風光る〜甲子園〜

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風光る~甲子園~
ジャンル 野球漫画
漫画
原作・原案など 七三太朗
作画 川三番地
出版社 講談社
掲載誌 月刊少年マガジン
発表期間 1990年? - 2006年
巻数 全44巻
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風光る~甲子園~』(かぜひかる)は、原作七三太朗、漫画川三番地高校野球漫画である。月刊少年マガジンで連載。1992年、第16回講談社漫画賞受賞。単行本全44巻。2006年3月をもって連載終了。連載開始時のタイトルは『風光る』。『風光る~甲子園~』にタイトルが変更されたのは、物語の舞台が甲子園に移って以降(単行本でいうと28巻から)である。


あらすじ[編集]

主人公・野中ゆたかは、万年1回戦敗退の弱小校・多摩川高校野球部に在籍する補欠選手。そんなゆたかの特技は野球選手の物まね。そんな多摩川高校に、多摩川OBで甲子園に出場経験があり、東京六大学野球三冠王を取った経験を持つ君島監督が赴任して来た。君島監督はゆたかの才能に目をつけ、エースで4番という重役を任せる。そして、練習試合で強豪・千束高校に対して接戦に持ち込んだという自信と、短い時間で集中的にやってきた練習を味方につけて、南東京大会、そして全国で旋風を巻き起こす。

主な多摩川高校のメンバー[編集]

野中ゆたか
多摩川高校の補欠選手。とても器用で、さまざまな野球選手の物まねが得意。非常に野球が好きで、姉曰く、野球中継を座って見たことがないという。丁寧な性格で、物まねを覚えるときには初めは鏡と正対しながら右投手の物まねだったら左から、左投手の物まねは右からやるという。これは打者でも同様。そんなゆたかのセンスに目をつけて、君島監督は4番で投手という重要なポジションを任せる。当初は戸惑っていたが、試合を重ねるごとに中心選手としての自覚と責任感に目覚め、風格が漂ってきた。
石川卒業後、主将を務めることとなる。身長153センチ。両投両打。
野中美奈子
ゆたかの姉。常にゆたかのことを心配している弟思いな姉だが、ゆたかにとっては、「怖い姉ちゃん」。
君島
多摩川高校に赴任してきた監督。多摩川高校野球部OBで、かつて東京六大学野球三冠王の経験あり(ユニフォームから早稲田大学と思われる)。若さの割りに非常に落ち着いており、常に微笑を絶やさない。ベンチでは足を組んで、組んだ足の上から頬杖をついている。いろいろ謎の部分も多いが、選手への気配り・アドバイスは常に的確かつ重要。部員たちの自主性を重んじ、部員の人心掌握にも長けた名監督である。
名門・京浜高校の小野監督から自身の後継者としてアプローチされていたが、野球の楽しさを母校に伝えるためその話を断った。
部長
表立ってゆたか達に協力をしていた人物。
永井先生
多摩川高校女子テニス部顧問。京浜高校との試合前日、練習に熱の入っていた野球部員のために、女子テニス部の部員たちと夕飯を作ったりするなどしていた。甲子園1回戦では、ゲスト出演もしていた。
石川
多摩川高校の主将で2番・キャッチャー。膝の突っ張りをゆたかに指摘されてから打撃がよくなった。少し熱い部分を持ち、ゆたかにアドバイスをされた当初はカッカしていたが、指摘が的確であったので納得したようである。
守備はあまり上手ではなく、クロスプレイではたびたびボールをこぼしている。
小暮
多摩川高校の副主将で、3番・ファースト。ゆたかがレギュラー入りするまではエースで4番であった。その責任を感じてか力んでいたが、ゆたかに力みを指摘されて打撃開眼。非常に冷静な性格で、ゆたかの助言もすんなり聞き入れた。チーム1の野球センスを持つ。
岡田
多摩川高校でサードを守る。体が大きく頑丈で、打球を顔で止めるほど。力任せのスイングをしているとゆたかに指摘され修正し、打力が向上。千束戦で9番だった打順は、南東京予選以降は5番に昇格。精神的に優しすぎる性格のため、守備でのガッツが打撃に生かされて来れば怖い選手。
坂本英一
多摩川高校で1番を打ち、レフトを守っている。足が速いのに、フライばかり上げているから上から叩きつけるように打ったほうがいいとゆたかの指摘を受けて、修正。肩も強い。
佐々井
6番・センターの団子っ鼻。チーム1の強肩を持つ守りの要。
根岸
9番・ライト。千束戦のスタメンだった藤木を退けて、定位置を獲得した。
星野
洋食屋の息子で、予選のときに合宿を行うときにはよく包丁を持つ2年生。京浜高校戦で代打で出場し、ヒットを打っている。伝令役としてもよく出る。2年生のはずなのだが、ゆたかにタメ口を言われたり、敬語で言われたりするなど、厳密に言えば何年生なのかよくわからない。
星野同様、京浜高校戦で代走として登場。また、決勝戦の有明高校戦でも守備固めとして出場している。ベースランニング15秒半という足の速さを持ち、陸上部の誘いを蹴って野球部にやってきた。星野同様、よく伝令役としても使われる。

