出水駅

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出水駅
西口遠景
いずみ
Izumi
所在地 鹿児島県出水市上鯖淵
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州・駅詳細
肥薩おれんじ鉄道駅詳細
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出水駅(いずみえき)は、鹿児島県出水市上鯖淵にある、九州旅客鉄道(JR九州)・肥薩おれんじ鉄道である。

利用可能な鉄道路線

九州旅客鉄道(JR九州)の九州新幹線 (鹿児島ルート)が乗り入れており、当駅には「さくら」、または「つばめ」が毎時1 - 2本程度停車する。「さくら」のうち、新大阪駅発着の列車が朝夕を中心に1日に8.5往復停車している。 なお、当駅に停車する「さくら」は熊本駅 - 鹿児島中央駅間は各駅停車となる列車のみで、同区間を速達運転する列車は当駅には停車しない。

肥薩おれんじ鉄道線の駅は八代駅川内駅のほぼ中間に位置しており、車両基地も併設されているため、肥薩おれんじ鉄道線の拠点駅の一つとして機能している。当駅を始発・終着とする列車も多く運行されており、JR九州鹿児島本線への直通快速「スーパーおれんじ」「オーシャンライナーさつま」も大半が当駅発着である。

歴史

駅構造

JR九州

JR 出水駅
いずみ
Izumi
新水俣 (16.0 km)
(32.7 km) 川内
所在地 鹿児島県出水市上鯖淵715-6
北緯32度5分22.51秒 東経130度21分30.2秒 / 北緯32.0895861度 東経130.358389度 / 32.0895861; 130.358389
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
所属路線 九州新幹線鹿児島ルート
キロ程 210.1km(博多起点)
新大阪から832.4 km
電報略号 シス
駅構造 高架駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
1,236人/日(降車客含まず)
-2013年-
乗降人員
-統計年度-
2,483人/日
-2013年-
開業年月日 1923年大正12年)10月15日
備考 直営駅
みどりの窓口
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相対式ホーム2面2線を有する高架駅。通過線がなく、安全のために可動式安全柵が設けられている。

みどりの窓口設置の直営駅である。

のりば

のりば 路線 方向 行先
11 ■ 九州新幹線 上り 博多新大阪方面
12 下り 鹿児島中央方面

肥薩おれんじ鉄道

肥薩おれんじ鉄道 出水駅
いずみ
Izumi
米ノ津 (4.3 km)
(2.7 km) 西出水
所在地 鹿児島県出水市上鯖淵717-2
所属事業者 肥薩おれんじ鉄道
所属路線 肥薩おれんじ鉄道線
キロ程 65.6km(八代起点)
門司港から297.9 km
電報略号 オレイミ
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度-
154人/日(降車客含まず)
-2013年-
乗降人員
-統計年度-
292人/日
-2013年-
開業年月日 2004年平成16年)3月13日*
* 九州新幹線開業に伴う並行在来線の経営分離により。
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単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ地上駅で、有人駅である。在来線部分の改札口は熊本方面のホームに直結している。新幹線部分の改札は跨線橋に直結しており跨線橋から肥薩おれんじ鉄道のホームに直接入ることができる。

駅舎は開業当時はもとJRの駅舎を仮駅舎として使用していたが、元駅舎脇に新しく駅舎を建築して2004年4月1日より営業を開始し、元駅舎(旧駅長事務室・改札口)部分は改装されて営業部が使用している。現在も1番線ホームに旧改札口の遺構として仮駅舎時代に使用されていた階段やJR時代に使用されていた字幕式の行先時刻案内表示器が残っている。かつては駅弁業者の松栄軒本社と製造工場も駅舎に入居して駅弁を製造していたが、2013年10月1日より駅の北東側に新しく建てた新工場に機能を移転している。

肥薩おれんじ鉄道の車両基地等の所在駅であり、駅構内川内方の本線と新幹線高架橋の間の用地に乗務員(運転士)詰所・検修庫・洗浄留置線・給油設備等が設置されている。当駅で運転士の交代を行うほか、ダイヤ上の都合や車両に不具合が発生した時、朝ラッシュやイベント開催時、団体乗車など多客の乗車が発生した場合などには当駅で車両交換や列車の分割・併結を行う事がある。

  • 営業時間
    • 平日  9:10 - 15:20
    • 土休日 7:20 - 15:40

ただし、毎年3月中旬に隣の高尾野駅付近で開催される「高尾野 中の市」や毎年8月に開催される「高尾野夏祭り」開催時は朝8時頃から夜まで、毎年10月に八代駅付近で開催される「やつしろ全国花火競技大会」開催時は午後2時頃から深夜まで、それぞれ駅が大変混雑するため、臨時に駅係員が配置される。

