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ECサイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オンラインショップから転送)

ECサイト(イーシーサイト)とは、自社の商品(広義では他社の商品)やサービスを、インターネット上に置いた独自運営のウェブサイトで商品を通信販売するサイトのことである。いわゆるインターネットショッピングサイト。オンラインストアやネット通販などとも言われる。ECとは英語: electronic commerce(エレクトロニックコマース=電子商取引)の略。

Appleユニクロのオンラインストアなどのように自社でサーバーを借りてウェブサイトを構築・運営している自社ECサイトと、Amazon楽天市場のように複数の企業や個人商店がインターネット上の1か所でショッピングモールのように出店する形態のモール型ECサイトの2種類に大別される(ECモールについては、詳しくは「電子商店街」の項目も参照)[1]

取扱商品・サービス

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他の通信販売同様、多岐にわたる。ウィキペディア上に項目のあるものは以下のとおり。

利点・欠点

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自社ECサイトの利点・欠点を挙げる。多くの販売会社はモール型ECと自社ECの双方で販売を行なっている。

利点

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  • 自社の商品やサービスを売るので、販売元が明確で認知、信頼されやすい。
  • ECモールと比較して、ある程度自由にサービスや商品を提供できる。ウェブデザインブランド戦略などのマーケティング戦略が容易にできる。
  • ECモールサイトの運営会社に支払う手数料が発生しない。そのため自社ECの比率を高めることで、利益率の増加が見込まれる。実店舗やECモールなどをきっかけに認知度を高め、ブランドのファンや会員数を増やすことが鍵となる。また、クーポンの配布や会員ステージなどの導入で、ECモールから自社ECへの誘導を図ることも効果的である。
  • かさばる荷物や重い荷物を自ら持ち運ぶことなく、宅配業者が自宅に届けてくる。

欠点

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  • ウェブサイト構築、維持のための設備投資や手間がかかる。自社ECとモール型ECの両方で販売する場合、在庫の共有や調整などが必要になる。
  • 商品、サービスの種類、集客力の面で電子商店街に劣る。新規の場合はECサイトごとにアカウントの登録や個人情報の入力などの手間が発生する。
  • 他店と価格の比較がしやすいため、価格競争が発生しやすい。
  • 実物の商品を手に取って判断することができないため、実際に商品を買った際に認識と齟齬が生じる場合がある。特に衣服や靴などファッション分野の場合は、サイズ違いが生じたり、ウェブサイトでは分かりにくい微細な部分、実物の色やデザインが気に入らないといった問題が生じることもある。
  • ECサイトがメンテナンスを理由に休業したり、信用調査機関帝国データバンク東京商工リサーチ)によって運営会社が法的整理に入るといった情報が入った場合、運営企業に対して信用調査機関が調査を行うことがある[2]。実際、アーミッシュキャスキッドソンジャパンアクアマリンなどが、ECサイトのメンテナンスを理由に休業した直後に経営破綻している。

ECサイトの構築とシステム選定

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運営ステップ

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EC事業に初めて参入する場合、いきなり多額の投資をして独自のシステムを構築するのではなく、まずは「モール型EC」に出店・出品して運営経験を積むことが推奨される。 プラットフォーム自体に巨大な集客力と信頼性があり、初期の集客ハードルが低いメリットがある一方で、出店料や販売手数料が発生し、モール内での価格競争に巻き込まれやすい。また、顧客データを自社で自由に取得・分析できないため、独自のブランディングやリピーター育成が難しいというデメリットもある。

モールでの運営を通じて、商品の売れ行きや顧客層の傾向、受注から発送までのオペレーションを把握した上で、次のステップとして自社ECサイトの構築へ移行するのが一般的な成長プロセスである。自社ECを立ち上げる際は、事業規模やフェーズ、ターゲット層に合わせた適切なシステム選定が必要となる[3]

ECカートシステムとは

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自社ECサイトを立ち上げる際に不可欠なソフトウェアが「ECカートシステム」である。顧客が「商品を選ぶ → カートに入れる → 購入手続き(情報入力) → 決済する」という一連の処理をWeb上で完結させる役割を持つ[4]。 主に以下のような機能が備わっている。

