアスの性格から合わないと言う理由で駄目になった[5]。
- 『ファイアーエムブレム無双』ではDLCキャラクターとして参戦。選考理由は魔道書キャラクターを考えており、変化球でニーナをと言う話もあったのだが、オーラなど原作再現出来ることから選出したことを語っていた[6]。
- ボア (Boha/Boah)
- クラスは司祭。『暗黒竜』『紋章』『アカネイア戦記』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- アカネイア宮廷の司祭。暗黒戦争の折り、侵攻してきたカミュ将軍率いるグルニア軍に王都パレスが陥落、帝国軍の捕虜となる。その後アリティア軍に救出されそのまま参戦する。暗黒戦争な後、ミロア亡き後のアカネイア司祭長となる。荒廃したアカネイアの復興を急ぐあまり、ニーナのカミュへの思慕を知りながらマルスかハーディンどちらかとの婚姻を迫り、ニーナとハーディンを結婚させた人物であり、結果的に英雄戦争を引き起こしてしまった元凶の1人とも言える。
- 英雄戦争時はハーディンによって軟禁されたニーナ王妃を気遣い密かに連絡を取っていたが、それをハーディンに発見され致命傷を負わされる。自身のトロンの書とリブローの杖をマルスに託し、ハーディンがガーネフに付け入れられた理由を教えた後、ハーディンに対する行いへの謝罪を述べつつ事切れた。
アカネイア五大貴族
- ラング (Lang)
- クラスはジェネラル。『紋章』(第2部)『新・紋章』に登場。
- アドリア侯爵。私利私欲のために民衆をどう扱おうと何とも思わない、腐敗貴族そのものの人物。暗黒戦争時はドルーアに通じ、サムスーフ侯ベントと共にアカネイア王国を裏切り民衆を虐げていた。
- 暗黒戦争後は皇帝となったハーディンによってグルニアに派遣され、グルニア占領軍司令官となった後も娘狩りをしたり略奪したりするなど残虐な圧政・弾圧を行い私腹を肥やす。
- 『紋章』第2部本編のオープニングとなる第1章から登場し、ハーディンからの勅命をマルスに伝えて反乱軍の鎮圧遂行を強要し、それが原因でロレンスを自決に追い込むなど序盤における最大の敵となる。マルス達をアカネイアへの反逆者にさせた原因でもあり、そもそもマルスたちと確実に衝突するだろうラングと接触させることでアリティアへ侵攻する口実を作るのがハーディンの狙いだったとジェイガンは推測しているが、ゲーム内ではそのジェイガンすら本気で激昂させてしまったほど尊大な態度に終始する。
- 最終的にはマルスたちに追い詰められ、戦闘時は命乞いを装った不意打ちを狙うも結局は死亡した。『新・紋章』ではマルスとの口論の台詞において意地悪さが強調されていたり、マイユニットで交戦すると、彼からそれまでの悪行やマルスへの侮辱を糾弾された上で「命を持って償え」と言われ、命乞いや言い訳も許されないという専用の会話イベントとなる。
- 『紋章』での顔つきはグラ国王ジオルに似ている。
- カルタス (Cultus)
- レフカンディ侯爵。
- 暗黒戦争時はアカネイア軍の最有力であったのにも関わらず、お家騒動の混乱から兵を動かせなかった[7]。
- 暗黒戦争後は全く登場していない。滅亡後のアカネイアではカミュが市政官として赴任するまでの間、王家や貴族に連なる者の多くが粛清されたため、恐らくカルタスもこの頃に処刑されていたと思われる。
- また、アカネイア五大貴族は広大な自治領を擁しており、王家に従属しながらも独立した兵力を擁し他の王国に匹敵する程の勢力を誇っていた。
- なお100年前の戦い(第一次ドルーア戦争)において活躍した、初代オルレアン王マーロンの兄でありアルテミスと結ばれたアカネイア国王のカルタスとは、同名だが当然別人である。
- ノア (Noah)