のりば

のりば 路線 方向 行先
1・2・3 肥薩おれんじ鉄道線 上り 水俣八代方面
下り 阿久根川内方面
  • 国鉄時代は主要駅の一つであり、駅構内に出水機関区(後の出水運転区)や電力区信号通信区貨車用コンテナヤード、転車台扇形庫、機関車検修庫、蒸気機関車用の給炭・給水施設、職員宿泊施設、職員住宅、独身寮などの諸施設が設置されており、機関車や貨物列車の中継基地として栄え、駅東側にある雲海酒造鹿児島工場やマルイ飼料松尾工場の付近まで広大な線路(ヤード)が敷かれていた。現在は一部の施設を除いてほとんどが撤去され、跡地は肥薩おれんじ鉄道の車両基地、九州新幹線の駅施設や線路用地、道路、駐車場、南国交通出水営業所などになっている。
  • 本線貨物列車の中継の他に専用線車扱貨物も取り扱っており、駅構内に広大な専用線群が敷かれていた。駅北東側にある出水製紙出水工場(1981年倒産。跡地は日立金属ネオマテリアル鹿児島工場(旧 株式会社NEOMAXマテリアル鹿児島→日立金属ナノテック)と大豊工業九州工場が建っている)、日本アルコール産業九州工場、共同石油・伊藤忠燃料(現 出水ガス)、鶏協飼料(現 マルイ飼料)の各工場への専用線が敷かれていた。駅構内からはさらにその先の米ノ津港に向けて国道447号線国道3号線に沿い、米ノ津港の手前で国道3号の踏切を渡る形で港の岸壁に入る全長約5kmの長さの専用線が敷かれており、それぞれ有蓋車タンク車ホッパー車などの貨車による原料や製品の輸送が行われていた。米ノ津港からは国鉄各駅だけでなく出水駅周辺の各工場への線内貨物列車の設定もあった。しかし、出水製紙株式会社が1981年5月末に経営破綻した事で同年6月2日に出水工場が閉鎖され専用線が廃止されたのを手始めに、続いて1980年4月に川内港の大規模港湾事業施設が完成した事で1982年までに米ノ津港での港湾貨物取り扱いの大半が川内港に変更され、米ノ津港での港湾貨物事業が大幅に縮小されたため、1982年11月に米ノ津港専用線がトラック輸送に切り替わる形で廃止された。残った専用線も1984年2月1日の貨物取り扱い廃止に伴い全て廃止され、その際に側線もほとんどが撤去された。構内専用線の跡地は道路や田畑、農道、駐車場、住宅地などに転用されている。米ノ津港専用線の線路跡地も大半が国道447号線や国道3号線の道路幅の拡張、住宅や店舗、工場用地への転用、米ノ津港の整備などで消失して跡形も無いが、現在でも出水駅近くの線路跡の一部(約2km)が農道として利用されており確認することができる。
  • JR九州時代も1999年まで出水運転区が存在していた事もあり、鹿児島本線の運行拠点駅の一つであった。特急つばめ、寝台特急はやぶさなはなど全ての優等列車が停車し、熊本駅方面や西鹿児島(現 鹿児島中央)駅方面からの普通列車は一部を除いた大半の列車が当駅で折り返しており、深夜には夜間停泊も行われていた。
  • 貨物ヤード跡地は数本の側線(列車留置線)が残された他はしばらく更地であったが、九州新幹線開業にあたり駅構内や跨線橋、駅前ロータリー、肥薩おれんじ鉄道の車両基地の新設、架線柱や架線の取り替えなど大掛かりな整備が行なわれた。なお車両基地内の運転士詰所や線路(留置線)、跨線橋など施設の一部はJR九州時代のものを再整備の上そのまま使用している。
  • 九州新幹線開業より正式な正面は東口となっているが、こちらは閑散としており、裏側の西口のほうが賑わいがある。
  • 現在、西口に蒸気機関車C56形92号機が置かれている。
  • 西口ロータリー横に南国交通出水営業所が存在する。後述する空港連絡バスの車庫としても使われている。

駅弁

主な駅弁は下記の通り[1]

  • えびめし
  • 黒豚横丁
  • あゆ物語
  • 鹿児島黒豚 赤ワインステーキ弁当
  • 鹿児島黒毛和牛ステーキ重

利用状況

JR九州の2013年度の1日平均乗車人員は1,236人、肥薩おれんじ鉄道は154人である。

2014年度の駅取扱収入は16億6600万円で、JR九州の駅としては第20位である[2][3]

JR九州の出水駅では、新幹線用定期乗車券「新幹線エクセルパス」の利用者が九州新幹線の全区間の中でも非常に多く、当駅 - 鹿児島中央駅間の利用者数は2014年9月末時点で492人に達している[4]

これは九州新幹線の定期乗車券の区間別利用者数では2014年9月末時点で博多駅 - 熊本駅間、川内駅 - 鹿児島中央駅間に次ぐ第3位の利用者数である。

年度別の乗車人員の推移は以下のとおり。

年度 乗車人員推移(1日平均)
JR 新幹線
定期
肥薩
2005 736 183 130
2006 887 332 128
2007 953 401 135
2008 999 448 136
2009 1,021 540 129
2010 1,041 559 131
2011 1,200 608 138
2012 1,228 142
2013 1,236 154

駅周辺

駅前には主だった店舗が存在しない。西側に徒歩数分の所に大通りがありロードサイドタイプの大型店舗が散見される。東側の国道沿いには昔ながらの商店街があるが閑散としている。

  • ツル飛来地 - 観光名所になっていて、特に出水市荒崎の出水市ツル観察センター周辺が有名。
  • 出水市役所
  • ホテルウィング - 駅前(西口)
  • あしきた(居酒屋)- 駅前(西口)
  • 南国交通バス乗り場

バス路線

南国交通

その他

隣の駅

九州旅客鉄道
九州新幹線
新水俣駅 - 出水駅 - 川内駅
肥薩おれんじ鉄道
肥薩おれんじ鉄道線
  • 観光列車「おれんじ食堂」停車駅(金土休日のみ運転)
快速「スーパーおれんじ」(土休日のみ運転)
水俣駅 - 出水駅
快速「オーシャンライナーさつま」(土休日のみ運転)
出水駅 - 高尾野駅
普通
米ノ津駅 - 出水駅 - 西出水駅

脚注

  1. ^ 『JR時刻表』2015年7月号、交通新聞社、2015年、419頁。 
  2. ^ JR九州 平成26年度決算について
  3. ^ 南日本新聞』 2012年4月28日付 6面(JR九州収益最高 3月期連結駅収入、鹿中央2位)
  4. ^ 九州新幹線全線開業6ヶ月間間のご利用状況について

関連項目

外部リンク