フェルナンド・エイバッド
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ロングアイランド・ダックス | |
---|---|
![]() ボストン・レッドソックス時代 (2016年8月16日) | |
基本情報 | |
国籍 |
![]() |
出身地 | ラ・ロマーナ州ラ・ロマーナ[6] |
生年月日 | 1985年12月17日[6] |
身長 体重 |
6' 1" =約185.4 cm 220 lb =約99.8 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手[6] |
プロ入り | 2002年 アマチュア・FAとしてヒューストン・アストロズと契約[6] |
初出場 | 2010年7月28日[6] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
(以下[6])
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国際大会 | |
代表チーム |
![]() |
WBC | 2017年[7] |
この表について
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フェルナンド・アントニオ・エイバッド (Fernando Antonio Abad, 1985年12月17日 - ) は、ドミニカ共和国ラ・ロマーナ州ラ・ロマーナ出身のプロ野球選手 (投手) [6]。左投左打[6]。2018年現在は、独立リーグ・アトランティックリーグのロングアイランド・ダックスに所属。
愛称はナンディット[8]。日本ではフェルナンド・アバッドと表記される傾向にある[9][10]。
目次
経歴[編集]
プロ入りとアストロズ時代[編集]
2002年12月12日にヒューストン・アストロズと契約[6]。
2006年までは、メジャー・マイナーともに登板機会がなかった[6][11]。同年は、ルーキー級のドミニカン・サマーリーグで15試合に登板、うち11試合で先発を務め、防御率1.32・5勝2敗・WHIP0.93という成績を記録した[11]。
2007年は、引き続きルーキー級のアパラチアンリーグのグリーンビル・アストロズと、A-級のトリシティ・バレーキャッツでプレー[11]。合計で19試合 (うち4試合が先発登板) に登板し、53.0イニングを投げたが、防御率4.25・WHIP1.19等の数字は、前年に比べると悪化した[11]。
2008年は、A級のレキシントン・レジェンズで、全てリリーフとしてチーム最多の45試合に登板し、防御率3.30・WHIP1.19を記録したが、2勝7敗と負け越した[12]。
2009年は、A+級のランカスター・ジェットホークスで、41試合・82.2イニングにリリーフ登板し、防御率4.14を記録[11]。与四球が8だった為、チームの平均WHIP1.61に対して、エイバッドはWHIP1.04だった[13]。また、AA級のコーパスクリスティ・フックスに昇格し、先発として3試合に登板して防御率3.21・WHIP1.07を記録した[11]。うち9月2日のフリスコ・ラフライダーズ戦では、6.0イニングを被安打1・与四球1・無失点に抑えるピッチングを見せた[14]。
2010年は、AA級のコーパスクリスティで先発として4試合に登板し、全試合で5.0イニング以上を投げたが、勝ち星はつかなかった[15][16][17][18]。その後はリリーフに回り、7月には登板した4試合で連続して勝利投手となった時期もあった[19]。
同年メジャーへ昇格し、7月28日のシカゴ・カブス戦でメジャー初登板を果たした[6]。8対1とリードした9回表にマウンドに登り、先頭打者の福留孝介に死球を与えるなど、1アウト一・二塁のピンチを招いたが、最後は1回無失点に抑えて試合を締めくくった[20]。その後、一時期AAA級ラウンドロック・エクスプレスに降格した[11]が、8月20日のフロリダ・マーリンズ戦でメジャー復帰した[21]。この試合では0対7とリードされた8回裏に登板し、5番打者のジャンカルロ・スタントンから初奪三振を記録したが、続くコディ・ロスとヘクター・ルナに連続本塁打を浴び、初被本塁打と発失点も記録した[22]。続く8月24日のフィラデルフィア・フィリーズ戦からは8試合連続で無失点[11]、9月以降はチームが戦った30試合中17試合に登板して6ホールドを記録した[9]。シーズントータルでは、22試合の登板で防御率2.84・WHIP1.00という成績だった[6]。ちなみに、同年のマイナーでの成績は、コーパスクリスティとラウンドロックで計19試合に登板し、防御率2.35・4勝3敗・WHIP1.33だった[11]。
2011年は、開幕ロースター入りを果たした[4]。同年は失点を喫するケースが重なり、5月16日のアトランタ・ブレーブス戦で4敗目を喫した[23]。その後、AAA級のオクラホマシティ・レッドホークスへと降格し[11]、6月16日のピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャー復帰を果たした[23]。しかし、7月2日のボストン・レッドソックス戦で1.0イニングを4安打1本塁打4失点と打ち込まれて防御率7.32となり、これが同年のメジャー最終登板となった[23]。同年のメジャー成績は、29試合のリリーフ登板で防御率7.32・1勝4敗・WHIP1.88・FIP6.33だった[6]。
2012年は、アストロズとAAA級オクラホマシティの間で、昇格と降格を繰り返した[24]。この年も専らリリーフとして登板していたが、8月にはメジャーで自身初の先発登板を果たした[25]。この時期、8月25日から9月24日にかけて6試合に先発登板したが、5.0回を投げ切ったのは1試合だけ、且つ全ての試合で敗戦投手となった[25]。同年、メジャーでは37試合の登板で、防御率5.09・0勝6敗・WHIP1.65だった[6]。オフの11月1日にFAとなった[6]。
ナショナルズ時代[編集]
2012年11月19日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ[26][6]。
2013年は、AAA級のシラキュース・チーフスで、5月にかけて17試合・17.0イニングに登板し、防御率1.06・WHIP1.12を記録[11]。5月25日のフィラデルフィア・フィリーズ戦でシーズン初登板を果たすと、10試合連続で無失点に抑え、7月終了時点では26試合・24.1イニングで防御率1.48を記録していた。[27]。その後は失点が増えた[27]が、シーズン全体では自己最多 (当時) の39試合に登板し、防御率3.35・WHIP1.38と、過去2年と比べると成績が改善された[6]。
アスレチックス時代[編集]
2013年11月25日に、ジョン・ウッテンとのトレードで、オークランド・アスレチックスに移籍した[28]。
2014年は、3月31日の開幕戦で登板して無失点に抑えると、そこから14試合連続無失点を記録し、その間は13.1イニングで被安打2・被打率.047・15奪三振だった[29]。5月から6月にかけては防御率が2.00を超えた時期があったが、その後は失点が減り、7月から9月にかけては18試合連続無失点も記録した[29]。最終的に、この年は69試合にリリーフ登板し、チームのリリーフ陣ではトップとなる防御率1.57をマーク[30]。ピンチに強いリリーバーとして、ブレークした[3]。