ゆたかたちの戦ってきた選手たち[編集]

千束高校[編集]

小野
名門・千束の監督にして君島監督の先輩。熱血漢で選手には常に全力でプレーするようにといっているが、態度に出てしまい、時に暴力を振るうのが玉に傷。「ドロ水も青空を写すんだよ」が信条であり、ゆたかの末恐ろしさを千束ナインに教え込んでいた。
大城
速球を武器とする名門・千束のエースで4番。爪を割らなければ昨年度大会は甲子園に導いていたといわれていた。しかし、練習試合で万年1回戦敗退だった多摩川にぎりぎりで勝った上、結局公式戦では多摩川に敗れ去った。
熊野
3番サード。昨年度大会で大城とのアベックホーマーを5本も叩き出した南東京を代表する強打者。また、監督が大城を叱責した後のショートとの連携や最終回でのホームベースカバーなど、守備での活躍も見せた。

尾山台高校[編集]

久恒
尾山台高校の4番・捕手で主将。多摩川をダメ多摩と評していたが、結局痛い一撃を喰らう。その後、ゆたかをずっと追い続けていた。
根津
尾山台高校のエース。ゆたかに決め球のシュートを打たれて自信喪失に陥り、結果先発の広田と合わせて16点を取られ、コールド負けを喫する。

昭文館高校[編集]

宇童
元シード校・昭文館高校のエース。速球にカーブ、切れ味鋭いスライダーを持つ。カーブのときに首をたたむ癖をゆたかに見抜かれて一時マウンドから降りたが、その後球の出所が一緒で癖のないスライダーに切り替えてからはしばらく多摩川を悩ませた。しかし、疲れからストライクとボールがはっきりしだしたことから結局スライダーも攻略され、最後はゆたかにサヨナラ2ランホームランを打たれる。

本豪学園高校[編集]

佐久間博和
第3シード・本豪学園の3番でエース。MAX140km/hといわれる速球と切れ味鋭いスライダー、カーブが武器。カーブは石川・小暮によって攻略されて疑心暗鬼となり、速球を投げざるを得なくなったゆたかの前にあえなく散った。

京浜高校[編集]

小野監督
甲子園出場常連校で今大会の第1シード・京浜高校の名将。君島監督の先輩で、自分の後継者として君島を指名していたが、君島には拒否され、その君島率いる多摩川に敗北を喫す。
京浜高校のエース。佐久間と同じスピードのストレートをもちつつ、曲がりの大きいカーブが武器。ゆたかにホームスチールを決められて動揺したが、その後持ちこたえるなど精神力も強い。後にゆたかは9回にホームランを4番・中井に打たれた時と村上学園に先制された時に、彼のリラックス法を真似ている。
羽田
京浜高校の抑えの切り札。1人に3球と投げたことのない投手で、プロもマークしている。最速150km/hを記録する速球と、鋭く落ちるフォークボールを武器とする。しかし、1人を3球でしとめるという武勇伝は小暮に破られてしまい、最後はゆたかにサヨナラタイムリー3ベースを打たれた。

村上学園高校(徳島代表)[編集]