  • カート機能・決済機能: 商品を保持し、クレジットカード、コンビニ決済、スマホ決済などの多様な決済処理を行う。
  • 受注・商品・顧客管理: 注文データ、在庫の増減、会員登録された顧客情報をデータベース化して一元管理する。
  • 販促管理機能: クーポン発行、ポイント付与、購入履歴に基づいたメルマガ配信などを行う。

ECカートの分類

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ECカートシステムは、費用、構築期間、カスタマイズの自由度に応じて、大きく以下のタイプに分類される[5][6]

  • ASP型(SaaS型): クラウド上のプラットフォームを利用する。BASEやSTORESなど初期・月額無料のものから、ShopifyやMakeShopなど機能が充実したものまで幅広い。保守点検が不要でスモールスタートに最適だが、カスタマイズ性には一定の制限がある。
  • オープンソース型: 無償公開されているソフトウェア(EC-CUBEなど)を利用する。カスタマイズは自由だが、プログラミング技術と自己責任でのセキュリティ対策が必要。
  • パッケージ / クラウド提供型: 標準機能が備わったソフトウェアをベースに独自開発を行う(ecbeingなど)。数百万規模の費用がかかるが、自由度が高く、年商1億円以上を目指す中規模〜大規模事業者に適している。
  • フルスクラッチ型: 既存システムを使わず、ゼロから完全にオリジナルで開発する。制約はないが莫大なコストと期間を要する。
  • ヘッドレスコマース: フロントエンド(画面)とバックエンド(業務処理)を分離し、APIで連携させる最新の開発手法。他のシステムへの影響を限定し、柔軟な拡張が可能。

また、商材に合わせた「特化型カート」も台頭している。定期購入に強い「リピート通販特化型」、海外販売を前提とした「越境ECカート」、掛け売りなど複雑な商習慣に対応する「BtoB向けカート」などがある。

ECサイトの運営実務

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ささげ業務

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システムを構築しても、ECサイトには商品が並ばなければ売上は立たない。実物を見ることができないインターネット通販において、商品の魅力を伝えるための情報制作業務を総称して「ささげ」と呼ぶ[7][8]

  • さ(撮影): 商品の全体像、素材感、使用イメージなどを伝えるための写真撮影。アパレルであればモデル着用画像やディテール画像が購買率を大きく左右する。
  • さ(採寸): 顧客がサイズ感を正確に把握できるよう、ルールに則って寸法を測る作業。サイズ違いによる返品を防ぐために極めて重要。
  • げ(原稿): 商品のスペック、素材、ブランドストーリーを伝えるテキスト(キャッチコピーや商品説明文)の作成。SEO(検索エンジン最適化)の観点でも重要となる。

この「ささげ業務」の質が、サイトのコンバージョン率(購入率)を決定づける。

バックオフィス業務

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ECサイトの裏側を支える業務であり、受注処理、在庫管理、出荷・配送手配などの物流オペレーション全般を指す。特にWMS(倉庫管理システム)や在庫管理システムとの連携が重要となる。複数拠点(関東・関西など)に倉庫がある場合の在庫引き当てや、ECサイト上の正確な納期表示を行うために不可欠であり、売り越し(在庫切れによる販売機会損失やクレーム)を防ぐ役割を果たす[9]

売上構造と販促活動

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ECサイトにおける売り上げ構造

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ECサイトの売上は、一般的に以下の公式で成り立っている。

  • 売上 = 流入(訪問者数) × CVR(購入率) × 客単価 × リピート(購入頻度)

ECサイトを成功させるためには、この4つの要素を因数分解し、それぞれに対して適切な施策(販促活動)を打つことが求められる。

販促活動

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上記の売上構造に基づき、各指標を向上させるための販促活動が行われる。

