八木秀次 (法学者)

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やぎ ひでつぐ
八木 秀次
生誕 (1962-03-09) 1962年3月9日(55歳)
日本の旗 日本 広島県尾道市
出身校 早稲田大学

八木 秀次(やぎ ひでつぐ、1962年(昭和37年)3月9日 - )は、日本法学者麗澤大学経済学部教授。専門は憲法学、法思想史。一般財団法人「日本教育再生機構」理事長、フジテレビジョン番組審議委員、産経新聞正論メンバー[1]。「新しい歴史教科書をつくる会」第3代会長。

来歴[編集]

広島県尾道市出身。早稲田大学法学部・同大学大学院法学研究科修士課程を経て、同大学大学院政治学研究科博士課程を中退。修士課程では井上茂、博士課程では小林昭三に師事。東京理科大学慶應義塾大学の非常勤講師を務めたのち、高崎経済大学専任講師・同大学助教授・同大学教授(2006年)。2014年から麗澤大学教授に着任[要出典]

2002年(平成14年)、正論新風賞を受賞[2]

「新しい歴史教科書をつくる会」で3代目会長を務めていたが、2006年(平成18年)2月28日、会の内紛および中国への無断渡航の責任を問われ解任された。一部の八木派の尽力で副会長に留まったが、同年4月30日、藤岡信勝日本共産党員歴の怪文書事件の責任を問われ、副会長および理事も解任。つくる会から脱退した[3][要高次出典]

2006年第1次安倍内閣発足に際し、中西輝政西岡力島田洋一伊藤哲夫と共に安倍晋三のブレーンとして報じられる[4]。同年10月22日、八木を理事長として一般財団法人「日本教育再生機構」が、2007年(平成19年)7月24日には八木を事務局担当として教科書改善の会が発足した[要出典]。現在、育鵬社から歴史、公民科教科書を発行している。

2008年公開の南京大虐殺否定論を扱った映画『南京の真実』の賛同者となる[5]。2013年1月、第2次安倍内閣より「教育再生実行会議」委員に指名。

主張[編集]

女系天皇容認論への批判[編集]

2004年以降の皇位継承問題を巡り浮上した女系天皇容認論に反対し、男系男子による継承の維持を主張。その理由のひとつとしてY染色体の男系連続性説を提示し、「XY染色体により、Y染色体にある遺伝子は代々男性にしか受け継がれないため、天皇の形質のある部分は男性にしか受け継がれない」と述べた[6]

フェミニズムへの批判[編集]

男女共同参画フェミニズムに反対している。ジェンダーフリーについては、日本を崩壊させようとする左翼とフェミニストの陰謀であり、「ジェンダーフリーは狂気の思想である」と述べている[7]

選択的夫婦別姓論についても反対している[8]

同性婚への反対[編集]

「子供は男女の間にしか産まれない。それゆえ婚姻は男女の関係に限られる。」などと主張している[9]。宗教新聞社主催の同性婚の問題点を考える講演会において、日本で同性婚が合法化された場合は「少子化を倍速化させるだろう」として、「婚姻制度の根幹は、子供を産み育てるためのものである」、「結婚とは男女によるものであって、それはその間でしか子供が生まれないからだ」と主張した[10]

渋谷区のLGBT条例にも反対している[9]

宗教観[編集]

宗教と政治的価値観の関係について、「新左翼的な価値観と結びついたら宗教はカルトになる」と述べている[11][要追加記述]

教育勅語について[編集]

教育勅語について、「教育勅語そのものの復活は難しいだろうが、そこに書かれていることは普遍的なことなので、新たな形でその精神を復活させることは必要」と述べている[12]

憲法を巡る天皇・皇后の発言に対する発言[編集]

2013年(平成25年)10月20日の皇后の発言の内、五日市憲法草案を取り上げた事について[13]、及び2013年(平成25年)12月18日の今上天皇の発言の内、「戦後連合国軍占領下にあった日本は、平和民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」を抜粋し[14]、「両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない」「宮内庁のマネジメントはどうなっているのか」と正論 (雑誌)で発言[15]

在特会とヘイトスピーチについて[編集]

在日特権を許さない市民の会(通称、在特会)に対して批判的であり、「同じような括りにされて甚だ迷惑であり、彼らの行為は確実に反日的な左翼や外国勢力を利するものだと考えている」とコメント。拉致問題解決のための集会後のデモで、「全ての朝鮮人を東京湾にたたき込め」というシュプレヒコールが上がった問題については「拉致被害者救出運動をヘイトスピーチと同じ括りにすることで世論の支持を失わせ、無化させようとする思惑があるのではないかと思われて仕方ない。外国勢力の関与も疑われる」と述べた。