大石
Aランク校(多摩川はCランク)、村上学園の5番でエース。野球王国・四国でNo.1の防御率を誇る投手。羽田と同じくらいの速球をもち、多彩な変化球と投球術で人を食ったような投球を見せる。1回戦で多摩川の前に立ちはだかるが、最後はゆたかを色眼鏡で見てしまい、サヨナラ満塁ホームランを打たれた。それ以来、ゆたかが最後の打席で松井秀喜の真似をしたことから、ゆたかのことを『ミニラ』と呼んでいる。村上学園は、多摩川が南東京予選5回戦で戦った京浜高校と2年前に甲子園で対戦、1点差で涙を呑んでいる。
菅井
村上学園の4番で一塁手。得点圏打率6割を誇り、先制の犠牲フライ、勝ち越しのホームランを放つが、サヨナラ負けで敗退した。

関大淀川高校(大阪代表)[編集]

赤井隆也
ゆたかのことを唯一色眼鏡で見なかったチーム、前年優勝校・関大淀川の主将で4番でサード。ホームランが決定的な打球を放っても、審判が「ホームラン」と言わない限り全力疾走で走る。ゆたかから3本塁打10打点を記録し、辛くも勝利を収めるものの、3回戦で敗退し3連覇はならなかった。多摩川戦の後、後輩たちを呼び集め、来年はゆたかに負けるなよと話した。
山口大輔
通称「ヤマスケ」。関大淀川の5番でエース。今大会No1投手。野球センスの塊で、今打者が何をするのかまでわかってしまうほど。また、そんなことをしなくても相手をねじ伏せられるだけの剛球も合わせ持つ。だが、多摩川との対戦で全力投球をした上13失点を喫し、辛くも勝利を収めたが、3回戦で敗退してしまった。ヤマスケと呼ばれるのが嫌いで、自分には山口大輔というかっこいい名前があるんだからそれで呼べと言っているが、結局赤井をはじめチームメイトからは「ヤマスケ」と呼ばれている。身長187cm。

ゆたかが物まねをした選手[編集]

打者

  • 落合博満・・・『オレ流』で有名。2年連続を含む、日本プロ野球史上最多の三冠王3度獲得。
  • 君島監督・・・本物の君島は右打者だが、物まねが完成しきっていないという理由で、左打席で打った。
  • 清原和博・・・KKコンビの一人。ゆたかが初めて打者としてあこがれた選手。
  • イチロー・・・日米通算首位打者9度獲得の実績を誇り、日米の年間最多安打記録を保持する世界最高の安打製造機。
  • 松井秀喜・・・ゴジラと呼ばれるほどのパワフルな打撃と、王貞治をも超えるスイングスピードを持つ日本最高のスラッガー。
  • バリー・ボンズ・・・連載当時、MLB最高のスラッガー。史上最多のリーグMVP7回獲得。

投手

  • 野茂英雄・・・トルネード投法で有名。君島監督は野茂の物まねからゆたかの才能を見出した。
  • 山田久志・・・元阪急の名投手。サブマリン投法と呼ばれる下手投げからの速球、シンカーを武器として、史上初の3年連続MVPに輝く。
  • 今中慎二・・・キレの良い速球と落差の大きなカーブを武器に、中日の一時代を築いたエース。
  • 桑田真澄・・・清原とともに、ゆたかが最初に物まねした選手。幼少時代、KKコンビが活躍していた試合を見て、「強い!強い!最強だ!」と言ってからずっと桑田の物まねをしていると、姉の美奈子は話す。マウンド上で独り言を呟く桑田の癖を、ゆたかはボールに話しかけていると解釈している。
  • ランディ・ジョンソン・・・通称ビッグ・ユニット。MLB屈指の左腕で奪三振王。
  • 島・・・南東京大会5回戦で9回、中井に本塁打を許した後、『8回にゆたかにホームスチールを決められ、動揺した島を真似なさい』と君島監督に言われ、島を真似て深呼吸で心を落ち着かせ、自分の投球を崩さなかった。
  • 羽田・・・甲子園大会1回戦、村上学園戦で1回表に1点先制された後に、京浜のストッパー・羽田を真似ている。村上学園は2年前に京浜に敗れており、その時、羽田に抑えられている。