  • 流入の最大化(新規獲得):
    • 低予算施策:ブログ等を用いたコンテンツマーケティング(SEO)、SNS運用によるブランディング、UGC(ユーザーの口コミ)の活用。
    • 中〜高予算施策:検索意図に連動するリスティング広告、視覚に訴えるディスプレイ・動画広告、詳細なターゲティングが可能なSNS広告、アフィリエイトやインフルエンサーマーケティング。
  • CVR(購入率)の向上:
アパレルなど商品数が多い業態では、サジェスト機能の拡充や、行動履歴に基づくレコメンド機能による「商品との出会い」の最適化が重要になる。また、チャットボットやポップアップなどのWEB接客ツールを用いて、サイト内での疑問解消や注意喚起を行うことも有効である[10]
  • 客単価の向上:
関連商品をおすすめする「クロスセル」や、より上位のモデルを提案する「アップセル」の導線を強化する。
  • リピートの向上(MA・CRM):
集客した顧客データを活用し、MA(マーケティング・オートメーション)ツールを用いてアプローチを自動化する。例えば「商品をカートに入れたまま離脱した顧客(カゴ落ち)」や「閲覧落ち」に対し、シナリオを組んで自動的にメールやLINE、SMSを配信する[11][12]。また、CRM(顧客関係管理)は単なるメルマガ配信ではなく「顧客への配慮をシステム的に支える思考装置」と捉え、仮説と検証を迅速に回してパーソナライズ化を行うことが重要視されている[13][14]

実店舗との連携・統合

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オムニチャネルとは

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実店舗とECサイトを持つ企業において、双方の顧客情報や在庫データ、販売チャネルを連携させ、どのチャネルでも同じように購買できる環境を作る仕組みをオムニチャネルと呼ぶ[15]。これにより、ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取れるなど、オンラインとオフラインを繋ぐ体験が提供される。しかし、オムニチャネルはあくまで独立したシステム(EC、POS、WMSなど)同士をAPI等で繋いでいるに過ぎず、複雑な返品対応やポイント計算などでタイムラグや計算の齟齬が生じる限界が指摘されている[13]

ユニファイドコマースとは

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オムニチャネルの課題を解決し、さらに進化させた概念が「ユニファイドコマース」である。 顧客の購買体験を分断させないため、すべてのチャネル(実店舗、EC、モバイルアプリなど)のデータ(会員管理、在庫、価格決定、決済など)を最初から一つの統合されたプラットフォーム・共通ロジックの下で一元管理するアプローチを指す[16]。データを“連携”するのではなく“統合”することで、ネットでも実店舗でも全く同じ判断基準で顧客へサービスを提供することが可能となり、サービスレベルの最大化と真にシームレスな顧客体験が実現される[13]


関連項目

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脚注

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出典

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  1. ECサイトとは?種類や運営方法、開業のために必要な準備をわかりやすく解説 | ヤマト運輸”. ヤマト運輸株式会社. 2024年6月8日閲覧。
  2. “データを読む 【ドキュメント】名門レナウンの民事再生”. 東京商工リサーチ. (2020年5月15日) 2020年9月1日閲覧。
  3. 代表の小林に聞いたECシステムの選び方 - 株式会社シナブル
  4. ECカートシステムとは? - SBペイメントサービス
  5. 代表の小林に聞いたECシステムの選び方 - 株式会社シナブル
  6. ECカートシステムとは? - SBペイメントサービス
  7. ささげとは?ECサイト運営に欠かせない業務の内容と重要性を解説 - hit-mall
  8. ECフルフィルメント・ささげ業務 - ささげ屋
  9. ECバックオフィス業務とは? - はぴロジ
  10. “自社EC”担当者は活かすデータを間違えないように MAやCRMの初歩的理解 - 145マガジン
  11. “マーケティングオートメーション(MA)” EC特化のシナブルの仕組みは何故やりやすい? - 145マガジン
  12. マーケティングオートメーション “シナリオ”の簡単な作り方 - 145マガジン
  13. 1 2 3 MAでもCRMでもない。「配慮」を設計するという発想──シナブル小林社長の言葉から考える、ECと顧客体験の再構築 - 145マガジン
  14. データを通して自らを知り、アクションは迅速に 仮説と検証がMAツールで一番大事な理由 - 145マガジン
  15. オムニチャネルとは - ecbeing
  16. ユニファイドコマースとは - Stripe