アルジャーノンに花束を

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アルジャーノンに花束を
Flowers for Algernon
著者 ダニエル・キイス
訳者 稲葉由紀(中編版)
小尾芙佐(長編版)
発行日 中編版1959年4月、1961年2月(日本語訳)
長編版1966年3月、1978年(日本語訳)
発行元 Harcourt, Brace & World
早川書房(日本語訳)
ジャンル SF小説
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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アルジャーノンに花束を』(アルジャーノンにはなたばを、Flowers for Algernon)は、アメリカ合衆国作家ダニエル・キイスによるSF小説1959年に中編小説[注釈 1]として発表され、翌年ヒューゴー賞短編小説部門を受賞[1]1966年に長編小説として改作され、ネビュラ賞を受賞した[2][3]

それまでのSF小説が宇宙未来などを舞台とした作品であったのに比べ、本作は知能指数を高める手術とそれに付随する事柄という限定した範囲での前提でSFとして成立させている[4]ジュディス・メリルは、本作をSFの多様性をあらわす作品のひとつとして位置づけている[4]。また、最後の一文が主眼であり、ここに収束される感動に泣かされる作品でもある[5]

作品背景・発表経過[編集]

短編『エルモにおまかせ』を発表後、次作のアイディアを考えていたダニエル・キイスは、自身がブルックリンカレッジ在学中に書きなぐっていたメモを見つけ、そこから創作の構想を膨らませていった[6][7]

その学生時代のメモには、「ぼくの教養は、ぼくとぼくの愛するひとたち――ぼくの両親――のあいだにを打ちこむ」「もし人間の知能を人工的に高めることができたら、いったいどういうことになるか」と書き留められていた[6][7]

キイスは、社会問題となっている「いじめ」「虐待行為」などの「暴力と精神崩壊」の原因について考え、「知能」が人間に与えられた最高の資質の一つであるにもかかわらず、その知識を求める心が、愛情を求める心を排除してしまうことが多い点に気づき、「愛情を与えたり受け入れたりする能力がなければ、知能というものは精神的道徳的な崩壊をもたらし、神経症ないしは精神病すらひきおこす」こと、「自己中心的な目的でそれ自体に吸収されて、それ自体に関与するだけの心、人間関係の排除へと向かう心というものは、暴力と苦痛にしかつながらないということ」を作品のモチーフに据えた[7]

知的障害のある主人公・チャーリイの書いた記録という設定のため、キイスは、実際に主人公と同じ特性を持つ少年の文章を参考にして、冒頭の文章スタイルを作っていった[3]

出来上がった中編を友人フィル・クラス(SF作家・ウィリアム・テン)に見せ、「これはまちがいなく古典になる」と太鼓判を押されたキイスは、さっそく原稿を『ギャラクシイ』誌に持っていくが、暗い結末をハッピーエンドに書き変えれば掲載すると言われてしまった[6]。友人フィルは、絶対に結末は変えるなとキイスに強く忠言した[6]

結末を変えなかった中編『アルジャーノンに花束を』は、1959年に、アメリカの雑誌『ファンタジイ・アンド・サイエンス・フィクション』4月号で発表され、翌年ヒューゴー賞を受賞し[2]アイザック・アシモフ編の『ヒューゴー賞傑作選 No.2』にも収録された[2]。その後1966年に長編小説化され、ハーコート・ブレイス&ワールド社から刊行された。長編版はネビュラ賞を受賞し、ヒューゴー賞 長編小説部門候補にも挙げられた[2]。過去の受賞作と同内容のものが候補となることは異例である[2]

作品内容[編集]

形式・文体[編集]

主人公・チャーリイ・ゴードン自身の視点による一人称で書かれており、主に「経過報告」として綴られる。序盤は幼児が書いたように誤綴りだらけで文法的にも破綻が多く、ごく簡単な言葉や単純な視点でのみ、彼の周囲の事柄が描かれている。やがて主人公の知能の上昇に伴い、文章のスタイルは高度で複雑なものへと変わっていき、思考の対象もより抽象的で複雑な内面の描写へと変化していく。

あらすじ[編集]

知的障害を持つ青年チャーリイは、かしこくなって、周りの友達と同じになりたいと願っていた。他人を疑うことを知らず、周囲に笑顔をふりまき、誰にでも親切であろうとする、大きな体に小さな子供の心を持った優しい性格の青年だった。

