押忍!!空手部

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押忍!!空手部』(おす!!からてぶ)とは、高橋幸二作・画の格闘漫画作品および、それを原作とした映画作品。

概要

1985年、「週刊ヤングジャンプ」紙上での読切掲載からスタートし、1996年まで連載された。当初、主人公は一年生部員の松下正で内容も学園グラフィティものだったが、次第にバトル路線にシフトしていったため空手部主将の高木義志へと変更された。 路線変更後はジャンプの三大黄金律「努力」「友情」「勝利」を余すことなく取り込んでおり、次々に現れる強敵たちに対して主人公の高木が修行によって太極拳・神極拳などを身につけパワーアップしては撃破していくという黄金パターンが特徴的である。また一度倒した敵も高木に友情を感じ仲間になるものの、新たに登場する強敵達にあっけなく撃破されてしまうという典型的な「強さのインフレ」も顕著な作品である。

あらすじ

大阪篇

大阪でも有名な不良高校である関西第五工業高等学校、通称「関五工」。平凡な高校生・松下正は強くなりたくて、関五工の中でもさらに悪名高い空手部に入部した。空手部先輩たちの理不尽なシゴキに耐える松下・斉藤をはじめとする一年生部員たちの日々のエピソードや他運動部への助っ人編、空手部主将・高木義志の首を狙う近隣の不良たちとの抗争編等、関五工を中心としたエピソードが描かれる。

阪神戦争篇

高木を倒し大阪を支配下に置くため「神戸の三本柱」こと、末永禅・龍隆虎隆兄弟・リック=パワードたちが大阪に奇襲をかけた。続いて始まった神戸軍団による大阪総攻撃。突如襲撃され傷つき倒れる大阪の猛者たち。神戸の三本柱との戦いで重傷を負った高木だが、「三代目大阪魂」として逆襲を開始する。

死国連合篇

神戸軍団を撃退し束の間平和となった大阪。ある日、大阪で名の売れた猛者たちに向け一斉に差出人不明の招待状が送りつけられた。高木の元にも届いた招待状。普段は顔を会わすことも無い大阪の猛者たちだが、招待状に誘われ一堂に会することになる。集められたものの一向に現れない差出人に不信の色を隠せない一同だったが、自然と興味は「大阪のワルの頂点『大阪魂』にふさわしいのは誰か?」という議題になる。いずれも劣らぬ大阪のワルたち。期せずして大阪のワルの頂点「大阪魂四代目」の座を巡り喧嘩自慢たちの激突が始まるが、それは大阪の弱体化を狙う「死国連合」の策略だった。明かされる高木の過去と大阪魂の誕生秘話。会合の首謀者であり、死国連合のスパイであった忌羅孝を倒し事態を収拾する高木だったが黒幕である死国連合の手はすぐそこまで迫っていた。四国から神の軍団・死国連合を率いるは高木のかつての空手の師匠であり、大阪魂の創設者である「初代大阪魂」・神雷功。黒幕の正体を知って一時は戦意喪失する高木であったが新たな力・太極拳を身に付け、大阪を守るため神雷に闘いを挑む。太極拳奥義・発勁によって見事神雷を討ち果たす高木であったが、今回の騒動によって関五工から退学を宣告される。意気消沈の高木に懇意の医師・福島は上京することを進める。福島の計らいで死を偽装した高木は仲間たちと別れ東京へと旅立つ。

新宿篇

大阪を離れ東京新宿の西新宿学院に転校した高木。転校先は新宿でも有名な不良高校だった。高木は空手部を立ち上げ、ワルの巣窟西新宿学院応援団を撃破するが新宿を支配する「影の五人衆」を敵に回すことになる。それは東京を支配する暴走族「大東京連合」と敵対する危険な行為だった。影の五人衆を倒した高木であったが、その裏では渋谷部隊頭・小川小百合による新宿乗っ取り計画が進められていた。そんなあるとき高木は新宿愚連会による襲撃を受ける。新宿愚連会総長・竹内烈と直接対決する高木をよそに、渋谷部隊による新宿攻撃がスタート。西新宿学院も戦火にさらされる。竹内戦で利き腕を負傷していた高木であったが渋谷部隊を次々に撃退、渋谷部隊最強である副頭・猪狩克裕をも倒した高木は新宿・渋谷2区の頂点に立つ。 渋谷を追われた小川小百合はその復讐に殺し屋・真島朴を差し向ける。かつてない異常な技を繰り出す真島に苦戦するものの高木はこれを退ける。しかしこの殺し屋・真島朴が大東京連合六本木部隊頭・真島サブの弟であるとはその時の高木には知る由もなかった。

東京篇

新宿・渋谷の頂点に立った高木に東京の各地区の頭による会合「ヘッドコングレス」の招集状が届く。それは新宿・渋谷の上納金を狙う大東京連合の罠だった。騙し討ちにより瀕死の重傷を負いながらもヘッドコングレスから生還した高木は墨田池袋銀座六本木の各部隊の頭に戦いを挑む。苦戦しつつも勝利した高木は東京を制覇し「初代東京魂」となった。

関東篇

東京の頭になった高木は真島サブから関東各地域が互いの不干渉を守るという「関東条約」の存在を聞かされ関東連合総帥・漆原睦夫のもとへ挨拶に赴く。絶対的なリーダーである漆原を中心とした関東連合であったが、漆原は癌に冒されておりその将来に一抹の不安を抱えていた。そんな中、関東の動乱を望む“茨城の春風”こと寺本清一らの手により病床の漆原が惨殺される。関東連合に不満を持つ寺本たちによって結成された「新関東総和会」は東京侵攻を開始。当初、漆原の遺志を継ぎ不戦を誓っていた高木であったが否応無く闘いに巻き込まれていく。しかし高木の発勁が“千葉の猛牛”こと宗政治の百歩神拳の前に敗退。漆原睦夫の弟・春野に救われた高木は、かつて漆原が関東を統一するときに修めた秘拳・神極拳を学ぶべく谷川岳へと向かう。その頃関東では、東京・神奈川・群馬の連合対、新関東総和会の戦いが繰り広げられていた。劣勢の東京連合…その最終決戦の最中、神極拳を習得した高木が谷川岳より帰還、総和会幹部たちを神極拳奥義・天地神明掌にて次々に撃破する。が、新関東総和会のリーダーである寺本により天地神明掌は破られてしまう。底知れぬ寺本の実力に絶体絶命の危機に何度も陥る高木だったが戦いの中で更なる奥義、真天地神明掌を開眼し寺本を倒した。

