響 (ウイスキー)

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響 ジャパニーズハーモニー
写真左が響 ジャパニーズハーモニー 700ml瓶
(右は響 17年 50ml瓶)
基本情報
種類 ウイスキー
詳細分類 ブレンデッド・ウイスキー
度数 43%
主原料 モルトグレーン
※グレーンウイスキー、モルトウイスキー共に国産品を使用
原産国 日本の旗 日本
製造元 サントリー(二代目)
販売元 サントリー(二代目)
詳細情報
熟成 ノンエイジ
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(ひびき)は、サントリー(二代目、旧・サントリースピリッツ/サントリービール/サントリー酒類〈二代目〉ほか)が製造・販売する純国産ブレンデッド・ウイスキー日本洋酒酒造組合の定めるジャパニーズ・ウイスキーの表示基準に合致した商品[1])。

概要[編集]

1989年にサントリー(現・サントリーホールディングス)から「響17年」が発売開始された[2]。これは同社の創業90周年のために作られただけでなく、国産のブレンデッド・ウイスキーの中では最高峰に位置付けられている[2]ブラームス作曲の「交響曲第1番」の第4楽章をイメージして作られ[2]、長熟モルト原酒30種以上、長熟グレーン原酒数種をブレンドしている[2][注釈 1]

ラベルの「響」の字は荻野丹雪揮毫である[3]

酒齢のある「響12年」「響17年」「響21年」「響30年」の各銘柄と酒齢のない「響ジャパニーズハーモニー」「響ブレンダースチョイス」などがある。酒齢の長いものは700mlで数万円を超える価格で取引されることもある。

受賞歴[編集]

  • 2004年
    • 響21年
      • インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ (ISC) 金賞受賞[4]
    • 響30年
      • ISC トロフィー (最高賞) 受賞[5]
  • 2005年
    • 響17年
      • サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション (SWSC) 金賞受賞[4]
    • 響21年
      • ISC 金賞受賞[4]
  • 2006年
    • 響21年
      • ISC 金賞受賞[4]
    • 響30年
      • ISC トロフィー (最高賞) 受賞[5][4]
  • 2007年
    • 響17年
      • インターナショナル ワイン アンド スピリッツ コンペティション (IWSC) 金賞受賞[4]
    • 響30年
      • ワールド・ウイスキー・アワード (WWA) ワールド・ベスト・ブレンデッドウイスキー受賞[4]
      • IWSC 金賞受賞[4]
      • ISC トロフィー (最高賞) 受賞[5][4]
  • 2008年
    • 響30年
      • ISC 「ウイスキー オブ ザ ワールド」部門最高賞「トロフィー」受賞[4]
      • WWA ワールド・ベスト・ブレンデッドウイスキー受賞[4]
  • 2009年
    • 響17年
      • ISC 金賞受賞[4]
  • 2010年
    • 響12年
      • インターナショナル ワイン アンド スピリッツ コンペティション 金賞受賞[4]
      • インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 金賞受賞[4]
    • 響 21年
      • ワールド・ウイスキー・アワード ブレンデッド部門 最高賞[6][4]
      • インターナショナル ワイン アンド スピリッツ コンペティション 金賞受賞[4]
      • インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 金賞受賞[4]

ラインナップ[編集]