彼は叔父の知り合いが営むパン屋で働くかたわら、知的障害者専門の学習クラスに通っていた。ある日、クラスの担任である大学教授・アリスから、開発されたばかりの脳手術を受けるよう勧められる。先に動物実験で対象となったハツカネズミの「アルジャーノン」は、驚くべき記憶・思考力を発揮し、チャーリイと難関の迷路実験で対決し、彼に勝ってしまう。彼は手術を受けることを快諾し、この手術の人間に対する臨床試験の被験者第1号に選ばれたのだった。

手術は成功し、チャーリイのIQは68から徐々に上昇し、数か月でIQ185の知能を持つ天才となった。チャーリイは大学で学生に混じって勉強することを許され、知識を得る喜び・難しい問題を考える楽しみを満たしていく。だが、頭が良くなるにつれ、これまで友達だと信じていた仕事仲間にだまされいじめられていたこと、自分の知能の低さが理由で母親に捨てられたことなど、知りたくもない事実を理解するようになる。

また、高い知能に反してチャーリイの感情は幼いままだった。突然に急成長を果たした天才的な知能とのバランスが取れず、妥協を知らないまま正義感を振り回し、自尊心が高まり、知らず知らず他人を見下すようになっていく。周囲の人間が離れていく中で、チャーリイは手術前には抱いたことも無い孤独感を抱くのだった。さらに、忘れていた記憶の未整理な奔流もチャーリイを苦悩の日々へと追い込んでいく。

そんなある日、自分より先に脳手術を受け、彼が世話をしていたアルジャーノンに異変が起こる。チャーリイは自分でアルジャーノンの異変について調査を始め、手術は一時的に知能を発達させるものの、性格の発達がそれに追いつかず社会性が損なわれること、そしてピークに達した知能は、やがて失われ元よりも下降してしまうという欠陥を突き止める。彼は失われ行く知能の中で、退行を引き止める手段を模索するが、知能の退行を止めることはできず、チャーリイは元の知能の知的障害者に戻ってしまう。自身のゆく末と、知的障害者の立場を知ってしまったチャーリイは、自らの意思で障害者収容施設へと向かう。

彼は経過報告日誌の最後に、正気を失ったまま寿命が尽きてしまったアルジャーノンの死を悼み、これを読むであろう大学教授に向けたメッセージ(「ついしん」)として、「どうかついでがあったら、うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってください」と締め括る。

登場人物[編集]

