ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣 (漫画)

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ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣
ジャンル ファンタジー
漫画
原作・原案など 任天堂
インテリジェントシステムズ
作画 箱田真紀
出版社 エニックス
掲載誌 月刊Gファンタジー
レーベル Gファンタジーコミックス
発表号 1993年4月号 - 1999年2月号
巻数 全12巻
ドラマCD
脚本 (1巻)小山眞弓
(2・3巻)秘田凉
(4巻)石塚智子
演出 藤野貞義
発売元 エニックス
レーベル GファンタジーコミックCDコレクション
発表期間 1994年11月18日 - 1998年10月27日
枚数 全4巻
テンプレート - ノート

ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』(ファイアーエムブレム あんこくりゅうとひかりのつるぎ)はエニックス(現スクウェア・エニックス)『月刊Gファンタジー』(創刊時は『月刊ガンガンファンタジー』)において1993年4月号から1999年2月号まで連載されていた、箱田真紀漫画作品。また、それを原作としたドラマCD。全12巻。

概要[編集]

任天堂から発売された同タイトルの『ゲームソフト』の漫画化作品で、ゲーム中の暗黒戦争編のゲーム開始前からアリティア奪還までを描いている。作者の箱田独自の物語への解釈やオリジナルキャラクターも登場した。同作のコミカライズ作品は他にも存在する為、本作は作者の名字を取って「箱田版」と呼ばれる事も多い。

あらすじ[編集]

英雄アンリがドルーア帝国の暗黒竜メディウスを倒し、マムクート族に支配されたアカネイア大陸を解放に導いてから100年。邪悪な魔道士ガーネフの手によってメディウスは復活し、各国の監視下に置かれていた筈のドルーア帝国は、瞬く間にグルニア、マケドニアと同盟を結び、再び大陸に覇権を打ちたてようとしていた。その侵攻を食い止めるべく、アンリの血を引くアリティア王コーネリアスはかつてアンリがメディウスを倒した時に使った神剣ファルシオンを手に、王太子マルスを連れて出陣に向かう。だが……。

登場人物[編集]

声優はドラマCD版のキャスト[1]