平成25年2月に大阪の鶴橋で行われたデモで14歳の女子中学生が「南京大虐殺を知っているだろう、あんたたちが出ていかなければ鶴橋大虐殺をやりますよ」と演説した件では、「筋のいい『右派』ならば、南京大虐殺を全面肯定したりはしない。中学生の発言は南京で大虐殺を日本人が起こしたという前提でそれを鶴橋でも起こしてやろうというものだ。右派の発言とも日本人の心性とも思えない」と述べた[16]

憲法改正[編集]

憲法9条を改正するべきとしている[17]。その他、天皇の元首化、国防義務の明確化、幸福追求権(第13条)や男女平等を示した第24条の改定をするべきと主張している[18]

特攻隊員について[編集]

戦時中の特攻隊員を「彼らの『青春』を羨ましく思う。」「これほどの精神性の高さを、それもごく普通の日本人が持ちえた時代があったのだ。」「私はこのような“英雄”たちと同じ日本人に生まれたことを心から誇りに思う」と評価している[19]

発言[編集]

  • 東京都議会やじ問題に関連して、「やじを発した議員の真意は、少子化問題が深刻化する中で、独身の女性議員に対し、少子化対策の一般論を述べるのも結構だが、自分が結婚して子供を産んではどうか、と言いたかったのではないか。」と述べた[20]
  • 今上天皇・皇后の憲法についての発言に対して、2013年12月の天皇記者会見や10月の皇后記者会見の内容に言及しつつ、「私がここで指摘しておきたいのは、両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められないことだ」」と述べた[21]
  • 天皇の譲位に関して「天皇の自由意思による退位は、いずれ必ず即位を拒む権利につながる。男系男子の皇位継承者が次々と即位を辞退したら、男系による万世一系の天皇制度は崩壊する」「退位を認めれば『パンドラの箱』があく」と述べた[22]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『論戦布告――日本をどうする』 徳間書店、1999年6月。ISBN 4-19-861024-X
  • 『誰が教育を滅ぼしたか――学校、家族を蝕む怪しき思想』 PHP研究所、2001年5月。ISBN 4-569-61613-5
  • 『反「人権」宣言』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2001年6月。ISBN 4-480-05898-2
  • 『明治憲法の思想――日本の国柄とは何か』 PHP研究所〈PHP新書〉、2002年4月。ISBN 4-569-62145-7
  • 『日本国憲法とは何か』 PHP研究所〈PHP新書〉、2003年5月。ISBN 4-569-62839-7
  • 『国家再生の哲学』 モラロジー研究所〈生涯学習ブックレット〉、2004年6月。ISBN 4-89639-091-1
  • 『「女性天皇容認論」を排す――論集・現代日本についての省察』 清流出版、2004年12月。ISBN 4-86029-104-2
  • 『国民の思想』 新しい歴史教科書をつくる会編、産経新聞ニュースサービス、2005年3月。ISBN 4-594-04921-4
  • 『本当に女帝を認めてもいいのか』 洋泉社〈新書y〉、2005年6月。ISBN 4-89691-927-0
  • 『Q&Aで分かる天皇制度――日本人なら知っておきたい!』 扶桑社、2006年7月。ISBN 4-594-05200-2
  • 『日本の国家像と国民の思想』 國民會館〈國民會館叢書 67〉、2006年11月。
  • 『公教育再生――「正常化」のために国民が知っておくべきこと』 PHP研究所、2007年1月。ISBN 4-569-65910-1
  • 『日本を愛する者が自覚すべきこと』 PHPファクトリー・パブリッシング、2007年7月。ISBN 978-4-569-69398-9
  • 『日本の個性――日本文明論入門』 育鵬社、2008年11月。ISBN 978-4-594-05787-9
  • 『「人権派弁護士」の常識の非常識』 PHP研究所、2008年11月。ISBN 978-4-569-69731-4
  • 『憲法改正がなぜ必要か――「革命」を続ける日本国憲法の正体』 PHPパブリッシング、2013年11月。ISBN 978-4-907-44003-9

共著[編集]

編著[編集]

  • 『教育黒書――学校はわが子に何を教えているか』 PHP研究所、2002年11月。ISBN 4-569-62388-3

共編著[編集]