龍天昇篇

高木に神極拳を教えた黄陳陳が、黄家の末弟である黄暗海とその弟子の我王によって殺害された。黄陳陳の最期を看取った高木は、太極拳の師であり黄家の次兄である黄流雲のいる神戸へと向かう。しかしすでに暗海と我王の魔の手が龍隆虎隆兄弟や大阪魂四代目・忌羅に襲いかかる。一旦は危機を脱するものの、暗海と手を組んだ西日本最大の暴力団「集英会」会長・桐山の命を受けた我王により忌羅は殺害される。さらに我王と拳を交える高木であったが敗北、流雲は暗海によって連れ去られてしまう。流雲が残した「辰・辰・辰」の言葉から、陳陳・龍雲・暗海三兄弟の父である黄天昇の奥義「龍天昇」の存在を知った高木たちは、大禅寺でその手がかりを捜索し、龍天昇の記された巻物を発見する。暗海・我王と再び遭遇した高木は巻物を仲間に託して我王と再戦し勝利するも、暗海の弟子・トントンとゲンゲンに巻物を奪われてしまう。暗海の側に寝返った末永から集英会の桐山の存在を知った高木たちは、敵地へ侵入し流雲の身柄と龍天昇の巻物を取り戻す。高木たちは流雲から龍天昇の「力」とは別に隠された「宝」の正体が兆単位の麻薬だと知らされ驚愕する。龍天昇の巻物奪還と高木抹殺に業を煮やした桐山は大阪中の集英会組員を総動員する。関五工空手部に避難していた高木たちだったが、集英会の組員による無差別の襲撃や神雷が集英会の組員に殺害されたことで高木はついに関西・関東の東西連合を大阪に呼び寄せ集英会との全面戦争に突入する。東西連合は多くの犠牲の末に大阪城へ集結する。巻物の解読結果から龍天昇を会得するには邪極拳が必要だと知り高木はショックを受けるが、かつての敵であった我王から邪極拳の神髄を伝授されついに龍天昇を習得する。高木はトントン・ゲンゲンとの連戦に突入。見事トントンを打倒するも、ゲンゲンに返り討ちに合い高木は生死の淵を彷徨う。魂となった高木の前に死した神雷と黄天昇の魂が現れる。黄天昇から龍天昇の真の力が「生命力」だと教わった高木は「真龍天昇」を会得し復活する。一方、大阪城に集結した森上たちは桐山のいる大阪の集英会事務所を襲撃。桐山は暗海とともに大阪事務所を放棄して逃走を図る。後を追う森上たちの前にはゲンゲンが立ちはだかる。善戦するも圧倒的なゲンゲンの前になす術のない森上たち。しかしそこへ高木が帰還。理性を消し邪極拳の究極系と化したゲンゲンと新たに得た「生命力」を開放した高木との一騎打ちとなる。両者死力を尽くしながらも最後は高木の二発目の「真龍天昇」によって決着した。

高木たちの死闘の裏で脱出する桐山と暗海の前に広島愚連隊を率いる謎の男・赤松剛鬼が現れる。桐山の命乞いをよそに赤松剛鬼は手にしたデザートイーグルで両名を銃殺し巻物を強奪。さらに暗海たちの後を追って現れた高木たちを一蹴するとかねてより手配していた機動隊に一斉検挙させる。騒動の首謀者に仕立て上げられた高木は特別拘置所に送致されることとなった。

善と悪篇

赤松剛鬼の罠にはまり桐山殺しの濡れ衣を着せられた高木は特別拘置所から関西特等少年刑務所・別名「鬼泣き島」に移送されることになった。鬼泣き島ではルパン・虫・工作という三人の囚人による三つの派閥がいつ果てるともない小競り合いを続けていた。三者のバランスをうまく崩し、ルパンに戦いを挑んだ高木はルパンの正体が剛鬼の師・金周陰であることを知る。金周陰にKOされ幽体となった高木は天昇と再会する。生前、金周陰と因縁のあった天昇は金周陰、そして剛鬼も使う「合気」の攻略法を幽体の高木に伝授。復活した高木はルパンこと金周陰を見事打倒し鬼泣き島脱出を試みるのだがそこに剛鬼が来訪する。返す刀で剛鬼をも退ける高木。人生初の敗北を知った剛鬼は復讐を誓って退却し、高木は多くの犠牲を払いつつも鬼泣き島を後にした。

鬼泣き島を脱出し大阪に戻った高木は剛鬼の手によって関五工が廃校になったことを知る。仲間たちを人質に取られた高木は剛鬼の手下である四人の護鬼たちと「デス・ゲーム」と呼ばれる金持ちたちの賭け試合で闘うことになった。そこで高木は、デス・ゲームの主催者であり、時の最高権力者である内閣総理大臣・赤松剛之助が自分の実父であること、そしてその息子の赤松剛鬼が腹違いの兄であることを知る。剛之助と対立する政治家であり、高木の母親・志子の夫であった天馬人道から剛之助の母への凶状を知らされた高木は宿命を感じつつデス・ゲームを勝ち進んでいく。途中、さらなる力「験力」を得ようと滝行を敢行した高木は自らの煩悩と戦い、ついには釈迦との対話するに至り生命力を倍化させる「験力」を会得する。一方剛鬼はチベットに渡り対高木の修行を行っていた。四人目の護鬼、拳王・鬼龍院茂を苦戦しつつも退けた高木はチベット修行から戻りさらに強力となった剛鬼と最終決戦を開始する。途中、剛之助と母・志子の真実と剛鬼の過去、そして高木自身の過去を交えつつ恩讐を越えた闘いに高木は勝利する。 デス・ゲームを終えた高木であったが会場の外を包囲していた警官隊によって拘束される。護送車で運ばれる高木の姿が周囲の人間の見た最後の姿となった。

十数年後、大阪にて東西連合のOB会が催された。高木の仲間たちは旧交を温め合うが、肝心の高木のその後を知るものは誰もいなかった。そんなとき高木がアフリカにいるという情報が飛び込んでくる。 出所した高木は桃千代とともにアフリカの紛争地帯に渡り、ボランティア団体の一員兼護衛として力なき人々を今も守り続けていたのだった。

