大嶋匠

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大嶋 匠
高崎市役所ソフトボール部
日本ハム時代
(2012年3月29日、ファイターズ鎌ケ谷スタジアムにて)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 群馬県前橋市
生年月日 (1990-02-14) 1990年2月14日(34歳)
身長
体重
181 cm
103 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 捕手一塁手
プロ入り 2011年 ドラフト7位
初出場 2014年10月5日
最終出場 2018年4月11日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
大嶋 匠
高崎市役所ソフトボール部 #1
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 群馬県前橋市
生年月日 (1990-02-14) 1990年2月14日(34歳)
身長・体重 181cm
103kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 捕手一塁手
選手経歴

大嶋 匠(おおしま たくみ、1990年2月14日 - )は、群馬県前橋市出身[1]の元プロ野球選手捕手内野手)、ソフトボール選手(内野手、捕手)。右投左打。中学生時代から大学生時代まで一貫してソフトボール選手であり、プロ入り前に硬式野球の経験がなかった異色のプロ野球選手であった[1]

経歴[編集]

ソフトボール選手時代[編集]

小学校までは軟式野球をしていたが、進学した新島学園中学校に野球部がなかったためソフトボール部に入部。男子ソフトボールの全国的強豪である新島学園高校にて高校総体国体で優勝し、早稲田大学への進学後の2008年にはU-19日本代表の四番打者として国際大会に出場。世界男子ジュニア選手権大会3位などの実績を残した[2]。大学リーグの公式戦では13試合連続本塁打を記録するなど、大学通算80本塁打[3]

2011年10月27日に行われたプロ野球ドラフト会議で、北海道日本ハムファイターズから7位指名を受けた。同年4月からセガサミー硬式野球部の練習に参加し、10月1日に鎌ヶ谷で行われた日本ハムの入団テストを「記念受験」していた[3][4]

プロ野球選手時代[編集]

2012年シーズンは春季キャンプの紅白戦で初打席本塁打を記録するが、開幕二軍スタート。シーズン中に一軍昇格はなく、イースタン・リーグでは60試合に出場し、打率.199、3本塁打を記録。

2013年は3月23日、BCリーグ群馬ダイヤモンドペガサスとの練習試合でスイングをした際に右手首有鈎骨を骨折し、3月27日に手術を受けた[5]。この年も一軍昇格はなく、イースタン・リーグで47試合に出場、打率.202、2本塁打の成績。10月7日から開催されたフェニックスリーグに参加。斎藤佑樹から「(一軍戦でコンビを組んだ)中嶋さんと大嶋ではキャッチャーとしての経験が違う」と厳しい言葉を受けた[6]。11月19日、現状維持の500万円で契約更改した[7]

2014年は、10月4日に3年目にして初めて一軍昇格[8]、10月5日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦で8回無死から代打出場、プロ初打席は松井裕樹と対戦し三振[9]。この年の一軍での打席はこの1打席のみ。

2015年は、1月27日に発表されたメンバー振り分けで一軍に選抜され、プロ4年目で初のキャンプ一軍スタートとなった[10][11][12]。しかし、シーズン中に一軍での試合出場はなく、二軍のイースタン・リーグでは60試合に出場、打率.224、4本塁打、19打点。

2016年は、プロ5年目にして初の開幕一軍入り[13]、5月31日、東京ヤクルトスワローズ戦で9回裏に大野奨太の代打として出場し、石山泰稚からプロ初安打となる右中間への二塁打。

2017年は一軍昇格せず、イースタン・リーグで43試合に出場し打率.273、3本塁打、23打点[14]

2018年10月5日に球団から戦力外通告され当日に現役引退を表明する[15]

プロ野球引退後[編集]

現役引退後、2019年3月13日放送の日本テレビ中居正広の4番勝負』に出演。元同僚の杉谷拳士らとともに「チーム中居」の一員として、ソフトボール女子日本代表とのソフトボール対決に参加した[16]。大嶋にとって実に7年ぶりのソフトボールであった[17]

