クリス・アイアネッタ

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クリス・アイアネッタ
Chris Iannetta
シアトル・マリナーズ #33
Chris Iannetta on June 11, 2013.jpg
エンゼルス時代(2013年6月11日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ロードアイランド州プロビデンス
生年月日 1983年4月8日(33歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
230 lb =約104.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2004年 ドラフト4巡目(全体110位)でコロラド・ロッキーズから指名
初出場 2006年8月27日 パドレス
年俸 $4,250,000(2016年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2009年

クリストファー・ドメニク・アイアネッタChristopher Domenic "Chris" Iannetta, 1983年4月8日 - )は、アメリカ合衆国ロードアイランド州プロビデンス出身のプロ野球選手捕手)。右投右打。MLBシアトル・マリナーズに所属。

日本語メディアではクリス・イアネッタと表記されることも多い。他に、Yahoo!スポーツ等では、クリス・イアンネタと表記されることもある[2]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

1983年、ロードアイランド州プロビデンスでイタリア系移民夫婦の長男として生まれる。父ドメニクは8歳のときにスカーポリから、母マリアは5歳のときにナポリから、それぞれ一家でプロビデンスに移り住み、小学校時代からの幼馴染みであった[3]。子供のころは、ロードアイランド州の北に接するマサチューセッツ州ボストンに本拠地を置くボストン・レッドソックスの試合を、同球団の本拠地球場フェンウェイ・パークやテレビなどで観戦していた[4]

身体能力に秀でた子供というわけでもなかったので、野球三塁手としてプレイする以外にはスポーツは行っていなかった[5]。アイアネッタが所属していたリトルリーグのある日の試合で、チームメイトの捕手が手首を怪我したため、コーチがその代役にアイアネッタを指名。最初は嫌がっていたアイアネッタだったが、母から説得されて一時的に転向、その後このポジションの面白さを知ると元のポジションには戻ることはなかった[3]。当時はTBSアトランタ・ブレーブスの試合を全米中継していたため、そこで正捕手をしていたハビー・ロペスに憧れを抱くようになる[6]

セント・ラファエル・アカデミー英語版在籍時からドラフト指名の噂もあったが、結局指名されずノースカロライナ大学へ進学。学業面では数学を専攻し[5]、野球では1年次から3年間にわたり正捕手として出場。2004年には、大学野球最優秀捕手に贈られるジョニー・ベンチ賞の候補45人にノミネートされた[7]

プロ入りとロッキーズ時代[編集]

2004年MLBドラフト4巡目(全体110位)でコロラド・ロッキーズから指名され、プロ入り。

入団直後にマイナーリーグのA級アッシュビル・ツーリスツ英語版でプロ選手としてのキャリアをスタート。プルヒッター(引っ張り中心の打者)として一定の成績を残した。

2005年にはA+級モデスト・ナッツ英語版を経てAA級タルサ・ドリラーズに昇格、夏にはマイナーリーグのオールスター "フューチャーズ・ゲーム" にも選出される。

2006年初め、メジャー通算3,010安打を放ち殿堂入りしている好打者のウェイド・ボッグスから広角へ打ち分ける技術をアドバイスされてシーズンに臨むと[6]、AA級タルサで44試合に出場し打率.321・OPS1.040の好成績を挙げ、昇格したAAA級コロラドスプリングス・スカイソックスでも47試合で打率.351・OPS.950を記録した。

同年8月26日にメジャー昇格[8]。昇格を告げられたときは「ジョークだと思った。信じられなかったけど『これは本当だ』と言われたもんだから地に足が着かなかった」という[5]。翌27日のサンディエゴ・パドレス戦に6番・捕手として先発出場しメジャーデビュー、第3打席でジェイク・ピービーからメジャー初安打を放つが、そこから6試合で22打数2安打・打率.091と低迷。守備面でも、ベンチコーチのジェイミー・カーク英語版から「絶対に捕らなきゃいけないような球まで落としちゃうくらい緊張してたな。うちのマイナーの連中から前評判は聞いてたから、最初に見たときは別人かと思ったよ」と指摘されるほどだった[9]。その後は持ち直し、21試合に出場して打率.260・OPS.759という成績で1年目を終える。

