産業医科大学
産業医科大学 | |
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大学設置 | 1978年 |
創立 | 1977年 |
学校種別 | 私立 |
設置者 | 学校法人産業医科大学 |
本部所在地 | 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1 |
学部 |
医学部 産業保健学部 |
研究科 | 医学研究科 |
ウェブサイト | https://www.uoeh-u.ac.jp/index.html |
産業医科大学(さんぎょういかだいがく、英語: University of Occupational and Environmental Health, Japan)は、福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1に本部を置く日本の私立大学。1977年創立、1978年大学設置。大学の略称は産業医大または産医大。厚生労働省労働基準局が支援する公設民営大学。
概要[編集]
教育基本法及び学校教育法に従い、医学及び看護学その他医療保健技術に関する学問の教育及び研究を行う。特に、労働環境と健康に関する分野におけるこれらの学問の振興と人材の育成に寄与することを目的とする[1][2]。産業保健推進の中心的役割を担う産業医や勤労者医療従事者、産業保健に通じた看護師、保健師、産業保健のマネジメントの専門家、産業医学研究者等産業保健分野の人材育成と産業医学の振興を目指している。こうしたことが労働者の安全・衛生の確保に必要な事業として労働者災害補償保険法に基づく社会復帰促進等事業から補助が行われている。私立大学でありながら、厚生労働省(旧労働省)労働基準局所管の公益財団法人産業医学振興財団の助成を受けており、運営費用の大部分を労働保険特別会計労災勘定からの助成で賄っている。それゆえ「産業医学・産業保健」や「働く人々の健康」が強調されているのがカリキュラムの特徴である[3][4]。
その影響もあり、私立大学としては唯一、国公立大学共通一次試験を入学試験に利用した。共通一次の後継制度である大学入試センター試験も引き続き入学試験に利用し、国公立大学と同じ日程(前期・後期)で入試を実施していたが、2005年度(平成17年度)の入試からは独自日程に移行し、競争倍率が急増した。
九州大学医学部出身の教授が多いが、医学部や産業生態科学研究所では、卒業生の教授の数も増加している。
6年間の学費は3000万円程度だが、学費から国立大学の入学金および授業料に相当する額を除いた額は貸与され、卒業後9~11年間指定された機関で勤務すればその返還が免除される。この費用は産業医学振興財団を介して厚生労働省の産業医学助成費補助金により賄われている。2003年度(平成15年度)以前の入学者は学費の全額が貸与されていたが、補助金の削減などに伴い制度の改変がなされた。さらに、施設費など毎年徴収されるようになり、国立大学の3倍ほどの学費(6年間の実質負担額は約1100万円)が必要となっている。
産業医としての求人が東京、大阪などの大都市圏から多数寄せられるのに対し[5]、入学希望者は地元九州からの志願が多いため、卒業後の産業医就職を促進するために、推薦入試制度に地域推薦枠を設けたり、大都市圏の入学志願者の確保のための広報活動を通して入学者の地域偏在を是正する努力もされてきた[2]。
沿革[編集]
- 1978年 学校法人産業医科大学設立、産業医科大学開設
- 1979年 産業医科大学医療技術短期大学開設
- 1986年 産業生態科学研究所設置
授業料と施設設備費の実質負担額については、2005年度(平成17年度)から変更になった。開学当初より授業料と施設設備費の全額が修学資金貸与額として当てられており、卒業後9~11年間産業医として勤務すれば、その返還が全額免除されていたが、国の予算変更により修学資金貸与額が63%に減額された。実質的な授業料負担額は国立並みとなり、あらたに施設設備費の負担額が発生して私立大学医学部の3分の1程度の負担が生じることとなり、さらに、2006年度(平成18年度)から受験日程が国公立大学の日程から外れた。
基礎データ[編集]
所在地[編集]
教育および研究[編集]
組織[編集]
学部[編集]
- 医学部
- 医学科
- 産業保健学部
- 看護学科 看護学科においても修学資金貸与制度があり、学生納入金の一部を貸与する。卒業後は、返還免除対象職務に一定期間(4年間貸与を受けた場合は4年間)従事すれば、貸与額が返還免除となる。なお、学生納入金の4年間での予定額は、2013年度現在4,342,000円で、修学資金貸与額は916,800円となり、実質負担額は3,425,200円となる。