ゆたかたちの戦跡[編集]

  • 練習試合
1 2 3 4 5 6 7 8 9
千束 1 1 0 1 0 1 1 0 0 5
多摩川 2 0 0 0 0 0 0 0 2 4

多摩川のひと夏の奇跡はここから始まった。ゆたかの物まねのセンスを見抜いた君島監督は、4番で投手という過酷なポジションにゆたかを据えた。君島のゆたか起用を失望の目で見る石川を初めとする多摩川メンバー。それでも、ゆたかは重量打線を誇る千束打線を野茂英雄のトルネード投法でわずか5失点に抑える。最後の最後でゆたかは上ずったが、君島監督の「命の注入」で、形だけ似せていた落合打法も次第に落合の性格まで似せるようになり、強豪・千束をあと一歩のところまで追い詰めた。この100日後、多摩川は甲子園出場権を手にする。

  • 南東京大会1回戦(3回コールド)
1 2 3
尾山台 0 0 0 0
多摩川 6 4 6x 16

千束との練習試合以前の練習試合では、尾山台にコテンパンにやられてしまった多摩川。だが、名門・千束と互角に戦ったという自信を持って戦ったことで、今まで散々手玉に取られてきた尾山台のエース・根津を捕らえ、3回コールドで粉砕した。

  • 南東京大会2回戦(7回コールド)
1 2 3 4 5 6 7
目蒲 1 0 1 0 0 0 0 2
多摩川 0 0 0 0 0 6 3x 9

相手は3回戦の常連という目蒲。2点を先制されるが、この試合で課題だった守備を克服。打っては、6回に目蒲のエース・三好の配球と球威の無さを見破り、7回コールドで粉砕した。

  • 南東京大会3回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
昭文館 0 0 0 2 0 0 0 0 2 4
多摩川 0 0 4 0 0 0 0 0 2x 6

元シードの強豪・昭文館の強力打線に対し、ゆたかは山田久志のアンダースローで対抗。相手に揺さぶりをかけられるものの、何とか4点に抑えた。相手の本格派投手・宇童に対しては、一時マウンドから引きずりおろしたものの、スライダーで5回から8回まで完全に封じ込められた。だが最後にスライダーを石川・小暮が攻略。小暮はツーベース性の好打を放つがわざと転倒して1塁に留まり、ゆたかのサヨナラ2ランホームランを呼び込んだ。だが、試合中にゆたかの次の打順の岡田が「ま、ゆたかが一番打点を稼いでいるからいいか」と他力本願的な発言をしたため、試合終了後、君島監督は突然ひとり京都で寺にこもってしまう。

  • 南東京大会4回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
本豪学園 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
多摩川 0 0 0 0 0 0 0 0 2x 2

君島監督の突然の寺ごもりに、自分たちが見捨てられたと判断した主将の石川は『俺たちだけで合宿をやろう』と決意、実行に移す。4回戦の相手は実力派とも言われる本豪学園。100メートル11秒台の足が速い選手が多く、冷静な昭文館のエース・宇童でさえ混乱してしまったほど。ゆたかは左のクイック投法で本豪学園の機動力を封じる。9回、試合巧者の本豪学園に4番・中江の犠牲フライで先制されるものの、その裏、多摩川ナインは石川・小暮が佐久間のカーブを攻略。合宿を経て意識の変わった岡田がネクストバッターサークルで見守る中、最後はゆたかがイチロー打法でサヨナラ2ランホームランを放った。前試合での岡田の発言から始まった一連の出来事を通じ、他力ではなく自ら判断し実行に移せるチームは強い、ということを多摩川ナインは感じ取った。

  • 南東京大会5回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
京浜 1 0 0 0 0 0 0 0 3 4
多摩川 1 0 0 0 0 0 0 1 3x 5

