独立リーグ

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独立リーグ(どくりつリーグ)とは、主に日本では日本野球機構北アメリカ(北米)ではメジャーリーグマイナーリーグ組織とは別に組織されたプロ野球リーグの総称として使われる言葉。本項では、プロ野球以外の独立リーグも紹介する。

北米の独立リーグ[編集]

概要[編集]

アメリカ合衆国カナダで行われている。19世紀のアメリカで始まったといわれており、「ブラックソックス事件」でメジャーを追放されたシューレス・ジョー・ジャクソンもこのリーグでプレーしたといわれる。

現在は、メジャーリーグ及びそのマイナー組織を自由契約になった選手や日本の選手も多く参加しており、リッキー・ヘンダーソンも一度メジャーリーグ組織から自由契約になった後この独立リーグに参加。その後メジャーに復帰するなど、メジャーリーガーへの登竜門的な組織であることを印象付けている。

各リーグは地方の小都市を中心に展開され、加盟チームの中には本拠地を持たない「ビジターチーム」も一部存在する。メジャーリーグ傘下のマイナーチームと競合することも多く市場規模も小さいため、経営は非常に不安定。シーズン中にリーグそのものが消滅してしまう事例も少なくない。こうしたことから、リーグ間での交流試合はほとんど行われていない。過去にはノーザンリーグノース・イーストリーグが合併していたこともあった。

独立リーグのロースターには、選手の年齢層と、メジャーリーグでのプレー年数を基準とする厳しい選手登録制限が存在する。また、スプリングトレーニングでは、最後にロースターが決まる(メジャー→AAA→AA→A→ルーキーという順番で選手を振り分け、余った選手が独立リーグに流れるため)ということもあって、選手構成は常に流動的である。ノーザンリーグに加盟していた(現在は別のリーグへ移籍)セントポール・セインツでは、史上初めて女性選手であるアイラ・ボーダーズがプレーしたことで話題となった。

活動中のリーグ[編集]

リーグ名 英語表記 開始年度
フロンティアリーグ Frontier League 1993
アトランティックリーグ Atlantic League of Professional Baseball 1998
カナディアン・アメリカンリーグ Canadian-American Association of Professional Baseball 2005
アメリカン・アソシエーション American Association of Independent Professional Baseball 2006
ペコスリーグ Pecos League 2011
フリーダム・プロベースボールリーグ Freedom Pro Baseball League 2012
アメリカン・ウェストベースボールリーグ American West Baseball League 2013
パシフィック・アソシエーション Pacific Association of Professional Baseball Clubs 2013

活動停止した主なリーグ[編集]

リーグ名 英語表記 開始年度 最終年度
ノーザンリーグ Northern League 1993 2010
セントラルベースボールリーグ Central Baseball League 1994 2005
ノース・アトランティックリーグ North Atlantic League 1995 1996
プレーリーリーグ Prairie League 1995 1997
ハートランドリーグ Heartland League 1995 1998
ウエスタンベースボールリーグ Western Baseball League 1995 2002
オールアメリカン・アソシエーション All-American Association 2001 2001
サウスイースタンリーグ Southeastern League 2002 2003
カナディアンベースボールリーグ Canadian Baseball League 2003 2003
ゴールデンベースボールリーグ Golden Baseball League 2004 2010
サウス・コーストリーグ South Coast League 2007 2007
コンチネンタルベースボールリーグ Continental Baseball League 2007 2010
ノース・アメリカンリーグ North American League 2011 2012
ユナイテッドリーグ・ベースボール United League Baseball 2006 2015

在籍経験のある主な日本人選手[編集]

ノーザンリーグ
ノーザンリーグ#日本人選手参照
フロンティア・リーグ
フロンティアリーグ#日本人選手参照
アトランティックリーグ
アトランティックリーグ#日本人選手参照
ノース・イーストリーグ
カナディアン・アメリカン・リーグ#日本人選手参照
ゴールデンベースボールリーグ
ゴールデンベースボールリーグ#日本人選手参照
サウスイースタン・リーグ
サウスイースタン・リーグ#日本人選手参照
ウエスタン・ベースボール・リーグ
ウエスタン・ベースボール・リーグ#日本人選手参照
カナディアン・ベースボール・リーグ
カナディアン・ベースボール・リーグ#日本人選手参照
プレーリー・リーグ
プレーリー・リーグ#日本人選手参照