マルス
声:中原茂 / 佐久間レイ(少年時代)
本作の主人公。アリティア国第一王子。100年前に暗黒竜メディウスを倒した英雄アンリの血を引く子孫であり、国王コーネリアスの息子で、厳格な父王に似合わない繊細で心優しき性格の持ち主。武芸に秀でていた訳でもなく、城の庭で鳥と戯れるような少年だが、人々の人望は厚い。初陣時に同盟国グラの裏切りで父王・コーネリアスを暗黒司祭・ガーネフにより殺され、更に姉エリスは拉致され、城を落とされてしまう。その時に力のない自分を恥じ、いつの日かアリティアと姉エリスを奪還してメディウスを倒す為に、戦いの道を行くと決意する。その後、生き延びたアリティア宮廷騎士団(テンプルナイツ)の面々と共に辺境の島国タリスに身を寄せ、ドルーア軍の動向に目を配りながら反撃の機会を伺う。
2年後、16歳になったマルスは、ドルーアに恩を売る為にタリスを襲ってきたガルダの海賊を鎮圧したのを機に同盟軍を結成し、大陸解放の為にドルーア軍に反旗を翻す。良くも悪くも理想主義者で、多くの人望を集める反面、戦争によって命が失われる事を割り切れず、葛藤を背負い込みがちにもなる。その為か、敵味方双方の被害を最小限に留める為、敵の中核を叩いて戦闘を終結させる短期決戦を好んで採る。しかし、自らが囮になる、敵の同士討ちを誘うなどの撹乱の奇策を持ち出す大胆な一面も持ち、アリティアの天候については城の風水師より詳しい。一人称がゲーム中の「僕」とは違い「私」になっている。なお、連載が5年弱に及んだため、概ね1-2巻、3-6巻、4-10巻、11-12巻で、若干キャラデザインに違いがある。
シーダ
声:佐久間レイ
タリス国の王女。民からの人気も高い。自国に落ち延びてきたマルスに幼いころから好意を抱いており、兄と妹のような関係。
タリスから海賊を一掃した後、出立したマルスを単身追いかけるなど、見かけによらない大胆な行動も多い。彼へそれとなく好意を伝える場面も多いが、マルスが奥手な為かなかなか仲は進展せず、オグマなどにからかわれていたりもする。天馬騎士(ペガサスナイト)で、その機動力を生かした伝令役などを担う事が多い。ゲームではよく敵ユニットを味方に勧誘したりするが、その役目は本作ではマルスの場合が多い。
ジェイガン
声:沢木郁也
アリティア国の将軍。パラディン。コーネリアス王に仕える忠臣で彼からの信頼も厚く、アリティア軍が壊滅的な打撃を受けた時には無理な進軍をしようとするコーネリアスを諌めるなど、冷静な歴戦の勇士。アリティア陥落でマルスと共にタリスに逃げ延び、アリティア宮廷騎士団(テンプルナイツ)の隊長を務める。
カイン
声:高木渉(1巻) / 小野坂昌也(2巻以降)
アリティア陥落でマルスと共にタリスに逃げ延びたアリティア宮廷騎士団(テンプルナイツ)の若き騎士で、“猛牛”というありがたいようなそうでないような異名を持つ。戦いぶりは勇猛だが少々荒削り。性格は明るく物腰柔らかいが内には強い情熱を秘めている。アベルとはしばしば張り合う好敵手であり親友だが、よく手玉に取られている場面が多い。口癖は「なにおう」。アベルの死(正確には戦線離脱)を機に深慮する場面が多く見受けられ、後に大規模編成となった同盟軍に渦巻く不満や災いの元を自ら囮として引き寄せ、クラウスと対峙する。
アベル
声:関俊彦
アリティア陥落でマルスと共にタリスに逃げ延びたアリティア宮廷騎士団(テンプルナイツ)の若き騎士で、“黒豹”の異名を持つ。騎士団入団時から極めて高い実力の持ち主で、身の回りの物は上質なものを選ぶ事が多く、他人に触らせようとしない洒落者。クールでプライドも高く、周囲にはいけ好かない人物と思われる事もあった。だが、マルスへの忠誠心は誰よりも強い。本編ではマルスを救うために瀕死の重傷を負い、一時戦線を離脱。後に復帰するものの、重要人物での初の戦死者か?と高い注目を集めた。
ゴードン
アリティア陥落でマルスと共にタリスに逃げ延びたアリティア宮廷騎士団(テンプルナイツ)の弓兵(アーチャー)。コツコツと力を伸ばす真面目な性格。ディール要塞でのマリア奪還作戦では手強い弓騎士(スナイパー)を撃破するなどの活躍を見せる。尊敬する人物はジョルジュ。