5回戦の相手は、甲子園行き確実とまで言われた京浜。エース・島は選抜大会にも出場している、今大会の大本命。最速140キロにも達する速球と、曲がりの大きいカーブが武器。試合巧者京浜が先制するものの、桑田投法と清原打法で京浜に挑むゆたか。1回裏に島のカーブを攻略し、同点に追いつく。8回にはゆたかのツーベースヒットからホームスチールで勝ち越し。9回表に京浜が層の厚さで逆転するが、その裏に島をとらえてチャンスを作ると、抑えの羽田が登場。最速150キロにも迫る速球とフォークで小暮は討ち取られたが、ゆたかに真っ向勝負を挑み渾身の速球で臨んだ羽田は、ゆたかに走者一掃となるタイムリースリーベースヒットを打たれてサヨナラ負け。胸を借りるどころか大金星をあげた多摩川は、その後準決勝で千束にサヨナラ勝ちし、決勝で南東京の雄と呼ばれる有明を倒し、甲子園出場を決めた。

  • 南東京大会準決勝
1 2 3 4 5 6 7 8 9
千束 0 0 0 1 0 0 1 0 0 2
多摩川 0 0 0 0 0 0 0 0 3x 3
  • 南東京大会決勝
1 2 3 4 5 6 7 8 9
有明 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
多摩川 0 0 0 1 0 0 2 0 X 3
  • 甲子園大会1回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
村上学園 1 1 0 0 0 0 1 2 0 5
多摩川 3 0 0 0 0 0 0 0 5x 8

四国一の怪腕・大石を擁するAランク高校の村上学園。思い切った野球をし、多摩川を翻弄しようとするが、多摩川が重視する打線のつながりと大石の傲慢な精神がもとで、ゆたかに3ランを浴びることとなる。ゆたかは気温40度に達しようかという暑さの中踏ん張り、2回以降は村上学園に点を与えなかったが、村上学園は8回表に強引に2点を奪って勝ち越す。その裏、多摩川も強引に点を取ろうとしようと意識しすぎたか、村上学園の策にはまってしまう。だが、9回の伝令で「身の丈の野球だね」と言う君島監督の言葉からつなぐ意識を思い出し、再び打線のつなぎを意識して着実に点を取る。最後はさしもの大石もゆたかを色眼鏡で見てしまい、ゆたかは松井の物まねでサヨナラ満塁弾を放った。

  • 甲子園大会2回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
多摩川 1 0 3 7 0 0 0 2 0 13
関大淀川 0 1 5 0 0 0 3 1 4x 14

相手は優勝候補の関大淀川。「1イニングビッグバン打線」と呼ばれ、1イニングで6点以上を取ったり、1試合で7点以下の得点だった試合はないなど、数々の武勇伝を持つ強力打線と、「ヤマスケ」こと今大会屈指の好投手のエース・山口大輔を擁する。ゆたかをはじめとする多摩川ナインは、ボールを水で濡らし、雨が降った時の練習をするなどして雨対策を万全にして、試合に挑んだ。試合前、「雨が降ったら間違いなくこちらの勝ちです」と話した君島監督。試合では、つなぎの野球の集大成ともいえる「ONE FOR ALL、ALL FOR ONE(みんなは一人のために、一人はみんなのために)」野球で、同点に追いつかれても再び勝ち越す展開に。3回裏、ボール球を強引に打たれるなどして5点を奪われるものの、4回表にはぱらついてきた雨を利用し、スクイズ、ミートヒッティングの後、ゆたかの2試合連続満塁弾が飛び出し、一挙7点を奪う猛攻で逆転。その後、ゆたかはすっぽ抜けを上手く利用して関大淀川打線を翻弄する。7回裏には関大淀川打線に対し、1死1・2塁で赤井がヒットに徹したところ、外野をセンター・佐々井だけにして他の選手は全員内野を守らせるなどしたが、タイムリースリーベースヒットを打たれ、その後もヤマスケのスクイズで2点差にされる。その後多摩川は2点を入れて突き放すが、関大淀川は8回裏に1点を加えた後、9回裏に赤井が今日3本目となるサヨナラ満塁ホームランを放ち、土壇場で多摩川をうっちゃった。しかしこの激闘の代償は関大淀川にとっても大きく、関大淀川は3回戦で敗退。大会終了後、ゆたかは主将となり、チームを引っ張ってゆくこととなる。