2007年1月、ロッキーズがハビー・ロペスと契約[10]。憧れだった選手がポジション争いのライバルのひとりとなる。スプリングトレーニングでアイアネッタは、チームメイトのトッド・ヘルトンに「これほどの潜在能力を持ったやつはたぶん今まで見たことがない」と言わしめるなど[9]、成長をアピール。これを認めたチームはロペスを解雇してアイアネッタに枠を与えることにし[11]、さらに、前年のチームにおいて捕手最多出場だったヨービット・トレアルバを差し置いて開幕戦に8番・捕手として先発出場させた。しかし、5月終了時点で打率.193・OPS.655と打撃面で低迷し、出場機会は徐々に減っていく。6月12日 - 14日には幼少期に通ったフェンウェイ・パークへ遠征してのレッドソックス戦があり、家族や友人から試合のチケットをせがまれたが[4]、出場はなかった。8月にはAAA級コロラドスプリングスへ降格し、そこで3週間を過ごす。メジャー復帰後、チームは9月の28試合を20勝8敗で乗り切り、さらにパドレスとのワンゲーム・プレイオフを制してワイルドカードでのポストシーズン進出を決めたが、その中でアイアネッタが出場したのは13試合(うち先発出場9試合)にとどまり、ポストシーズンには出場できずにシーズンを終えた。

2008年、ロッキーズGMダン・オダウド英語版が「メジャーで控え捕手をさせるよりはAAA級で毎日試合に出してやったほうがいいかもしれない」と考えていることを知ったアイアネッタは、オダウドに「AAA級で得るものはもう何もない。自分がメジャーでも通用するレベルにいることを証明してみせる」と直談判し、マイナー降格を免れて控え捕手の地位を得る[12]。シーズン開幕直後の3・4月は28試合中で出場11試合(うち先発出場9試合)と出場機会が限られていたが、5月4日から5試合続けて先発したのを機に出場が増え始め、シーズン最終月の9月には24試合全てに出場(1試合を除き全て先発)するなど、正捕手の座をトレアルバから奪ってシーズン通算106試合に出場した。打撃面では、シーズン開幕前に同僚のブラッド・ホープからスウィングのコツを、マット・ホリデイから外角球の捌き方を、それぞれアドバイスしてもらったことが実を結び[13]、自己最高の成績を記録。守備面では失策0で守備率10割を達成し、また捕手防御率(CERA)でもトレアルバの数字を上回った。

2009年春開催の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、アメリカ合衆国代表の一員として出場している。WBCの大会規定上アイアネッタは、自身の出身国であるアメリカ合衆国と、両親の出身国であるイタリアと、2か国の代表のどちらに入るか選ぶことができた。そのため当初は、自分と同じイタリア系アメリカ人で第1回WBCイタリア代表として出場した経験を持つロッキーズの同僚ジェイソン・グリーリから誘われたことや[12]、アメリカ合衆国代表の捕手陣はブライアン・マッキャンジョー・マウアーの2人で決まりだろうと予測していたことから[3][12]イタリア代表入りを決めていた。しかしその後、マウアーが腎臓手術を受けたことを理由にWBC出場を辞退すると[14]、アイアネッタはアメリカ合衆国代表に入ることとなった。大会では4試合に出場、13打数4安打・1本塁打・6打点を挙げた。

エンゼルス時代[編集]

2011年オフにロサンゼルス・エンゼルスへ移籍。

エンゼルス加入1年目のシーズンとなる2012年は、5月に手首を骨折して長期間故障者リスト入りした[15]ため、出場試合数は79試合に留まったが、キャッチャー出身であり、捕手に対する評価が厳しいマイク・ソーシア監督から一定の評価を得た[15]。まず打撃面では、79試合でホームランを9本放ち、長打力を発揮した。守備面では、ジェレッド・ウィーバーアービン・サンタナジェローム・ウィリアムズらの好投を支える好リードを見せた[15]

2013年は115試合に出場し、2年ぶりの2桁本塁打となる11本のアーチを放ったが、打率は.225に留まり、三振100は自己ワーストだった。その一方で、失投を待つバッティングスタイルを実践し[16]、四球が大幅に増えた為、出塁率は高かった。守備面では、メジャー全体でワースト2位となる84の盗塁を許し、ボールブロッキング能力やリード能力でも課題ありとされた[16]

2014年、108試合の出場で打率.252・7本塁打・43打点という打撃成績をマーク。本塁打は減少したが二塁打が増え、自己ベストタイとなる22本を放った。出塁率は相変わらず高く、.373であった。課題とされていた守備面では、盗塁阻止率を30%まで戻したが、DRSで - 10、2年連続40以上となる44のワイルドピッチを記録するなど、改善されなかった。

2015年、キャッチャーの1番手として、チームの捕手では最多[17]の92試合に出場。しかし、バッティング面では不振を極め、自身2度目の.100台となる打率.188に終わった。ただ、2年ぶりの2桁アーチとなる10本塁打を放ち、通算100本塁打を達成した。他方の守備面では、3失策守備率.996・DRS + 7という好成績をマークし、特にDRSは2011年に次ぐ自己2位の好数値であった。盗塁阻止率に関しては、59回中44回で決められて25%だった。11月2日FAとなった。

マリナーズ時代[編集]