登場人物

大阪篇

高木義志(たかぎ よしゆき)
本編の主人公。関五工空手部主将で三代目大阪魂。口ひげとイナズマカットがトレードマーク。当初は空手技を主体に戦っていたが、強敵に出会うたびに新たな拳法を習得していき太極拳、神極拳、邪極拳、龍天昇等々の拳法を使いこなすようになっていった。幼い頃は孤児院で育っており(本作終盤の善と悪篇まで両親についての言及はなかった)、人見知りで気の弱い幼少時代を送っている。そんなとき神雷功と出会い空手を習ったことで人生を一変させていった。それが行き過ぎたのか中学時代は手のつけられないワルで大阪中に悪名を轟かせていたのだが、関五工に入学し森上真吾と出会ったことで改心し空手部に入部している。時代ごとに髪型等が大きく変わっており、幼少時代・おかっぱ、中学〜関五工入学当初・パンチパーマ、空手部入部後・イナズマカットとなっている。
ガチガチの硬派を気取っているが、意外にスケベな面があったり、甘いものが好物だったり(特にアイスクリームが大好物)と、お茶目なところも。また、実は高所恐怖症である。
松下正(まつした ただし)
空手部の新入生。斉藤と同期で二人セットで行動することが多い。別名「ぴえ〜んの松下」。当初の主人公だったがバトル路線に転向してからは高木に取って代わられた。正義感は強いが腕はからきしで(空手部ではあるが喧嘩などに勝った描写は斉藤とともに作中では滅多に無い)物語の初期は、「事件に巻き込まれてボコボコにされる〜高木が仇をとる」という展開が多かった。バトル路線に転向後も斉藤や桃千代とともに狂言回しとして多く登場していたが、高木が東京に転校してからは舞台が大阪に戻るまでほぼ登場しなくなった。エピローグでは再開された関五工の体育教師になっていた。
斉藤隆明(さいとう たかあき)
空手部の新入生。V字カットの剃り込みと小さい黒目&口ひげがトレードマーク。松下と同期で二人セットで行動することが多い。別名「平常心の斉藤」。エピローグではデスゲーム会場でくすねた金の延べ棒一本から商売を始め、自家用車としてフェラーリを所有するまでに成功している[1]
本田桃千代(ほんだ ももちよ)
空手部のマネージャー。本作のヒロイン。高木に憧れて空手部に入部する。天然ボケの性格をしており、当初はヒロインというよりマスコットキャラクターのような存在だった。泣き声が凄まじく、その威力は破壊音波並み。
阪神戦争篇頃から高木への恋心がクローズアップされ始めるが、どちらかといえば桃千代の片思いで、容姿的にもおかっぱ頭で素朴、取り立てて美人ではなかった。高木が東京に転校してからは松下や斉藤とともに一旦フェードアウトしていくが東京篇の終わりに再登場する。この際にかなり絵柄が変更され、美少女と言って良い容貌になっており、まりもとのヒロインバトルを征して高木と両想いになる。また、桃千代自身も高木を追って東京に転校し、それ以後は正真正銘のヒロインとして高木の精神的な支えとなっていった。
女性であるため基本はバトルに参加しないが、関五工空手部の一年生中最も空手の腕前に優れている。また、高木の身体に刺さった暗海の義手をこっそり抜き取ったり、生死の淵をさまよう高木を呼び戻したり要所要所で見せ場を作っている。
絵柄が変更されてからは性的な欲望の標的にされることが多くなり、善と悪篇では麻薬漬けにされ剛鬼のペットとされたり、護鬼の鬼龍院茂に公開まな板ショーをされそうになったりと受難に遭う。最後は高木に助け出され、エピローグではアフリカで高木に寄り添い行動を共にしていた。
森上真吾(もりがみ しんご)
関五校空手部前主将。高木の一個上の先輩で、唯一頭が上がらない存在の人格者。二代目大阪魂。高木と同じくイナズマカットをしている。左目には過去の神雷戦で受けた傷があり、ほとんど視力が無いらしい。
普段は不良には珍しいぐらい沈着冷静で、滅多なことでは怒ったり人を威圧することはなく、剽軽で優しい面を持ち合わせる。しかし怒りの頂点に達した時は誰よりも凄まじく、眼の前の敵を本気で殺しかねないほど容赦がなくなる上、止めようとした味方まで分別なく攻撃する非常に危険な性癖を持つ。そのため、「大阪の狂狼(きょうろう)」の異名も持っている。
後の死国連合篇では神雷の発經により残った右目の方も完全に潰されてしまい、それ以後は黒い眼帯を着けるようになったが、再登場したときには眼帯をつけておらず、左目同様に目の上下に走る傷のみになっていた。
得意技は「両刀掌底拳」。エピローグでは猛勉強の末に弁護士になったことが語られ、さらに皆が追い求めてやまない高木の居場所を突き止めた。
加馬田稲作(かばた いなさく)
関五校空手部副主将。高木と同期。別段空手の腕もない太った醜男であるが、人一倍空手部を愛しており雨の日も雪の日も部活動は無遅刻無欠席。それが森上に認められて副主将に抜擢された。新人いびりを好む性格も悪い人物であるが、阪神戦争篇では高木の留守に空手部に襲撃してきた神戸勢に体を張って抵抗するなど、副主将として男を見せたこともある。
安藤誠(あんどう まこと)
関五工ボクシング部主将。高木と決闘するが敗北。それ以後は高木の友人となり、数多く登場した。甘いものが苦手。エピローグではボクシングジムを経営していると語られている。
佐川章夫(さがわ あきお)
日本国体育大学付属高校空手部主将。かつて空手の公式試合において、高木の顔面に拳を当ててしまい反則負けするも裁定に納得のいかない高木が暴走したため逆に反則勝ちとなった過去があった。そのため後に真の決着をつけるべく高木と決闘するが敗北した。高木の友人の一人であり、何度となく再登場している。エピローグでは空手道場を開き、子供たちに教えていると語る。
北村剛(きたむら つよし)
忍ヶ丘学園相撲部主将。おたふく風邪の高木に挑むが敗北。死国篇では大阪魂決定戦に参戦するが高木に再び敗北。龍天昇篇で再登場するもののゲンゲンに踏み潰される。

阪神戦争篇

末永禅(すえなが ぜん)
通称「神戸の六甲おろし」。石で作った数珠を振り回す。僧兵のような格好をしており、禿でヒゲ面。作品中、自発的[2]に高木を裏切った唯一のキャラクターでもある。エピローグではやはり自身も改心し、地元・神戸で石材店を経営していると語っている。
龍隆・虎隆兄弟(りゅうりゅう こうりゅう)
通称「神戸の死神」。双子の太極拳の使い手で黄流雲の弟子。双子ならではの合体攻撃で高木を苦しめたが、高木&森上の息の合ったコンビプレイの前に敗北する。後に高木を師匠である黄流雲に引き合わせ高木のパワーアップに一役買っている。流雲が高木の師にもなった関係で登場頻度は割と多い。善と悪編では、クスリ漬けにされた影響で片足を切断するほどの重傷を負ってしまうが、エピローグではそれでもめげずに、流雲とともに太極寺の再建のため、中国本土に渡っていることが語られた。
リック・パワード
通称「神戸の黒鬼」。100キロの握力を誇る大柄な黒人。鋼鉄の筋肉と力任せの攻撃で高木を苦しめた。鋼鉄の筋肉は高木の拳すら寄せ付けなかったが「崖で宙吊りになったまま殴り合う」という高木の決死の頭脳作戦で自慢の筋肉を自在に発揮できずあえなく敗退した。エピローグでは本国に戻ってSWATに入ったと語られた。