引退時には日本ハムより引き続き職員としての雇用の誘いや、大手保険会社や大学のソフトボール監督、東京オリンピック関係者などからの誘いもあったというが、それらを断り、2019年4月に群馬県高崎市の臨時職員として採用される。12月上旬、高崎市の職員採用試験に合格。2020年4月から正規職員となる[18]。また、臨時職員時代から高崎市役所ソフトボール部に所属し、ソフトボール選手に復帰している。復帰後は学生時代とは違い、一塁手としてプレーしている[18]

2020年10月24日発売の「ソフトボール・マガジン」12月号では「高崎市役所に学ぶ!効果的な打撃練習法」という特集が組まれたが、大嶋もその中の「パワーヒッター編2」で登場しており、市役所の同僚選手とともに表紙を飾っている[19]

選手としての特徴・人物[編集]

硬式野球未経験のソフトボール選手の入団ということで、日本ハム入団時にはその適応能力について大きく注目された。1年目時点での評価は、バッティング面では監督の栗山英樹から「ボールのとらえ方、バットの角度にいいものがある」「こちらが思う以上にボールへの対応力がある」とされ、野球評論家の大塚光二からは「並の新人なら1年目の春季キャンプではプロのスピードについていくだけでも大変なのに、彼は『速さは感じない』と言ってのける。もしかしたら、すごい怪物かもしれない」とコメントされた。直球への対応力が評価される一方、変化球へ対応ができるかどうかは意見が分かれていた。また、守備面の評価は散々で、キャンプで投球練習を務めたときからキャッチングのまずさを露呈し、ブルペン捕手すら務まらないアマチュア以下だと言われていた[20]

趣味は人間観察とフォームチェック[21]。憧れの選手に新庄剛志、対戦したい投手に早稲田大学で一学年上の福井優也の名前を挙げている[22]

ソフトボール球界では役所の強豪チームが多かったことから、高校時代から漠然と役所で働きたいという憧れを持っていた。4学年下の弟が高崎市役所に勤務していることが公務員試験を受験するきっかけの一つになったという[18]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2014 日本ハム 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
2016 12 17 15 1 3 1 0 0 4 1 0 0 0 1 0 0 1 2 0 .200 .235 .267 .502
2018 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
NPB:3年 15 20 18 1 3 1 0 0 4 1 0 0 0 1 0 0 1 3 0 .167 .200 .222 .422

年度別守備成績[編集]



捕手 一塁


































2016 日本ハム 3 4 1 1 0 0 .883 3 2 1 .333 3 8 1 0 1 1.000
通算 3 4 1 1 0 0 .883 3 2 1 .333 3 8 1 0 1 1.000

記録[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 66 (2012年 - 2018年)