- メニディ侯爵。ジョルジュの父親[7]。暗黒戦争初期において、ディール候シャロンと共にアカネイア王国を守って戦うが、死亡する。
- ベント (Bent)
- サムスーフ侯爵。暗黒戦争時はアドリア侯爵ラングと共にアカネイアを裏切った。暗黒戦争後は登場していない[8]。
- シャロン (Sharon)
- ディール侯爵。ミディアの父親[9]。暗黒戦争初期において、メニディ候ノアと共にアカネイア王国を守って戦うが、死亡する。
- なお、旧公式サイトのデザイナーズノートやファミ通のFEコラムではミディアの父親はシャロンということになっているが、ゲーム内でのミディアの父親はかつてアカネイア軍の最高司令官を勤めていたオーエン伯爵ということになっている。
領内・周辺地域の人物
アカネイア領内の辺境や近隣の地域に居住する人物。
ワーレン
- シーザ (Seazer/Caesar)
- クラスは傭兵→勇者。『暗黒竜』『紋章』(第1部)『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- ワーレンの港町を警備している傭兵。グルニア軍の動向を知らせると共に自らもアリティア軍に参加する。
- 暗黒戦争後、『新・暗黒竜』では、傭兵としてどこかの町を守っているともその才を買われ一国の将になったとも言われている。『紋章』第2部では登場しない。
- 重い病に侵された妹がおり、薬を飲んでいれば命に別条はないが、その薬代が非常に高価なためにワーレンでの稼ぎだけでは薬代が間に合わず各地で傭兵稼業を行っているということが『新・紋章』で明らかになった。そうした理由から『新・紋章』ではエレミヤ率いる暗殺組織に雇われ、アリティア軍を襲撃するが敗北し降伏。マルスの願いにより再びアリティア軍に雇われる。
- 知的で落ち着いた性格で非常に勤勉であり博識、戦術書や指南書といった書物を熟読している。努力家でもあり手合わせや技の会得といった修行を怠らない。ワーレンという貿易都市を拠点としている関係上、異大陸の言語も理解できる。
- 公式イラストでは剣を左手に持ち、トレーディングカードの上級職のイラストなどでも盾を右手に装備しているためおそらく左利きである。
- ゲーム内では技の初期値が高い割に守備の成長率が低いため、前面に出て攻撃する職種上「やっつけ負け」を起こしやすいキャラクターである。
- ラディ (Radei/Radd)
- クラスは『暗黒竜』、『紋章』(第1部)では傭兵→勇者、『新・暗黒竜』以降は剣士→ソードマスター。『暗黒竜』『紋章』(第1部)『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- シーザと共にワーレンを警備している傭兵。腕は未熟だが高い潜在能力を持つ。シーザと共にアリティア軍に参加する。暗黒戦争後、戦火の中で恋に落ち剣を捨てた。その恋が叶ったかどうかは定かではないらしい。『紋章』第2部では登場しない。
- 『暗黒竜』『紋章』『新・暗黒竜』ではセリフがほぼ皆無だったが、『新・紋章』では会話イベントによりその素性が明らかになる。暗黒戦争後剣を捨てたと言われていたが、同郷の出であるシーザの妹の命を救うため再び傭兵稼業に復職する。シーザと共に暗殺組織に雇われアリティア軍を襲撃するも、倒さずクリアすれば仲間になる。
- 無邪気でやんちゃな性格。剣は我流だが動物的な勘やひらめきが高く、相棒のシーザには「大陸最強の傭兵になれる素質を持っている」と言わしめさせる程。しかし一方では本を読むことや書物から学ぶといったことを苦手としている。
- フィーナ (Feena)
- 声 - ファイルーズあい(ヒーローズ)
- クラスは踊り子。『紋章』(第2部)『新・紋章』に登場。