死国連合篇

忌羅孝(きら たかし)
関西第三工業高校空手部主将。高木の幼馴染であり過去を知る数少ない人物の一人。高木と同じく神雷から空手を教わっていた。パンチから巻き起こる風から「風神」の異名を持つ。四代目大阪魂決定戦で圧倒的な強さを誇ったが高木に敗北。高木が東京に旅立った後に四代目大阪魂となる。死国篇以降には流雲の太禅寺で太極拳を学んでいる。龍天昇篇にて再登場し高木と再会するが、酒に酔ったところを待ち伏せていた我王の突きを受け死亡。享年17。
佐久間十字郎(さくま じゅうじろう)
ケンカ十段の異名を持つ優男で煙管を使用した攻撃をする。高木の「人を呼ぶ拳」という性質を見抜いて高木の側につくなど、洞察力に長ける面を持つ。高木と同じく、無用なケンカはしたがらない。四代目大阪魂候補の中ではかなりの常識人である。エピローグでは無職であると紹介された。
蔵王力山(ざおう りきざん)
通称「箕面の熊」。箕面熊山高校柔道部主将。四代目大阪魂決定戦では高木の側についたが、ある事情から最終的には高木を倒そうとする。
かつて鬼熊と呼ばれるワルだったが、とある出来事がきっかけで改心した。手のつけられないワル時代の高木が過去唯一恐怖を覚えた人物とされる。善と悪編では赤松剛之助邸に突入するため、大重量の鋼板の楯を後述の佐藤昭二・田辺勝成・宗政治・岩本哲男・遠藤彦介・トントンとともに持ち、護衛の銃撃を防いで突入を成功させた。エピローグでは消防士となっていると語る。
篠崎克夫(しのざき かつお)
八尾東町高校応援団団長。四代目大阪魂決定戦で佐久間と対戦。日本刀を持ち出すも敗北。
外川哲也(とがわ てつや)
今宮大附属高校アマレス部主将。四代目大阪魂決定戦で蔵王と対戦。片手で90kgある人間を持ち上げられるほどの鍛えられた筋肉とパワーを持ち、柔道の欠点を見抜いて上着を脱ぐなど、相応の実力者ではある。腕ひしぎ十字固めで腕をへし折られ敗北。
飯村透(いいむら とおる)
通称「ムエタイの猛者」。四代目大阪魂決定戦で佐川と対戦。秘中正拳突きを喰らい一撃で敗れる。
大樹直次(おおき なおじ)
鉄びしつきのグローブをはめていることから「鉄びしの鬼」と呼ばれる。佐久間と蔵王の説得に全く耳を貸さず、二人をいたぶり続けたことにより高木の逆鱗に触れ、対戦するがまったく攻撃が通用せず敗れる。四代目大阪魂候補の中では一番早くに脱落し、決定戦の場にすら姿を見せられなかった。
高貫克己(たかぬき かつみ)
死国連合四鬼神の一人で徳島の頭。武器は鎖分銅。
中井透(なかい とおる)
死国連合四鬼神の一人で香川の頭。武器は鉤爪。口調は慇懃。
田中浩之(たなか ひろゆき)
死国連合四鬼神の一人で愛媛の頭。武器は巨大な木槌。語尾に「~でちゅ」を付けて喋り、ブタ呼ばわりされると激怒する。
浅倉篤司(あさくら あつし)
死国連合四鬼神の一人で高知の頭。武器はドス。
黄流雲(こうりゅううん)
龍隆、虎隆の太極拳の師。黄三兄弟の次兄で後に登場する黄陳陳は兄で黄暗海は弟にあたり、天昇は太極寺の時期当主に流雲を選んだ。
神雷に対する葛藤から戦意を喪失し桃千代と逃避行にあった高木を一喝。以降、心技両面で高木の師匠となった。
物語中盤で何らかの病に蝕まれていることが明らかになるが、我王、ゲンゲンといった強敵相手にも立ち会える実力を見せている。
エピローグでは龍隆、虎隆とともに太極寺再建のため、中国本土に渡っていることが語られた。
神雷功(じんらい いさお)
初代大阪魂であり高木と忌羅に空手を教えた。得意の「稲妻拳(いなづまけん)」とその上位技「稲妻手雷拳(いなづましゅらいけん)」は凄まじいハンドスピードを誇り、相手の血が稲妻のように飛び散ることから「赤い稲妻」と呼ばれる。元々は男気のある人物であり、森上や高木のよき兄貴分であったが、ある出来事がきっかけで歪んでしまい、決別。四国を率いて大阪に乗り込む。高木との対決に敗れ改心、少年院に入る。出所後東京で銃撃された高木を助け、以降も高木を助け続ける。龍天昇編で龍天昇の解読を頼みに行った大学の構内にて、桐山修造より差し向けられたヤクザの凶刃に倒れる。
なお、春陽(はるひ)という忘れ形見の男児がおり、エピローグで登場。成長して、顔つきは神雷の面影を受け継いでいた。