長編版に準ずる。フェイ・リルマンやチャーリイの家族など、一部人物は長編版のみの登場となる。

チャーリイ・ゴードン(Charlie Gordon)
主人公。32歳だが、知能は6歳児並みの知的障害者。母・ローズとの確執が元で自分の知能にコンプレックスを抱いており、頭が良くなりたいと強く願っている。
脳手術を受けて天才となるが、精神は幼いままでバランスが取れず苦悩することとなる。
アルジャーノン(Algernon)
チャーリイの前に同じ脳手術を受け、天才的な知能を得たハツカネズミ。
教授たちの扱いに腹を立てたチャーリイとともに研究室から逃亡するが、手術の副作用で狂暴化し、死亡する。
アリス・キニアン(Alice Kinnian)
チャーリイが通う精神遅滞者専門の学習クラスの女性教師。チャーリイの学習意欲を見込んで、脳手術を勧める。親身な性格で、最後までチャーリイに対して一人の人間として接し続けた。
ハロルド・ニーマー教授(Professor Harold Nemur)
プロジェクトの研究主任で心理学者。プライドが高く神経質。
ジェイ・ストラウス博士(Doctor Jay Strauss)
精神科医にして脳神経外科医。チャーリイの脳手術を執刀した。屈託がなく、チャーリイにフランクに接する。
バート・セルドン(Burt Seldon)
大学院生で心理学の専攻学生。プロジェクトの助手を務めており、アルジャーノンの世話をしている。とても親切な性格。
フェイ・リルマン(Fay Lillman)
中年の女流画家。自由奔放な性格。
超天才となったチャーリイに興味を持ち、一時期彼と交際していた。
アーサー・ドナー(Arthur Donner)
チャーリイが勤めるパン屋の主人。亡き親友ハーマンに頼まれ、その甥であるチャーリイの面倒を見ている。情に篤い好漢。
一度はチャーリイを解雇するものの、後に手術の影響で元の知能に戻ってしまった彼が再雇用を志願した際、それまでの経緯を知って暖かく迎え入れた。
マット(マシュウ)・ゴードン(Matt Gordon)
チャーリイの父。息子の障害を受け入れており、接し方をめぐってたびたび妻と対立していた。天才となったチャーリイが行方を突き止めたときには、妻と別居し念願の理髪店を営んでいた。
ローズ・ゴードン(Rose Gordon)
チャーリイの母。世間体を気にする性格のため、いつまでも知能的に成長しないチャーリイを受け入れることができず、彼を健常者と同等にする事に固執していた。ノーマが生まれて以降はチャーリイを邪険に扱うようになり、娘のためにチャーリイを障害者収容施設へ送ろうとした。
天才になるも人望を無くしていた彼と再会した時は、認知症に近い状態になっており、ノーマの介護を受けている描写がある。
ノーマ・ゴードン(Norma Gordon)
チャーリイの妹。成績優秀で快活な美少女。母の影響でチャーリイを嫌っていたが、彼が天才になって再会した際は思いやりのある心優しい性格になっていた。チャーリイから過去に起こった自分とのいさかいを聞き、自分の我儘な振る舞いを反省・謝罪した。
ギンピィ
パン屋の職人頭。足が不自由。職人気質の厳格な人物で、従業員全員から恐れられている。
常連客と組んで売上の一部を横領していた。それを知能が発達したチャーリイに諌められた事に立腹し、同僚達と謀って彼が解雇されるきっかけを作った。しかし、知能が元に戻ったチャーリイがクラウスに絡まれた際は、率先して彼を擁護した。
ジョウ・カープ
チャーリイの同僚。意地悪な性格で、チャーリイをからかう。しかし次第に彼を気にかけ、親しく付き合うようになる。
フランク・ライリー
チャーリイの同僚。ジョウカープ同様チャーリイをからかうが、次第に理解者となっていく。
ファニー・バードン
パン屋の同僚。気立てが良く世話好きで、チャーリイに精神遅滞者専門の学習クラスを紹介する。
チャーリイが解雇された時は、唯一陳情書に署名せず、傲慢さが目立った彼を諌めたのみであった。
バーニー・ベイツ
パン屋の同僚。
マイヤー・クラウス
チャーリイがパン屋を離れていた間に入社した従業員。かつて天才であったチャーリイを見下し脅迫するが、ギンピィらに阻止される。解雇されそうになるがチャーリイの温情もあり許される。

作者との関係[編集]

作者であるダニエル・キイスにとっても『アルジャーノンに花束を』は印象深いものであったようで、自伝『アルジャーノン、チャーリイ、そして私』を書いている[6]

キイスは作家として1952年に最初の作品を発表したが注目されてこず、『アルジャーノンに花束を』が彼を「一躍スターダムに押しあげた」。彼は10代の頃から学資を稼ぐため、パン職人の見習い、パンの配送、軽食堂のウェイターなどをしたが、その時の経験も主人公チャーリイに注ぎ込まれており、キイスは、「チャーリイ・ゴードンはわたしです」と述べている[6][7]

アイザック・アシモフはヒューゴー賞をキイスに手渡したときの逸話として、以下のようなキイスの「不滅の名言」を回想している[8]

私(アシモフ)は「いったいどうやって、彼(キイス)はこんなことをやり遂げたのですか?」とミューズ(知の女神)に問うた。…キイスは丸っこい、穏やかな表情で、こんな不滅の名言を返してきたのである。「ねえ、わたしがどうやってこの作品を創ったか、おわかりになったら、このわたしにぜひ教えてください。もう一度やってみたいから」[8][7]

キイスは中編発表後も、主人公チャーリイのことが頭から離れず、チャーリイが「もっと書いて」と訴えかけていたと語っている[6]。キイスは、チャーリイの「心と過去」を深く探るうちに、もっと彼の感情の発達形成の様々な経験を理解する必要性を感じ、長編化をおこなった[6]

長編発表直後に一人の精神科医から手紙を受け取り、これがきっかけで後に『五番目のサリー』へと繋がった。また『ビリー・ミリガン』のシリーズは、ビリー自身が『アルジャーノンに花束を』を読み、「自分の人生についてもチャーリイのように、自分の立場から書いて欲しい」と依頼したことに端を発している[9]

日本語版[編集]