2015年は、2年連続60試合以上となる62試合にリリーフ登板し、通算250試合登板に達した[6]。この年は47.2イニングで11本のホームランを浴びて防御率4.15と、前年より成績が落ちた[6]。シーズンオフの11月20日にDFAとなり[31]、12月3日にFAとなった[6]。
ツインズ時代[編集]
2015年12月17日にミネソタ・ツインズと契約を結び[6]、2016年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[32]。ツインズでは39試合にリリーフ登板し、防御率2.65・1勝4敗1セーブ・WHIP1.21という成績を記録、セーブを挙げたのはメジャー初だった[6]。
レッドソックス時代[編集]
2016年8月1日に、パット・ライトとのトレードで、ボストン・レッドソックスへ移籍した[33]。レッドソックス加入後は18試合に登板したが、防御率6.39・WHIP1.66とツインズ時代よりも成績が悪化、2チーム計では57試合の登板で防御率3.66・1勝6敗1セーブ・WHIP1.33を記録した[6]。
2017年、開幕前の2月8日に指名投手枠で第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のドミニカ共和国代表に選出された[7]後、代表に合流した[34]。シーズンでは48試合に登板し、これはここ4シーズンで最少だったものの、防御率3.30・WHIP1.24は、いずれも同4シーズンで上から2番目に良い成績だった[6]。オフの11月2日にフリーエージェント(FA)となった[35]。
レッドソックス退団後[編集]
2018年2月17日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結ぶが、スプリングトレーニングで解雇となる。8月3日に独立リーグ・アトランティックリーグのロングアイランド・ダックスと契約。
選手としての特徴[編集]
持ち球は、140キロ台半ばから150キロ前後のツーシーム、フォーシーム、120キロ台のナックルカーブ、チェンジアップがあり[3][2]、ナックルカーブは空振りを奪える武器である[3]。60mph(約96.5km/h)台のイーファスピッチも交えることで知られる[36]。
詳細情報[編集]
年度別投手成績[6][24][編集]
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2010 | HOU | 22 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 6 | .000 | 76 | 19.0 | 14 | 3 | 5 | 0 | 0 | 12 | 0 | 0 | 6 | 6 | 2.84 | 1.00 |
2011 | 29 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 7 | .200 | 99 | 19.2 | 28 | 5 | 9 | 0 | 1 | 15 | 0 | 0 | 18 | 16 | 7.32 | 1.88 | |
2012 | 37 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 3 | .000 | 208 | 46.0 | 57 | 6 | 19 | 1 | 3 | 38 | 4 | 0 | 27 | 26 | 5.09 | 1.65 | |
2013 | WSN | 39 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | .000 | 166 | 37.2 | 42 | 3 | 10 | 0 | 1 | 32 | 0 | 0 | 14 | 14 | 3.35 | 1.38 |
2014 | OAK | 69 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 | 9 | .333 | 216 | 57.1 | 34 | 4 | 15 | 3 | 4 | 51 | 0 | 0 | 11 | 10 | 1.57 | 0.86 |
2015 | 62 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 1 | .500 | 205 | 47.2 | 45 | 11 | 19 | 3 | 1 | 45 | 4 | 0 | 23 | 22 | 4.15 | 1.34 | |
2016 | MIN | 39 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 | 6 | .200 | 138 | 34.0 | 27 | 2 | 14 | 2 | 0 | 29 | 0 | 1 | 11 | 10 | 2.65 | 1.21 |
BOS | 18 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | .000 | 60 | 12.2 | 13 | 2 | 8 | 0 | 1 | 12 | 1 | 0 | 9 | 9 | 6.39 | 1.66 | |
'16計 | 57 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 1 | 8 | .143 | 198 | 46.2 | 40 | 4 | 22 | 2 | 1 | 41 | 1 | 1 | 20 | 19 | 3.66 | 1.33 | |
2017 | 48 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 2 | .667 | 182 | 43.2 | 40 | 4 | 14 | 1 | 1 | 37 | 0 | 1 | 18 | 16 | 3.30 | 1.24 | |
MLB:8年 | 363 | 6 | 0 | 0 | 0 | 8 | 27 | 2 | 38 | .229 | 1350 | 317.2 | 300 | 40 | 113 | 10 | 12 | 271 | 9 | 2 | 137 | 129 | 3.65 | 1.30 |
- 2017年度シーズン終了時
背番号[6][編集]
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- 58 (2010年 - 2013年、2016年 - 同年途中)
- 56 (2014年 - 2015年)
- 43 (2016年途中 - 2017年)
代表歴[編集]
脚注[編集]
- ^ 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2014』 廣済堂出版、2014年、185頁。ISBN 978-4-331-51809-0。
- ^ a b 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2017』 廣済堂出版、2017年、36頁。ISBN 978-4-331-52084-0。
- ^ a b c d 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』 廣済堂出版、2015年、201頁。ISBN 978-4-331-51921-9。
- ^ a b 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2011』 廣済堂出版、2011年、367頁。ISBN 978-4-331-51518-1。
