シニヨン

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後頭部のお団子型のシニヨン

シニヨンフランス語: chignonシニョンとも)とは、束ねた髪をサイドや後頭部でまとめたヘアスタイルのことである。簡単に言えば、ポニーテールを丸くまとめたものである。

その形状から「お団子(頭)」と呼ばれる事もある。しかし、ただ丸くまとめるだけではなく、その時代や好みの形で自在に変化しており、多くのバリエーションがある。バレリーナがよくこの髪型をしており、長い髪をまとめあげるスタイルのため、髪の毛がドレスネックレスにかかることが無い。そのため、衣服アクセサリーの美しさを際立たせるのに適している髪型と言える。また、スケート選手にもこのヘアスタイルをしている人が増えている。シニヨンは作る位置や大きさによって印象が強く変わる。下の方にシニヨンを作るとエレガントな雰囲気になり、上の方に作ると若い印象をもたれる。

シニヨンのつくり方[編集]

シニヨンを作るときには、ある程度長い髪が必要で、足りない場合はウィッグ(かつら)を使うこともある。まず、シニヨンを作る位置でゴムやピンを使ってポニーテールにする。そのポニーテールの束を団子状に巻き込み丸めて、シニヨンピンなどで止める。しっかりと固定する時には、シニヨンキャップ(シニヨンカバー)やヘアワックスを使う。服にあわせて、できたシニヨンに装飾品をつけることもある。現在では、頭部の上の方にこの髪型をつくるのが増えてきている。作り方として、まず髪の毛をゴム紐で、まとめてから残りのゴムでシニヨンの元(付け根に近い髪の毛をまげて丸い形を作る)を作り、そこに余った髪の毛を巻き付けていくというものである。

歴史[編集]

シニヨンは、17世紀にはすでに存在しており、当時は後頭部で丸くまとめてピンでとめる簡単なものであった。18世紀ではシニヨンを大きくしてボリュームを持たせたものが多くなり、この頃のフランスではあまり上の方に作られていない。19世紀になると、高い位置で作ったシニヨンを広げるスタイルも見られるようになる。1920年代にはポピュラーな髪型となっていて、いくつかのバリエーションをみせている。しかし20世紀中頃にはスポーツが一般的になるにつれ、髪をショートにする女性が増えたため長い髪が必要なシニヨンの数は以前よりも減っていった。1960年代後半から1970年代初頭には、エトワーディアンスタイル(胸を強調し、ウエストを絞って、ふわっと広がったスカートのドレス)の流行によって、それに似合うヘアスタイルという形で再びシニヨンも脚光を浴びた。ファッションショーでは衣装を目立たせるために、髪が衣装にかからないシニヨンが多用されるようになっていく。また、浴衣和服と合わせることも多い。

現在では、ヘアピースを使ってショートでもできる手軽なものや、シニヨンにリボンなどで飾りつけるという楽しみ方も出てきており、一般的な髪型のひとつになっている。シニヨンを包む布飾りをシニヨンキャップ、根元の周囲に巻き付ける飾りをシュシュ(chouchou)などと呼び、どちらも手軽に装着できるようにゴムを入れたタイプの既製品が販売されている。

チャイナドレスとシニヨン[編集]

中国では、の時代の満洲族の女性の髪形に、両把頭という髪を二つに分けて団子状に巻いたシニヨンの一種が受継がれていた。満州族の女性の正装は、旗袍という現代のチャイナドレスの前身となった民族服であり、「チャイナドレスといえば両把頭の女性」という概念は日本人にとって一種のステレオタイプとも言え、馴染み深いところである。 漫画アニメゲームなど、日本国内の各種サブカルチャー作品などにおいても、中国人もしくは中華系のルーツを持つキャラクターの象徴として、女性キャラクターの髪型にチャイナドレスとあわせてシニヨンが採用されることが多い。

日本のサブカルチャーにおけるシニヨン[編集]

日本のサブカルチャーに登場するシニヨンのキャラクターは、前述のようにチャイナ服をまとった中国系の人物が多いがそうでない例もみられる。髪をシニヨンにして、残りの長髪をツインテールのように垂らすキャラクターとして『美少女戦士セーラームーン』の主人公・月野うさぎがいる。劇中でも他のキャラクターからツインテールではなく「お団子」「お団子頭」とあだ名で呼ばれている。現実的にこの髪型を作ろうとすると相当な長さが必要であり、原作漫画の2巻で一度シニヨンを解いて身長より長い髪の姿が描かれている。

シニヨンの例[編集]

関連項目[編集]