日本での出版は早川書房からなされており、翻訳権独占であった。なお、ハヤカワ文庫版の発売まで10年以上の期間があった。

中編小説版は稲葉由紀(稲葉明雄)訳で『S-Fマガジン1961年2月号に掲載、『世界SF全集』32巻(1969年出版)および『心の鏡 ダニエル・キイス傑作集』(1993年出版)に収録された。長編小説版は1978年小尾芙佐訳で出版、1989年に改訂された。いずれの訳でも、はじめはめちゃくちゃだった英語の綴り・句読法や文法がチャーリイの知能の向上につれて徐々に正しくなっていく(後半では再びでたらめになってゆく)原文の表現を、日本語の漢字・句読点テニヲハに移し変えた名訳と言われている[注釈 2]

2015年3月13日にハヤカワ文庫から新装版が出版された[10]。表紙には佐々木啓成のイラストが使われている。また新装版の発売に際し特設サイト[11]がオープンし、早川書房では期間限定で「カフェ・アルジャーノンに花束を」にてダニエル・キイスの名作をテーマとしたカフェを営業した[12]

2015年4月8日に早川書房から愛蔵版が出版された。装丁には絵本作家の酒井駒子のイラストが使われている[13]

長編中の知的障害者の扱い(用語)に関しては、時代を反映して、それぞれ翻訳された語が変えられている。

映画[編集]

1968年[編集]

"Charly"(邦題『まごころを君に』)、アメリカ、1968年

2000年[編集]

"Flowers for Algernon"、カナダ、2000年 ※テレビ映画

2006年[編集]

"Des Fleurs Pour Algernon"、フランス、2006年 ※テレビ映画

物語の舞台はスイスジュネーヴで、主人公の名前がフランス語圏風にシャルルと改変されている。原作本をベースにしながらも、パン屋ではなく学校の清掃員、手術ではなくて開発中の新薬の注射、後見人ペルノの存在、などの、多くの改変があり、ピアノ教師のアリス・フェルネとの恋愛なども追加されている。物語の後半で、激高したシャルルはネズミのアルジャーノンを強引に研究室から持ち出し、自宅で殺してしまう。

2014年[編集]

"Des fleurs pour Algernon"、フランス、2014年 ※テレビ映画、日本ではTV5MONDEにて放映[15]

テレビドラマ[編集]

2002年[編集]

小説版をもとにしたテレビドラマが関西テレビMMJで製作され、2002年10月8日から12月17日までフジテレビ系の「火曜22時枠」で放送された。全11回。最高視聴率14.5%(初回)、平均視聴率11.1%。主人公チャーリイ・ゴードンは藤島ハルと名前を変え、舞台も日本に変更され、「知的障害者への差別によるいじめが強く描写されている」「主人公が恋する先生にも恋人がいる」など、一部変更されている。また結末も原作より大きく変更されている。脚本の岡田惠和、音楽の寺嶋民哉など、スタッフ、キャストにドラマ『イグアナの娘』のメンバーが集結している。

2015年[編集]

小説版をもとにしたテレビドラマが2015年4月10日から6月12日まで毎週金曜日22時 - 22時54分に、TBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された[注釈 3]。主演は山下智久[16]、脚本監修は野島伸司[17][18]。舞台は日本となっており、チャーリイに当たる人物の白鳥咲人の勤め先が花屋になるなど、一部変更が加えられている。

2015年度「第19回日刊スポーツ・ドラマグランプリ(GP)」の春ドラマ選考で4冠を達成した。作品賞のほか主演男優で山下智久、助演男優で窪田正孝、助演女優で栗山千明が1位だった[19]

ラジオドラマ[編集]

1995年8月7日から11日まで、NHKFM青春アドベンチャー枠で「ダミーヘッド・ドラマ・スペシャル」としてラジオドラマ化され放送された(全5回)[20]。奇抜な演出も大きな改変もなく、原作小説の内容がほぼ忠実に再現された。

なお、1977年1月7日にNHKラジオ第1放送「文芸劇場」枠で、中編版を原作とする1話完結でラジオドラマ化されたこともある。(再放送:1989年6月18日「ラジオ名作劇場」、NHKラジオ第2放送

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

舞台[編集]

様々な形で舞台化されている。

菊池版[編集]

1990年[編集]

9月21日から10月7日まで現代演劇協会附属劇団昴公演。脚本・演出は菊池准で「三百人劇場」にて上演[21]

2005年[編集]

6月9日から7月1日まで現代演劇協会附属劇団昴公演。脚色は菊池准、演出は三輪えり花で「三百人劇場」にて上演[22]

2020年[編集]

4月15日から19日まで(劇団昴が脚色・演出は菊池准で「あうるすぽっと」にて)上演予定だったが新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止された。

