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平成風俗

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平成風俗
椎名林檎×斎藤ネコスタジオ・アルバム
リリース
録音 東芝EMI 3st
STUDIO TERRA
一口坂スタジオ
音響ハウス
アバコクリエイティブスタジオ
サウンド・シティ
ジャンル 邦楽映画音楽
時間
レーベル 東芝EMI/Virgin Music
プロデュース 井上雨迩
チャート最高順位
椎名林檎×斎藤ネコ アルバム 年表
-平成風俗
(2007)
椎名林檎 年表
加爾基 精液 栗ノ花
(2003年)
平成風俗
(2007年)
私と放電
(2008年)
『平成風俗』収録のシングル
  1. この世の限り
    リリース: 2007年1月17日
テンプレートを表示

平成風俗』(へいせいふうぞく 英題:japanese manners)は、2007年2月21日日本音楽家椎名林檎斎藤ネコが椎名林檎×斎藤ネコの名義で発売したアルバム。発売元は東芝EMI/Virgin Music

初回限定盤・通常盤の2タイプでのリリース。初回限定盤は、十字開き特殊デジパック仕様・ステッカー3点、コースター入り。同日には、椎名林檎ファンクラブ限定イベントの様子を収録したDVD『第1回林檎班大会の模様』も同時発売された。

更に2007年4月25日には、完全初回生産限定での発売となる平成風俗のアナログ盤『平成風俗』と高音質版DVD VIDEO『平成風俗 大吟醸』(へいせいふうぞく だいぎんじょう)が同時発売された。

解説

椎名林檎名義としては、2003年に発表された『加爾基 精液 栗ノ花』以来、実に約4年ぶりとなるアルバムである。但し今作は、椎名林檎単独名義としてではなく、2003年に発表された椎名のアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』に続き、今作においても全アレンジを担当している、斎藤ネコとの共同名義での発売となる。

今回、このような名義での発売であるのには、椎名がソロ時代から唱えてきたアルバム3部作構想、また「椎名林檎はアルバム3枚で完結する」といった発言が関係しているものと見られる。虚言癖があると云われ続けている彼女であるが、今回のアルバムのほか、「さくらん」関連でのリリースラッシュ(2006年11月11日配信スタートとなった「カリソメ乙女(DEATH JAZZ ver.)」、2007年1月17日発売のシングル『この世の限り』、そして今作)に於いても、何かしら、ほかのミュージシャンなどとの共同名義でのリリースを行っており、椎名林檎単独名義でのリリース作品は一切ないため、このアルバム3部作関連の発言については、しっかりと守っていることになっていた。しかし、2009年には活動再開を発表し、単独名義でのオリジナルアルバム『三文ゴシップ』をリリースしたため、その発言は事実上破られたこととなった。

公式サイトによると、今作は2007年春公開の映画「さくらん」をイメージして作られた作品であるという。映画「さくらん」において椎名林檎は自身初となる音楽監督を担当しているが、当初は映画音楽を現在の自身の活動の主軸である東京事変として受けることも考えたのだという。しかし、東京事変のドラム刄田綴色の骨折による治療や療養の期間が必要であったこと、また映画音楽として求められているサウンドと東京事変としてのサウンドが一致しなかったこと、以上のことから個人"椎名林檎"として映画音楽を受けることに決めたものであると、椎名林檎名義で活動をすることになった経緯を雑誌のインタビューなどで語っている。

そもそも当初椎名はこの映画の為に自身の念願だったインストゥルメンタル曲を書き下ろし、それを劇中で映画音楽として使用する気であった。しかし、映画の監督を勤める蜷川実花は過去椎名がソロ名義で発表した作品を同映画用に使用する気でいた為に、それを椎名が受け入れるかたちで、映画では今回のアルバムに収録されている一部の既出曲の使用に至っている。また、通常発表されるような映画用のサウンドトラックは映画「さくらん」においては発売されないことも決まっており、その代わりとでもいうように今回のアルバムでは映画の劇中で使用されている楽曲を中心に収録している。椎名自身は、今作を「サウンドトラック」の発展形としている。

前述のとおり今回のアルバムは、監督の要望に基づくかたちまた「さくらん」ありきのアルバムということで、既出曲を中心に構成されている。内訳としては、ソロ時代に発表した曲が6曲(「ギャンブル」「茎」(もしくは「茎(STEM)」)「意識」「浴室」(もしくは「la salle de bain」)「迷彩」「ポルターガイスト」)、セルフカバー曲が1曲(「夢のあと」)、カバー曲が1曲(「パパイヤマンゴー」)、先行シングルからの曲が3曲(「この世の限り」「錯乱」「カリソメ乙女」)、今作で初収録の純粋な新曲が2曲という構成になっている。また、椎名林檎×斎藤ネコによる椎名林檎のセルフカバーという考えかたをすれば、M-5・Rosemary Clooneyのカバー「パパイヤマンゴー」(原曲タイトル「Mangos」改題)、M-12・東京事変のセルフカバー「夢のあと」と合わせ、全13曲中・8曲がカバー・セルフカバー作品で占められているという捉えかたもできる。

やや変則的だが、本作では3曲目~11曲目の曲順がシンメトリーになっている。ただし英題においては全体のシンメトリーが遵守されており、その関係上「夢のあと」の英題が『教育』における"A Scar of Dreams"から"Scar"に変更されている。

今作では、椎名の所属する東京事変のメンバーから足の骨折により休養している刄田綴色を除いた3人もそれぞれ、浮雲はM-1「ギャンブル」でエレクトリック・ギターによる演奏、またM-11の「花魁」では楽曲提供、伊澤一葉はM-1の「ギャンブル」でピアノによる演奏、亀田誠治はM-7「浴室」で編曲として作品に参加。そのほか、斎藤ネコの随える総勢70名にも上る"マタタビオーケストラ"ほか、複数のオーケストラも作品に参加ということで、全体的に"オーケストラ"が前面に押し出されたアルバムとなっている。