新宿篇

霜鳥辰明(しもとり たつあき)
西新宿学院の生徒。眼鏡がトレードマークの優等生でもやしっ子。いじめられる自分を変えたくて高木が作った空手部に入部する。応援団との対抗戦に向けて特訓し精神・肉体共に強く成長した。応援団との対抗戦では応援団副団長の林行治を倒す大金星を挙げた。東京での松下・斉藤ポジションのキャラであるが大阪に舞台を戻してからは登場しなくなった。エピローグで再登場しており、当時の空手部メンバーとともにコンピュータ会社を興している。
美雲まりも(みくも まりも)
西新宿学院の生徒。新宿・東京篇でのヒロイン。周囲から一目置かれる不良美少女で、海千山千の女豹を気取るが根は純情。転校早々一発芸で披露した高木の発勁を知っているなど、妙に事情に詳しい。応援団の学院支配からの解放を託そうと高木に近づく。その後、徐々に高木に想いを寄せるようになるが桃千代が大阪から遊びにきたことで桃千代とのヒロインバトルが勃発する。結局自分に密かな想いを寄せていた大竹に諭されたことで身を引き、桃千代が西新宿学院に転校してきたことでヒロインの座そのものも譲ることとなる。エピローグでは大竹と結婚しており、一児をもうけた。
花森静香(はなもり しずか)
西新宿学院の校長。女性。福島先生の知人で大阪を追われた高木を西新宿学院に受け入れた。応援団の暴力による学院支配を憂いており、暴力装置となり得る高木の空手部創部を心配していた。若い頃は不良であったと思われるフシがあり、それを裏付ける発言・態度も度々している(中指を立て「我が校をなめんじゃねぇよ」など)。
教育者としてはかなり破天荒な面を持つが、基本的には話の分かるオバちゃん。西新宿学院が渋谷部隊に白昼襲撃されたときには「一人やっつければ赤点を一つ消します!」と生徒たちに発破をかけていた。
林行治(はやし ゆきはる)
西新宿学院応援団副団長。筋骨粒々の逞しい身体と七三分けの髪型が特徴。高慢な性格をしており、転校早々の高木をシメようとするなど応援団の顔役として目立っていたが、対抗戦では霜鳥に遅れをとるなどあまりいいところがなかった。
見た目によらず純情な面もあり、後に新宿部隊の「きつね狩り」によって大切な恋人がリンチに遭い重傷を負ってしまった時には、人目も気にせず滂沱の涙を流して謝り、悲しんだ。
エピローグでは公務員になっている。
坂本達也(さかもと たつや)
西新宿学院応援団団長。影の五人衆の一人。大柄な体躯と面長な顔[3]が特徴。空手部との対抗戦ではその体格を活かした怪力で高木を苦しめるが、正拳五段突きで吹き飛ばされ敗北した。以降高木の仲間となり共に新宿部隊を敵に回す。見かけによらず甘い物好きでアイスクリームが好物。エピローグでは「夢のために」現在はアルバイト生活を送っているとのこと。
大竹仁(おおたけ じん)
元西新宿学院応援団特攻隊長。琉球空手の使い手。常に白い学ランと赤いマフラーを身に纏っている。恋人が新宿部隊の「きつね狩り」関係者としてリンチされ、殺されてしまった凄絶な過去を持つ。赤いマフラーは、その娘の形見である。
空手部と応援団の対抗戦の折、窮地に陥ったまりもを助ける。その後はすぐに高木の仲間となり新宿部隊と敵対。影の五人衆の見猿・言わ猿・聞か猿に奇襲をかけるが逆襲され重傷を負う。なんとか復活し佐藤と戦うも敗北。渋谷部隊との抗争でも猪狩にKO寸前まで追い込まれる。西新宿学院に攻め込んできた池袋の田辺を坂本と共に迎撃するが巨大な鉄球を喰らい敗北、神雷に救われる。関東編で寺元と対戦。いつの間にか身につけていたムエタイ[4]で寺本を追い込むが返り討ちにあった。エピローグでは前述の美雲まりもと結婚、地元新宿にてタイ料理店を開いている。
見猿(みざる)、言わ猿(いわざる)、聞か猿(きかざる)
暴走族大東京連合新宿部隊の幹部で影の五人衆の三人。不気味な猿の面を被った小柄な三人組で本名は不明。三位一体の素早い動きと鋭利な鉄の爪を武器としており高木や大竹を苦しめた。初登場時には高木に負けた坂本に対してえげつない制裁を加えた。しかしその正体は高木と同年代の女子高生三人組で、後にセーラー服姿で再登場したときはあまりの雰囲気の変わりように高木を驚かせた。
作中では大竹を返り討ちにするなど、それなり以上の戦闘力を持っている。だが女性であるため一度捕まえられると非力という弱点を持ち、高木や田辺勝成には敗北している。仲間になってからは密偵として高木を支えた。エピローグでは三人とも結婚して主婦となっていると語られた。
佐藤昭二(さとう しょうじ)
暴走族大東京連合新宿部隊の頭で影の五人衆のトップ。見猿・言わ猿・聞か猿たちからは「御館様」と呼ばれており、初登場時は般若の面を被っていた。醜い素顔にも関わらず自身の顔に誇りを持っている。左手の手首から先が義手でありの爪を装着することでパワーアップする。様々な格闘技を身につけており、再三高木を苦しめるが発勁を喰らい敗北。以降高木の仲間になり東京に不案内な高木をサポートする。ヘッドコングレスに於いて高木共々銃撃され瀕死の重傷を負ったところを神雷に助けられた。関東編では寺本と対戦、熊の爪を寺本の頭に叩きつけるが通用せず敗北。善と悪編では、高木・桃千代・森上らを助けるべく広島・赤松邸の銃所持の護衛を突破すべく、蔵王力山・田辺勝成・宗政治・岩本哲男・遠藤彦介・トントンとともに大重量の鋼板の楯を持って銃撃を防いで突破に成功したが、突破後に護衛の銃撃を受けて瀕死の重傷を負った。エピローグでは奇跡的に命をとりとめ、地元新宿にてマンションを経営している。
竹内烈(たけうち れつ)
暴走族新宿紅蓮会総長。かつて大東京連合渋谷部隊と戦い敗北している。渋谷と新宿の抗争が終了した後アイスクリーム屋の店長となり妹と二人で経営。しかし小川に恨まれ殺し屋、真島朴を送り込まれ、妹共々瀕死の重傷を負う。しかし、高木と改心した小川小百合の血液提供もあって((竹内はO型のRHー型という特殊な血液型だったため、輸血適合できるのが先の二人だけだった。))命を取り留める。エピローグでも変わらずアイスクリーム屋を経営していると語られる。
小川小百合(おがわ さゆり)
大東京連合渋谷部隊の頭。狡賢く冷酷で高慢な性格をしている。「血の9番」という名前の香水を愛用している。
自身には喧嘩の実力はなく、副頭の猪狩の力を背景に渋谷部隊をまとめている。しかし、カミソリの刃を投擲武器として使用する戦法を得意としている。頭の交代したばかりの新宿のシマを狙い攻め込むものの、猪狩が対マン勝負で高木に敗れた後は全てを捨てて無様に逃げ出した。渋谷を奪われた恨みから殺し屋である真島朴を雇い高木と竹内烈を襲わせた。後に高木により自分の卑怯さを悟られることとなり改心、竹内を救うべく自らの血液を輸血提供する他、雷電太郎・田辺勝成に襲われ苦境に陥った高木を救うべく少年院に入っていた神雷を東京に呼び寄せるなどで協力した。エピローグでは後述の副頭を務める猪狩克裕と結婚、地元渋谷にて夫妻でファッションデザイナーとして活動し、ブティックを経営していると語る。
猪狩克裕(いがり かつひろ)
大東京連合渋谷部隊副頭。一秒間に8発の高速パンチが打てる猛者で渋谷部隊最強の男。小川小百合に惚れており渋谷部隊では彼女の後ろ盾となっている。林・坂本・大竹ら新宿の猛者を歯牙にもかけないほどの強さだが高木の発勁2連発を受け敗れる。その後は仲間になるが関東編にて寺本に挑み自慢の高速パンチを繰り出すがあっさりよけられ敗北する。エピローグでは前述の小川小百合と結婚、夫妻でファッションデザイナーとして活動するほか、ブティック経営をしている。
真島朴(まじま ぼく)
少年院帰りの殺し屋にして、六本木部隊頭・真島莎武の弟。通称「デッドボーン」。異常に頑強な骨格を持ちその指先で相手を殺す。小川に依頼され竹内と高木を殺そうとする。竹内を刺し、高木を殺しに行った先の病院で返り討ちに遭った。エピローグでは兄・莎武の経営するディスコの手伝いをしていると語る。
田口(たぐち)
大阪出身で、顔が高木に似ているため、高木の影武者として佐藤、真島朴と戦う。佐藤と戦った際には「パワーは高木さん並にある」と発言しているが、新宿編の後から出番がなくなる。

