寺川正興
寺川 正興(てらかわ まさおき、1939年12月17日 - 2005年2月2日)は、日本のジャズ・ベーシスト、スタジオ・ミュージシャンである[1]。
来歴
[編集]東京都小石川の生まれ。東京都立芝商業高等学校を卒業した。17歳頃から金井英人からベースを習った[2]。高校時代はハーモニカバンドのベースを担当した。卒業後サラリーマン生活をしていたが、性に合わずプロミュージシャンに転向した[3]。
澤田駿吾とダブルビーツに入って素質の良さを認められた。その後、宮沢昭、西条孝之介カルテット、八木正生トリオを経てジョージ大塚トリオに入り、1969年度スイングジャーナル人気投票第2位になるなど人気ベーシストとなった。その後石川晶とカウントバッファローズ、LOVE LIVE LIFEなどへの参加と平行してスタジオミュージシャンとして活動した[4]。1968年からスタジオプレイヤーとしてスタートし、歌謡曲をはじめ、アニメ、特撮ソングなどジャンルを問わず多数のレコーディングに参加した。2001年すぎに他界[1]。
人物
[編集]「はっきりとした音程、しっかりしたテクニックを持ち、音楽に大切な歌心がある」とスイングジャーナルは評価した[4]。グリッサンドを多用し、2オクターブは上下する独特のエレベーター奏法が特徴である。多くの作品で演奏した。編曲家の青木望によると、「野球、ゴルフ、マージャン、酒、その他何でもこいの人。おしゃれで、渋くこったものを買う人」だった[5]。
参加作品
[編集]アルバム
[編集]- 寺川正興とニュービート
- Bass Bass Bass ドリフのほんとにほんとにご苦労さん(日本クラウン、1970年、GW-5144)
- Bass Bass Bass 自由の女神(日本クラウン、1970年、GW-5157)
- 寺川正興とニュービート、小山夏樹とニュービート
- Bass Bass Bass 何があなたをそうさせた(日本クラウン、1970年、GW-8067-68)
- 寺川正興・原田政長・石松元
- ベース&ドラムス BASS AND DRUMS(ULP-1005)
演奏者クレジットのあるアルバム
[編集]- 八木正生と彼のグループ
- モダン・ジャズ・ブルー・ムード
- 宮沢昭
- ナウズ・ザ・タイム(1~5のみ)
- 中牟礼貞則
- ギターサンバ
- ジョージ大塚トリオ
- ページ・ワン
- ページ2
- ラスト・サマー~ページ3
- 松本浩とスインギング・ハード
- グルーヴィ・インディード
- 田畑貞一
- GROOVY(田畑貞一とグルーヴィ11)
- スマッシュ・イン・ザ・ロック(田畑貞一とグルーヴィ6)
- ドラムの世界 歌謡ポップスに挑戦 (RCA JRS-7051)
- ドラムの世界 – Vol.2 ワールド・トップ・ヒットに挑戦 (RCA JRS-7052)
- STEREO SOUNDS FROM JAPAN – Vol.1(RCA Victor – LSP 34069 イタリア盤)
- STEREO SOUNDS FROM JAPAN – Vol.2(RCA Victor – LSP 34082 イタリア盤)
- 石松元
- ドラミング・ビート・ポップス/ナオミの夢(ユニオンレコード JSP-1009)
- フリーダム・ユニティ
- ダイナミック・ロック(TP-9509Z)
- 石川晶
- ソウル・セッション(石川晶トリオとR&Bオールスターズ)
- Soul & Rock(カウント・バッファローとジャズ・ロック・バンド)
- アフリカン・ロック・パーティー(カウントバッファローとロック・バンド)
- ELECTRUM(カウントバッファローズ)
- SOULFUL CONGRESS/The Drum Battle(猪俣猛,石川晶,田畑貞一 SONP 50258-L )(連名:寺川正興…A1~A4, B1, B2、荒川康男…A5, B3、鈴木淳…B4)
- Dynamic Big Band Hit Sound
- ドラム・ドラム/石川晶・ジャッキー吉川 夢の競演(ビクター CD4B 5084)
- ゴッド・ファーザー4チャンネル・エキゾチック・サウンド石川晶とカウント・バッファロー
- GET UP!(カウントバッファローズ)
- BACK TO RHYTHM
- TAKE ME TO DISCO(カウントバッファロー)
- EMERGENCY(カウントバッファローズ)
- EMERGENCY2(カウントバッファローズ)
- OKINAWA(カウントバッファロー)
- 木田林松栄、石川晶とカウント・バッファローズ
- 津軽じょんがら節ドラム&津軽三味線
- サミー&ザ・カウント・バッファロー
- ソウル・アンド・ソウル/サミー登場
- 市原宏祐
- デパーチャー/イントロデューシング
- LOVE LIVE LIFE
- デマ Rumour( SOLL-28)
- 直居隆雄
- オー・ハッピー・デイ
- 西村ユリ
- エレクトーン・ファンタスティック(SOLJ-26)
- 川原正美とエキゾティック・サウンズ