- ワーレンを拠点とする旅一座の踊り子で、いやらしい団長から逃げるために一座から飛び出した際に危うく盗賊たちに襲われそうになるがナバールに助けられ[10]、その後ナバールと一緒に近辺に進行してきていたアリティア軍に合流することになる。命を助けられたことからナバールに好意を抱いており、彼から相手にされなくてもめげずに何かとアプローチを繰り返しては彼の気を引こうとする。明るい性格でノリの軽い少女。英雄戦争後は姿を消したナバールを追い、自らも行方をくらます。
- 『新・紋章』では「からかうと面白い」という理由で実直な性格のマイユニットに度々ちょっかいを出す。男性の場合はつまらない色仕掛けを、女性の場合は「胸が大きい」とからかい、更に布切れのような衣装を着させて一緒に踊ろうと持ちかけるなどして、マイユニットのウブさをたびたびからかっては楽しんでいる。が、「悔しかったら仕返ししてみれば?」とマイユニットを煽ったせいで逆襲にあうことになり、男性マイユニットには嘘の告白を、女性マイユニットには裸同然の踊り子衣装を着て皆の前で踊ろうと言われて動揺しきってしまい、ハデな外見とは裏腹に意外に純情な性格であることが判明した。
- 配信シナリオ「風と雷」にも登場。ナバールと出会う以前が描写されている。マリアたちの行方を追っている最中のミシェイルに偶然助けられ、カダイン近くに下ろされており、砂漠の中で下ろされた事に対する非難として「妹とうまくいってないだろう」と彼の図星をつく発言をしてしまった。
- 『紋章』では武器として本来ならばマルス専用のレイピアを扱うことができる。『暗黒竜』『紋章』でのレイピアは王族が学ぶ剣という設定に基づき、フィーナがレイピアが使える理由として彼女の出生に秘密があるという裏設定的要素だったが、『新・紋章』ではレイピアは使用不可であり事実上この裏設定は消滅したようである。
ディール
- ベック (Beck)
- クラスは『暗黒竜』『新・暗黒竜』ではシューター、『新・紋章』ではホースメン。『暗黒竜』『新・暗黒竜』『新・紋章』に登場。
- 大陸東部の辺境ディール出身のシューター。敗残兵として村に隠れていたが、進軍してきたアリティア軍に志願して参加する。初期装備の「サンダーボルト」は対シューター戦で絶大な威力を発揮するが、シューターでは土塁を降りられないため間接攻撃に徹するかワープの杖を使わなければならない。『紋章』ではマップ自体が削除されたため、登場しない。
- 暗黒戦争後は辺境に残る残存勢力を鎮圧するために働いた。
- 『暗黒竜』では青い鎧を着ていたが『新・暗黒竜』で再登場した際は茶髪に赤い鎧で登場する。これは同じシューターでグルニア軍のジェイクと配色が入れ替わった形になる。また、ジェイクとベックは『暗黒竜』ではエンディング時の後日談で顔グラフィックが入れ替わって表示されるという開発上の不備がある。
- 『新・紋章』ではシューターが動かない仕様となったため、愛機のシューターから仔馬の「ポニー」に乗り換え、軍を引き、ポニーと共に小芝居で日銭を稼ぎ大陸中を旅していた。大陸を旅する中で何故か氷竜神殿付近にたどり着き、そこでアリティア軍に加わる。ぼんやりとしているがひょうきんな性格で、よく冗談や小芝居で人を笑わせようとする。ジェイクとは同じ元シューター同士だった為か、アンナの店で会う約束を取り付ける程に親交があるらしい。
- シューターから降りたことの理由付けとして、「シューターを移動させるには特殊な木の実から採れる油が必要だが、暗黒戦争後にはその植物が採れなくなったためシューターを動かすことができなくなってしまった」という旨の説明をする。
暗殺組織
- エレミヤ (Eremiya)
- 声 - 中原麻衣(ヒーローズ)
- クラスは司祭。『新・紋章』に登場。