- ^ 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2012』 廣済堂出版、2012年、397頁。ISBN 978-4-331-51612-6。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa Fernando Abad Stats - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ a b c Joe Trezza (2017年2月15日). “DR aims to defend title as WBC '17 roster set” (英語). MLB.com. 2017年10月6日閲覧。
- ^ Ian Browne (2017年8月24日). “Red Sox Players Weekend nicknames explained” (英語). MLB.com. 2017年9月6日閲覧。
- ^ a b 『月刊スラッガー』2011年2月号、日本スポーツ企画出版社、2011年2月24日、 64頁、 雑誌 15509-2。
- ^ 『月刊スラッガー』2011年4月号、日本スポーツ企画出版社、2011年4月24日、 52頁、 雑誌 15509-4。
- ^ a b c d e f g h i j k Fernando Abad Minor Stats - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ 2008 Lexington Legends Statistics - Team Pitching - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ 2009 Lancaster JetHawks Statistics - Team Pitching - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ Corpus Christi vs. Frisco - September 2, 2009 - MiLB.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ Corpus Christi vs. Tulsa - April 10, 2010 - MiLB.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ NW Arkansas vs. Corpus Christi - April 18, 2010 - MiLB.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ Corpus Christi vs. Frisco April 23, 2010 - MiLB.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ Midland vs. Corpus Christi - MiLB.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ Corpus Christi Hooks Game-by-game Results 2010 - MiLB.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ CHC vs. HOU July 28, 2010 - Play by Play - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ Fernando Abad 2010 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ HOU vs. FLA August 20, 2010 - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ a b c Fernando Abad 2011 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ a b Fernando Abad Stats, Fantasy & News - MLB.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ a b Fernando Abad 2012 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ Mike Axisa (2012年11月21日). “Minor Moves: Athletics, Nationals, Dodgers” (英語). MLB Trade Rumors. 2015年11月23日閲覧。
- ^ a b Fernando Abad 2013 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ “A's acquire Fernando Abad from Nats” (英語). ESPN (2013年11月26日). 2015年11月23日閲覧。
- ^ a b Fernando Abad 2014 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ 2014 Oakland Athlethics Statistics - Team Pitching - Baseball-Reference.com (英語) . 2017年10月7日閲覧。
- ^ “A's add Rich Hill, designate A.J. Griffin, Abad, Gentry” (英語). SFGate (Hearst Communications Inc.). (2015年11月20日) 2015年11月23日閲覧。
- ^ Rhett Bollinger (2015年12月17日). “Berrios headlines Twins' non-roster invitees” (英語). MLB.com. 2015年12月21日閲覧。
- ^ Chris Cotillo (2016年8月1日). “Red Sox acquire Fernando Abad from Twins” (英語). MLB Trade Rumors and Signings. 2017年10月7日閲覧。
- ^ Ian Browne (2017年3月4日). “Abad leaves camp to join DR for WBC '17” (英語). MLB.com. 2017年10月7日閲覧。
- ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月30日閲覧
- ^ Full-Count (2017年7月3日). “「外角を浮遊」する決め球!? 救援左腕の“遅すぎる魔球”に強打者が見逃し三振”. Full-Count. 2017年7月3日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Fernando Abad Stats MiLB.com (英語)
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