荻田版[編集]

2006年[編集]

2月22日から3月10日まで博品館劇場静岡市民文化会館大阪厚生年金会館愛知厚生年金会館にて上演。脚本・演出は荻田浩一。音楽は斉藤恒芳

2014年[編集]

9月18日から28日まで、天王洲 銀河劇場サンケイホールブリーゼほかにて上演。2006年版と同じく浦井健治が出演。キャッチコピーにも「8年の時を経て」とあるように、2006年版の再演となる。

  • チャーリイ・ゴードン - 浦井健治
  • ハロルド・ニーマー教授 他 - 良知真次
  • アルジャーノン 他 - 森新吾
  • バート・セルドン 他 - 高木心平
  • フェイ・リルマン 他 - 秋山エリサ
  • ヒルダ/ノーマ(現在) 他 - 桜乃彩音
  • ルシル/ノーマ(回想) 他 - 吉田萌美
  • ストラウス博士 他 - 宮川浩
  • アリス・キニアン/ローズ(回想) - 安寿ミラ

2017年[編集]

2017年3月に天王洲 銀河劇場と兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで上演。主演は矢田悠祐[23]

2020年[編集]

10月15日から11月1日まで、博品館劇場で上演。同年に予定されていたが中止になった#菊池版の振替公演ではない。主演の矢田の他、キャストの続投が多く、2017年版の再演となる。

  • チャーリィ・ゴードン - 矢田悠祐
  • ノーマ(現在) - 大月さゆ
  • ノーマ(回想) - 元榮菜摘
  • フェイ・リルマン 他 - 青野紗穂
  • ニーマー教授 他 - 大山真志
  • アルジャーノン 他 - 長澤風海
  • バート・セルダン 他 - 和田泰右
  • ストラウス博士 他 - 戸井勝海
  • アリス・キニアン - 水夏希

キャラメルボックス版[編集]

2012年[編集]

演劇集団キャラメルボックスにより、7月21日から8月12日までサンシャイン劇場、8月16日から24日まで新神戸オリエンタル劇場にて上演。チャーリイ・ゴードンとアリス・キニアンがダブルキャストになっており、もう一方の上演時は別の役として出演する。また、CMやダンスシーンでandropWorld.Words.Lights.が使用された。

その他[編集]

  • 氷室京介は本作品を読んで感銘を受け、BOØWY解散後の1988年に発売したソロアルバムに『FLOWERS for ALGERNON』と命名している。収録曲の『DEAR ALGERNON』は後にシングルカットされた。
  • 1971年にフジテレビ系で放送された特撮テレビ映画『スペクトルマン』(ピー・プロダクション制作)の第48話「ボビーよ怪獣になるな!!」、第49話「悲しき天才怪獣ノーマン」のストーリーは「アルジャーノンに花束を」の翻案である。
  • ザ・シンプソンズの第12シーズン第9話「あのクレヨンをもういちど」は本作をモチーフとしており、脳の手術(脳に突き刺さったクレヨンの摘出)を受けた結果知能指数が倍近く上がったものの実生活での幸福を得ることができず結局は元に戻ることを選択した主人公ホーマーの顛末が描かれている。
  • 2017年に京都大学の研究チームがダウン症により知的障害を引き起こす遺伝子の働きを抑制する化合物を発見、実際にダウン症の子を妊娠した母マウスにこれを投与したところ、子マウスの脳構造や学習行動に改善が見られたと発表した。この化合物は本作品にちなみ「アルジャーノン」と命名された[24]

参考文献[編集]

  • 谷口高夫「解説」『アルジャーノンに花束を』、早川書房(ハードカバー版)、1984年
  • 早川書房編集部「ダニエル・キイス 人と作品」『五番目のサリー 下』、早川書房(ダニエル・キイス文庫)、1999年
  • ダニエル・キイス(訳:小尾芙佐)『アルジャーノン、チャーリイ、そして私』(早川書房、2005年)
  • 新版『アルジャーノンに花束を』(ハヤカワ文庫、2015年)

注釈[編集]

  1. ^ 本作品は約12000単語の長さがある。ヒューゴー賞短編小説部門は原則としては、7500単語以下の小説を「短編」と定義している。
  2. ^ 小尾芙佐は、チャーリイと同じ特性を持つ画家山下清の放浪日記の文章を参考にして翻訳したという[3]
  3. ^ 初回は15分拡大して放送(22時 - 23時9分)し、最終回は本編とは別に、一部地域のみ21時59分 - 22時に『もうすぐアルジャーノンに花束を』を別途放送。