- 産業衛生科学科(令和2年度新入生より学科名称を「環境マネジメント学科」から変更)[6]
大学院[編集]
- 医学研究科
- 生体適応系
- 環境・産業生態系
- 障害機構系
- 生体情報系
附属施設[編集]
- 産業生態科学研究所
- 産業医実務研修センター
- 産業医学情報教育施設
- 産業医学研究支援施設
- 産業医科大学介護施設「デイサービス・ケアプランセンター 虹の丘」
関連団体[編集]
- 一般財団法人産栄会
- 有限会社産医大サービス
- 産栄会から、病院売店・レストランなど、学外一般も利用する福利厚生施設の運営を行う企業として分離設立された。電子マネーに関する業務も担当
- 株式会社産業医大ソリューションズ 2006年(平成18年)10月創業。産業医科大学の機能を補完する、産業医学・産業保健に関する①教育・研修事業、②コンサルタント事業及び③質の担保された産業医等の職業紹介事業等を行なう大学発のベンチャー企業。http://uoeh-s.com
対外活動[編集]
交通[編集]
- 最寄バス停
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- 産業医科大学病院 - 敷地内設置、北九州市交通局専用
- 産業医科大学病院入口 - 敷地東側道路上に設置
- 乗り入れ事業者と主な行先
その他[編集]
- 学内では、接触型ICカードを利用した専用電子マネーシステムが、産栄会が産医大サービスを分離する前から導入されており、学生・教職員専用電子マネー以外にもテレビカードに採用されていた。しかし後にテレビカードは磁気カード式に移行。そして交通系ICカード全国相互利用サービスの開始を機に、事後研修等で全国からやって来る産業医らや外来患者の便宜を図ることを狙い、2013年3月にJR九州のSUGOCAを導入[20]。それにより旧式の学内専用電子マネーシステムは同月末で廃止されることになった。
- 同大学病院で関節リウマチの治療を行っていた患者のうち、メトトレキサートの投与を受けていた患者10人が、2009年6月から2012年9月にかけて、悪性リンパ腫を発症するなどして死亡した。医療行為としての問題は無いとされたものの、うち5人についてはカルテへの記載が不十分だったとして、診療責任者の同大学医学部教授ら計8人が2013年8月28日付で、9月11日から3か月間の出勤停止処分となった[21]。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ 産業医科大学の理念・目的公式HP
- ^ a b 産業医・産業医科大学のあり方に関する検討会報告書厚生労働省平成19年8月9日発表
- ^ 医学部公式HP
- ^ 産業保健学部公式HP
- ^ 平成 29年6月における卒業生の分布公式HP
- ^ 環境マネジメント学科の学科名称変更のお知らせ公式HP
- ^ 2010年(平成22年)5月21日、北九州市より売却の公募が出されていた北九州市立若松病院の譲渡先に選定され、2011年(平成23年)4月1日、附属病院に移行47NEWS2010年5月21日共同通信
- ^ 産業医科大学|第11回産学連携フェアについて
- ^ 産業医科大学|第11回産学連携フェア参加報告
- ^ 北九州学術研究都市産学連携フェア 新技術説明会 ホームページ
- ^ 北九州学術研究都市 学研都市について 北九州学術研究都市概要
- ^ 北九州学術研究都市 大学・研究機関・企業
- ^ 九州工業大学大学院生命体工学研究科に連携講座ヒューマンメカトロニクスを開設- 安川電機
- ^ 国立大学法人 九州工業大学 大学院 生命体工学研究科 構成
- ^ 4大学スクラム講座を開催しました - 公開講座 - 九州歯科大学
- ^ 4大学スクラム講座 - 産業医科大学
- ^ 4大学スクラム講座 北九州市立大学
- ^ 地域連携による「ものづくり」継承支援人材育成協働プロジェクト 北九州地区大学連携教育研究センター
- ^ 大学間連携ポータル 地域連携による「ものづくり」継承支援人材育成協働プロジェクト
- ^ “SUGOCA電子マネーを使える場所がますます拡大” (プレスリリース), JR九州, (2013年2月26日) 2013年3月2日閲覧。
- ^ カルテ記載漏れで教授ら処分、リウマチ治療で死亡 読売新聞 2013年8月29日
外部リンク[編集]
座標: 北緯33度52分43.8秒 東経130度42分45.7秒 / 北緯33.878833度 東経130.712694度