- ガーネフやハーディンの命を受け、マルスやアリティア軍、それに味方する者を襲撃する暗殺組織の長。アイネ(カタリナ)やクライネ、ローローといった暗殺者たちを育て上げ、各地で暗黒竜復活の為にシスター達をさらっていた。
- アカネイア辺境の山岳で、孤児院と称した光のない地下施設に孤児達を閉じ込め、心を壊し機械のように忠実な暗殺者に育て上げていた。見た目は穏やかそうな女性だが、育て上げた暗殺者を「人形」と呼び、使い物にならなくなると壊れたガラクタとして平然と始末する。外伝にてアリティア軍と対決する際に初戦の相手がカタリナだと専用会話が発生するが、その際もカタリナに「お前が口にしていい言葉は「はい」だけ」などと平然と言い放つ(攻略本には篝火の中に手を入れるよう命令する台詞もあるがボツとなったと思われる)。冷酷無比な人物。
- 元々は心やさしい性格の司祭で、孤児院を開き戦争によって親を失った子供達を育てていたが、戦災で孤児院を焼かれ、子供たちが皆殺しにされてしまい絶望していた所をガーネフに付け込まれ、ハーディンと同様に術を施され心を支配されてしまった。子供たちを暗殺者に育て上げたのは「子供たちが死なずに済んだ方法」としてガーネフが教え込んだことである。アリティア軍に敗れた後ガーネフにより術を解かれ、自身の現状と思い出した以前の記憶の最中で錯乱し果てた。
- Wi-Fiコネクションで配信される追加コンテンツ「暗殺者」ではステージ後半にガーネフと共に援軍として登場し、操作することが可能。ガーネフと違って無敵というわけではないが高いステータスに加え、リザイア、メティオを装備するため凄まじい強さを誇る。
- クライネ (Kleine)
- 声 - 藤原夏海(ヒーローズ)
- クラスはスナイパー。『新・紋章』に登場。
- 暗殺組織の一員。金髪で長髪の女性スナイパー。残虐な性格で獲物をいたぶり殺すことを喜びとしている。エレミヤを狂信的に慕っており、エレミヤに尽くすことを喜びとしている。
- マケドニアの山中でリフを襲撃、また氷竜神殿付近で吹雪に紛れアリティア軍を奇襲したが破れて重傷を負う。カタリナ(アイネ)に救出されるも戦闘できなくなった結果、エレミヤに捨てられ、カタリナに看取られながら息を引き取った。
- 一見残忍な性格だが、孤児という生い立ちからか孤独であることを嫌う。同じ孤児院で共に育ってきたカタリナを姉として慕っていたが、暗殺者として育てられた後は弱みを見せるカタリナを邪険に扱っていた。しかし、死ぬ間際に姉と呼び、後のカタリナの話によると過去に今日を自分の誕生日とするからプレゼントが欲しいをごねてきたが、カタリナが応じるとカタリナも同じ誕生日にするとして彼女にビーズのネックレスを渡している(カタリナはクライネ亡き後も形見として所持している)。エレミヤへの絶対的な忠誠も自身が見捨てられることを恐れてのものであり、本心では最期まで家族愛に飢えていたことが伺える。
- 追加コンテンツ「暗殺者」では仲間として操作することが可能。また、同エピソードのエピローグによると、彼女は高価な絵画を飾れるような裕福な家の生まれで、両親の愛も受けて育っていたのだが、山賊団・サムシアンの襲撃(この件にも、明確にはされていないが、ガーネフが一枚噛んでいた模様)を受けて両親が殺害され孤児となった過去というあり、このことから自分の無力さを呪い、性格に影響を与えていった様である。
- ローロー (Roro)
- 声 - 丹沢晃之(ヒーローズ)
- クラスはバーサーカー。『新・紋章』に登場。
- 暗殺組織の一員。不気味な仮面で顔を隠したバーサーカー。
- ローローとは個人名ではなく、同じ風貌に同じ仮面を被り、命令のまま動く暗殺者達の通称。ローロー達はお互いを「兄弟」と呼び合い、その中でローローの集団を率いる「本物」のローローが存在する。彼ら曰く「一人で全員、全員で一人」。
