駐在所

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離島の駐在所(三重県答志島

駐在所(ちゅうざいしょ、: Residential police box)は、日本の警察および日本の消防の施設で、郊外や過疎地域・山間部・離島などで警察官または消防吏員が常駐する。

警察[編集]

交番と同等の役割を有するが、交番が交代制であるのに対し、通常、駐在所員である警察官とその家族が住む官舎を兼ねていることが違う点である。

機能[編集]

多くは警察官がその家族と居住し、地域との交流を持ちながら業務を行うために公務員というより家業という印象が強いが、当該施設は警察施設でありかつそこに勤務する駐在所職員にも当然定期的に人事異動がある(異動が発令された場合は一家で任地へ引っ越す事になる)地方公務員である。

勤務する警察官は警部補巡査部長巡査長など地域警察活動に精通した地域課員、いわゆる「お巡りさん」がほとんど。 勤務する警察官が巡査部長以下である場合は近隣の警部補である交番所長や所轄の地域課係長が統括する。

官舎を兼ねて家族を居住させる目的には警察官の不在時[1]や多忙な際、配偶者に業務をサポートさせるという面もあるが、近年は人員や家族の生活上の理由により家族を離れた自宅に残し警察官が単身で勤務したり、独身者の警察官が勤務したりする場合もあり、全部の駐在所が夫婦のみ勤務というわけではない。

また駐在所によっては警察官が二名以上勤務するところ(複数駐在所)もあり、また、稀な例ではあるが、男性警察官と女性警察官が結婚し夫婦で同一所に勤務をする例もある[2][3][4]

所在地は、(日勤制だが事実上24時間勤務と同等のため)治安のよい郊外や過疎地域・山間部・孤島などが主だったが、顔の見える警察官として近所に親しまれる「駐在さん」が見直され、1990年代後半より都市部でも治安対策の一環として駐在所を設けるケースもあり、現在では東京23区内にも59カ所の駐在所が存在する。

駐在所勤務の警察官に支給されるもの[編集]

駐在所は先述の通り、所在場所が特異であることが多く、そのため支給される装備も官舎等から勤務する警察官とは若干異なる。

報償費[編集]

警察官がパトロール等に出かけており不在中の駐在所を管理するため、配偶者などに研修を受けさせ、対価として5万円~9万円程度の報償金が支払われる。

けん銃の予備弾[編集]

駐在所に勤務する警察官は、装備している拳銃に装填される実包(回転式は機種に応じて5または6発、自動式なら弾倉1本分)に加えて、予備の実包を貸与されることがある。

パトカー[編集]

都心などで治安対策のために設置された駐在所や市中心部所在の駐在所を除き(全ての治安対策のために設置された駐在所というわけではないが、その多くを除く)、一駐在所につきパトカー一台を備える場合がある。

これは管轄区域のパトロール業務や管轄区域に居住する住民から駐在所へ直通で緊急通報などがあった場合など、様々な場面で使用される。

パトカーは駐在所の立地条件により様々だが、多くは交番に配置されるような軽自動車から1000~1500cc級の小型乗用車を用いたいわゆる「ミニパト」。

なお、パトカーを運転出来る警察官は所轄の警察署内部で実施される技能試験合格者のみであるため(緊急自動車を参照)、駐在所勤務の警察官は必ずこの試験に合格している必要がある。

バイク[編集]

白バイではなく、緊急車両ではない90ccクラスの黒バイが配備されている(1990年代から、白塗りの「黒バイ」も登場し始めた)。

交番勤務の警察官が移動で使用するタイプのものが、パトカーを駐車するスペースを保有していない一部の駐在所にある(先述した治安対策で設置された都心部の駐在所など)。

消防[編集]

駐在所等の設置数と勤務体制[編集]

全国の消防機関のうち145消防本部において306か所が設置されており、勤務体制は、昼間は1人体制、2人体制及び3人体制があり、夜間も同人数で継続する場合のほか、減員又は不在となる駐在所等もある。[5]

出動体制[編集]

駐在所等は、出動する消防吏員が少ないこと、近隣署所からの距離があり増援部隊の到着に時間を要することから、駐在所等の消防部隊がする時は、災害等の規模により他の署所から同時に消防部隊を出動させている消防本部が多数である。

連携体制[編集]

駐在所等は、出動する消防吏員が少ないことから、災害現場で消防団等と積極的な連携活動を実施している。また、1人体制の駐在所等の中には、災害発生時に消防団員等を招集後、同乗しての出動する体制の消防本部もある。

駐在所等の職員の配置[編集]

駐在所等の職員は、少人数で消防業務全般を行うため、オールマイティーな職員が求められ、配置にあたり資格、経験、階級、年齢等について考慮されている。

また、駐在所等の地域特性から、長時間通勤や転居等の負担、職員の士気やモチベーション等が考慮される。

脚注[編集]

  1. ^ 担当地域や近隣での事故処理や事件捜査の場合もあるが、駐在所員でも本署の当直勤務のシフトに組み込まれている場合もある。
  2. ^ 2011年現在、警視庁管内に5か所、静岡県富士警察署管内に1か所存在する(全国防犯協会連合会発行 「KOBAN」2010年春号より)
  3. ^ 県内初の夫婦駐在所!そして安全な街を目指して!ガード4・F!静岡放送ラジオGOGOワイドらぶらじ11月21日放送)
  4. ^ 「都内に5か所“夫婦駐在”地域に溶け込み安全守る」読売新聞2009年9月5日付
  5. ^ 「山間部等における消防力の確保に係る調査検討会報告書」(概要)

関連項目[編集]