幌筵島

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幌筵島
所在地 帰属未定
実効支配:ロシア)
所在海域 オホーツク海
座標 北緯50度20分00秒 東経155度45分00秒 / 北緯50.33333度 東経155.75000度 / 50.33333; 155.75000
面積 2,053[1][注釈 1] km²
最高標高 1,816[1][2] m
最高峰 千倉岳
最大都市 柏原
幌筵島
プロジェクト 地形
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千島硫黄山(エベコ山)の火口

幌筵島(ぱらむしるとう、ほろむしろとう)は、千島列島の北東部にある波羅茂知島(ぱらもしるとう)と表記されることもある。ロシア名はパラムシル島 (о.Парамушир)、英語表記はParamushir

島の名前の由来は、アイヌ語の「パラ・モシル(広い・島)」「ポロ・モシル(大きい・島)」から。千島アイヌは「ウレシパモシリ(人を多く育てた島)」とも呼んでいた。

ただ、漢字表記で「幌(ほろ)」を「ぱら」や「筵(むしろ)」を「むしる」と読ませるのは無理矢理ではあるが、いわゆる北方領土北海道本島においてもアイヌ語由来地名の漢字表記にそのような例は数多くあり、こちらは「ほろむしろ」と読む例もあるが一般的には「ぱらむしる」と読むことが普通である。

地理

千島列島と北方四島を合わせると、択捉島についで第2位の面積を持つ島である。

北東の占守島とは幌筵海峡(ロシア名:第2クリル海峡・Второй Курильский пр.)で、南西の志林規島とは志林規海峡(ロシア名:ルジナ海峡 пр.Лужина)で、南の温禰古丹島とは温禰古丹海峡(ロシア名:第4クリル海峡・Четвертый Курильский пр.)によって隔てられている。

また、太平洋側の東には鳥島列岩がある。

海岸の僅かな平地を除けば高さ 1,000 メートルを越える急峻な山岳が聳えており、またその多くは火山で、一部は現在も非常に活発な活動が見られる。主な山は次の通り。

千倉岳(ちくらだけ)
海抜 1,816 メートル、ロシア名:チクラチキ山 влк.Чикурачки、英語表記:Chikurachki
千倉岳は、千島列島全体を合わせると阿頼度島阿頼度山(同:アライト山 влк.Алаид 2,339 メートル)と国後島爺爺岳(同:チャチャ山влк.Тятя 1,822 メートル)に次いで第3位の高さである。
山のにはミヤマハンノキが密生しているが、中腹ではキバナシャクナゲが群生している。
1690年の10年前後、1853年1859年1933年噴火して以降、1957年 - 2008年の間に数年間隔で噴火している。
後鏃岳(しりやじりだけ)
海抜 1,772 メートル[3]、ロシア名:フッサ山 влк.Фусса、英語表記:Fuss
円錐形の山の形が美しいのが特徴である。
1742年1854年に噴火しているが、1933年は噴火があったかどうかはっきりしていない。
冠岳(かんむりだけ)
海抜 1,681 メートル[4]、ロシア名:ロモノソフ山влк.Ломоносова、英語表記:Lomonosov
千倉連山と呼ばれていた山の一つである。
白煙山(しろけむりやま)
海抜 1,345 メートル[5]、ロシア名:カルピンスキー山 влк.Карпинского、英語表記:Karpinsky
1957年の噴火のみ確認されている。
千島硫黄山(ちしまいおうざん)
海抜 1,156 メートル[6]、ロシア名:エベコ山 влк.Эбеко、英語表記:Ebeko
日本領の時には硫黄の採掘場があった。8ヶ所の噴気孔からは火山ガスが噴出している。先史時代から噴火していた可能性があり、現在まで確認されている限りでは1793年から2009年まで、数十年から数年おきに噴火している。火口の近くにはかつて温水の湖があったが、1990年の噴火で埋もれた模様。

河川の主なるものでは轟川(全長約 20 キロメートル、幌筵島で最大の河川)、熊川(全長約 20 キロメートル)、鱒川、速毛川が太平洋側に注ぎ、オホーツク海側には茂寄川、西川、加熊別川などが注いでいる。

中心地はセベロクリリスクСеверо-Курильск=セヴェロクリリスク、意味は「北千島の町」、日本名は柏原)で、人口約 5,000 人。ロシア連邦サハリン州北クリル管区の中心地であり、北千島で唯一民間人が定住している島である。また、セベロクリリスクはNHKラジオ第2放送の「気象通報」ではおなじみの地名でもある。

歴史

先史時代から千島アイヌが先住していた。

交通アクセス

現在、セベロクリリスクに渡るにはカムチャツカ半島ペトロパブロフスク・カムチャツキーから空路で占守島(シュムシュ島)に渡り、そこでヘリコプターに乗り換えるか、または樺太コルサコフ大泊)港からの船便で行くことになる。

ただし、不定期で当てにならない場合があり、霧で運休になることが当たり前なので注意が必要。

脚注

  1. ^ a b International Kuril Island Project(IKIP、国際千島調査、英文)”. University of Washington Fish Collection or the respective authors. 2009年7月24日閲覧。
  2. ^ Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月27日閲覧。
  3. ^ Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月27日閲覧。
  4. ^ Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月27日閲覧。
  5. ^ Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月27日閲覧。
  6. ^ Global Volcanism Program”. 米国立自然史博物館(英文). 2009年7月27日閲覧。
  7. ^ 寺沢孝毅 『北千島の自然誌』 丸善〈丸善ブックス〉、1995年 39 頁
  1. ^ 北海道新聞社編 『千島縦断』、1994年 119 頁では 2,038 平方キロメートル

参考文献

関連項目

外部リンク