出典[編集]

  1. ^ 1960-hugo-awards”. The Official Site of The Hugo Awards(ヒューゴー賞公式サイト) (1960年). 2015年4月6日閲覧。
  2. ^ a b c d e 谷口高夫「解説」 『アルジャーノンに花束を』(改訂25版)早川書房、1991年5月15日、321頁。ISBN 4-15-203393-2 
  3. ^ a b c 小尾芙佐「訳者あとがき」(新版『アルジャーノンに花束を』)(ハヤカワ文庫、2015年)
  4. ^ a b 谷口高夫「解説」 『アルジャーノンに花束を』(改訂25版)早川書房、1991年5月15日、322頁。ISBN 4-15-203393-2 
  5. ^ 谷口高夫「解説」(『アルジャーノンに花束を』)(早川書房ハードカバー版、1984年)241頁
  6. ^ a b c d e f g h ダニエル・キイス(訳:小尾芙佐)『アルジャーノン、チャーリイ、そして私』(早川書房、2005年)
  7. ^ a b c d e ダニエル・キイス「日本語版文庫への序文」(新版『アルジャーノンに花束を』)(ハヤカワ文庫、2015年)
  8. ^ a b アイザック・アシモフ『ヒューゴー賞傑作選 No.2』
  9. ^ 早川書房編集部「ダニエル・キイス 人と作品」(『五番目のサリー 下』)(早川書房 ダニエル・キイス文庫、1999年)
  10. ^ ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を〔新版〕』3月13日(金)発売!”. 2015年3月11日閲覧。
  11. ^ アルジャーノンに花束を”. 2015年5月1日閲覧。
  12. ^ カフェ・アルジャーノンに花束を」、日曜祝日の営業が決定!”. 2015年3月18日閲覧。
  13. ^ 『アルジャーノンに花束を』愛蔵版刊行”. ORICON (2015年4月8日). 2015年4月8日閲覧。
  14. ^ 谷口高夫「解説」 『アルジャーノンに花束を』(改訂25版)早川書房、1991年5月15日、323頁。ISBN 4-15-203393-2 
  15. ^ DES FLEURS POUR ALGERNON (PA)”. TV5MONDE. 2019年6月19日閲覧。
  16. ^ 山下智久・主演で「アルジャーノンに花束を」ドラマ化!「この役は相当チャレンジ」”. CinemaCafe.net (2015年2月6日). 2015年2月10日閲覧。
  17. ^ 山下智久、現代版『アルジャーノンに花束を』で連ドラ主演 野島伸司とタッグ”. オリコンスタイル (2015年2月6日). 2015年2月10日閲覧。
  18. ^ 山下智久主演×野島伸司脚本で『アルジャーノンに花束を』ドラマ化決定!”. マイナビニュース (2015年2月6日). 2015年2月10日閲覧。
  19. ^ 「アルジャーノンに花束を」が4冠 / 日刊スポーツドラマGP春”. 日刊スポーツ新聞社 (2015年7月3日). 2015年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月3日閲覧。
  20. ^ NHKアーカイブス NHKクロニクル / 青春アドベンチャー ダミーヘッド・ドラマ・スペシャル『アルジャーノンに花束を』第1回 (1995年8月7日放送、全5回)”. NHK 日本放送協会. 2022年11月29日閲覧。
    NHKアーカイブス NHKクロニクル / 青春アドベンチャー ダミーヘッド・ドラマ・スペシャル『アルジャーノンに花束を』第5回・最終回 (1995年8月11日放送、全5回)”. NHK 日本放送協会. 2022年11月29日閲覧。
  21. ^ 『アルジャーノンに花束を』 昴No.53 – 現代演劇協会 デジタルアーカイヴ”. onceuponatimedarts.com. 2021年7月27日閲覧。
  22. ^ 『アルジャーノンに花束を』 昴No.109 – 現代演劇協会 デジタルアーカイヴ”. onceuponatimedarts.com. 2021年7月27日閲覧。
  23. ^ “矢田悠祐「アルジャーノンに花束を」で初主演、「自分をネクストステージに」”. ステージナタリー. (2016年9月17日). https://natalie.mu/stage/news/202207 2016年9月20日閲覧。 
  24. ^ ダウン症 抑制の新化合物 出生前投与、マウスで効果毎日新聞 2017年9月5日付 同日閲覧

外部リンク[編集]