ラグズ

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ラグズは、任天堂(開発・インテリジェントシステムズ)のコンピュータゲームファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』および続編『ファイアーエムブレム 暁の女神』に登場する架空の種族。

本項では『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』については『蒼炎』、『ファイアーエムブレム 暁の女神』については『暁』と略記する。

概要[編集]

ファイアーエムブレム』シリーズの「テリウス大陸」を舞台とした作品(『蒼炎の軌跡』、『暁の女神』)に登場する種族。いわゆるファンタジー作品における「亜人」であり、ほかのシリーズ作における「マムクート」(竜族)に相当する。ゲーム中ではあくまで「ヒト」の一種として扱われ、ラグズに対して現実世界における人間種族のことをベオクという。

大きな特徴として化身という能力を持ち、ヒトの姿から獣や鳥、竜といった動物の姿に変身することが可能である(なお、化身した際の姿は元の動物よりもかなり大きい)。また、ラグズ内でも複数の種族が存在し、何に化身するかは種族ごとに異なっている。なお、あくまでも本来の姿はヒトの姿である(マムクートの場合は、本当は竜なのだが、力を封じてヒトの姿となっている)。化身をしなければ戦えないが、化身をすると体力を消耗するため、戦闘以外での化身は極力避けている。ヒトの姿の際でも、種族ごとに差はあるが総じてベオクよりも身体能力が高く、寿命も非常に長い。また、容姿などにも化身する動物の特徴が現れている。

ベオクと違いラグズの国には貴族制が存在せず、国をまとめる王はそれぞれの国の中でも最も強い戦士が就く。ただし、竜鱗族は黒竜が、鷺の民は白鷺が最も強い力を持って生まれるため、必然的に世襲制となる。

現在のテリウス大陸ではベオク勢力に圧迫されているが、かつてはラグズがベオクを支配する時代もあった。ベオクの国家のほとんどでは異形の姿を持つ、人間(ベオク)に似て非なる存在として認識されており、ベオクの多くはラグズを意識的・無意識的に「半獣」とよぶが、これは「ラグズ」にとって差別的な呼称である。「ベオク」が「ラグズ」を好意的・中立的に見ている場合は、「ラグズ」とよぶ。

ラグズがベオクのことを好意的・中立的に見ている場合は、「ベオク」とよぶ。ベオクを「ニンゲン」とよぶラグズもいるが、これはベオクがラグズを「半獣」とよぶのと同じ意味で、ベオクに対しての軽蔑・敵対心を表す差別的な呼称である(元はラグズがベオクに支配されていたときに、奴隷のラグズが影で主人を罵る際に使った隠語)。

体の組成の問題で、異種族間で子を成すことはない(獣牙族内、鳥翼族内でといった形であれば、種族が違っても子を成すことは可能)。ベオクとの間になら稀に子を成すことはあるが、混血児はラグズとしての特徴は一切有さず、子どもが生まれた途端にラグズの親は「化身」などのラグズとしての能力を失ってしまう。 ラグズは自然の理をベオク以上に重点視しているため、女神の掟を破った証でもあるベオクとラグズの混血児の印付きを親無しとよび、多くのラグズはその存在すら否定し、たとえ見かけても存在しないものとして扱う。そのため、印付きの多くは自分たちを迫害するベオクよりも、存在自体を無視するラグズを憎んでいる。ラグズの中でも鋭い者は一目でベオクと印付きを見分けることができるが、何も感じないラグズも多いらしい。

鷺の民以外は戦いに特化してきた種族のため、ベオクよりも戦いによる負の気に敏感で、一度戦い始めると相手が完全に負けるまで戦い続ける。普段は化身を解くことでそれを抑えているが、戦いが続くと化身を解いても負の気に飲まれて抑えきれなくなる。ラグズのなかでは竜鱗族が最もその影響を受けやすく、それを自覚しまた負の気にのまれた際に自らの力が暴走しかねないことを危惧しているため、滅多なことでは前線に立つことがない。また、鳥翼族はラグズのなかでは最も負の気の影響が少ない。

種族[編集]

ラグズは以下の3種族に大きく分類される。さらにそこからもいくつかに細分化されている。

獣牙族
獣に化身する種族。獅子、虎、猫、狼の民がいる。寿命はベオクの5〜6倍で、ラグズのなかでは一番寿命が短い。
獣牙族は同族との結びつきが非常に密接で、同胞意識が強い。鳴き声で意志の疎通ができるので基本的に言葉を必要としないが、ガリアではベオクやほかの部族と対話するために「テリウス共通語」の習得を義務付けられている。人型の際は、ガリアの獣牙族は猫のような耳と尻尾、ハタリの獣牙族は狼のような耳と尻尾を有し、顔(ハタリは体)などに独特の紋様がある。
眼と鼻が良く、わずかな月明かりの下でも活動可能。主食は主に肉。種族全体の傾向としては好戦的で、策よりも力任せの戦法を好む。ラグズの中では一番寿命が短い関係で、ラグズがベオクに支配されていた時代は遠い時代のことになっており、ベオクを侮る者たちも多い。
獅子の3種族はガリア王国を形成しており、基本的に共同で生活している。の民は砂漠の果てのハタリ王国におり、テリウス大陸では過去の大洪水で滅びた幻の民とされていた。
鳥翼族
鳥類に化身する種族。の3種族が存在する。ヒトの姿でも背中に翼を持ち、飛行能力を持つ。寿命は鷹・鴉がベオクの10倍、鷺が1000年以上。
元々は獣牙族のようにひとつの国に共存していたようだが、気質が異なるため現在ではそれぞれの国に分かれて生活している。「セリノスの大虐殺」が起きるまではセリノスの森で鳥翼族の会合が行なわれており、獣牙族や竜鱗族ほどではないが同胞意識はある模様。鷹・鴉の主食は肉で、鷺は新鮮な木の実しか食べることができない。
鷹の民は気性がやや荒いが、仲間意識が強く義理堅い傾向がある。一方で鴉の民は利のためなら手段を選ばず、裏切りすらやってのける者が多いことから、ラグズの間でも嫌われている。
鷺の民は優雅かつ繊細な気質で、【正】の気が強く、大陸一の美しさを誇る外見を持つ。劇中では白鷺黒鷺の2種が確認されている。体が非常に弱く戦闘力がない代わりに、不思議な効果をもたらす呪歌(ガルドル)を歌うことができる。また他の部族と違い、古代語を公用語としている。
3種族とも、闇夜では視力を失うという欠点を持つ。
竜鱗族
に化身する種族。ヒトの姿の際は、ベオクとほとんど容姿が変わらず、耳が尖って若干肌が褐色を帯びているくらいの違いしかない。ラグズのなかでも最も長寿で、2000年以上の寿命を持つ。それゆえか繁殖能力に欠けるようで、滅多に子が生まれず個体数も少ない。また、時間感覚もベオクと大幅にズレている(例として、イナは3年前のことに対して「ちょっと前」という感覚しか持っていない)。
赤竜白竜黒竜の3種が存在し、そのほとんどが竜鱗族以外の種族と交わらずにゴルドアで共存しており、特に寿命が短くラグズと基本的に対立しているベオクにとっては、書物でしか知りえない半ば伝説の種族でもある。大陸屈指の強さを持ち、普段は理知的だが負の気に飲まれやすく、戦い始めると獣牙族以上に好戦的になり、完全に決着がつかない限り戦い続けるという一面を持つ。