東京篇

雷電太郎(らいでん たろう)
大東京連合墨田部隊の頭。金融会社「雷電ローン」を経営。容姿が高木の後輩で関五工空手部の松下正に酷似しており、高木ですら初対面では間違えたほど。しかし性格は全く違い、傲慢な自信家。椅子に座りながら全裸の女性を数人侍らせたりと、スケベでもある。
グローブに仕込んだ電撃装置で高木を苦しめるが、スプリンクラーを作動させられ感電、さらには発勁を受けて敗れる。関東篇では高木の味方として戦うも自慢の電撃が通じず、一蹴される。エピローグでも変わらず雷電ローンを経営していると語る。
田辺勝成(たなべ かつなり)
大東京連合池袋部隊の頭。巨体とその体格から出る強靭な力を持つ。太極拳も学んでおり高木以上の発勁を放つなど隠れた実力者。しかし発勁の唯一の天敵ともいえる百歩神拳を喰らい敗北した。後にいつの間にか酔拳も身につけている。
かなり性欲旺盛らしく、高木に狙われていることを知っていながら行きつけのファッションヘルス店に通ってくる。また、善と悪編では前述の蔵王力山・佐藤昭二や宗政治・岩本哲男・遠藤彦介・トントンと同じ巨体・パワーの持つ者同士で赤松邸突入のために大重量の鋼板の楯を持つ者のひとりとして銃撃を防ぎ、突入を成功させている。エピローグでは本編同様、ファッションヘルス店を経営していると語られた。
デビッド古谷(デビッド ふるや)
大東京連合銀座部隊のラーメン頭。IQ300を誇り、英語混じりの会話をするのが特徴。デビッドタワーを経営しており、かなりの金回りの良さを誇る。愛車はフェラーリ・F40[5]、クリスチャン・ディオールのハンカチをスラックスの汚れ避けに敷くなど、キザでブランドに拘る男。作中では珍しくいわゆる「体育会系」ではなく、武器としてジェリコ941を愛用している。
ヘッド・コングレスに出席した高木を銃撃し東京港の埋立地に捨てる。デビッドタワーで復活した高木の襲撃を受けると数々のトラップで反撃し、さらにはガス爆発で高木を殺そうとするが、根性で乗り切った高木のパンチを喰らい敗北する。卑劣な性格ではあるが腕っ節の無いなりに頭を使った異色の戦いぶりを見せつけた。龍天昇編でヤクザの囲みを破るために手榴弾を爆発させ死亡する。
真島莎武(まじま さぶ)
大東京連合六本木部隊の頭。真島朴の兄。ホモで弟・朴とデキている。弟には一途な愛を強要しておきながら、高木や、後に仲間となってからは大竹にも誘う発言をしており、自身はわりと節操なし。
ディスコを経営。高木の襲撃に対し鼓膜を破くほどの大音量の音楽を流し対抗。青龍刀を使い高木を苦しめた。関東篇では鳳翅鎲(ほうしとう)を使い岩本を一蹴するが、全力すら出していない寺本の前に完敗する。エピローグでも変わらず、ディスコ経営を続けている。

関東篇

漆原睦夫(うるしばら むつお)
関東連合総帥。通称「群馬の虎」。かつて血みどろの抗争をくりかえしていた関東の暴走族全てを撃破、関東連合を組織し総帥の座に着いた。サブ曰く「高木の50倍強い」「でも決して人を押さえつけたりはしない」。サブを含めた関東勢のほとんどは、漆原に頭が上がらない。
自身も不良でありながら、不良たちのことを「クズ」と呼ぶなど、矛盾した面も若干持ち合わせている。
若くしてを患い、高木と出会った時には21歳という若さで余命一ヵ月の身となってしまっていた。入院先の病院内で寺本らの襲撃を受け、精一杯抵抗するも瀕死の重傷を負わされ、医師の手を尽くした大手術も空しく絶命する。強烈なカリスマ性を持ち、病床の身でありながら襲撃者の宗政を瞬殺するなど相当の実力者であったが病には勝てなかった。
木村浩一(きむら こういち)
神奈川の貴公子。意拳の使い手。新関東総和会殺戮連合の侵攻を食い止めるため高木に協力を求める。龍天昇編で麻薬中毒にされ高木らを裏切りかけるが善と悪編で麻薬中毒を克服し、克服時に得た脳波の操縦による新たな力を得て復活、赤松剛鬼を食い止めるべく戦った。エピローグでは地元・湘南にてスキューバダイビングのインストラクターとなっている。
漆原春野(うるしばら はるの)
漆原睦夫の弟。岩をも砕く南拳の使い手。筑波山での戦いにおいて宗政と戦うも、あえなく敗れた。その後挽回を図るべく、天地神明掌を会得する高木を谷川岳に案内する。エピローグでは谷川岳の山小屋の管理人を務めている。
宗政治(むねまさ おさむ)
千葉の猛牛。新関東総和会殺戮連合幹部。硬筋拳の使い手。墨田を攻め落とした際には高木を苦しめた雷電の電撃が一切通用せず、漆原の南拳も通じない筋肉を持つ。ALTA前のストリートファイトで高木の発勁を百歩神拳で迎撃し勝利している。筑波山では高木の天地神明掌に一蹴される。善と悪編では、赤松邸突入のため、大重量の鋼板の楯を蔵王力山・佐藤昭二・田辺勝成・岩本哲男・遠藤彦介・トントンと共に持って護衛の銃撃を防いだ。エピローグでは地元にてを栽培している。
岩本哲男(いわもと てつお)
栃木の荒業師。新関東総和会殺戮連合幹部。スパイク付棍棒を持ち真島莎武と対戦。莎武の青龍刀をへし折るが、新必殺技鳳翅刀日輪殺、鳳翅刀鷹落殺を喰らい敗北。その後パワーアップした高木と戦ったが、一撃で敗れた。龍天昇編では、ゲンゲンのビンタ一発で敗れる。善と悪編では前述の蔵王力山・佐藤昭二・田辺勝成・宗政治と同じく、鋼板の楯を持つメンバーの一人として護衛の銃撃を防ぐ。エピローグでは栃木一の運送会社を経営している。
武井敏彦(たけい としひこ)
埼玉蟷螂。新関東総和会殺戮連合幹部。蟷螂拳の使い手。神奈川の木村と戦い自爆覚悟の攻撃により相打ちになる。龍天昇編では寺本と共にゲンゲンと対決するが、ゲンゲンのスピードについていけず敗北。エピローグでは鍼灸院を経営しながら、蟷螂拳を教えている。
寺本清一(てらもと せいいち)
茨城の春風。少林十八羅漢拳の使い手。渦巻きのようなヘアスタイルに長い弁髪を持つ。漆原睦夫を殺害し新関東総和会殺戮連合総帥となった。実家は裕福らしく新関東総和会の幹部たちを広い邸宅に招待していた。他の幹部たちとは一線を画す実力を持っており、佐藤、猪狩、大竹、木村、サブなどの面々を歯牙にもかけずに退けている。髪から放つ発勁や使うと寿命が5年縮む少林十八羅漢功托天勢を使用し高木を窮地に追い込むが、土壇場で開眼した真天地神明掌により敗れた。初登場時に使用した髪を使った技は「筑波忍術・春風絞殺[6]」という名前だった。エピローグでは中国に渡り修行を続行していると語られた。
黄陳陳(こう ちんちん)
谷川岳に住む老人。流雲の兄、また後に登場する暗海は末弟にあたる。神極拳の使い手で、かつて漆原睦夫に神極拳を伝授した。関東の争いを治めるために高木にも神極拳を伝授。奥義天地神明掌を伝授する際、自身の腕を折り拳法を失った。その後弟暗海の弟子我王によって殺される。死んだはずだが最後の高木VS剛鬼戦でギャラリーキャラクターとして登場している。