  • 響ジャパニーズハーモニー(略称JH) - ハーモニーシリーズの第3弾。2015年3月10日に発売されたシリーズ初のノンエイジタイプの商品。使用原酒の酒齢は平均10年とされ、今後は「同12年」に替わるエントリー商品となる。このほか、免税店専売の「響ジャパニーズハーモニー マスターズセレクト」も存在する。
  • 響ブレンダーズチョイス(略称BC) - 2018年9月4日に発売されたプレミアム・ノンエイジタイプの商品。ワインカスク熟成原酒が使用されており、ノンエイジでありながら使用原酒の酒齢は平均15年とされている。今後は「同17年」に替わる主力商品となる。ただし国内業務市場専売商品のため一般の酒販ルートには流通せず、それ故に一般消費者は購入できない(ただしオンラインショップを通した場合は購入可能)。
  • 響ブロッサムハーモニー 2021(略称BH'21) - 2021年5月25日に発売予定のノンエイジタイプの商品にして数量限定の贈答専用商品。「響」の主な構成原酒をベースに、ブランド初となる桜樽で後熟させた「桜樽フィニッシュ原酒」をブレンドした[7]
  • 響12年 - 酒齢12年以上のモルト原酒とグレーン原酒数種類に加え梅酒を貯蔵した樽で熟成させた「梅酒樽熟成モルト」や30年超の超長期熟成モルトをブレンド。2015年2月を以って販売終了。
  • 響17年 - ラインナップの中では最初に発売。酒齢17年以上(平均19年)のミズナラ樽を中心に30種類以上のモルトと数種類のグレーンをブレンドして後熟。近年のウイスキーブームの影響で生産数量と実際の需要が見合わなくなり、熟成させた原酒が不足して製造が困難になった理由のため2018年7月末で出荷を終了し、同年9月を以って販売終了となった。
  • 響21年 - 山崎ホワイトオーク・ミズナラ・シェリー樽原酒を中心に酒齢21年以上のモルト・及び酒齢21年以上の知多グレーン数種類を厳選してブレンド。2016年(平成28年)5月26日から5月27日にかけて開催された第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)にて提供された[8]。700ml・43度。
  • 響30年 - 山崎ホワイトオークを中心に酒齢 30年以上のモルト・グレーンを厳選したフラッグシップ商品。年間2000本程度の限定品で、唯一カガミクリスタル製の30面クリスタルボトルに入れられている。価格は12万5千円。
  • 響35年 - インターネット限定販売。人間国宝十四代酒井田柿右衛門が作った器に特別にブレンドした35年以上の原酒をブレンドした特別限定品。価格は100万円と響の中では最高額商品でもあったが、現在は販売終了。
  • 響ディープハーモニー(略称DH) - ハーモニーシリーズの第1弾で、響としては初めてBAR業店向けの限定商品。響17年をベースに赤ワインの空樽で十分に熟成された「白州モルト」原酒に加えてシェリー樽で超長期熟成された「知多グレーン」原酒をブレンドされた商品。前述どおりにBAR業店向けの商品ではあるが、酒屋に在庫があれば個人でも購入が可能だった。
  • 響メロウハーモニー(略称MH) - 2013年11月発売。ハーモニーシリーズの第2弾。限定商品ではあるが「ディープハーモニー」と異なり、導入当初から個人でも購入可能となった。響17年をベースに30年を超える超長期熟成の「山崎モルト原酒」や「知多グレーン原酒」がブレンドされた商品。
  • 響50.5(ごーまるご) - 響17年と同様に酒齢17年以上のモルト・グレーン原酒をブレンド、後熟した後、冷却濾過及び加水をせず、ラベル通りアルコール度数50.5度で樽出し(厳密にはアルコール度数50.0%以上~50.9%未満と表記)された商品。響シリーズでは唯一、24面のデキャンタではなくマッカランのような細長いボトルに詰められた。2009年に生産終了。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 野地秩嘉「サービスの達人たち」(2001-10-10、新潮社) 73ページによれば、使っているモルトは35種。

出典[編集]

  1. ^ 「ジャパニーズウイスキー」の定義 業界団体が作成 - 日本経済新聞 2021年2月16日(2021年3月2日閲覧)
  2. ^ a b c d WHISKY MUSEUM ジャパニーズウイスキー物語 水薫る 第六話 香りの花束の継承”. サントリー. 2010年10月31日閲覧。
  3. ^ 肥土 2010, p. 203.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q サントリーウイスキー コンテスト受賞歴”. サントリーホールディングス. 2010年10月31日閲覧。
  5. ^ a b c 達磨 信 (2006年11月14日). “ウイスキー、おススメのこの一瓶 1回酒質の高い日本のウイスキーを教える”. All About. 2010年10月31日閲覧。
  6. ^ 太田浩信 (2010年6月12日). “日本のウイスキー、世界を席巻 「響21年」「竹鶴21年」最高賞W受賞”. MSN産経ニュース. 2010年10月31日閲覧。
  7. ^ サントリーウイスキー「響 BLOSSOM HARMONY 2021」数量限定新発売 ― ギフトでしか味わえない、特別で華やかな「響」が数量限定で新登場 ― - サントリーホールディングス株式会社 2021年1月8日。
  8. ^ サミットで提供された飲料・軽食”. 外務省 (2016年5月). 2016年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月29日閲覧。

参考文献[編集]

  • 肥土伊知郎『シングルモルト&ウイスキー大事典』ナツメ社、2010年。ISBN 481634831X 

外部リンク[編集]