ドーガ
アリティア陥落でマルスと共にタリスに逃げ延びたアリティア宮廷騎士団(テンプルナイツ)のアーマーナイト。騎士団の壁として活躍。アカネイア解放時にノルダの警護にかり出された事に愚痴ったかと思えば、町民の祝杯に参加するなど、人間味溢れる人物だが、作戦の遂行をしないカインに激昂するなどの熱い一面も見せる。
オグマ
声:若本規夫
タリス王国の傭兵隊長。主君に仕えることなく傭兵としていくつもの国を渡り歩いてきた名うての剣闘士。タリスでの傭兵生活を終えて早くも引退しようとしていたが、タリスで海賊を一掃した後は、マルスとそれに仕える宮廷騎士団(テンプルナイツ)の心意気に打たれ、同盟軍に参加。タリスに落ち延びてきたマルスの剣の師であり、彼が身分を隠して接してきたせいか、マルスとは気兼ねなく話し合える兄貴分のような関係。
ナバール
声:子安武人
悪魔の山(デビルマウンテン)を根城にする山賊サムシアンに雇われた傭兵。長髪の美男子で、血で染めたような赤い剣を手にし、その剣筋は美しくも恐ろしく、敵を紙切れのように斬り捨ててゆく様は「死神」とも形容される。最初は敵として登場するが、レナを逃がした事により、山賊に命を狙われ同盟軍に加担。後にマルスの説得により、同盟軍に同行する。オグマとは因縁めいた好敵手の関係で、かつて辺境の国の小さな殲滅戦で対峙。彼一人の活躍で反乱軍の首謀者が逃亡するなどの強い実力を誇る。その時のオリジナルエピソード「若き死神の肖像」によると、彼は戦災孤児として周囲の子供にからかわれて喧嘩をしては、育ての親である教会の牧師を困らせていた。しかしその村は野盗に襲われ牧師は彼を庇って死亡。逆上した幼き彼は一人で野盗の群れを倒し、以来生きる目的も仕える主君も見出せぬまま傭兵として渡り歩いてきたという過去が判明する。
ジュリアン
声:太田真一郎
盗賊。悪魔の山(デビルマウンテン)を根城にしていた山賊サムシアンの一人だが、レナに惚れ、助けようとして賊を抜け出す。結局はレナのワープの魔法によって助けられ、気を失っていた所を介抱してくれたシーダと一緒にマルス率いる同盟軍に合流。レナ救出を果たすと、そのまま同盟軍に参加し、諜報・隠密活動などに従事。オレルアン解放戦では同盟軍の手引きに、ディール要塞攻略ではマリア救出にと活躍。かなりのお調子者で、つまらない駄洒落を披露してはカインらにどつかれる場面が多い。
レナ
声:岡村明美
マケドニア王国の貴族の娘で、シスター。サムシアンに囚われて売られる寸前だった所をジュリアンによって助けられ、彼と共に同盟軍に参加。
王族や盗賊を嫌っていたが、大陸解放の為の痛みと捉え、戦士達の傷を癒し続ける(主な常連看護者はカインらしい)。
マチス
声:田中秀幸
レナの兄で、マケドニア軍の騎士としてオレルアンに赴いている所をレナと再会する。彼女曰く頑固者との事だが、同盟軍の動きをただ一人察知したかと思えば、すぐさま同盟軍に加わったりと気まぐれで変わり者な一面もある。
彼のビジュアルはSFC版のゲームとは似ても似つかない美形であったが、これはSFC版発売前に彼が描かれた事によって生まれた齟齬で、ビジュアルこそ変わらないものの、初代軍師から輸送隊隊長、と扱いは地味にSFC版のイメージに沿っている模様。
マリク
声:佐々木望 / 岡村明美(少年時代)
カダインでウェンデル司祭に師事する魔道士。アリティアの出身でマルスの親友。魔道の力は未熟ながら、マルスの挙兵を知って試練の末に精霊シルフィと契約を交わして超魔法「風の聖剣・エクスカリバー」を習得。師の殺害を企てていた魔道士マナーリを撃破し、オレルアンでの戦いに合流する。後に加わるライバルのような魔道士リンダにはその実力で水を開けられる状態だったが、リンダが単身ガーネフに戦いを挑んだ際には後を追って彼女を庇う。
リュート
声:置鮎龍太郎
マリクの親友という設定で、ファイアーエムブレム外伝から登場した魔道士。
