ミニラ

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ミニラ (Minya) とは、東宝特撮映画ゴジラ』シリーズに登場する架空の怪獣で、ゴジラの息子。別名は「ゴジラの息子[2]」「ちびっ子怪獣[3]」「わんぱくプリンス[4]」など。

特徴[編集]

映画『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』にて初登場した。当時のパンフレットによるとゴジラの息子を作る案は製作の三年前からあったという[5]。名称は一般からの公募により集められた中から選ばれ[5][1]、東宝の撮影所で子供たちを集めて、羽織を着けたミニラがゴジラと並んで命名式を行っている[6]。脚本では「子ジラ」と書かれていた。海外では「ミニヤ(Miniya)」と呼ばれている。

全体的なイメージはゴジラと大きく異なる。全身が白っぽく、皮膚は滑らか。ゴジラを擬人化したような寸詰まりの顔を持ち、眉毛を思わせる窪みと相まって、その表情はまるで微笑んでいるかのように見える。背びれは非常に小さく、配列が不規則である。口から放射熱線を吐くが、ゴジラのような帯状の継続放射ではなく、ドーナツ型の物を一回ずつ単発で放射する[7]。宣伝用のスチル写真などでは口から連続発射している。尾を踏まれると、そのショックでゴジラ同様の熱線を出せる。

ミニラの顔は、当時『週刊少年サンデー』(小学館)で人気のあった漫画『おそ松くん』のキャラクター「チビ太」をモデルにしていて、上に飛び出したマブタなどにイメージが生かされている[8]

「『ゴジラ対ヘドラ』~『メカゴジラの逆襲』のゴジラはミニラが成長した姿ではないか」という説がある[9][10]

子供をターゲットにしたキャラクターであり、『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』では少年との交流が描かれる。 しかし、その存在自体が文字通りの「子供だまし」とみなされ、内外のファンからの評判は(当の児童層からも)良くなく、登場作品はあまり多くない。

登場作品(公開順)[編集]

  1. 怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(1967年)
  2. 怪獣総進撃』(1968年)
  3. ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』(1969年)
  4. ゴジラ FINAL WARS』(2004年)

ゴジラシリーズ(昭和)のミニラ[編集]

(各作品共通)

  • 身長:13~18メートル
  • 体重:1800~3千トン
  • スーツアクターは小人のマーチャン(深沢政雄)。
  • 頭部造形は利光貞三、胴体は八木寛寿、八木康栄による。誕生直後の操演用2尺モデルも作られた[1]。造形物は、『オール怪獣大進撃』まで使いまわされた。
  • ダルマのような体型のため、非常に動きにくかったそうで、一度こけると自力では起きられず、演技者の小人のマーチャンも苦労が多かったという。しかしこの不測の演技が幼児らしいよちよち歩きになり、『ゴジラの息子』ラストの子別れのシーンでは積もらせた雪が効果的な動きを生み、有川監督は「大変表現しやすかった」と語っている。ミニラの吐く放射能は、当初有川監督は縦にこれを飛ばし、手裏剣のように見せたかったという。煙の輪のような表現としたのは監修の円谷英二監督の助言による。

『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』[編集]

卵の状態でゾルゲル島の地中に埋まっており、孵化間際に特殊な電波を出してゴジラ(の一族)を呼んでいた(尚、この電波の影響でゾルゲル島で行われていた気象ゾンデによる実験は失敗した)。カマキラスがその卵を掘り起こし、殻を割ったために誕生した。孵化したばかりのミニラは小さく、カマキラスにいじめられていたが、ゴジラに育てられ成長し、そのスパルタ特訓により、ゴジラと同様の放射熱線を吐けるようになる。クモンガとの戦いの後に気象ゾンデの実験が成功し、ゾルゲル島に雪が降ったことで、一旦島を去ろうとして引き帰してきたゴジラとともに冬眠した。

『怪獣総進撃』[編集]