日本の独立リーグ[編集]

日本では国民野球連盟1947年 - 1948年)とグローバルリーグ1969年。日本以外の国も参加)以降、独立リーグは存在しなかった。しかし、2004年に起こったプロ野球再編問題の影響で、一時は全国各地に独立したプロ野球のリーグ構想が持ち上がり、2016年度は3つ(女子リーグを含めると4つ)のリーグが活動している。

国民野球連盟は、日本野球連盟(現:日本野球機構、NPB)と対等のリーグを目指して挫折したが、2004年以降に設立された独立リーグは、地域密着を図ると共に、NPBを目指す選手の受け皿として選手育成を前面に打ち出している。

しかし独立リーグの立ち上げは容易ではなく、構想は発表されたものの、金銭的な問題(スポンサーがつかない、予想以上に経費がかかるなど)や人材的な問題(審判やスタッフが不足、ひいては選手自体が集まらないなど)から構想が頓挫したり、プロ形態を断念したものが複数ある。開幕に漕ぎ付けても運営資金の確保が課題となることも多く、特に関西独立リーグは最初のシーズン途中での運営会社の撤退、シーズン終了後にチームの脱退・新リーグへの分裂などの事態に陥った。また、関西独立リーグから分裂する形で発足したジャパン・フューチャーベースボールリーグ(JFBL)も、大阪球団の経営難等を理由に1年で休止した。四国アイランドリーグplusベースボール・チャレンジ・リーグは、多様なスポンサーの確保や地域のバックアップを得ることで運営の安定化に努めてきた。

2009年11月18日には、関西独立リーグ、ベースボール・チャレンジ・リーグ、四国・九州アイランドリーグ(現:四国アイランドリーグplus)、ジャパン・フューチャーリーグ(のちにジャパン・フューチャーベースボールリーグに改称)の4リーグ代表者が東京に集まり、独立リーグ統一を目指した話し合い・意見交換(選手年俸、運営ルール等)を行った。この統一が実現すると、来季1地域2リーグとなる関西地域での球場確保等の問題が解消されると期待された[1]。2010年4月1日に、4リーグの間で任意団体の独立リーグ連絡協議会(JIBLA)が設立された。2012年3月、四国アイランドリーグplusおよびBCリーグはNPBとの間で育成選手の派遣受け入れに合意したが、このときの発表でJIBLAはこの両リーグによる任意団体となっており、関西独立リーグはすでに脱退していることがあきらかになった[2]。加盟チームの参入と活動休止や脱退を繰り返した関西独立リーグは、2013年のシーズン終了後に分裂する形で全3球団が脱退したため事実上活動を停止した。脱退したうち2球団は新たにBASEBALL FIRST LEAGUE(ベースボール・ファースト・リーグ)を結成し[3]、2014年4月に開幕した[4]

2014年9月1日、四国アイランドリーグplusとベースボール・チャレンジ・リーグは新たに一般社団法人として日本独立リーグ野球機構(IPBL Japan)を発足させた[5]

広義では日本アカデミーリーグ美ら島リーグ九州リーグ[6]中四国クラブ野球リーグ、クラブ野球リーグ埼玉など、社会人野球クラブチームによるリーグも含まれる。これらの多くもNPB及び日本野球連盟(JABA)から独立した運営となっている(ただし、各クラブごとでJABAに加盟している場合もあり、中四国クラブ野球リーグはJABAからバックアップを受けている)。

NPBドラフトでの扱い[編集]

独立リーグに所属する選手はアマチュアではなく独立リーグとしてのプロ選手となり、プロ野球ドラフト会議では独立リーグ所属選手特有の扱いを受ける。大きな特徴としては、高校・大学卒業時点でNPBによるドラフト指名を受けずに独立リーグに加入した場合、初年度から指名を受けることが可能となることである(アイランドリーグとBCリーグで該当する事例が複数存在する[7])。ただし、BASEBALL FIRST LEAGUEの兵庫ブルーサンダーズに所属する芦屋大学在学中の選手については、学生としての身分が優先し、翌年の卒業見込みがない場合は指名対象とならないとされている[8]。一方、かつて希望入団枠制度が存在した当時はその対象外とされていた。

