インゲンマメ

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インゲンマメ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: インゲンマメ属 Phaseolus
: インゲンマメ P. vulgaris
学名
Phaseolus vulgaris L.
英名
common bean
赤インゲンマメ(kidney, red, mature seeds, raw)
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,408 kJ (337 kcal)
61.29 g
糖類 2.1 g
食物繊維 15.2 g
1.06 g
飽和脂肪酸 0.154 g
一価不飽和 0.082 g
多価不飽和 0.586 g
22.53 g
トリプトファン 0.267 g
トレオニン 0.948 g
イソロイシン 0.995 g
ロイシン 1.799 g
リシン 1.547 g
メチオニン 0.339 g
シスチン 0.245 g
フェニルアラニン 1.218 g
チロシン 0.634 g
バリン 1.179 g
アルギニン 1.395 g
ヒスチジン 0.627 g
アラニン 0.945 g
アスパラギン酸 2.725 g
グルタミン酸 3.436 g
グリシン 0.88 g
プロリン 0.955 g
セリン 1.226 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(53%)
0.608 mg
リボフラビン (B2)
(18%)
0.215 mg
ナイアシン (B3)
(14%)
2.11 mg
パントテン酸 (B5)
(16%)
0.78 mg
ビタミンB6
(31%)
0.397 mg
葉酸 (B9)
(99%)
394 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(13%)
65.9 mg
ビタミンC
(5%)
4.5 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(1%)
0.21 mg
ビタミンK
(5%)
5.6 µg
ミネラル
ナトリウム
(1%)
12 mg
カリウム
(29%)
1359 mg
カルシウム
(8%)
83 mg
マグネシウム
(39%)
138 mg
リン
(58%)
406 mg
鉄分
(51%)
6.69 mg
亜鉛
(29%)
2.79 mg
マンガン
(53%)
1.111 mg
セレン
(5%)
3.2 µg
他の成分
水分 11.75 g
アルコール (エタノール)
0 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
インゲンマメアミノ酸スコア[1]

インゲンマメ(隠元豆、Phaseolus vulgaris)はマメ科一年草。別名、サイトウ(菜豆)、サンドマメ(三度豆)。

歴史

中南米原産。16世紀末にヨーロッパを経由して中国に伝わり、17世紀に日本に伝わったと言われている。1654年からの帰化僧、隠元(いんげん)禅師が日本に持ち込んだとされることからこの名がついた[2]。実際にはフジマメ(藤豆、フジマメ属)を持ち帰ったという説もある。このためかどうか不明だが、関西ではフジマメをインゲンマメと呼び、インゲンマメはフジマメ、サヤインゲンは三度豆と呼ぶ。

生態

夏に、白またはピンク色の花をつけ、秋に長いさやをつける。

つる性の品種とつるなしの品種とがあり、つる性の品種の方が収穫期間がつるなし品種よりも長い。

産地

日本では全国の生産量の約90%が北海道で生産され、その中でも十勝平野が栽培の中心である。 特に、大正金時は、最も人気がある品種である。

種類

金時豆(赤インゲン豆)、うずら豆および虎豆(共に斑〈ふ〉入りの豆)、手亡および大福豆(共に白インゲン豆)はインゲンマメに含まれる。キドニービーンズは、赤インゲン豆のことであるが、主に輸入品がこう呼ばれる。

しばしば混同される、ハナマメ(白花豆)、フジマメは近縁の別種である。

利用

若いさやを食べる軟莢種サヤインゲン)と、成熟した種子を食べる種実用種がある。 サヤインゲンは、塩茹でにして和え物やおひたしにするか、あるいはバター炒めにすることが多い。

成熟した種子は乾燥させて貯蔵し、煮豆や甘納豆、菓子用のなどに用いられる。フランス料理イタリア料理では白インゲン豆が煮込み料理に好んで使用される。乾燥重量の2割余りをタンパク質が占める。アミノ酸組成のバランスも良くアミノ酸スコアは100であり、特にリシンを豊富に含み、リシンが不足している主要3大穀物(小麦トウモロコシ)との食べ合わせも良い。ラテンアメリカ諸国の重要な蛋白源でもある。

毒性

2006年(平成18年)5月6日、TBSテレビで放送された『ぴーかんバディ!』で、白インゲン豆を3分間炒ってから粉にして、ご飯にまぶして食べるダイエット法を紹介したところ、激しい嘔吐や下痢などの健康被害が全国で発生した。

これは豆類全般に含まれるレクチンの一種、フィトヘマグルチニンPHA)の作用によるものと考えられる。レクチンは蛋白質なので加熱すれば変性し、人体には無害になる。レクチンを無毒化するためには、豆を少なくとも10分は加熱する必要がある(豆を美味しく食べるためには、柔らかくなるまでさらに加熱調理しなければならない)。例のダイエット法の加熱時間は短すぎるのである。なお、フィトヘマグルチニンを最も多く含むのは、種皮の赤いいんげん豆である。

インゲンマメを用いた食品・料理

赤インゲンマメ(100g中)の主な脂肪酸の種類[3]
項目 分量(g)
脂肪 1.06
飽和脂肪酸 0.154
16:0(パルミチン酸 0.136
18:0(ステアリン酸 0.018
一価不飽和脂肪酸 0.082
18:1(オレイン酸 0.082
多価不飽和脂肪酸 0.586
18:2(リノール酸 0.228
18:3(α-リノレン酸 0.358

参考資料

  1. ^ http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
  2. ^ インゲン豆をもたらした隠元禅師 - みろくや
  3. ^ http://ndb.nal.usda.gov/

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