龍天昇篇

我王圭司(がおう けいじ)
邪極拳の使い手。谷川岳で陳陳を殺害。木村、忌羅ら関東、関西の猛者が束になってもかなわないほどの強さを誇るが高木にスタミナの無さを見抜かれ倒される。その後神雷に介抱されており、恩を返すため高木に邪極拳の真髄である超集中力とスピードを教える。エピローグでは僧門に入って修行していると語られた。
黄暗海(こう あんかい)
陳陳・流雲の弟。かつては二人の兄をも凌ぐ拳法の天才であったが、その拳に悪が込められていたため父・天昇から性根を見抜かれ、後継者に選ばれなかった。天昇が後継者に流雲を選ぼうとしていることを知った暗海は遺言を改変して宣言、兄たちが御人好しであった幸運にも恵まれ、二人を出し抜きまんまと太極寺の跡継ぎに納まってしまう。
権力を得た後は政治家と結託、暴力をもって近隣の村々を略奪し悪行の限りを尽くす。修行より戻った二人の兄達の怒りを買い、両手を切断され追放。それでも命までは奪われないなど、最大限の情けをかけられていたのだが、全く改心する素振りはなかった。
その後50年間復讐を夢見て、弟子を育てる。太極寺の膨大な財宝のありかと究極の武術が示された「龍天昇」を狙い日本にあらわれ、兄達やその関係者達を弟子に襲撃させ、残虐非道に振る舞う。切断された両腕には義手を装着しており、拳法は使えないまでも義手を飛ばして秘孔を突き相手の動きを止めることなどは可能のようである。
最後の最後まで悪の道から抜けようとは考えず、ついに龍天昇の宝である膨大な麻薬を手中にするものの、桐山とともに赤松剛鬼に射殺された。
桐山修造(きりやま しゅうぞう)
関西最大の暴力団集英組の会長。暗海と手を組み龍天昇を狙う。木村を麻薬中毒にした張本人で数々の悪事を行ったが、最後は高木に敗れ逃亡するところで立ちふさがった赤松剛鬼に大型拳銃(デザートイーグル)で暗海とともに射殺される。その死体は原型を留めぬほど無惨なものだった。
西陣菊丸(にしじん きくまる)
京都の頭。妖刀剣の使い手。流雲の弟子の孫。高木の腕試しをし、実力を認めると龍天昇の鍵を高木に託した。エピローグでは地元・京都で呉服店の若旦那として経営していると語る。
遠藤彦介(えんどう ひこすけ)
奈良の頭。平城流兵術の使い手。流雲の弟子の孫。腕試しの末、高木に龍天昇の鍵を託した。高木に天地神明掌を出させるなど実力者だが、トントンとゲンゲンに敗れた。善と悪編では赤松邸突入の際に、前述の蔵王や佐藤らとともに鋼板の楯を持つ面々のひとりとして護衛の銃撃を防いだ。エピローグでは平城流兵術の道場の師範となっている。
天道真紀(てんどう まき)
和歌山の頭。小柄な女性ながら中国宮廷秘拳花架拳の使い手で、実力は西陣、遠藤を上回る。流雲の弟子の孫。3人で鍵を探し出した後は、彼女が龍天昇を習得する予定であった。
高木は(相手が女ということもあったが)彼女に触れることすらできなかったが、高木の意気に打たれ龍天昇の鍵を託す。高木が我王との再戦中、龍天昇の巻物を預かっていたがトントン、ゲンゲンに巻物をあっさり強奪されてしまう。エピローグでは家事手伝いをしていると語る。
ゲンゲン
暗海の最高の弟子。羽田空港でトントンが取り逃がした木村をあっさり捕まえる。大阪に集まった関東勢を追う際に寺本と対決。托天勢を使用した寺本を撃破。その場にいた岩本、武井もほとんど全力を出さずに倒す。森上と戦った際は眼をつぶされ苦戦したがKO寸前まで追い詰めるも、このときは高木が救援に訪れ、ついには敗れた。エピローグではトントンとともに拳法から足を荒い、中国に帰国してラーメン店を経営していると語られた。
トントン
暗海の弟子。肥満にも見える巨体ながら素早い動きとパワーを武器とする。大阪空港で木村を追い詰めるが高木の機転により取り逃がしてしまう。その後、龍天昇を習得するが、中途半端な性能で体得したため、真の力を発揮できずに高木に敗れてしまった。善と悪編では前述の蔵王・佐藤ら同じ巨体・力持ちの面々で赤松邸突入のための鋼板の楯をもつひとりとして銃撃を防いだ。エピローグではゲンゲンとともに中国に帰国してラーメン店を経営している。
黄天昇(こう てんしょう)
陳陳、流雲、暗海の父。暗海によって毒を盛られ、後継者と目していた流雲に龍天昇を伝授しきらずに死亡した。「あの世」にて高木に修行をつける。