なりそこない[編集]

作中に登場するラグズには、なりそこないとよばれる者が登場する。これは、化身状態においては武装したベオクを凌駕する戦闘能力を有する点に目をつけたデイン王国が、ラグズを軍用獣に改造したものである。

これは、ラグズに対して精神を崩壊させる劇薬(通称、なりそこないの薬)を投与することで自我や感情を破壊することで生み出させる。これによって、被検体となったラグズは正気を失い、ただ命令に従うのみの生き人形となり、さらに「化身を解く」という感情も起こらなくなるので本来の姿に戻らず(厳密にいうと戻れず)、常時化身した状態をとるようになる。ラグズの肉体に激しい負担をかけ、寿命を大幅に縮めてしまう。これによって、「軍の命令に忠実」かつ「強大な戦闘能力を持つ」獣となるのである。一応「なりそこないの薬」はベオクに投与することも可能で、化身がないため軍事的な利用価値は低いものの、ラグズ同様に精神は破壊されるので、洗脳のような用途で一部用いられた。

「なりそこない」にされてしまった者は、鳥翼族の鷺の民が持つ呪歌(ガルドル)で精神を回復させることで治療可能であるが、判明するまでは手の施しようがなかった。ただし、薬によって心身ともに激しく蝕まれるため、薬に完全に侵されてしまったものには効果がない。

他者全てを愚かと見下しているイズカにより行われた、ラグズをヒトと思わない非人道的な人体実験の産物であり、ティバーンやライをはじめとするラグズの面々、およびエリンシアなどのラグズに友好的なベオクは激しい怒りを露わにしていた。

ラグズ諸国[編集]

(※)は『蒼炎の軌跡』および『暁の女神』の両作品に登場し、かつ能力引き継ぎのある人物を示す。

ガリア王国[編集]

森林に囲まれた、猫、虎、獅子の獣牙族の住むラグズの王国。ベグニオン暦355年に獅子の民ソルハウトが樹海ガリアに建国した。熱帯で湿潤な気候。地の利を活かしたゲリラ戦を得意とし、獣牙族の仲間内だけが知る『抜け道』を利用して大国ベグニオン相手に渡り合ってきた。ラグズの国では、1番ベオクとの友好が深い。