監修[編集]

  • 『精撰「尋常小學修身書」――明治・大正・昭和…親子で読みたい』 小学館〈小学館文庫〉、2002年6月。ISBN 4-09-402776-9
  • 『図解一目でわかる現代史――日本篇』 三笠書房、2004年5月。ISBN 4-8379-2094-2

論文[編集]

  • 「美濃部達吉における国家と天皇」(早稲田大学大学院法学研究科修士論文 1987年3月)
  • 「中世的立憲主義と主権(1)」(『早稲田政治公法研究』1990年3月)
  • 「一六世紀フランスにおける主権概念の形成――中世的立憲主義と主権(2)」(『早稲田政治公法研究』1990年10月)
  • 「美濃部達吉の明治憲法改正消極論――戦後の美濃部達吉(一) 」(『早稲田政治公法研究』1991年9月)
  • 「美濃部達吉の"八月革命説"――戦後の美濃部達吉(二)・完 」(『早稲田政治公法研究』1991年12月)
  • 「明治憲法「夏島草案」第一条におけるシラスから「統治ス」への修訂の意義について」(『早稲田政治公法研究』1993年4月)
  • 「自己決定権と徹底した個人主義(1) 夫婦別姓論の提起するもの」(『早稲田政治公法研究』1995年4月)
  • 「"自己決定権"と家族秩序」(『憲法研究』1995年5月)
  • 「自己決定権と徹底した個人主義―夫婦別姓論の提起するもの(2・完) 」(『早稲田政治公法研究』1995年8月)
  • 「昭和天皇の憲法観」(憲法政治学研究会編『近代憲法への問いかけ――憲法学の周縁世界』 成蹊堂 1999年11月)

出演[編集]

テレビ[編集]

ラジオ[編集]

レギュラーコメンテーター

脚注[編集]

  1. ^ 紙面コラム『正論』を交代で執筆する一人
  2. ^ フジサンケイグループが、主に保守系論壇の人物に与える賞
  3. ^ 種子島会長・八木副会長辞任に至る議論の経過”. つくる会ニュース (2008年5月2日). 2011年1月15日閲覧。
  4. ^ 竹内洋一、山川剛史 (2006年9月9日). “「安倍氏ブレーン」どんな人?靖国、拉致、教育問題…”. 東京新聞 
  5. ^ 賛同者一覧”. 映画「南京の真実」製作委員会 (2008年1月24日). 2015年6月26日閲覧。
  6. ^ Voice 2004年9月号 pp.71-72
  7. ^ 西尾 幹二、八木 秀次、「新・国民の油断 「ジェンダーフリー」「過激な性教育」が日本を亡ぼす」、PHP研究所
  8. ^ 産経新聞、2015年11月1日
  9. ^ a b 「LGBT差別禁止法に異議あり! 異性愛を指向する価値観に混乱をきたしてはならない 麗澤大教授・八木秀次」、産経新聞、2016年4月16日。
  10. ^ 同性婚は「少子化を倍速化」”. オピニオンの「ビューポイント」. 株式会社世界日報社 (2015年10月24日). 2015年11月4日閲覧。
  11. ^ 渡部昇一新田均八木秀次、「日本を貶(おとし)める人々」、PHP研究所。
  12. ^ 『自由民主』2004年12月号
  13. ^ 皇后陛下お誕生日に際し(平成25年) - 宮内庁
  14. ^ 天皇陛下お誕生日に際し(平成25年) - 宮内庁
  15. ^ 正論、2014年4月
  16. ^ 正論』 2015年1月号
  17. ^ 産経新聞、2015年3月9日
  18. ^ 八木秀次『日本国憲法とは何か』PHP新書 [要ページ番号]
  19. ^ 「反戦映画に仕立てられた『ホタル』」(『諸君』2001年9月号)
  20. ^ 産経新聞、2014年7月11日
  21. ^ 正論、2014年5月号 「憲法巡る両陛下ご発言公表への違和感」
  22. ^ 二階堂友紀 (2016年9月10日). “生前退位、困惑する男系維持派 「パンドラの箱があく」”. 朝日新聞. http://digital.asahi.com/articles/ASJ991VBMJ99UUPI001.html 

外部リンク[編集]

先代:
田中英道
新しい歴史教科書をつくる会 会長
3代:2004年 - 2006年
次代:
種子島経
先代:
設立
日本教育再生機構 理事長
初代:2006年 -
次代:
現職