四国アイランドリーグの発足当初は全選手に対して学生・社会人と同等の指名制限期間を設けることも検討されたが[9]、リーグ側や四国各県からの要望もあって[10][11]、前記のように指名されなかった選手に関しては条件が緩和され、以後に発足した独立リーグも同様の扱いとなっている。中途退学してリーグに加入した選手については指名制限の対象となる。なお、四国アイランドリーグ発足初年の2005年度は特例として所属選手全員が指名の対象となった[9]

現状、独立リーグの選手はプロ野球ドラフト会議の指名を受けなくてはNPBと契約できないが、元NPB選手と外国人選手はドラフト会議を経ない「移籍」として扱われる。四国アイランドリーグ創設者の石毛宏典は「四国アイランドリーグを作る時、NPBへはドラフトではなく移籍で選手が行けるように提案していた。しかしNPBがドラフトでの指名にこだわった」と述べており[12]、独立リーグ(アイランドリーグとBCリーグ)側は2014年現在も選手の経歴によらず移籍可能にしたいという意向を持っていると報じられている[13]

日本野球連盟の独立リーグに対する扱い[編集]

社会人野球を統括する日本野球連盟は、四国アイランドリーグの発足当時はリーグ在籍経験者をアマチュア選手と同じ扱いとし、社会人野球チーム在籍者が独立リーグに入る場合も制限を設けていなかった。しかし、2009年2月25日に制定した「国内の独立リーグに関する取扱要領」において在籍経験者をNPBと同じプロ野球経験者とし、登録者数制限(1チーム3名以内)の規定を適用するとともに、社会人野球チームの在籍者は大卒の場合2年、高卒の場合3年は独立リーグと契約できないとした[14]。さらに2010年1月からは、独立リーグ退団者は退団の翌年度中の選手登録を認めず、大卒2年・高卒3年以内の社会人野球チーム在籍者は、チームが円満退部の書面を発行した場合には独立リーグと契約可能としたが書面なく契約した場合は社会人野球へ復帰できないとし、独立リーグの入団テストを受ける場合は事前に所属チームの承諾が必要とした[15]。これらの措置は、主力選手を奪われた社会人チームからの苦情や、「野球界のルール」を知らせることが背景にあったと当時報じられていた[16]

2014年11月、日本野球連盟は、独立リーグ在籍経験者をプロ野球経験者の登録者数制限適用外とし、日本独立リーグ野球機構所属リーグ(アイランドリーグとBCリーグ)在籍経験者については退団翌年度の登録制限適用外とする「取扱要領」の改正をおこない、リーグ退団者の社会人野球登録を緩和した[17][18]

活動中のリーグ[編集]

活動を休止したリーグ[編集]

運営会社のベースボールフューチャーは、三重県内に限定したリーグを2012年に発足させる構想を持っていることが報じられていた[19]。その後、四国アイランドリーグplusを脱退した三重スリーアローズの受け皿として、三重県内の新リーグ設立を模索したが、スポンサーが現れず実現しなかった[20]。また、三重スリーアローズも解散したため、リーグを構成していた球団はすべて消滅した。
当初の運営会社が初年度開幕から3ヶ月で運営から撤退。その後もチームの参入と脱退・活動休止を繰り返し、2013年シーズン終了後に所属チームがすべて脱退した。

設立構想が表明されたプロリーグ[編集]

宮城岩手以外の4県でチームの立ち上げが難航、岩手がリーグの遅れからクラブチームに鞍替え(のちに廃部)、宮城はチームトライアウトが行えず、その後野球学校として経営を行っている。
構想を主導した長崎セインツは単独で四国・九州ILに加入。他のチームはそれ以外の社会人チームも加えて、地域社会人リーグとして別に「九州リーグ」を結成。
アメリカ独立リーグのチームをベースに、そのノウハウを活かす形でリーグ運営を図ろうとしたが、具体的な作業が進まず、暗礁に乗り上げた。
人材派遣会社のフルキャスト社長が構想を明らかにしたが、本業のトラブルにより頓挫。なお、フルキャスト自体はベースボール・チャレンジ・リーグに「キャリアサポーター」という形でビジネスパートナーとして加わっている。
一度は開幕にこぎつけたものの、給与面でのトラブル、審判や選手の不足と監督の不在、経済面の問題などでリーグは1週間程で事実上崩壊。その後、Uスターズ→沖縄スターズという社会人クラブチームで再出発。
当初関西独立リーグへの加入を検討していたエキスポセブンティーズが、同リーグの運営に不透明な点があることから加入を見送り、新たなリーグを発足させる構想を2009年8月に表明した。アメリカや韓国のチームも含めて、2011年以降にリーグをスタートさせるとしていたが、チームは2009年10月をもって活動を休止したため、今後の見通しは不透明である。
2009年10月に、北海道の経済人や野球愛好者が札幌市に独立リーグ設立準備室を結成。11月10日に記者会見を開いて詳細を明らかにした[21]。初年度の2011年は札幌市と小樽市の2チームでスタートし、2012年に4チームで年間72試合を行うとしていた。しかし、会見以降目立った動きが見られないまま、開幕予定を過ぎている。