カイネギス
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは獅子王(キングライオン)。属性は
ガリア王国の王。穏和で思慮深く、絶大な戦闘能力を備えると同時に国内外への政治的配慮にも満ちた名君だが、若い頃は甥のスクリミル同様血気盛んな性格だったという。
ベオクとの共存を強く望んでおり、アシュナードに殺害されたクリミア先王ラモンと協力して両国の間に同盟を結んだ。アイクの父グレイルとは過去に傭兵として雇った間柄で、傭兵団のティアマトとも過去のガリア、クリミア両国の交換武官によりガリア国王宮に駐留していた関係から、ベオクの女性の中では別格に信頼している。
『蒼炎』ではクリミアから逃れてきたエリンシアらを保護し、祖国復興の手段としてベグニオンへ向かう支援を行い、またクリミア解放軍にガリア兵を貸し与えるなどできる限りの助力をした。物語中では戦う機会は無いものの、漆黒の騎士も彼との交戦を避けた(ただし、必ずしも勝敗の有無の理由から退いたわけではなかったが)ことから、かなりの戦闘能力を伺うことができた。『暁』では実際に自軍ユニットとして操作可能となり、非常に高いパラメータを持つ。
他多くのラグズ王族と同じように、専用の戦闘BGMを有する。
『暁』の後日談ではスクリミルが生存している場合、王位を退位し王城から去っていくが、スクリミルが死亡していた場合は引き続きスクリミルに代わる後継者が決まるまでの間、獅子王としてガリアを治めることになる。
(※)ジフカ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは獣牙族/獅子(ビーストトライブ/ライオン)。属性は
漆黒の姿と、表に出ず獅子王を影から補佐する生き方から“獅子王の影”の異名を持つ。化身した姿も影の名の通り黒い。王がまだ若く血気盛んな時代から長きに渡って補佐してきた。
『蒼炎』では、諸事情により動きがとれないカイネギスに代わり参戦し、終章終盤でのみ自軍ユニットとして操作可能。王族ラグズではないがそれに匹敵する実力を有し、自軍最高峰の力ステータス(40)を持つ。
スクリミル
声:丹沢晃之
ラグズ。『暁』に登場。クラスは獣牙族/獅子(ビーストトライブ/ライオン)。属性は
現国王カイネギスの甥。世襲ではなく実力で次期ガリア国王と目される。
獣牙族最強である獅子としての誇りと力を過信し、ベオクの知恵や魔道を軽視している。良くも悪くも猪突猛進な性格で先を見ないところも多いが、次期ガリア国王としての実力と器はある。上記の通り、カイネギスも若い頃はスクリミルのようであったという。
暁でガリア軍の大将として登場し、始めはベオクの策略を卑怯と蔑み軍議にも真面目に参加せず、ライを困らせセネリオからは呆れられていた。だがセネリオの策により進撃率が遥かに上昇したことから、ベオクの知恵を甘く見すぎていたと考えを改め、参謀としてセネリオの実力を高く評価し、気に入っていた。
ゼルギウスとの一騎討ちに破れガリアに帰還した際には、自分だけでは何もできなかったと自らを省みるなど、カイネギス王の目論見は功を成し、物語の中で精神面が大きく成長した。
(※)ライ
声:鈴木達央
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは獣牙族/猫(ビーストトライブ/キャット)。属性は
明るく人懐こい性格からベオクとの交渉事も任されることが多いガリア軍の忠臣。お調子者だが、基本的に真面目で職務には忠実。頭も切れる方。グレイル傭兵団のアイクとは親交が深い。自身を巡ってリィレとキサが争っていることに頭を悩ませている。
ミストほどではないが、ラグズの中でも特に【正】の気が強く、負の気が多い場所の付近や戦場では体調を崩したりもする。左右の目の色が違うオッドアイ。
『蒼炎』では国境警備中に亡命してきたエリンシア王女の要請で、ラグズ国境付近のメリネテ砦で戦っていたグレイル傭兵団の救援に向かったことが縁でアイクと知り合う。後にクリミア解放軍に参陣した際には、しばしば無謀な強行突破を繰り返すアイクとその策を講じるセネリオに呆れるなど、以降会話の端々でツッコミ役を担う。
『暁』では猪突猛進型のスクリミルを諫める補佐役兼、軍の副官として活躍する。相変わらずのアイク達の無謀ぶりや戦局、情勢など様々な面で気苦労が絶えなかった。
漆黒の騎士とは浅はかならぬ縁があり、『蒼炎』『暁』を通して幾度も相まみえる機会が多かったため、誰よりも早く漆黒の騎士の正体に気付き、アイクにその事実を伝えた。
『暁』の支援次第で彼はガリアに残らず、友と慕ったアイクと共にテリウスから離れる。
(※)レテ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは獣牙族/猫(ビーストトライブ/キャット)。属性は
誇り高い女戦士。好戦的だが、ライも評価するほどの冷静な判断力と強い勘の持ち主である。『蒼炎』ではベオクへの嫌悪を露わにしていたが、アイク達との出会いによってその心情にも変化が現れるようになった。『暁』ではクリミア、ガリア両国に協力しており、第2部ではモゥディとともにクリミア王宮に駐留していた。ライ曰く、動揺すると尻尾に出るらしい。
口調はぶっきらぼうだが、仲間と妹に対する思いやりは強い。『暁』では、血気に逸る部下の獣牙族を抑える指揮官としての自覚を持ちつつ、無理に制止することで彼らの絆を失う可能性を避けるために無茶を承知でミカヤ率いるデイン軍との戦闘を許可するという行動にでたこともあった。
『蒼炎』『暁』共に、獣牙族ユニットとしてはモウディ共々最も出撃可能回数が多い。
(※)モゥディ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは獣牙族/虎(ビーストトライブ/タイガー)。属性は
レテの部下。大柄で強面な外見だが、とても穏やかで心優しい性格。獣牙族の中にあって珍しく戦いを好まないが、怒ると理性を失う面もある。その性分から心内では戦争であっても命を奪うことを躊躇っている節があり、敵の痛がる様子を見たくないがために攻撃する際時々目を瞑る。
元々獣牙族内では言葉があまり必要なかった関係で、他種族との交流のために現代語を練習しているが上手く話せない。『暁』でも未だ完璧には習得出来ていない模様。訛っているが(文中では片仮名混じりで表記される)、十分通じるレベルではある。発音が難しいらしく、ツイハークの名前を正確に言い表せない。
ベオクに友好的で、『蒼炎』の戦役後クリミア復興に手を尽くしたことから領民達の信頼を得ており、子供達にも慕われている。
リィレ
ラグズ。『暁』に登場。クラスは獣牙族/猫(ビーストトライブ/キャット)。属性は
ライとキサの部下で、レテの双子の妹。『蒼炎』でもキサと共にレテとライの支援会話中にて名前だけ登場している。
双子でありながら姉とは違い甘えん坊で子供っぽい性格。あまり戦いを好む性格では無いが、大好きな姉のレテと居たい一心でガリア軍の戦士になった。しかし戦いには不真面目らしく、ライによれば戦場でも隙あらば毛づくろいをしたり爪を磨いたりしているらしい。
上官のライに恋しており、キサとはその関係でいつも争っている。ラグズを毛嫌いしているシノンとは犬猿の仲だが、ガトリーに一目惚れされる。
キサ
ラグズ。『暁』に登場。クラスは獣牙族/虎(ビーストトライブ/タイガー)。属性は
ライの有能な部下で、リィレの上官。
ベオクの前では丁寧な口調で話し、毅然とした態度をとるが、親しい者の前では本来の姿が出る。
シリーズではおそらく初のオカマキャラ。普段は真面目に職務をこなし、ベオクに対しても礼節を重んじている。男か女かよく分からない存在。
ライを上官として尊敬する以上に愛している。リィレとはライのことでよく言い合いになっている。
ケジダ
ラグズ。『暁』に登場。クラスは獣牙族/猫(ビーストトライブ/キャット)。属性は
ガリア軍部隊長、隻眼の黒猫。ベグニオン帝国領リバン河畔にてデイン軍に待ち伏せされ、強行突破を掛けた。
レテが死亡または特定の章以前で撤退している場合のみ、彼女に代わり指揮官として登場する代役。ある意味隠しキャラと言える。

フェニキス王国[編集]

誇り高く、力強い鳥翼族・鷹のラグズが住む王国。ベグニオン帝国の(主に貴族の)船を中心に狙って襲う、「船を持たぬ海賊」の名で帝国軍には広く知られている。
ベグニオン暦385年のとき、ベグニオン帝国から離脱した鳥翼族が南海の島につくった国。初代国王は鷹の民ホルス。元は鳥翼族全体で一つの国だったが、生き方の違いから次々に民が離れていき、現在の鷹の民のみの国家となった。