善と悪篇

赤松剛鬼(あかまつ ごうき)
高木の腹違いの兄であり、広島愚連隊「鬼」総長。あらゆる格闘技のエキスパートたちによって編み出された究極の格闘技「鬼道流合気柔術」の使い手。性格は非情で龍天昇の「宝」=「数兆円分の麻薬」を強奪するために暗海と桐山を躊躇なく射殺し、高木を罠にはめて少年刑務所送りにした。その際、高木を含むメインキャラクターたちをほぼ一撃で戦闘不能にする実力を見せている。本作の事実上のラスボスであり、チベットにて「密教拳」の修行後「デス・ゲーム」において高木と雌雄を決する。エピローグでは、高木に敗北した後、どさくさに紛れて日本から脱出するが、中国からのチベット独立の為に仲間たちと戦ってる旨が語られた。得意技は「鬼道流合気柔術・閻魔無明脚殺」。
加ヶ谷優(かがや ゆう)
広島愚連隊の一員で、ヒーロー然とした容姿をした優男。当初は「赤松に恨みを持つ者」と名乗り、機動隊の囲みから桃千代一人を救い出した。しかしその正体は剛鬼の忠実な腹心で、桃千代を剛鬼に差し出しただけでなく、安藤たちをクスリ漬けにした外道。ハニーフェイスを活かした二重スパイ工作を得意とし、戦闘力はあまり高くないものの桃千代の一撃を防いで反撃するあたり、それなりに実力はある。デス・ゲームでは司会進行を担当し、高木たちの神経を逆撫でするマイクパフォーマンスを行った。エピローグでは改心したらしく、その"仕切り”の旨さを活かして東西OB会の司会を担当していた。
赤松剛之助(あかまつごうのすけ)
時の内閣総理大臣で、剛鬼と義志の父。いかつい顔と大柄な体躯をした老人で常時羽織袴を着ている。太平洋戦争時に少尉に任官しており、満州で終戦を迎えると旧陸軍の隠し財産を独占し、その財力を背景に代議士となり権力の階段を駆け上った。その政治手腕は汚職に塗れており強大な権力を持つものの、多くの敵を持つ。最期は剛鬼の密教拳奥義でとどめを刺される高木をかばい、奥義を受けて胸を貫かれる。「剛鬼を救ってやってくれ」と高木に遺言し、実質和解したあと絶命した。
天馬人道(てんばじんどう)
赤松に対立する自由革命党の若き党首。二十代で国政に進出し“永田町の荒武者”と呼ばれる。高木の法律上の父親。39歳。妻である志子が剛之助に強姦され、精神を病んだことからその復讐のため代議士となった。長年、剛之助の心臓ともいえる膨大な資金源を追っていたのだが、高木の活躍により旧陸軍の隠し財産の在り処の手がかりを掴むことに成功。剛之助の政治生命に止めを刺すべく、鞍馬山で験力の修行をさせるなど高木を応援する。一見、正義に燃える政治家然とした人物ではあるが、その正体は妻を強姦ではなく不倫によって寝取られたという事実への嫉妬と憎悪により義理の息子である義志を孤児院に遺棄し、実父である剛之助に対して憎しみを覚えるように仕向けた、正義漢とはほど遠い人物であった。剛鬼との闘いのあと、高木に「孤児院に棄ててくれたからこそ、素晴らしい仲間に会えたし、俺も成長できた。あんたや親父のせいじゃない」と諭されて号泣する。エピローグでは志子を引き取って北海道にて孤児院を経営しており、高木のような孤児を一人でも多く救いたいため、東西OB会にはまだ出られないと森上にメッセージを託した。
ミッキー・バイソン
護鬼四天王の一人。筋骨隆々の大柄な黒人で、裏世界の賭け試合であるブラックレスリングの猛者。デス・ゲーム第1ラウンドの相手として関五工のプールを改造した闘技場で高木と戦う。桁外れパワーと鋼鉄の肉体を持ち、高木の打撃技が全く通用しなかった。コンクリート面を利用した戦いを得意としており、得意技は「デス・スキル・ベアーズ・ピロウ(死の技・熊の枕)」。エピローグではアメリカに帰国し、フロリダ州で大農園を経営していると語られた。
ナームケン尾田(おだ)
護鬼四天王の一人でタイ柔術の達人。長髪と鰌髭が特徴のスマートな中年。デス・ゲーム第2ラウンドの相手として地上40メートルの高所にロープを蜘蛛の巣状に張り巡らした闘技場にて高木と戦う。これまでの高木の敵たちと比べ攻撃力や耐久力は劣るものの俊敏性とバランス感覚に優れ、その独特な闘技場の地の利を生かした戦い方で高木を苦しめた。高所恐怖症の高木は試合開始直後から圧倒的劣勢に立たされるものの、福島先生の機転から高所恐怖症を克服し、組み付いて逃げ場を無くされるとそのままベアハッグにより背骨を折られて敗北した。エピローグではタイに帰国して、タイ柔術普及のための活動を続けていると語られる。
アグルワール
護鬼四天王の三人目。作中では、「以前にも四天王の2人まで倒した者はいたが、3人目を突破した者はほとんどいない」と言われている。王蛇シヴァを扱うインド出身の蛇使いであり、シヴァとは恐ろしいまでの連携を見せるが、験力を発動させた高木に破れ、最後は背後からSPの機関銃に撃たれて死亡。
王蛇シヴァ
アグルワールの操るインドニシキヘビ。全長20m、胴回り3mの巨大な体で、闘牛を10秒で絞め殺すとさえ言われている。全身は高木のパンチが全く通じないほどの柔軟な筋肉に覆われていたが、験力を発動させた高木に敗北。
鬼龍院茂
護鬼四天王の最後の一人。30年前に全世界の格闘技界を震撼させたという伝説の拳王で、50歳を超えてなお強さを増している超人的な格闘家。若い頃、徹底的に叩きのめした酔っぱらいのヤクザの男に手加減をした為に刃物で背中を刺さた経験や「最後の壁(躊躇なく人を殺すこと)」を超えた剛之助との出逢いから、どんな相手に対しても一切の容赦をしない人物に変貌した。高木に対しては、彼の最大ポテンシャルである験力を引き出させるため、桃千代に乱暴を働こうとするが、目論見通りに験力を発動した高木の前に敗北した。完全な悪人ではなく少年の頃から「最強の男」になるべく努力し、歳を重ねてもその夢を諦めなかった真の格闘家であり、その純粋な心には高木も闘いの後に素直に敬意を表したほどである。エピローグでは更なる力を求めて世界中を回りながら修行をしていると語られた。

外伝「押忍!!麻雀部」

近代麻雀オリジナル』(竹書房)2013年5月号・6月号に前後編掲載。大学に進学し[7]麻雀部を率いる高木を描く。
『近代麻雀』2013年8月15日号より連載開始。

実写映画版

1990年松竹系にて公開された。同時上映は『のぞみウィッチィズ』。

主演の松田勝は、原作通りに稲妻カットを行い、迫力あるアクションを披露した。

キャッチコピーは「一押し、二押し、三に押忍!!」。

キャスト

ほか

スタッフ

原作との相違点

  • 高木と桃千代の関係が幼馴染になっている。
  • 大阪魂の継承が二代目の森上からでは無く、初代の神雷からになっている、なので森上は登場しない。
  • 大阪魂を争う敵総長・大沢、功の弟・直人、武井由貴などは実写オリジナルキャラクター。

アニメ

声の出演

ゲーム

パチンコ・パチスロ

  • パチンコ:CR押忍!!空手部(2007年、エース電研)/CR押忍!!空手部 激闘編(2013年、エース電研)
  • パチスロ:押忍!!空手部(2008年、イレブン)

脚注

  1. ^ ただし運転は苦手のようで、このフェラーリは納車直後に事故で潰している。
  2. ^ 桃千代と木村浩一も裏切っているが麻薬漬けになっていたためであり、決して自発的ではない。また、両名とも後に改心して味方に戻っている。
  3. ^ 高木に「馬面」とからかわれている。
  4. ^ 劇中では「ムァイ・タイ」と表記される。ただし先に登場している飯村の時は普通に「ムエタイ」と表記されていた。
  5. ^ 劇中には登場せず。
  6. ^ 単行本収録時には単純なかけ声のみに修正されている。
  7. ^ 本編の物語とは設定が異なり、パラレルな内容となっている。

外部リンク