今作の初回限定版、通常盤両方の初回プレス分のブックレットでは、M-12の「夢のあと」の歌詞"その塊を果敢〜"が"その魂を果敢〜"と「塊」が「魂」になっており、誤植されている。また、今作のジャケットはバスタブのなかにギターピアノなどの楽器が詰め込まれたものになっているが、そのなかには更に発売の名義である"椎名林檎×斎藤ネコ"より椎名林檎を模した「林檎」、斎藤ネコを模した「」のほか、今作の録音(プロデュース)を担当している井上雨迩を模した「ウニ」が登場するなど、ユニークなものになっている。

2007年4月25日には、平成風俗の収録曲のほかにボーナストラックとして配信限定でリリースされた楽曲「カリソメ乙女 DEATH JAZZ ver.」を追加収録したアナログ盤『平成風俗』と、平成風俗の収録曲のほかに特典音源として「錯乱TERRA ver.」「花魁」「la salle de bain(『性的ヒーリング其ノ参』より)」「カリソメ乙女 DEATH JAZZ ver.」を収録また大吟醸仕様(アートブック・ポストカード風ブロマイド入り特殊パッケージ)の高音質版DVD VIDEO『平成風俗 大吟醸』が完全初回生産限定で同時発売された。

収録曲

  1. ギャンブル(gamble)
    • 原曲よりキーを上げて歌唱している。
  2. (stem)
  3. 錯乱 TERRA ver.(confusion)
  4. ハツコイ娼女("firstlove" singer)
  5. パパイヤマンゴー(papaya mango)
  6. 意識(consciously)
  7. 浴室(la salle de bain)
    • アルバム『勝訴ストリップ』に収録された原曲と、シングル『りんごのうた』に収録された「la salle de bain」をミックスしたアレンジとなっている。歌詞は2番のメロまで日本語で、2番のサビから英語となっている。「la salle de bain」と同じキーで歌唱している。
  8. 迷彩(camouflage)
    • 原曲よりキーを上げて歌唱している。テンポも原曲より速くなっている。
  9. ポルターガイスト(poltergeists)
  10. カリソメ乙女 TAMEIKESANNOH ver.("temporary" virgin)
  11. 花魁(courtesan)
  12. 夢のあと(scar)
    • 原曲よりキーを上げて歌唱している。
  13. この世の限り(memory)
    • この曲も「椎名林檎 (生)林檎博'08 〜10周年記念祭〜」で披露された。
  • 作詞:椎名林檎(#1-13 ※#11は英訳)、浮雲(#11)
  • 作曲:椎名林檎(#1-4、6-10、12、13)、SID WAYNE、DEE LIBBEY(#5)、浮雲(#11)
  • 打込:椎名林檎(#4、11)
  • 編曲・指揮:斎藤ネコ(#1-7、9-13)
  • 編曲・指揮・ヴァイオリン:斎藤ネコ(#8)

参加ミュージシャン

  • 指揮
    • 斎藤ネコ
  • 演奏
    • コマエノオーケストラ(#1)
    • ノラネコオーケストラ(#2、6、9)
    • アノヨノオーケストラ(#3)
    • ナダタルオーケストラ(#4、11)
    • マタタビオーケストラ(#5、7、8、12)
    • カリソメオーケストラ(#10)
    • コノヨノオーケストラ(#13)
  • ヴァイオリン
    • 斎藤ネコ(#8)

アナログ盤

平成風俗
椎名林檎×斎藤ネコアナログ盤アルバム
リリース
ジャンル J-POP
レーベル 東芝EMIVirgin Music
椎名林檎×斎藤ネコ 年表
-平成風俗
(2007年)
椎名林檎 年表
加爾基 精液 栗ノ花
(2003年)
平成風俗
(2007年)
無罪モラトリアム
(2008年)
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2007年4月25日発売。初回生産限定盤。

収録曲

Side A

  1. ギャンブル
  2. 錯乱 TERRA ver.
  3. ハツコイ娼女

Side B

  1. パパイヤマンゴー
  2. 意識
  3. 浴室
  4. 迷彩
  5. ポルターガイスト

Side C

  1. カリソメ乙女 TAMEIKESANNOH ver.
  2. 花魁
  3. 夢のあと
  4. この世の限り

Side D

  1. カリソメ乙女 DEATH JAZZ ver. [ボーナス・トラック]

平成風俗 大吟醸

平成風俗 大吟醸
椎名林檎×斎藤ネコDVDビデオ
リリース
ジャンル J-POP
レーベル 東芝EMIVirgin Music
椎名林檎×斎藤ネコ 映像作品 年表
第一回林檎班大会の模様
(2007年)
平成風俗
大吟醸

(2007年)
私の発電
(2008年)
テンプレートを表示

2007年4月25日発売。完全初回生産限定盤。

収録曲

(96kHz/24bit Motion Graphics&PV)

  1. ギャンブル
  2. 錯乱 TERRA ver.
  3. ハツコイ娼女
  4. パパイヤマンゴー
  5. 意識
  6. 浴室
  7. 迷彩
  8. ポルターガイスト
  9. カリソメ乙女 TAMEIKESANNOH ver.
  10. 花魁
  11. 夢のあと
  12. この世の限り
    〜ボーナス・トラック〜
  13. カリソメ乙女 DEATH JAZZ ver.

特典 音声 (DTS 5.1chサラウンド リニアPCM Motion Graphics&PV)

  1. 錯乱 TERRA ver.
  2. 花魁
  3. la salle de bain

参考資料

外部リンク