(※)ティバーン
声:丹沢晃之
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは鷹王(キングホーク)。属性は
フェニキス王国の王。頬にある十文字の傷が特徴。『暁』での台詞から、ラフィエル同様にリュシオンやネサラよりもかなり年上である様子。自国民や鷺の民への想いやりは半端ではなく、それに伴って民からの信頼も厚い。鳥翼族としては非常に大柄で、鷹の民中群を抜いて体格が良く、実力も大陸屈指。言葉使いは乱暴で、女好きと見られるところもあり、身なりも王に相応しくないように思えるが、実力、人望ともに高いため誰も気にしていない。また、本来ラグズは武器を使えないはずだが、短剣を腰に携えている。
鷺の民とは昔から親交があり、その影響で古代語が漠然と解る。特にリュシオンとは彼が幼い頃から親しく、「セリノスの虐殺」の一件ではリュシオンとロライゼを救出し、一族を失ったリュシオンの後見人となる。「セリノスの虐殺」以来ベクニオンへの遺恨は根深く、鷹の民の海賊活動の対象がベグニオンの船だけなのも、それが理由である。同じようにベオクに対する不信感は強かったが、アイク達がリアーネを守った一件で徐々にアイク達ベオクと打ち解けるようになる。アイク達に腹心を遣わしたり直々に戦闘に参加して援護するなど、仲間と認めた者に対しては協力を惜しまない。リュシオンに対してはやや過保護で、『蒼炎』ではクリミア軍に参戦することにしたリュシオンの護衛として側近のヤナフとウルキを遣わせ、『暁』では自分の意志でグレイル傭兵団に協力することにしたリュシオンを気遣って、傭兵団への助力という名目でのヤナフとウルキを送っている。
『蒼炎』では、最後の自軍ユニットの1人として参戦。技に優れそのほかの能力バランスも良い。『暁』第4部ではミカヤ、アイクと並びリーダーユニットを務める。
『暁』では、自軍フェイズで攻撃シーンに移行すると専用の戦闘BGMが流れる。化身前に戦闘すると、他の鳥翼族は蹴りで反撃する(鷺は反撃できない)が、彼のみ拳で反撃する。
『暁』後日談では、統一鳥翼族国家の初代国王に就任する。
(※)ウルキ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは鳥翼族/鷹(バードトライブ/ホーク)。属性は
三千里先の音まで聞き逃さないという「順風耳」の持ち主。寡黙な性格で必要なときしか喋らず、鋭い眼つきのため誤解されがちだが、おとなしく優しい性格をしている。鷹王からの信頼は厚く、生まれて間もない頃よりその側で仕えているという。
ヤナフより5歳年下。なお、彼の体格は痩せ型で鷹の民では最も平均的らしい。
(※)ヤナフ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは鳥翼族/鷹(バードトライブ/ホーク)。属性は
三千里先まで見渡せる「千里眼」を持つ。頬にある1本の傷と緑のスカーフが特徴。ウルキとは対照的に馴れ馴れしさすら感じるほど話し好きで明るい性格。
ティバーン、ウルキとは生まれた時からの付き合い。とはいえ現在は王ティバーンへの言葉遣いは主従のそれだが、口喧嘩になると呼び捨てしタメ口をきく。
彼の一族は元々鷹の民の中でも小柄なために外見は幼く見えるらしく、容姿はまだ幼さが残っているが、実際はティバーンやウルキよりも年上(鷹の民の中では同じ年と言える程度の差)で、何十も年下であるベオク相手に対しては若造呼ばわりする。ウルキにはいつも年寄り扱いされる。
本人曰く、年齢は『蒼炎』で110と少し。
ロッツ
ラグズ。『蒼炎』に登場。
ティバーンの部下。諸用でフェニキス王城を離れることになったティバーンに代わりリアーネを警護するも、「転移の粉」により突如現れた漆黒の騎士に襲撃されリアーネを奪われてしまった。城に戻ったティバーンにそのことを伝え、息を引き取った。

キルヴァス王国[編集]

戦う術を持たない船でも無差別に容赦なく襲う、フェニキスと同じく「船をもたぬ海賊」として恐れられる鳥翼族・鴉の民が住む王国。そのためベオクには忌み嫌われ、同じ鳥翼族や他のラグズとも交流がほとんどなく、騙しや裏切り行為を行うためひどく嫌われている。
元々鴉の民はフェニキスで鷹の民らと共に暮らしていたが、ベグニオン暦420年のときに気質の違いから袂を分かち、独自の国家をつくった。

(※)ネサラ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは鴉王(キングクロウ)。属性は
キルヴァス王国の王。キルヴァスという国を代表するような性格で、掴み所がなさそうな話し方をするが、狡猾で抜け目も隙もない。キルヴァスを強国にする野心を持っているが、国土が貧しいためか、金銭次第でラグズでありながら毛嫌いするベオクと手を組む仕事も請け負う。民を思いやりながらも、国益のためとあらば同種族や仲間を裏切ることもしばしば。そのため、フェニキスの民からは「裏切るのはキルヴァスの特権みたいなもの」とまで言われることもあった。一方で国や民を思う気持ちは強く(本人曰く「俺は俺の民にとって良い王であれば他の奴にどう思われても構わない」)、自国の民からの信頼は厚い。民からの信頼の点においては、キルヴァスの隠された事情を知るサナキから高い評価を受けている。
鷺の王族であるリュシオン、リアーネとは幼馴染み。その影響でリアーネの話す古代語も理解できる。ある事情からリュシオンらを裏切らざるを得なくなるときもあるが、基本的には幼馴染の彼らには頭が上がらず、ティバーンからは「お前のセリノスびいきは俺の上をいく」とまで言われている。本人も内心では二人を大切に思っており、特にリアーネに対しては特別な感情を抱いている。
実は初代キルヴァス国王がかつて、ベグニオン帝国に降伏した際にベグニオン元老院と「血の誓約」を交わしていたことが『暁』にて判明。その誓約が未だに解かれていないことから彼にも誓約の証があり、そのためルカンに従わなければならず、それがほかのラグズへの裏切り、背信行為へと繋がっていた[1]。しかし、この契約は「ベグニオン元老院」ではなく「ベグニオン帝国」との契約であったことがわかり、事情を知った皇帝サナキに従うことで元老院から解放された。
『暁』後日談では統一鳥翼族国家の外交官となり、支援次第ではリアーネと結婚し、二人の子を儲けている。
『蒼炎』19章では敵ユニットとして登場するが、ほかの鳥翼族ユニットで説得をすると敵対関係を解き、その際彼の私兵を全員生存させていればほかでは手に入らない「ナイトリング」を貰うことができる。後に最終章では終盤の自軍ユニットとして登場。速さと回避が非常に優れ、ラグズ内では唯一「疾風の刃」の奥義スキルにより風魔法と同性能の間接攻撃が可能。『暁』でもやはり速さが全ユニット中最も高く、間接攻撃が使用不可になった代わりに間接攻撃に対して反撃するスキルを持っている。
なお、『暁』では専用戦闘BGMが用意されており、自軍フェイズでの戦闘シーンで聴くことができる。
ニアルチ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは鳥翼族/鴉(バードトライブ/クロウ)。属性は
鳥翼族の中では最年長。裏切りで名高い鴉の民の中では珍しく温厚な性格で、ティバーンをはじめとするほかのラグズからの信頼を得ている。また、古代語も理解できる。
ネサラが生まれた時からずっと面倒を見てきたため、爺やとしてネサラを溺愛している。そのため、ネサラが王となってからも彼を頑なに「坊ちゃん」とよんでおり、そのことをネサラは鬱陶しく感じ、もうろくジジイ呼ばわりしているが内心では大事に思っている。
『暁』ではガリアに古代語がわかる者がいなかったため、ネサラがリアーネを気遣ってお付きとしてニアルチを遣わせていた。
『蒼炎』では戦闘ユニットとしては登場しないが、後の『暁』で参戦する。
シーカー
ラグズ。『蒼炎』に登場。クラスは鳥翼族(カラス)
キルヴァス王国の海賊。ゴルドア、フェニキス海域を根城にし、ネサラの指示の下略奪行為を行っていた。
アイク達の乗る船を座礁させ、物資を奪おうとしたが討たれて散る。レテには『ラグズの面汚し』と罵られた。
初代キルヴァス国王
ラグズ
『蒼炎』時代より225年前、鳥翼族の種としての生き方の違いからフェニキスより鴉の民が離脱した際、鴉の民をまとめ上げキルヴァス王国を建国した鴉王。
かつてベグニオン帝国と交戦し、降伏した際にベグニオン帝国の元老院と「血の誓約」を交わす。しかし、直後に誓約に背き、帝国に対しテリウス戦国時代にほかのラグズ勢とともに干渉したため、誓約を破った呪いによりおよそ100日間もの間、元老院に呪いを解かれるまでに多くの民と側近の半数、そして妻と子までも失ってしまった。それ以後、キルヴァスは代々元老院に付き従うことになってしまう。