- 恍惚 エクスタシー
- 佐藤允彦
- Amalgamation - 恍惚の昭和元禄
- 横田年昭とビート・ジェネレーション
- フルート・アドヴェンチュアー
- エキサイティング・フルート
- 深町純
- ある若者の肖像
- ミッキー吉野
- ミー・アンド・セブンティーズ(2枚組のうち1枚目のみ)
- 水谷公生
- A PATH THROUGH HAZE(武部秀明との連名クレジット)
- 浅川マキ
- クニ河内
- 僕の声が聞こえるかい - クニ河内の世界
- 柳田ヒロ
- HIRO(武部秀明との連名クレジット)
- 弘田三枝子
- MIKO LIVE
- MIKO LIVE at RIVERA~ミコ・ライブ'73
- MIEKO IN PERSON~弘田三枝子リサイタル(2枚組のうち1枚目のみ)
- 田代ユリ
- 魅惑のハモンド・オルガン(TP-7644)
- ダイナミック・ハモンド・オルガン(TP-9526Z)
- 眞帆志ぶき
- 第二回 真帆志ぶきリサイタル 実況録音
- 杉本喜代志
- アワー・タイム
- 猪俣猛オールスターズ
- 恋人たちのフォーク・ロック あの素晴らしい愛をもう一度(ビクター W-7024)
- ザ・ロック インベイダーズ
- 寺内タケシ
- 華麗なる寺内タケシの世界II 愛のテーマ(キング SKA92)(鈴木淳、武部秀明との連名クレジット)
- 大野雄二
- 永遠のヒーロー(「ニューヨークへ」「愛と反逆の青春」「ジェームズ・ディーン組曲」「1955年9月30日」に参加)
- 山口健
- めぐり逢い(自主制作盤PRC30123)
- V.A
- The Sounds Of Carpenters, Simon And Garfunkel(日本クラウン GW-7060Q)
- X’mas Holiday オーケストラとコーラスによるクリスマス名曲アルバム(日本クラウンCD CRCI-20371)
歌謡曲
[編集]- 森山加代子
- 尾崎紀世彦
- 加山雄三
- 布施明
- 日生劇場の布施明(LOVE LIVE LIFEメンバーとして演奏)(LP)
- 和田アキ子
- ビリー・バンバン
- さよならをするために
- TWO WAY STREET (後藤次利、江藤勲、武部秀明との連名クレジット)
- 欧陽菲菲
- 岡崎友紀
- 風に乗って
- 近藤正臣
- ひとりぼっちの部屋・植物誌 (LP)
- 西岡たかし
- 哀しい歌 (LP)
- 風博士(LP)(伊藤昌明との連名クレジット)
- 伊藤咲子
- 初恋 伊藤咲子 ライブ・オン・ステージ(LP)[注釈 1]
- 原田芳雄
- 下田逸郎
- 飛べない鳥、飛ばない鳥(LP)
- 生田敬太郎
- 24+37(LP)(「決闘」に参加、寺川マサオキ名義)
- 赤い鳥 (フォークグループ)
- 野澤享司
- 白昼夢(LP)(「空中に遊ぶ空想家の夢(笛吹童子のバラード)」に参加)
- 沢たまき
- 乱れ髪~プレイガールの12章(LP)
- 泉谷しげる
- 光と影 (泉谷しげるのアルバム)(「序曲」「個人的理由」「のすたるじあ」「ひとりあるき」「国旗はためく下に」「終曲」に参加)
- ガロ (フォークグループ)
- アリス
- ALICE IV(「甘い夢」「恋は風車のように」「想春賦」に参加)
他
アニメ・特撮関連
[編集]- 仮面ライダー
- 美しきチャレンジャー
- 天才バカボン
- 好き! すき!! 魔女先生
- あしたのジョー
- 力石徹のテーマ
- 魔法のマコちゃん
- 海のトリトン
- さすらいの太陽
- アクマイザー3
- 忍者キャプター
- 鉄人タイガーセブン
- 電人ザボーガー
- まんが名作劇場 サザエさん
- 鋼鉄ジーグ
- スパイダーマン
- 宇宙海賊キャプテンハーロック
- 勇者ライディーン
- ゲッターロボ
- ワイルドセブン
- 未来少年コナン
- 仮面ライダーアマゾン
- 仮面ライダーストロンガー
- 惑星ロボ ダンガードA
- 闘将ダイモス
- 宇宙戦艦ヤマト
他
舞台・ステージ・番組出演など
[編集]- パルコ・ミュージック・ステージショーガール
1974年から1988年まで福田陽一郎 脚本・構成・演出、木の実ナナ、細川俊之、二人の出演でPARCO劇場でシリーズ上演された。
1992年4月12日から1993年3月14日までで放送。放送時間は毎週日曜 23:00 - 23:29
- ミュージカルムーンリットクラブ
1993年真田広之、森川美穂出演 場所天王洲アイル ジャズベーシストの役で出演。
他 多数
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ このLP自体には演奏者クレジットがないものの(石川晶を除く)、途中のMCで「ベースの寺川さん」と紹介されている。
出典
[編集]参考文献
[編集]- ガモウユウイチ『解析!昭和のTVアニメ特撮主題歌大百科 : 耳に残るメロディを牽引した匠のコード・プログレッション330』ディスクユニオン、2016年。ISBN 978-4-9075-8380-4。