カダインで修行を積むが、故郷のバレンシア大陸で戦争が始まった為、超魔法を得ぬまま帰郷する。
ウェンデル
声:峰恵研
カダインの老司祭でマリクの魔法の師匠。強力な魔力を持つが、無類のお茶好きで暇さえあればお茶を飲んでいる。魔法がなかなか上達しないマリクにエクスカリバーを授け、ワープの杖で彼をマルスの元へ送った後で、漫画ではゲーム同様にオレルアンにて、リカードと共にある部屋に留置されていたところをジュリアンとカインに助けられて仲間になる。聖水やマジックシールドを大量に持っていた。
ハーディン
声:堀秀行
オレルアンの王弟で、“草原の狼”の異名を誇る歴戦の勇士。マケドニア軍に占領中のオレルアン城から離れた別城で、アカネイア王女のニーナを匿いながら戦い続けていた所へ、マルス率いる同盟軍と合流し、オレルアン奪還を果たす。以降も同盟軍に参加してマルスに助言を与える。
リカード
声:伊倉一恵
ジュリアンの子分で、オレルアン城に金品目当てで忍び込んだはいいものの、脱出できずにいたというマヌケな盗賊。性格・外見共に子供で、およそ戦力にはならないがムードメーカーにはなっているらしい。しかし彼のドジによりリンダが発見されるなどの怪我の功名も。
ジュリアン同様つまらない駄洒落を披露し、自らの悲哀を妙に流暢な比喩表現で表したり、語尾に「〜っす」と付けるのが口癖。作者曰く、これは当時の担当編集者の口癖が自然と移ってしまっていたものらしい。
ロシェ
声:岩永哲哉
ハーディンに仕えるオレルアンの騎士。アカネイア攻略戦でショーゼンにより重傷を負うが、レナの介抱によって何とか命を取り留める。以降は彼女に好意を抱いたのか花を贈るなどのアプローチを繰り返し、ジュリアンからしばしば嫌がらせを受ける。
ミネルバ
声:榊原良子
マケドニア王国の第一王女で、白騎士団の隊長。「赤い竜騎士」の異名で大陸中にその名を轟かせる。立場上ドルーアに加担していたが、反撃の機会を窺っており、人質となっていた妹であるマリアが解放されてからは同盟軍に参加し、マルスに身を捧げる。気高くも妹やマルスには優しい性格だが、沈着冷静で敵に対しては容赦しない。その性格故か、傲慢で非情な一面も見られる。
マリア
マケドニア王国の第二王女でシスター。マケドニアのドルーアとの同盟の証にその身を捧げられ、ディール要塞に幽閉されている。少々ませた所があり、マルスに「恋人はいるか?」と聞いてきたりする人懐こい幼い少女だが、シスターとしての実力は中々。また、他人に訪れる死の波動を察知する特殊な力もある模様。リカードより年下らしいが、年少の者同士で張り合う可愛らしい姿が見られる。
ミシェイル
声:速水奨
マケドニア王国の現国王で竜騎士。ミネルバ、マリアの兄でありながら、幼いマリアをドルーアに同盟の証に捧げるといった冷酷な性格で、先代の国王である父を暗殺して王位に付いたと言う噂もある。また、マムクート族を憎んでおり、パレスでアベルとの戦いの末になんとか逃げ出したショーゼンに止めを刺し、その際にガトーの魔法で助けられたアベルを拾い、マケドニア騎士として短い間だったが使用した。
パオラ
声:冬馬由美[2]
マケドニア白騎士団ペガサスナイツ三姉妹の長女。おっとりしているが、責任感は強い。ミネルバの同盟軍参加を知ってカチュアと共に同じく同盟軍に赴こうとするが、気懸かりになる事があるといってグラ城に向かい、クラウスに襲われているミネルバを救出した後、同盟軍に参加する。
カチュア
声:矢島晶子
マケドニア白騎士団ペガサスナイツ三姉妹の次女。三姉妹一番のしっかり者。ワーレンからの撤退戦でジュリアンとリカードにグルニア軍の情報を流す。その後、マルス達にミネルバと自分達の現状を伝え、マリア救出を依頼し、マリア解放後は同盟軍に参加。三姉妹の合体技「トライアングルアタック」はファンも多かったらしいが、本人は少し恥ずかしいらしい。
エスト
声:西村ちなみ