旧セリノス王国[編集]

大陸一の美しさを誇る鷺の民の王国。美しい彩りの森が国土の大半を占める。女神の名の下に戦火を広げるベグニオンに反発した鷺の民が、ベグニオン暦470年に建国した。ベオク・ラグズ含め、テリウスの諸国家のなかで最も遅くに建てられた。
『蒼炎』時代から20年前、濡れ衣を着せられてベグニオン帝国臣民によって滅ぼされてしまった(後に「セリノスの大虐殺」と呼ばれる凄惨な事件)。『暁』の物語が終わるまでは、領地はベグニオン帝国が治めていた。
現在における旧国民は、王家の者が数人残っているのみ。

鷺の民は【正】の気が強く、戦う術を持たない代わりに不思議な効果を与える美しい歌、呪歌(ガルドル)を謡うことができ、歌い手は呪歌謡い(ガルドラー)と呼称される。肉体は非常に弱くユニットとしても非常に打たれ弱い。また、相手の心を読む能力を持っている。食べ物は新鮮な木の実しか受け付けられず、例にリュシオンが以前ティバーンの好物である肉や魚や酒を口にした際には生死の境目をさ迷ったとされる。

ラフィエル
ラグズ。『暁』に登場。クラスは白鷺王子(プリンスイーグレット)。属性は
帝国に滅ぼされたセリノス王国の第一王子。リュシオンとリアーネの兄。
外観通り非常に繊細で物静かな性格をしており、他人の思いやりなどを見るとすぐ涙してしまう一面もある(これは本来の鷺の性質らしい)。ニケやティバーン曰く、鷺の本来の理想の性格はラフィエルのような性格だとされている。
「セリノスの大虐殺」より半年前に森の外れでベオクの奴隷狩りに捕まるが、彼を哀れに思った元老院のヘッツェルに買い取られたことで救われる。しかし、その後ストレスで体調を崩してしまい、神殿に運ばれて看病されたことで一命を取り留めるも、病の影響で飛ぶことがかなわなくなってしまった。ヘッツェルは森に帰してくれることを約束していたが、その後「セリノスの大虐殺」が起きてしまい、朦朧とした意識の中死してゆく一族のもとへ行きたいと無我夢中の思いで飛べぬはずの翼を開き神殿を飛び出す。しかし、森へ行くはずがまったく逆方向(ベグニオンの西部にあるセリノスではなく、東部のデイン方面)へ飛んでいってしまい、デインより東の死の砂漠で行き倒れていたところをニケにより助けられ、その伴侶となり以後ハタリに住むようになった。
ニケ達とともに砂漠を越えて大陸へ行く道中、ユンヌの声に導かれてミカヤとサザに出会い、サザの話により自分以外滅びたと思っていた鷺の民、それも父ロライゼ、リュシオン、リアーネが生きていることを知る。デインの解放戦争が終った後はガリアへ向かい、リュシオン達兄妹と再会を果たすが、彼が話した「セリノスの大虐殺」の真実がラグズと帝国の戦争へと発展していく。デギンハンザーによれば「友に良く似ている」とのことであり、セフェランの正体を一見して見破った。
後日談ではニケらとともにハタリへ戻っていくが、ニケが生存していない場合はセリノスに残り、家族とともに暮らしていく。
呪歌謡いとしての能力はかなり高いらしく、リュシオンはレニングを元に戻す際に、元々「なりそこない」の薬の効果の薄いベオクに対して正の気が高まった状態で魔法陣を用いてようやく成功させたが、ラフィエルは簡易的な【再生】の呪歌でムワリムを元に戻すことに成功しており、下記のとおり呪歌の効果は3兄弟でもっとも有効範囲が広い。
20年前に負った病のため、翼を持ちながら飛ぶことができない。それゆえ再移動できず、移動しがたい地形に弱く、化身時には移動力は上がるものの、段差を登れなくなる。その代わり、化身状態を問わず常に4マスのユニットに呪歌の効果を与えることができる。ほかには、飛べないゆえに翼系の特効を受けない(ただし鳥系の特効は受けるため、ダメージ換算が天馬騎士系ユニットと同等程度までしか軽減できず、元々鷺は打たれ弱いので特効でなくても一撃で撃破されることも多い)といった特徴がある。
(※)リュシオン
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは白鷺王子(プリンスイーグレット)。属性は
帝国に滅ぼされたセリノス王国の第三王子。ラフィエルの弟で、リアーネの兄。
「セリノスの大虐殺」が起きたとき、彼は父ロライゼと共にティバーン率いる鷹の民に救出されて虐殺を逃れることができた。それから20年以上もの間フェニキスに滞在しているため、鷹の民の者とは兄弟同然に親しい。しかし、そのせいか理想の鷺の民の性格とはかけ離れ、鷹の民の性質である力強さと誇り高さが出ており、見た目に反して気が強く、積極的で激しい性格になってしまった(ニケ曰く「あの見た目にあの性格は、ある意味、暴力としか言えん」)。本人もティバーンのようになりたいらしく、軟弱な体に嫌気が差している。ティバーンの好物を片っ端から食べて死にかけたり、本来人を攻撃することのできない鷺の民にもかかわらずタナス公の顔面を殴り、逆に自分の手の骨の方にひびを入れたりと、アイクからは漢らしいと称される。
今でこそ現代語を流暢に話すが、フェニキスに来た当初は古代語しか話せなかったらしい。
「セリノスの大虐殺」以降ベオクを警戒し、一時は“禁呪”を使おうとするまでに憎んでいたが、リアーネとの再会や『蒼炎』でのクリミア解放戦争を通じて次第にベオクに心を開くようになる。キルヴァスの王ネサラとは幼馴染。『暁』後日談では新国家の重鎮となり、気の強い性格を生かして精力的に活動したという。
『蒼炎』における唯一の再行動ユニット。化身前は1ユニットにしか呪歌効果を与えられないが、化身すれば周囲4マスのユニットに対し呪歌効果を与えることができる。また、その気の強さからか、ほかの二人よりも若干ではあるが打たれ強い。
リアーネ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは白鷺姫(プリンセスイーグレット)。属性は(『蒼炎』では)。
帝国に滅ぼされたセリノス王国の第四王女。王族の中では最年少。