登場曲[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 【日本ハム】ソフトボール出身の大嶋「元々、公務員になりたかった」プロ7年間を振り返る〈1〉”. スポーツ報知 (2018年10月23日). 2018年10月23日閲覧。
  2. ^ “ソフトボール界からプロ野球界へ 100%の期待を胸にいざ、夢のフィールドへ! 大嶋 匠さん”. 早稲田ウィークリー. (2012年1月19日). https://web.archive.org/web/20190530200602/https://www.waseda.jp/student/weekly/contents/2011b/1268/268n.html 2022年3月20日閲覧。 
  3. ^ a b 「2011ドラフト総決算」『週刊ベースボール』2011年11月14日号、ベースボール・マガジン社、雑誌20442-11/14、38頁。
  4. ^ “隠し大玉!ソフトボール選手・大嶋…日本ハム7位”. スポーツ報知. (2011年10月28日). オリジナルの2011年10月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111028124541/http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20111028-OHT1T00045.htm 2011年10月28日閲覧。 
  5. ^ “【日本ハム】大嶋2軍戦で右手有鉤骨骨折”. 日刊スポーツ. (2013年3月27日). http://www.zakzak.co.jp/top/200811/t2008111746_all.html 2013年6月3日閲覧。 
  6. ^ “ハム斎藤 相次ぐ失策にマウンドで怒り”. 日刊スポーツ. (2013年10月11日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20131011-1202584.html 2013年12月8日閲覧。 
  7. ^ “【日本ハム】ソフトボーイ大嶋無念の更改”. 日刊スポーツ. (2013年11月19日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20131119-1220327.html 2013年12月8日閲覧。 
  8. ^ “【日本ハム】大嶋、3年目で1軍初昇格”. スポーツ報知. (2014年10月4日). https://web.archive.org/web/20141006024922/http://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20141004-OHT1T50164.html 2014年10月5日閲覧。 
  9. ^ “【「ソフトボーイ」大嶋ほろ苦1軍デビュー”. スポーツ報知. (2014年10月5日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20141005-1377981.html 2014年10月7日閲覧。 
  10. ^ “【【日本ハム】ソフト大嶋「チャンス」初1軍!大野&市川、故障で2軍スタート”. スポーツ報知. (2015年1月28日). https://web.archive.org/web/20150128213837/http://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20150127-OHT1T50204.html 2015年2月9日閲覧。 
  11. ^ “【ハム“ソフトボーイ”大嶋初1軍キャンプ”. 日刊スポーツ. (2015年1月27日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20150127-1427052.html 2015年2月9日閲覧。 
  12. ^ “ハム大嶋匠、初1軍キャンプでアピール”. デイリースポーツ. (2015年2月1日). https://www.daily.co.jp/newsflash/baseball/2015/02/01/0007705500.shtml 2015年2月9日閲覧。 
  13. ^ “日本ハム大嶋、調整遅れ矢野「逆転」初の開幕1軍”. 日刊スポーツ. (2016年3月23日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/1620690.html 2016年3月29日閲覧。 
  14. ^ “日本ハムのソフトボーイ大嶋が契約更改 現状維持も「契約に感謝」”. デイリースポーツ. (2017年11月21日). https://www.daily.co.jp/baseball/2017/11/21/0010751862.shtml 2018年5月19日閲覧。 
  15. ^ “【日本ハム】早大ソフトボール部出身の大嶋が現役引退「本当にスッキリしています」”. スポーツ報知. (2018年10月5日). https://hochi.news/articles/20181005-OHT1T50079.html 2018年10月7日閲覧。 
  16. ^ 中居正広 平成最後のガチ対決 超一流選手と4番勝負!”. 日本テレビ. 2020年11月1日閲覧。
  17. ^ 大嶋匠 [@gecchu66] (2019年3月10日). "実は、3月13日(水)19:00〜 日本テレビ系列で放送される『中居正広の4番勝負』のソフトボール対決に拳士と一緒にチーム中居として出場させて頂きました!". X(旧Twitter)より2020年11月1日閲覧
  18. ^ a b c “元日ハム・ソフトボーイ大嶋匠さん、“難関”公務員試験合格「元プロでもやれる姿を」”. Full-Count. (2019年12月15日). https://full-count.jp/2019/12/15/post635508/ 2020年3月19日閲覧。 
  19. ^ バッティング特集のソフトボール・マガジン12月号は10月24日発売”. BBMスポーツ. ベースボール・マガジン社 (2020年10月22日). 2020年11月1日閲覧。
  20. ^ “打撃は怪物、守備は幼稚園児? 日本ハムルーキー、大嶋匠はホンモノか”. 週プレNEWS. (2012年2月23日). https://news.livedoor.com/article/detail/6306432/ 2020年11月1日閲覧。 
  21. ^ 選手紹介”. 早稲田大学ソフトボール部. 2011年10月27日閲覧。[1]
  22. ^ “ソフトからプロ野球(下)異色の日本ハム指名選手・大嶋匠”. 産経新聞. (2012年1月26日). オリジナルの2012年1月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120125234352/http://sankei.jp.msn.com/sports/news/120126/bbl12012603190000-n1.htm 2012年1月26日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]