スペシャルティカー

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トヨタ・セリカ(初代)

スペシャルティカー (Specialty car) とは、自動車の一カテゴリに対する日本での呼称。スペシャリティカー、スポーティーカー、デートカーともいう。

多くの場合が実用型大衆車プラットフォームコンポーネンツを基に、スポーツカーにも通じるスタイリッシュなクーペ、もしくはハードトップボディを架装している。比較的低廉な価格で、スポーツカーやGTカーの「雰囲気」が味わえるのが特徴で、1970-1990年代にデートのための車として若者たちの人気を集めた。

概要[編集]

フォード・マスタング(初代)
日産・シルビア(S13)
ホンダ・プレリュード(3代目)

「スペシャルティカー」を初めて世界に周知させたのは、1964年に発売されたフォード・マスタングである。同社の(en)ファルコンシャシ上にスポーツカー風のクーペボディを載せた車で、当のフォードすら予想し得なかった程の大ヒットを記録した。自動車雑誌「Car Life」(Car Life Magazine)の編集者であった Dennis Shattuck がこれを「Pony car」と呼び、1967年ゼネラル・モーターズシボレー・カマロ1970年クライスラーダッジ・チャレンジャーをそれぞれ対抗馬として発売したことから、ビッグスリーによる三つ巴の馬力競争と販売競争へと発展し、一大ジャンルが形成されるに至った。

日本では、1962年に実質的な初のスペシャルティカーはプリンス自動車から発売したプリンススカイラインスポーツである。マスタングの成功に触発されて1970年に発売されたトヨタ・セリカが、初めて大々的に売れたスペシャルティカーである。セリカは主にE20型カローラのコンポーネンツを一部流用して作られたが、シャシは既存の車種(プラットフォーム)をベースとしておらず、その数か月後に、セリカと同じシャシでノッチバックセダンボディのカリーナが登場している。

日本ではその後、排ガス規制の沈滞ムードを打ち破り、マツダ・コスモAPが広い年齢層に支持され、爆発的なヒットを記録。次いで1970年代末のS110型系シルビアと、1980年代2代目ホンダ・プレリュードが2大デートカーとして君臨した。
その後、バブル期に目立ってセールスをあげた車種は、3代目プレリュードとS13型系シルビアE90型系カローラレビン/スプリンタートレノ程度となり、スペシャリティカーの市場はスポーティさより高級感を重視したハイソカーに取って代わられていった。

バブル崩壊後は車に趣味性より実用性が求められる様になり、1990年代RV(ここではSUVミニバンなどを指す)ブームから、ステーションワゴンやSUV(四輪駆動車)、2000年代以降はミニバン(MPV/ピープル・ムーバー)、コンパクトカー軽自動車(特に軽トールワゴン)、ハイブリッドカーなどが、入れ替わり立ち代わり一般大衆の人気の中心となって推移した。その結果一般的なノッチバック型セダン以上に実用性・機能性・経済性に乏しいクーペ型自動車であるスペシャルティーカーは著しい壊滅状態に追い込まれた。また近年の若者の車離れとともに「デートはクーペでドライブ」という価値観もほぼ崩壊したため、近年のクーペ型自動車をスペシャルティカーと呼ぶことは皆無となった。代わりに近年は、ステータス性が高く若年層にも人気を誇るSUVをスペシャルティカーと重ね合わせる声が少なからずある。

日本国内で発売された主なスペシャルティカー一覧[編集]

☆は軽自動車。

トヨタ
日産
ホンダ
マツダ
三菱自工
富士重工(現・SUBARU
スズキ
ダイハツ
いすゞ
光岡
  • オロチ(大蛇)(スペシャルティカーとしては最も高額な車種。同社ではファッションカーに分類されていた)

関連項目[編集]

参考リンク[編集]

脚注[編集]