「セリノスの大虐殺」で亡くなったと思われていたが、事件が起きた際に姉達によって眠りにつかされたことで虐殺を逃れていた。20年後に眠りから目覚め、枯れ果てた森をさ迷っていたところをリュシオンを追ってきたアイク達に遭遇し、その後兄との再会を果たす。森で起きた惨事を知りつつも神使サナキの謝罪を受け入れ、リュシオンにもサナキの謝罪を受け入れるように進言した。
20年間眠っていたために見た目に対して精神年齢が若干幼く、とても無邪気な性格。セリノスでの出来事のあとフェニキスに身を寄せる。その後漆黒の騎士に拉致されるものの、大事になるまえにネサラらに救助される。最後の戦いの後、リュシオンと共にラジャイオンを元に戻すことに貢献した。このような経緯があるため、『蒼炎』ではユニットとしての参戦はない。
『蒼炎』の戦いの後の3年間はガリア王宮に住んでいたが、その間に兄リュシオンの芯の強い性格が多少なり伝染ってしまった模様で、これと決めたことは絶対に曲げない。普段は古代語を話し、現代語は勉強中で途切れ途切れながらも少しは話せる。
『暁』では、ラフィエルがもたらした「セリノスの大虐殺」の真実によってラグズ連合とベグニオン帝国の戦争が勃発することを知り、アイクに助けを求めるために護衛のニアルチとともにクリミアに向かった。しかし、戦争のことはこの時点では機密事項であり、悪意がないとはいえ情報漏洩を犯しかけた(古代語で訴えたため古代語がわからないアイクには通じていなかったので、本当に漏れることはなかったが)ため、後日傭兵団に正式に依頼を行ったライはこのことを知って呆れていた。その後の皇帝軍結成に伴い、負の気による体調悪化でティバーンに強制退場させられたリュシオンに代わってセリノス代表として参戦する。
幼馴染であるネサラを兄のように慕っており、周りの反感を買いやすい彼を庇うこともある。なお、支援次第では、『暁』後日談にてネサラと結婚し、その後黒翼の男児と白翼の女児を儲け幸せに暮らす。
兄2人と違い、化身の可否にかかわらず周囲2マスにしか呪歌効果を与えることができない。
なお、『蒼炎』17章でのアイクが彼女を背負いながら戦うエリアでは、このときに限り彼女のステータスを回覧できる。アイクによればその体重は非常に軽く、「ミストより半分ぐらい軽い」とさえ言うほど(ユニットとしての重量は2。ミストが5)。
ロライゼ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。
亡国セリノスの王。ラフィエル、リーリア、リュシオン、リアーネの実父。
「セリノスの大虐殺」が起きたとき、ティバーンによってリュシオンとともに助け出されるも、心痛のため昏倒。20年以上の間、眠ったままの状態でいる。
『蒼炎』『暁』共に名前のみの登場。後日談にてリュシオンらの呪歌により目を覚ます。
リーリア
ラグズ
セリノスの第三王女[2] だった鷺の民。故人。リュシオン、リアーネの姉。
『蒼炎』時代から20年前、「セリノスの大虐殺」が起きたときにほかの王女たちと共にリアーネを眠りにつかせたが、その後セフェランの陰謀によってメダリオンとともに捕獲されてしまい、デイン国王アシュナードに引き渡され以後パルメニー神殿に監禁、邪神の復活を強要されていた。監禁されていた際に自分の世話役で、後にアイクとミストの母親となるエルナに出会い、ベオクでありながら強い【正】の気と清らかな心を持つ彼女に心を開き、メダリオンと「解放」の呪歌を託した。エルナがリーリアの思いを遂げるためにデインから逃げた後、長い監禁生活が祟って病死する。
監禁された部屋の壁に大量の古代語を書き残しており、20年の時を経て、弟リュシオン、そしてエルナの子供たちであるアイクとミストに伝わった。これにより、大虐殺の真実の一部が紐解かれた。ただし、この時点では本来の元凶である帝国元老院の関与を疑わせる証拠はなかったこともあり、アシュナードが首謀者とされる解釈の誤りが起きた。この解消には、3年後の兄ラフィエルの証言を待つこととなる。
エルラン
ラグズ
黒い羽を持つ鷺の民(黒鷺)で、「エルランのメダリオン」本来の持ち主。セリノスの民の祖先にあたり、テリウス大陸では太古の昔に「三雄」とともに【正の女神】アスタルテに与し、邪神をメダリオンに封印したと永らく伝えられていた。
人が犯し続ける過ちのせいで【暁の女神】アスタテューヌが大洪水を引き起こしてしまったことに罪悪感を抱き、女神が正負に分たれた後は半身である【負の女神】ユンヌを消さんとする【正の女神】アスタルテに、戦乱を起こしてしまったユンヌを封印するだけにとどめて欲しいと三雄達と共に懇願し、「種族の共存」と「アスタルテとユンヌが封印されてから1000年間は大陸規模の戦乱を起こさない」と誓い(もしその誓いが果たされなかった場合は、アスタルテが全ての“人”に裁きを下すことになった)、ユンヌを青銅のメダリオンに封印した。
その後、初代ベグニオン皇帝となったオルティナと結ばれ、史上初の印付きの子をもうけるものの、ベオクとの間に子が生まれたことでラグズとしての能力(化身と呪歌謡いの力)を失ってしまい、女神達を目覚めさせることができなくなり、一時は自殺を考えるまでに精神的に追い詰められた(テリウス大陸では、女神に与えられた自身の命を自らの手で奪うのは女神の教えに反するということで、自殺は禁忌となっている)。その後、事実隠蔽のためにオルティナと別れ、メダリオンをセリノス王国に預け三雄の一人であるゴルドア王デギンハンザーの下で歴史から姿を消し長い時を過してきた。しかし、長い時が経っても種族の共存は実現されず、そればかりかラグズとの共存を実現しようとした先代神使のミサハは暗殺され、セリノスの同胞達は彼女を暗殺したとする濡れ衣を着せられ、「セリノスの大虐殺」が発生。ほとんどの国民が殺められ、争いが絶えない人に絶望し、その野望は大陸規模の戦乱を引き起こしてユンヌと同時にアスタルテを目覚めさせ、アスタルテに裁きを下させるという歪んだ思いに繋がっていった。
現在はベグニオン帝国の元老院の議長であるペルシス公爵セフェランとして公に立ち、部下であるゼルギウスとともに野望実現のために暗躍している。ちなみに、ベグニオン帝国の皇帝家および神使はエルランの子孫にあたり、代々の神使は彼の能力を受け継いだ印付きである。
ベグニオン帝国#有力七議院のセフェランの項目も併せて参照のこと。

