信虎 (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Oyyo37 (会話 | 投稿記録) による 2022年11月12日 (土) 13:58個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Check wiki: ISBN構文エラー)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

信虎
Nobutora-Samurai Tiger
監督 金子修介宮下玄覇(共同監督)
脚本 宮下玄覇
製作 宮下玄覇、西田宣善、榎望(協力)
製作総指揮 宮下玄覇
出演者 寺田農
谷村美月
矢野聖人
荒井敦史
榎木孝明
永島敏行
渡辺裕之
隆大介
石垣佑磨
葛山信吾
嘉門タツオ
杉浦太陽
左伴彩佳AKB48
柏原収史
伊藤洋三郎
川野太郎
安藤一夫
堀内正美
橋本一郎
音楽 池辺晋一郎
撮影 上野彰吾
編集 宮下玄覇
制作会社 ミヤオビピクチャーズ
製作会社 ミヤオビピクチャーズ
配給 彩プロ
公開 日本の旗 2021年11月12日[1]
上映時間 135分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

信虎』(のぶとら)は、2021年11月12日公開の日本映画武田信玄の父・武田信虎の最晩年から始まり孫の勝頼の討死までを描いた映画。

制作

京都の古美術茶道具商社の宮帯(代表宮下玄覇)が全面出資して製作された異色の本格時代劇作品。当初の予定タイトルは『信虎 信玄陣没!国主の帰還』だった。撮影は信虎が甲府を開府してから500年の2019年に京都で行われた。公開は信玄生誕500年の2021年10月22日より山梨先行、11月よりTOHOシネマズ系で全国上映され、信玄450回忌の2022年まで行われた。

監督は金子修介、共同監督・脚本・美術は宮下玄覇。音楽は池辺晋一郎。特殊メイク・かつらは江川悦子。衣裳は宮本まさ江。武田家考証は平山優

主演は寺田農[2]。ヒロインは谷村美月上杉謙信役に榎木孝明織田信長役には隆大介が断ったため渡辺裕之が起用された。隆大介(土屋伝助役)は本作が遺作となった[3]

黒澤明監督『影武者』のスピンオフを志向し、音楽では池辺晋一郎が続編を作曲した。

劇作家・映画監督の三谷幸喜は、「大河ドラマとは全てが違う戦国時代の世界観の映画で、闘いのシーン、メイク、美術、衣装どれをとっても新鮮さを感じる」と賞賛した[4]

また、歴史小説家・伊東潤は「令和の時代劇はこれだ!」と評し、歴史学者・小和田哲男はそのリアリティをもった演出と世界観の構築を絶賛。歴史学者・笠谷和比古は「歴史ファン、戦国ファンにとって必見の映画」との推薦コメントを寄せた。

2022年3月に特殊メイク・かつら担当の江川悦子が本作のラテックス製のかつらが『マスカレード・ナイト』と共に、革命をもたらしたと評価され、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。

4月には音楽の池辺晋一郎が永年の功績を認められ旭日中綬章を受章した。

2022年のマドリード国際映画祭にて、最優秀外国語映画、外国語映画部門最優秀監督(金子修介宮下玄覇)、外国語映画部門最優秀主演男優(寺田農)、外国語映画部門最優秀オリジナル脚本、ベスト・コスチュームの5部門にノミネートされ、外国語映画部門 最優秀監督(金子修介宮下玄覇)、ベスト・コスチュームの2部門を獲得した。

あらすじ

武田信虎(無人斎)甲斐追放後、駿河を経て足利義昭に仕えていた。元亀4年(1573)信玄信長包囲網を形成し上洛を開始。信虎は齢80になっていたが、信玄の危篤を聞き末娘・お直と、わずかな家臣、海賊、透破(忍者)を引き連れ甲斐への帰国を目指す。途中、美濃での激戦を乗り越えて信濃高遠城にたどり着く。ここで孫の勝頼と初対面し、寵臣跡部勝資長坂釣閑斎馬場信春山県昌景内藤昌秀春日虎綱(弾正)らの家老たちと論戦を繰り広げる。その後、信虎は上杉謙信北条国王(氏直)らに後事を託して大往生を遂げる。天正10年(1582)、ついに武田家は織田・徳川・北条連合軍の侵攻を受け滅亡。その頃より信虎の秘策が次々と奇跡を起こす。

キャスト

京 武田家

甲斐 武田家

信濃(高遠城代)武田家

信濃 禰津家

身延山 久遠寺

長禅寺

織田家

上杉家

徳川幕府

その他

スタッフ

特徴

  • 桃山時代の建物を中心にオールロケをし、高額な美術品を多用。また、剃り込みの深い戦国期の月代甲冑、在来馬(木曽馬)といったディテールにこだわり、刀と刀をぶつけて本物の音を録音。所作は当時のものを用いている。新しい試みを数多くしているため「新戦国時代劇」と銘打っている。
  • 数々の作品のオマージュがちりばめられてあり、主演の寺田農がかつて映画『天空の城ラピュタ』で声優を務めたムスカ大佐のセリフなどがある。
  • 信虎・信玄のほか、国語学者・酒井憲二に捧げられた映画であり、酒井は『甲陽軍鑑』の偽書説を覆した人物で、本作には同書の完全再現のシーンが幾つかある。ちなみに同書では信虎を武田家26代としている。

参考文献

脚注

  1. ^ “寺田農主演の時代劇『信虎』公開日が決定”. シネマトゥデイ. (2021年9月7日). https://www.cinematoday.jp/news/N0125820 2021年9月11日閲覧。 
  2. ^ “武田信虎役に寺田農 映画「信虎」”. 産経新聞. (2019年11月20日). https://www.sankei.com/article/20191120-XYTVLDDAEFPF5EOGITCZKAN7NM/ 2019年11月20日閲覧。 
  3. ^ “寺田農と谷村美月が共演、武田信玄の父の晩年描く時代劇「信虎」公開”. 映画ナタリー. (2021年9月7日). https://natalie.mu/eiga/news/444096 2021年9月11日閲覧。 
  4. ^ 寺田農主演「信虎」、三谷幸喜が「大河ドラマとは、全く違う”. ピア (2021年11月10日). 2022年6月7日閲覧。
  5. ^ 1990年の映画『天と地と』でも上杉謙信を演じた。

外部リンク