- カダインでリーダー格がアリティア軍に倒されると、残りのローロー達は統制を失い戦闘できなくなった。結果エレミヤの命を受けたクライネに全員始末される。
- カタリナ曰く元々は同じ孤児院で育てられた孤児たちであり、人の心を壊され、術を施され「ローロー」として育てられたという。軽く陽気な口調で話すが実際は既に人の心が崩壊している為に感情に乏しく、真意の読めない発言をする他、なぜ自分が暗殺をしているのか、本物のローローは誰なのかすら知らない。また、どのローローも同じ性格で、ウキキと笑うことがある。
- 本編10章外伝では、リーダー格を撃破するまで倒しても際限なく増え続け、マップ上がローローで埋め尽くされるに至るまでも増殖する。プレイヤーの中には、このシステムを利用して経験値稼ぎをする熟練者もいる模様。
- 追加コンテンツ「暗殺者」ではカタリナの仲間として5人登場しクライネと共に操作することが可能。この際、本物(他に指揮を執っている者がいるせいかこのローローが倒されても他のローローの統率は失われない)のローローは回復能力を持つ「不死身の斧」を所持している。
- アイネ (Eine)
- カタリナを名乗ってアリティア軍へ潜入していた。詳細はアリティア王国#第七小隊カタリナを参照。
脚注
- ^ 『ザ・コンプリート』p.219
- ^ a b c “ファイアーエムブレムミュージアム -宝物庫-”. 任天堂. 2010年7月10日閲覧。
- ^ 『ザ・コンプリート』pp.216 - 217
- ^ ゆきのさつき公式プロフィール:ドラマCD Archived 2009年1月21日, at the Wayback Machine.と『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣Vol.4 魔道の聖域』のキャストと一致。
- ^ 電撃Nintendo 2016年2月号付録『幻影異聞録#FE FIRST GUIDE』2。
- ^ 『Nintendo DREAM』2018年4月号「『ファイアーエムブレム無双』気になる追加要素をディレクターに訊く コーエーテクモゲームスディレクター臼田浩也」P26
- ^ a b 『ザ・コンプリート』p.163
- ^ 『ザ・コンプリート』p.161
- ^ 『ザ・コンプリート』p.162
- ^ 任天堂公式ガイドブック ファイアーエムブレム紋章の謎 1994年2月20日発行 (株)小学館
作中出典
参考文献
- エイプ『任天堂公式ガイドブック ファイアーエムブレム百科』小学館、1990年5月20日。ISBN 978-4-0910-4115-9。
- 『任天堂公式ガイドブック ファイアーエムブレム紋章の謎』小学館、1994年2月20日。ISBN 978-4-0910-2465-7。
- 『任天堂公式ガイドブック ファイアーエムブレム紋章の謎PROFESSIONAL』小学館、1994年5月20日。ISBN 978-4-0910-2476-3。
- CB'sプロジェクト、塩田信之『ALL OF EIRE EMBLEM ファイアーエムブレム〜紋章の謎〜のすべて』宝島社、1994年3月28日。ISBN 978-4-79660-793-3。
- 『ファイアーエムブレム・ザ・コンプリート』NTT出版、1996年5月20日。ISBN 978-4-87188-822-6。
- 佐野真砂輝&わたなべ京著 ファイアーエムブレム 角川書店(株)
- 20th Anniversary ファイアーエムブレム大全 2010年6月30日 小学館 ISBN 4091064671
- ゲームミュージック ファイアーエムブレム キャラクターテーマ集 日本コロムビア(株)