ゴルドア王国[編集]

大陸最強と名高く、ベオクはもちろん、ほかのラグズよりも長命であることで知られる竜鱗族の住むラグズの王国。獣牙族や鳥翼族を下したベグニオンですらも強大な竜鱗族を隷属にすることは敵わず、建国以来独立を保ち続けている。国自体が閉鎖的で、ほかの国との交流はほとんどない。

デギンハンザー
声:長嶝高士
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは黒竜王(キングブラックドラゴン)。属性は
ゴルドア王国の【黒竜王】。クルトナーガ、ラジャイオン、アムリタの父。かつての女神の加護を受けて邪神を倒したとされる【三雄】の一人。
『蒼炎』ではゴルドア会議の場面でのみ登場。神に次ぐ力を持ちながら他国には干渉しない姿勢を貫き、いかなる戦争にも加わろうとしないため、ティバーンからは「化石親父」とよばれている。その理由は、「争いは行わない」(ひいては起こさせない)という正の女神アスタルテとの約束を守るため、そして自分達が介入することで戦火を大陸全土に広げてしまうことを危惧していたためである。そのため、息子ラジャイオンが「なりそこない」としてデイン王アシュナードの下にいることを知り、大陸全土の戦乱を望んでいたアシュナードがゴルドアを参戦させるためにラジャイオンのことを挑発しても、怒りを抑えて最後までゴルドアを介入させなかった(しかし、ナーシルには「アイクがアシュナードを討つのがもう少し遅ければゴルドアは戦争に参加した」のではないかと推量されていた)。また、かつてベオクとラグズの関係の悪化を危惧して真実を隠したために、後世の「印付き」たちが「女神の禁忌を犯した存在」として迫害や私刑を受けることになってしまったことへの後悔など、内心では計り知れない苦悩を抱え続けてきた。
『暁』第4部にてアスタルテが目覚めたとき、頑固な態度に限界を来した彼は800年前の約束を守れなかったけじめとしてナーシル、ゴートを含めたほかの竜麟族諸共アスタルテ側に付き、裁きを受ける決心をする。そして、「導きの塔」の守護者として実の息子クルトナーガらと敵対することになった。当初はアスタルテとユンヌの目覚めは戦乱によるものと思っていたが、戦闘後にミカヤが友エルランの子孫である「神使」であったことに気付き、まだ希望は消えていなかったことを悟った。そして、アイクたちに敗れた後はユンヌと再会して和解し、生き残った者たちにクルトナーガたちに従うように命じ、アスタルテの下に向かう息子たちを後押しした後は、家族の幸せを願いながら亡き妻と息子ラジャイオンの下へと旅立った。
HP100という掟破りの体力を持つうえに、圧倒的な攻撃力と防御力を誇る。そして、「女神の加護」を受けているため、負の女神ユンヌの加護を受けた武器以外一切の攻撃が通用しない。また、近くにいる敵すべてにダメージを与える技(波動)も持ち、発動率と威力の非常に高い奥義「逆鱗」も所持しているため、単体では『暁』における事実上最強のユニットである。また、彼および配下の竜鱗族は敵対しているイナとクルトナーガの2人には攻撃をせず、反撃もしない。
クルトナーガ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは竜王子(プリンスドラゴン)。属性は
黒竜王デギンハンザーの実子。竜鱗族の中では最年少で見た目はまだ若者であるが、年齢は既に100を超えている。聡明で穏やかだが意思は強い。国自体は閉鎖的だが、彼自身は外の世界との友好を望んでいる。『蒼炎』では船をキルヴァス兵に座礁させられ往生していたアイクと出会い、彼らを助けた(彼はこのとき初めてベオクに出会った)。
『暁』第1部では国を出て「クルト」と名乗っており、ララベルとともになぜか牢獄に捕らえられていた。このときのクラスは放浪者(ピルグリム)となっており、種族表記もベオクになっている。
その後、第3部にてデインとラグズ連合との戦いの終盤に登場。争いを止めさせるためにやむを得ず自ら戦地に立つ。終章ではアスタルテに味方をした父デギンハンザーおよび父に従った竜鱗族と戦うことになる。父であるデギンハンザーの死後、彼の遺志を継ぎゴルドアの黒竜王となった。以降はラグズ王族同様「王者」のスキルを身に付け、常時化身が可能となる。
後日談ではゴルドア新王として他国との交流も盛んに行い、また争いの調停者として平和を保ち続けたという。
彼の名前は『聖戦の系譜』においての前半部の主人公シグルドの妻、ディアドラの父親でもあるバーハラ王家の「クルト王子」より採られたものと思われる(バーハラ王家は聖者ヘイムの血を引き、「ナーガ」という神聖魔法を使う)。
ラジャイオン
ラグズ。『蒼炎』に登場。
ゴルドア国王デギンハンザーの息子であり、クルトナーガ、アムリタの兄。イナの許婚。
デギンハンザーに次ぐ実力を持っており、およそ20年前に外(他国)のことを知りたいと言い旅立った。しかし、デイン王アシュナードに、妹アムリタが生んだ生後間もない甥子(セネリオ)を盾にされ、罠に嵌められて「なりそこない」の薬を飲まされてしまい、姿を歪められてアシュナードの騎竜となる。
死の間際にリュシオン、リアーネの「再生」の呪歌によって人の姿を取り戻し、最期は許婚であるイナの胸の中で静かに息を引き取った。
アムリタ
(※)ナーシル
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは竜鱗族/白鱗(ドラゴントライブ/ホワイト)。属性は
イナの祖父。ベオグとラグズの共存の方法を模索して国を出ていたが、国に残してきたはずのイナとの再会で彼女の許婚のラジャイオンが「なりそこない」としてデイン王アシュナードの騎竜になっていたことを知り、孫娘のためにデイン=クリミア戦役ではガリアとデインの二重諜報をしていた。ミストからメダリオンを奪うも、結局はアイクを気に入ってその行動を助けた。船の船長や、ガリアの遣いとさまざまな役目を持ち、ガリアの者とは特に交流が深い。イナに対する溺愛ぶりは相当なもので、ライから「ジジバカ」とまで言われている。
『暁』では国に戻り、デギンハンザーの苦悩を知って何も知らずに国を出たことを後悔し、それ以降は王に従うことを己に固く誓った。そのため、正の女神アスタルテが復活したときには王に付き従い、「導きの塔」でイナとクルトナーガ、そしてアイクたちと敵対する。戦闘後、倒されていなかった場合はデギンハンザーの指示でアイクたちに同行する。
後日談では新国王となったクルトナーガを側近として支えつつ、曾孫の成長を楽しみにしているという。
白竜のブレスは、『蒼炎』では物理攻撃扱いだが、『暁』においては無属性魔法攻撃(要は術符の強化版)扱いになっている。なお、『蒼炎』27章後半では漆黒の騎士を倒せなかった場合、イナを救うため彼と共に城の崩壊に巻き込まれ生死不明になってしまう。漆黒の騎士を倒せた場合は以後自軍ユニットとして参戦する(倒せなかった場合のイナと二択)。イナに比べ初期値が高く、即戦力になる。彼は参戦時期の関係で『蒼炎』では支援を結べず、『暁』でもレベルCまでしか結べない。
ゴート
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは竜鱗族/赤鱗(ドラゴントライブ/レッド)。属性は
国王デギンハンザーに仕える赤鱗の大男。クルトナーガの目付け役。『蒼炎』ではクルトナーガとともに登場するが、出番は少ない。デギンハンザーには忠実で、彼の命には一切逆らわない。『暁』ではデギンハンザーやナーシルと共に「導きの塔」の守護者として立ち塞がる。その戦闘で倒されていなかった場合は、ナーシルと共にアイク達に同行する。
化身後の重量、体格が全味方ユニット中最大であるため、他のラグズユニットを救出することもできる。加入時期の関係上起用されることは少ないが、純粋な攻撃力は歴代のファイアーエムブレムシリーズの味方ユニット中でも屈指の威力を誇っている。また、ナーシル同様参戦時期の関係で支援がレベルCまでしか結べない。
(※)イナ
ラグズ。『蒼炎』および『暁』に登場。クラスは竜鱗族/赤鱗(ドラゴントライブ/レッド)。属性は
ナーシルの孫娘。赤竜と白竜の混血。赤竜ではあるが、化身後の姿はピンクのような色になる。失踪した許婚ラジャイオンを捜すために国を出たが、「なりそこない」となったラジャイオンがアシュナードの騎竜になっていたことを知り、彼の側に居たいがためにデイン国王に従っていた。冷静沈着で分析眼に優れ、軍師としての才も持つ。『蒼炎』では初めはプラハの下で軍師として仕えており、その後デイン王都では指揮官としてアイク達クリミア軍に立ちはだかった。その後ナーシルに手引きによって逃亡、後に捕縛され漆黒の騎士に始末されようとしたところをアイクに救われる。敵の情報を正確に伝えるため、時に味方の士気を下げるような報告も平然とした顔で行う件についてライに突っ込まれている。
『蒼炎』で彼女が自軍ユニットになるのは、漆黒の騎士を撃破未遂(あるいは逃亡)に終わったときのみであった(ナーシルと二択)。
『暁』では、自身でも知らずに許婚の子を宿していることが判明。妊娠した状態のまま最後の戦いに同行していた。後日談で無事出産し、子には「ラジャイオン」と亡き夫と同じ名前を名付けた。