2015年11月23日シアトル・マリナーズと1年425万ドルの契約を結んだ[18]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2006 COL 21 93 77 12 20 4 0 2 30 10 0 1 1 1 13 2 1 17 1 .260 .370 .390 .759
2007 67 234 197 22 43 8 3 4 69 27 0 0 1 2 29 3 5 58 3 .218 .330 .350 .681
2008 104 407 333 50 88 22 2 18 168 65 0 0 2 2 56 0 14 92 6 .264 .390 .505 .895
2009 93 350 289 41 66 15 2 16 133 52 0 1 1 6 43 3 11 75 4 .228 .344 .460 .804
2010 61 223 188 20 37 6 1 9 72 27 1 0 0 1 30 2 4 48 4 .197 .318 .383 .701
2011 112 426 345 51 82 17 1 14 143 55 6 3 2 4 70 5 5 89 10 .238 .370 .414 .785
2012 LAA 79 253 221 27 53 6 1 9 88 26 1 3 0 1 29 0 2 60 4 .240 .332 .398 .730
2013 115 399 325 40 73 15 0 11 121 39 0 1 0 4 68 2 2 100 8 .225 .358 .372 .731
2014 108 373 306 41 77 22 0 7 120 43 3 0 0 5 54 3 8 91 3 .252 .373 .392 .765
2015 92 317 272 28 51 10 0 10 91 34 0 1 0 3 41 1 1 83 11 .188 .293 .335 .628
通算:10年 852 3075 2553 332 590 125 10 100 1035 378 11 10 7 29 433 21 53 713 54 .231 .351 .405 .756
  • 2015年シーズン終了時

代表歴[編集]

背番号[編集]

  • 20(2006年 - 2011年)
  • 17(2012年 - 2015年)
  • 33(2016年 - )

脚注[編集]

  1. ^ Chris Iannetta Contract, Salaries, and Transactions” (英語). Spotrac.com. 2013年10月14日閲覧。
  2. ^ Yahoo!スポーツ MLB - クリス・イアンネタ”. 2015年11月24日閲覧。
  3. ^ a b c Gordon Edes (2009年3月10日). “USA tugs Iannetta from Italian roots” (英語). Yahoo! Sports. 2015年11月24日閲覧。
  4. ^ a b Joe McDonald (2007年6月13日). “Fenway is home for Rockies' Iannetta”. projo.com. 2009年5月23日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ a b c Anna Katherine Clemmons (2009年4月17日). “Iannetta makes career out of making the most of opportunities” (英語). ESPN Rise BASEBALL. ESPN. 2015年11月24日閲覧。
  6. ^ a b Albert Chen (2007年3月22日). “8 Who May be Great / The Quick Study: Chris Iannetta”. SI.com. 2009年6月6日閲覧。[リンク切れ]
  7. ^ Carolina's Iannetta Named to Johnny Bench Award Watch List”. NORTH CAROLINA OFFICIAL ATHLETIC SITE (2004年3月12日). 2009年5月23日閲覧。[リンク切れ]
  8. ^ Transactions | rockies.com” (英語). MLB.com. 2015年11月24日閲覧。
  9. ^ a b Patrick Saunders (2007年3月21日). “Rookie could be in position to become the Rockies' dream catcher” (英語). The Denver Post. 2015年11月24日閲覧。
  10. ^ “Former All-Star catcher Lopez, Rockies agree to deal”. Associated Press. ESPN. (2007年1月9日). http://sports.espn.go.com/mlb/news/story?id=2725555 2015年11月24日閲覧。 
  11. ^ Thomas Harding (2007年3月12日). “Notes: Rockies put faith in Iannetta / Lopez's release shows club ready to bank on rookie” (英語). MLB.com. 2015年11月24日閲覧。
  12. ^ a b c Tracy Ringolsby (2009年3月27日). “Iannetta continues to blossom as Rockies catcher” (英語). Rocky Mountain News. 2009年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月24日閲覧。
  13. ^ Troy E. Renck (2009年2月13日). “Backstop taking center stage”. The Denver Post. 2015年11月24日閲覧。
  14. ^ Kelly Thesier (2009年1月11日). “Mauer opts not to play in Classic / Twins catcher continuing to recover from minor surgery”. MLB.com. 2015年11月24日閲覧。
  15. ^ a b c 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2013』 廣済堂出版、2013年、222頁。ISBN 978-4-331-51711-6
  16. ^ a b 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2014』 廣済堂出版、2014年、228頁。ISBN 978-4-331-51809-0
  17. ^ 2015 Los Angeles Angels of Anaheim Batting Statistics” (英語). Baseball-Reference.com. 2015年10月23日閲覧。
  18. ^ Greg Johns (2015年11月23日). “Mariners sign Iannetta to 1-year deal” (英語). MLB.com. 2015年11月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]