野球以外の独立リーグ[編集]

プロ野球以外では、アメリカのバスケットボールNBA)、アイスホッケーNHL)とメジャーリーグサッカーの下部組織に相当するクラスのリーグ戦も、形式上は独立リーグ(セミプロ)組織の形をとって運営している。代表的なリーグとしてバスケットボールではABACBA、アイスホッケーではAHLが存在する。バスケットボールの独立リーグの中にはNBAのオフにシーズンを開くものも存在する。2009年からはフットボールNFL)の独立リーグとしてユナイテッド・フットボール・リーグが発足された。

日本では、日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)が日本バスケットボール協会(JBA)管轄外として発足したため独立リーグとして扱われていたが、2010年3月20日のJBA理事会・評議員会で、選手・チームの登録を公認した[22]

脚注[編集]

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  1. ^ 独立リーグ統一構想 代表者が話し合い デイリースポーツ 2009年11月19日
  2. ^ NPB(日本野球機構)から独立リーグへの育成選手の派遣について - BCリーグニュース(2012年3月1日)
  3. ^ 新独立リーグが発足=関西の兵庫とブルズ―野球 - 時事通信2013年12月19日
  4. ^ 野球の新独立リーグBFL開幕。兵庫が快勝発進 - 神戸新聞NEXT20014年4月26日
  5. ^ 独立L野球機構を設立/他団体と交渉、正式窓口に - 四国新聞2014年9月2日
  6. ^ 同名の独立リーグ構想とは別。
  7. ^ 「最短」といえる「高卒一年目での指名」も複数あるが、その中で支配下登録枠での指名は2016年現在角中勝也(2006年)の一例のみとなっている。
  8. ^ 大学生の独立リーグ「兵庫」選手 プロ注目でもドラフト対象外 - 神戸新聞2014年10月22日
  9. ^ a b 四国ILドラフト指名、高卒後3年大卒2年 - 四国新聞2005年7月5日
  10. ^ ドラフト制限見直しを-4県知事NPBに要望 - 四国新聞2005年9月6日
  11. ^ 四国IL石毛代表、ドラフト見直し要求 - 四国新聞2005年9月27日
  12. ^ ドラフトに見る独立リーグの役割、石毛宏典氏が語る - プロフェッショナルビュー ベースボール(2015年11月26日)
  13. ^ 独立リーガー、プロとしての存在を明確に ~日本独立リーグ野球機構設立会見~ - Sports Communications(2014年9月1日)
  14. ^ 国内独立リーグに関する取扱要領(2009年2月25日) - 日本野球連盟
  15. ^ 毎日新聞2009年12月26日
  16. ^ 経営難、実力見劣り…独立リーグ 苦しいマウンド朝日新聞2009年12月29日
  17. ^ 公益財団法人日本野球連盟(JABA)における国内独立リーグ取扱要領の改正について - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2014年11月10日)
  18. ^ 国内独立リーグに関する取扱要領(2014年11月1日) - 日本野球連盟
  19. ^ 三重県に新たなプロ野球独立リーグ計画 24年4月設立へ産経新聞 2010年11月24日
  20. ^ 三重スリーアローズ解散”. 中日新聞 (2011年11月9日). 2011年11月10日閲覧。
  21. ^ 「北海道に野球独立リーグ」 2011年春、試合開始へ北海道新聞2009年11月10日
  22. ^ bjリーグ選手の日本代表入りが可能に(バスケット) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース(2010年3月21日付) ※インターネットアーカイブ2010年3月26日付保存キャッシュ

関連項目[編集]