幻の王国ハタリ[編集]

デイン王国外れの「死の砂漠」と呼ばれる砂漠の東向こうにあり、800年の間、大陸側の誰からも知られず、ハタリの者も砂漠の向こうに国があることを知らなかった。

また、公用語は古代語であり、「テリウス共通語」(所謂現代語)を話すようになったのは23年前にラフィエルによって現代語がもたらされてからである。

狼の獣牙族とベオク、そしてわずかながらもその混血(「印付き」)が助け合って暮らす王国。

ニケ
ラグズ。『暁』に登場。クラスは狼女王(クイーンウルフ)。属性は
ハタリの女王。女王の名に恥じぬ他者に媚びない強い気性とそれに見合った実力を兼ね備えている。危険を冒して砂漠を越え、約800年ぶりに他国の者達にまみえる。
デインにおけるラグズへの偏見を知っても過敏にならず、それどころか部下のオルグを他者にラグズとばれぬよう半化身状態を維持させたままでミカヤの護衛として残す際に、「犬として扱うといい」とミカヤに告げる[3] など、ラグズとベオクが共存する国の王ならではの余裕も感じさせるほど、外交については柔軟で友好的な考えを持っている。その一方で、皇帝軍とデイン軍の互いに望まぬ戦の際ですら(両者の事情を知っていながら)あくまで戦いを楽しもうとするなど、好戦的な面も持ち合わせている。
23年前、ラフィエルが砂漠で倒れているところを発見し、救出。それ以来ラフィエルを伴侶と認め、常に行動を共にする。
かなり美意識が高いらしく、ラフィエルが「ティバーンのようになりたい」という意向を示した時には、「やめてくれ。私の美意識が許さない。」と拒否した。
後日談ではラフィエル、オルグと共に祖国へ帰還する。いずれ国ごと大陸側への移住を試みるという。
第一部で早くも参戦するが事実上無敵であり、化身を解いた状態ですら敵将を反撃で返り討ちにできるほど。第四部でも他の王族と比べても全く引けをとらない。専用スキル「邪眼」を持ち(眼帯らしきものを片目につけていて、この下に邪眼があると推察される。)命中は高くはないが敵を石化(全行動不可状態)させることができる。
ラグズ王族だが、彼女には専用の戦闘BGMがない[4]
オルグ
ラグズ。『暁』に登場。クラスは獣牙族/狼(ビーストトライブ/ウルフ)。属性は
ニケにつき従うハタリの獣牙戦士。寡黙、無口を通り越して無言が多い。半化身前、化身前はかなりの美形。普段は無愛想だが、これは現代語を話せず、また完全に理解しきれていないために他人との交流に消極的であることが原因。
作中では、ハタリでの公用語(古代語)を話すニケや、心の声を聴くことができるミカヤとは話すこともある。第4部では、彼なりに他人との交流や対話に対して努力している様子が見られる。
後日談では女王と共にハタリへと帰るが、このときにもなぜか彼は狼の姿のままだった(本人曰く「楽だから」)。
第1部では常にラグズ限定スキルの「半化身」状態であり(これはラグズである彼が反ラグズの気風の強いデイン軍に混じるのにも都合がいいため)、化身はできず半化身を解くこともできない。第3部から半化身のスキルを外せる。

脚注[編集]

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  1. ^ だが『蒼炎』では、オリヴァーに依頼され彼の私財を奪い盗ることもしている。
  2. ^ 暁の女神ゲーム内『書庫』の用語集の人物の項より。
  3. ^ 大事な部下を預かることもオルグを犬呼ばわりすることにもミカヤはひどく恐縮していたが、護衛の申し出自体は断りきることはできなかった。
  4. ^ なお、ほかのラグズ王4人の戦闘BGMは、蒼炎(カイネギスとデギンハンザーは『暁』でも)のイベントで使われたそれぞれのテーマ曲のアレンジバージョンとなっている。

関連項目[編集]