越境EC

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越境EC(えっきょうイーシー)とは、インターネット通販サイトを通じた国際的な電子商取引を指す[1]。ECとは"electronic commerce"(エレクトロニックコマース=電子商取引)の略。クロスボーダートレード(CBT)とも呼ばれることがある。

概要[編集]

越境ECは日本国内のECサイトと同様に、インターネットを使った通信販売を指すが、自国内向け(母国語)のサイトではなく、外国語のサイトを設けたり、海外のECモール(eBay.comAmazon.comShopee、Lazada、T-MALLグローバル、京東、タオバオなど)に出店しながら多言語多通貨での対応を行い、日本から商品を海外に発送する形態を用いるため、越境ECサイトを運営する企業側は、世界各国に直接出店するリスクやコストの軽減につながり、且つ商圏は広くなるため、初期投資額を抑えながら世界進出を狙える。越境ECは通販とはいえ貿易が絡む取引となるため、越境ECコンサルタント(専門家)、または貿易に詳しいアドバイスのできる越境EC専門の会社、ECワンストップサービスを提供する会社に相談・伴走支援を依頼することが一般的となっている。

展望[編集]

2013年の先進国のインターネット利用人口は2005年に比べて1.6倍に過ぎないが、途上国では同じ期間で4.4倍に増えており[2]ECサイトの国際的展開に取り組む企業は増えると予想されている。また、2014 年から2018 年までの間に、日米中3か国相互間の越境EC規模は、日本は約1.4 倍、米国は約1.6 倍、中国は約2.3 倍の規模となり、日米中3か国間における越境EC による購入総額合計は、2018 年までに約4.4 兆円にまで拡大する見込みである[3]

リスク・課題[編集]

販売先の国によっては偽造のクレジットカードが使用されたり、配達業者のミスで商品が破損するリスクがあるがチャージバック保険などで保証されるケースもある。また消費者が関税を支払うことを嫌って実際よりも低い価格を送り状に記入するよう求めてくることもある。

一般的な越境ECの出店方法[編集]

1. 越境EC自社サイト

対象となる国や言語を定めて、自社の越境ECサイトを構築・展開して世界に商品を販売する仕組みです。越境EC専用カートとして多言語多通貨、海外決済に対応しているShopify(ショッピファイ)、Magento(マジェント)、WooCommerce(ウーコマース)などのECプラットフォームを活用してB2C型のオンラインショップ、またはB2B型の見積機能や商談機能を装備したプラットフォームで構築します。

2. 海外ECモール、オンライン展示会への出店

B2C型の場合、越境EC販売が許可されているECモールに開店・出品を行います。例として、中国で展開されている、天猫国際 (T-Mall Global)、京東全球購 (JD Worldwide)、網易考拉海購 (コアラ / Kaora)、淘宝(タオバオ)、欧米で2強といわれる eBay (イーベイ) と Amazon (アマゾン)、東南アジアに強い Shopee (ショッピー)、Lazada (ラザダ)などが有力です。この他にも越境ECに対応していないローカルなECモールへ出店する場合もあります。B2B型の場合、世界最大のB2Bオンライン型展示会機能を持つプラットホーム Alibaba.com (アリババ)に出店するケースが日本では多い状況です。アリババはレベルの高い製造業者、サプライヤー、輸出業者、輸入業者、バイヤー、卸売業者、また製品を提供、紹介・マッチングさせています。

3. 日本倉庫・現地倉庫(保税区)活用型出店

越境ECの発送は、基本的には日本発送が大半ですが、在庫が大量にある場合や中国で本格販売の際には、海外の自社倉庫または保税区モデル(主に中国)を利用します。指定された保税区の倉庫に商品を予め納品しておき、オンラインショップやECモールなどで商品が購入された場合、その倉庫からお客さまに商品を発送する仕組みです。現地倉庫も同様に海外Amazonで利用されるFBAなどがそれにあたり、配送時間が短く、送料も安価にできる方法です。

4. 転送・買取型

日本国内ECモールのヤフオク!、ヤフーショッピング、楽天などに出店したまま、日本国内の転送事業者に商品を買い取ってもらい、海外の購入者に発送代行してもらう方法です。販売する事業者は、日本の代行業者の国内指定倉庫に配送するだけで済みますが、代行販売での利益や高額な配送料、手数料などが上乗となるため、最終価格が日本の販売価格より高く購入者は嫌がるケースも少なくありません。販売者は幾らでお客さまに販売されたのか、どの国のどの方に売れたのか、購入後の感想や要望、レビューなどの情報は、個人情報の譲渡や受渡となるため入手できないことが多く、自立が難しいモデルと言われています。

越境ECは輸出の一形態であり、取引に適用される法律は、ほとんどの場合、消費者が住む国のものによるため、販売先の法律を調べる必要がある[4]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 日本経済新聞(2016年4月6日)朝刊第3面「きょうのことば 越境EC 中国で市場急拡大」
  2. ^ https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1402_01.pdf P3 越境ECの現状と利点より] - 期待される越境ECとそのリスク
  3. ^ P2 日本·米国·中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模より - 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
  4. ^ P14-15 越境ECのリスク - 期待される越境ECとそのリスク

関連項目 [編集]