マケドニア白騎士団ペガサスナイツ三姉妹の三女。軍人とはとても思えないほど明るく軽い性格で、作戦中にも関わらずかっこいい男(=アベル)を見つけて喜ぶなど、その言動は現代の女子高生そのもの。同盟軍参加の前に「アイオテの盾」を持ち出そうとマケドニア城に忍び込もうとするも失敗。ミシェイルにすら半ば呆れられるが、アベルの手助けで脱出し、代わりにグルニア軍から奪取した「メリクルソード」を渡す。
バヌトゥ
声:龍田直樹
伝説の竜人種族、マムクート族・火竜族の老人。チキという神竜族(ナーガ族)の少女を探していた途中、変身の為の火竜石を無くし、リカードの夕食を横取りしたときにジュリアンに引っ立てられ、マルスをアンリの子孫と知って仲間に加わる。ナバールのことを気に入っており、レフカンディでの戦いでリカードがオレルアンでくすねた火竜石を使い、竜になって増援部隊を一人で片付けたが、それ以降は変身していなく、食べる量は恐竜並みらしい。
リンダ
声:雪乃五月[3]
アカネイアの司祭ミロアの娘。「光の超魔法・オーラ」を唯一扱うことができる女魔道士。男装してノルダの奴隷商人に捕まっていた所、一緒に囚われたリカード、マリクからニーナも同行している同盟軍がアカネイア解放を目前にしていると知り、彼らと共に脱出して同盟軍に参加。
性格は明るく気が強いが、内には父の死に何もできなかった自分への悔恨の念と敵であるガーネフへの強い復讐心を持ち続けており、同盟軍がカダインに赴いた時には父の敵ガーネフを討とうと単身向かうが失敗し、マリクに助けられる。
魔道の才能は優秀だが、料理の才能はからっきしの模様。
ジョルジュ
アカネイアが誇る弓騎士(スナイパー)。ドルーア占領下のアカネイアパレスで捕虜になっていたが脱出し、ノルダに潜んでいた所を、同盟軍と合流。性格はクールだが少々キザ。「弓兵は最後まで戦場に残り、味方の退却を助けねばならない」という戦術論を唱えた事があるらしい。
カミュ
声:井上和彦
アカネイアに名だたる名将軍。グルニアの黒騎士団を率い、黒騎士・ブラックナイトと称される。武術に優れていることはもちろん、知略にも長け、マルスの初陣時にアリティア軍を滅ぼしたのはカミュの立案によるものである。カミュ自身はドルーア帝国との同盟を快くは思っていないものの、祖国を裏切ることは出来ずアカネイアを攻める指揮を執る。しかし、カミュはアカネイア侵攻の折、王女ニーナを故意に逃がし、失脚。同盟軍がグラを訪れた時に、敵に襲撃されていたマルスを助け、ニーナ王女のことを守ってやってほしいと告げて去って行く。性格は騎士道精神に厚く、騎士団での人望も高い。思慮深いシーンが多く、恋と祖国との間に揺れる。
マナーリ
声:小林優子
ガーネフの命により司祭ウェンデルの勧誘に訪れた女魔道士。拒否された際には彼を抹殺するようにも指令を受けていた。マリクのエクスカリバーに敗れる。漫画オリジナルキャラクターで、作者が高校時代に描いていたものらしい。
ローエン
漫画オリジナルキャラクター。グルニア黒騎士団の副将軍。ワーレンで黒騎士団を率いて同盟軍を攻めていた。カミュに接見して来たニーナと応対した際、カミュが彼女を逃がした事の意志を理解できないとしながらも尊重し、同盟軍に返すなど、彼と同様騎士道精神を重んじる性格。ワーレンでの失敗によって彼もまたカミュ同様左遷される。
ガーネフ
声:稲葉実
カダインの最高司祭で、受けた者のあらゆる攻撃を封じ、死に至らしめる「最高位黒魔法・マフー」の使い手。メディウスを復活させドルーアと手を組む。マルスの父王・コーネリアス、リンダの父・ミロアを殺した張本人。
メディウス
かつてアリティアの英雄アンリが打ち倒した暗黒竜と呼ばれるマムクートの親玉。ガーネフと手を組み、新生ドルーア帝国を築き、アカネイア大陸の制覇を目論む。
クラウス
声:石田彰
漫画オリジナルキャラクター。ガーネフの弟子に当たる魔道士。見かけは少年だが、強大な魔力の持ち主で、「悪魔」とも称される。同盟軍に潜伏したり、人心を操る術を使っての奇襲や、新兵を魔法で消滅させるなど、マルスを物理的にも心理的にも追い詰める。敵味方問わず命を屠る事に悦びを感じる、ドルーアでさえ制御不能な危険な人物。