怪獣ランドの怪獣として登場。怪獣軍団で唯一キラアク星人に操られていない(ゴジラの同族を呼ぶ音波によって遮断されたと思われる)。富士のすそ野でバランマンダバラゴンを除く怪獣たちと共闘してキングギドラと戦う。ほぼ瀕死の状態になったキングギドラの中央の首に対して熱線を輪投げのようにかけてとどめを刺した。

  • ぬいぐるみ(着ぐるみ)は、前作のものを顔など改修して使用。ほかに遠景用の人形が製作された。

『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』[編集]

主人公の少年の夢の中の出来事ということで、少年とほぼ同じ頭身(大きさを自由に変えることができる)で登場し、日本語を話した。(声は内山みどり)ガバラにいじめられていたが、ゴジラのスパルタ教育(?)と少年の協力を得て、ガバラに再戦を挑み、これに勝利する。

  • 着ぐるみは前作のものの補修[11]。一郎と並んで会話するシーンが多いため、表情を出せるよう頭部がかなり修正され、上半身のみの等身大ギニョールも用意された。

『ゴジラ FINAL WARS』のミニラ[編集]

  • 身長:1.6~20メートル
  • 体重:200キログラム~5千トン

富士山中で猟師の左門(演:泉谷しげる)とその孫の健太(演:須賀健太)に発見された。ゴジラに会うために2人とともに東京に向かった。その途中で徐々に成長していき、ゴジラと同様の熱線が吐けるようになった。ゴジラと人間の間に重要な役割をもつ存在として描かれる。足の指が3本から4本になり、昭和版にはなかった耳介がついている。また、昭和版では不規則だった背鰭が綺麗にまとまったことで、背面はリトルゴジラゴジラジュニアに近くなっている。本作結末において健太ともに人類とゴジラの一触即発の場に割って入ってゴジラの怒りを静め、ともに東京湾を渡りながら去って行った。

  • スーツアクターは神尾直子
  • デザインは平成VSシリーズのベビーゴジラやジュニアを担当した西川伸司
  • 声は昭和版のものを低く加工して使っている。
  • 武器はリング熱線、放射熱線。
  • 劇中初登場時には『ゴジラの息子』の音楽が使われている。
  • 造形物はぬいぐるみ(着ぐるみ)のほかにラストの海のシーン用の人形が製作された。

『行け! グリーンマン』のミニラ[編集]

特別に呼んできたという設定で、悪役として登場し、グリーンマンと戦った(さすがにグリーンマンに殺されるようなことはなかった)。

『CRゴジラ3』のミニラ[編集]

  • 実写カットは「FINAL WARS」の着ぐるみを使用。

注釈[編集]

  1. ^ a b c 『東宝特撮映画大全集』 ヴィレッジブックス2012年、118 - 121頁。ISBN 9784864910132 
  2. ^ 『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』公開時のポスターより[1]
  3. ^ 岩畠寿明 『講談社ヒットブックス20 ゴジラvsキングギドラ 怪獣大全集』 講談社1991年12月5日、74頁。ISBN 4-06-177720-3
  4. ^ 間宮尚彦 2000, pp. 118.
  5. ^ a b 『ゴジラ大百科[メカゴジラ編]』 学習研究社1993年、69頁。
  6. ^ 間宮尚彦 2000, pp. 122.
  7. ^ 怪獣島の決戦 ゴジラの息子』DVDの字幕では「ミニラのポワンとした音」と書かれていた。
  8. ^ 『怪獣大戦争』以後、東宝は小学館とタイアップ提携をしており、『週刊少年サンデー』で誌上特集が組まれた。
  9. ^ 野村宏平 『ゴジラ大辞典』 笠倉出版社2004年12月5日、257 - 258頁。ISBN 4773002921
  10. ^ 愛嬌のある仕草・顔つきや、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』の予告におけるゴジラの「ボク(映画館で)まってるヨ!」という一人称などは、この説を裏打ちしているとも考えられる。[独自研究?]
  11. ^ 「大ゴジラ図鑑2」(HOBBY JAPAN社刊)より

参考文献[編集]

関連項目[編集]