各国[編集]

アリティア王国
解放戦争の英雄アンリが建国した国家。元々は湿地帯であったらしく、そこを切り開いてつくられた。温暖な気候で自然美しい平和な国だが、同時に強力な騎士団も抱える。ドルーアが再興されアカネイア王国に侵攻したときには、コーネリアス王が出陣しアカネイア救援に向かうが、同盟国グラの裏切りにより滅亡。マルス王子等少数がタリスへ逃れる。
アカネイア王国
アカネイア暦元年、アドラ一世が建国。アカネイア聖王国といわれ、宗主国的存在。ペラティやワーレンなども傘下に治め、最大の版図・国力を持った大国であった。しかしドルーア帝国が再興され、その侵攻に必死に防戦するも滅亡。ニーナ王女のみを残し王家は滅び去った。
オレルアン王国
アカネイア大陸北方に位置する北の大国。やや寒冷な気候で、朝はかなり冷える。騎馬民族の国家で、広い草原が広がる。「草原の狼」ハーディン率いる狼騎士団で有名。ドルーア帝国再興された際はアカネイア側につくが、マケドニア軍の侵攻に劣勢を極める。ニーナ王女を匿い、王弟ハーディンが最後まで抵抗を続けた。
グルニア王国
解放戦争の英雄オードウィン将軍の興した王国。質実剛健の気風で知られる騎士の国。強力な騎士団を有し、特にカミュ将軍率いる黒騎士団は大陸最強の精鋭と名高い。七王国でも1、2を争う強国であったが、国王ルイは病弱であり、ドルーア帝国との同盟を受け入れてしまう。
マケドニア王国
解放戦争の英雄アイオテが、ドルーア南部の山岳・密林地帯に建国。飛竜やペガサスを多く産し、文化・軍事に取り入れられている。ドルーア帝国が再興されると、野心に燃える王子ミシェイルは国王を暗殺し、ドルーアと同盟を結んでしまう。竜騎士団の強さは広く知られており、白騎士団も有名。
グラ王国
アリティア王国より分裂してできた国家で、アリティアとは姉妹国にあたる。国土は狭く国力は小さめだが、平和な国でアリティアとも友好な関係を築いてきた。しかしドルーア帝国の侵攻の際、国王ジオルはアリティアを裏切り背後から急襲、滅亡させる。マルス達同盟軍にとっては因縁の地である。魔道士クラウスが禁忌呪文を使ったのもこの地。
タリス王国
東の海洋に浮かぶ島国。シーダの父王モスティンが諸部族をまとめて建国。亡国のマルス達を匿った。マルス達の始まりの地でもある。
カダイン
大賢者ガトーが興したとされる魔道の聖域。マリクが魔道を修行したのもここ。砂漠のただなかにある。ドルーア帝国再興のおり、大司祭ミロアをガーネフが殺害し、ドルーアと組する。そのガーネフとミロアの娘リンダがここの大聖堂で戦う場面や、マルスがガトーから助言を受ける場面がある。
ドルーア帝国
100年ぶりに復活したメディウスが再興したマムクートの国。グルニアとマケドニアを併合し、アカネイアに侵攻する。

書誌情報[編集]

ドラマCD[編集]

1994年11月から1998年10月までエニックスより「GファンタジーコミックCDコレクション」(書籍扱いのためISBNコード添付)として全4巻が発売された。キャスティングは箱田の意見が反映されており、特にナバール役の子安武人は「はまり役」と好評であった。子安は後に発売されるOVAラジオドラマ角川書店刊の佐野真砂輝&わたなべ京版が原作)でもナバールを演じている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 「Vol.1 約束の土地へ」「Vol.2 炎の紋章」「Vol.3 風の軌跡」「Vol.4 魔道の聖域」のキャストより。
  2. ^ 冬馬由美のオフィシャルウェブサイト Works CDドラマ
  3. ^ ゆきのさつき公式プロフィール:ドラマCDと『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣Vol.4 魔道の聖域』のキャストと一致。
  4. ^ 徳間書店「ファイアーエムブレム0公式ガイド」P76、83、120。
  5. ^ 徳間書店「ファイアーエムブレム0公式ガイドIV」P54、55、60。
  6. ^ Nintendo DREAM 2015年9月号、P32、33「特集ファイアーエムブレム 時をかける商人 アンナ役 世戸さおりさんが語る愛と勇気のFE25周年」より。