コンテンツにスキップ

「7人制ラグビー」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
(3人の利用者による、間の8版が非表示)
1行目: 1行目:
{{Otheruses|7人制[[ラグビーユニオン]]|7人制[[ラグビーリーグ]]|ラグビーリーグセブンズ}}
[[ファイル:Greenyardsmelrose.jpg|right|thumb|300px|Melrose RFC]]
{{スポーツ
[[ファイル:European Sevens 2008, Germany vs Georgia, scrum.jpg|right|thumb|300px]]
| image = Kenya v Tonga try.jpg
'''7人制ラグビー'''(しちにんせいラグビー、{{lang-en-short|Rugby sevens}})は[[球技]]の一種で、1チームあたり7人のプレーヤーで行うことを特徴とする、[[ラグビー]]の変種。'''セブンズ'''(Sevens)ともいう。7人制バージョンは[[ラグビーリーグ]]と[[ラグビーユニオン]]の両方に存在する。
| imagesize = 300px
| caption = [[2006年コモンウェルスゲームズ]]で[[7人制ラグビートンガ代表|トンガ]]相手にトライを決める[[7人制ラグビーケニア代表|ケニア]]
| union = [[ワールドラグビー]]
| nickname = The [[スコティッシュ・ボーダーズ|Borders]] Game<ref name=Bathnick>Bath, '' The Complete Book of Rugby'', p29</ref><br />The Scottish Game/Code<ref name=Bathnick/><br />The Abbreviated Code<ref name=Bathnick/><br />The "Short Game"<br />Seven-a-side<br />セブンズ, 7's, 7s, VIIs.
| first = 1883年
| registered =
| clubs =
| contact = [[コンタクトスポーツ|フルコンタクト]]
| team = 7人
| mgender = 男女別
| category = [[チームスポーツ]]、屋外、[[ラグビーユニオン]]の変種
| equipment = [[フットボール (ボール)|ラグビーボール]]
| venue =
| olympic = [[リオデジャネイロオリンピック|2016年夏季オリンピック]]から
}}
'''7人制ラグビー'''(しちにんせいラグビー、{{lang-en-short|Rugby sevens}})は1チームあたり7人の選手で、より短時間で行われる[[ラグビーユニオン]](15人制)の変種である。'''セブンズ'''(Sevens)ともいう。セブンズはラグビーユニオンの国際統括団体である[[ワールドラグビー]]によって管轄されている。セブンズは[[スコットランド]]の[[メルローズ (スコティッシュ・ボーダーズ)|メルローズ]]発祥であり、現在も毎年[[メルローズセブンズ]]大会が開催されている。セブンズは全てのレベルで人気があり、一般的に毎年夏にアマチュアならびにクラブの大会が開催されている。セブンズは最もよく普及した[[ラグビー]]形式の1つであり、[[アフリカ]]、[[アジア]]、[[ヨーロッパ]]、[[アメリカ州]]、そして特に南太平洋諸国で人気がある<ref>[http://www.melrose7s.com/history/spread.html The Spread of the Sevens], Melrose Sevens official site, retrieved 25 February 2010</ref>。


著名な国際大会としては、[[ワールドラグビーセブンズシリーズ]]と[[ラグビーワールドカップセブンズ]]がある。セブンズは[[コモンウェルスゲームズ]](1998年大会から)といった一部のスポーツ大会でもプレーされている。コモンウェルスゲームズでは2010年まで[[7人制ラグビーニュージーランド代表|ニュージーランド]]が金メダルを獲得していたが、2014年大会は[[7人制ラグビー南アフリカ共和国代表|南アフリカ]]が金メダルを手にした。
== 歴史 ==
7人制ラグビーの歴史は古く、[[スコティッシュ・ボーダーズ|スコットランドはボーダー地方]]の町、メルローズとガラシールズの地域メンバーの対立がきっかけで、メルローズの町が独立して新たにラグビークラブを結成したことにはじまる。このチームがのちに7人制ラグビーの発祥となる。[[1883年]]、大会を計画したメルローズラグビークラブは資金不足などから15人制ではチームが集まらず、肉屋のネッド・ヘイグ(Ned Haig)を中心として考え出されたのが7人で行うラグビーであった。この7人で行うアイデアに多くのチームが賛同して参加し無事大会は行われた。これを機にセブンズは新たなラグビーとして次々と世界に広まっていった。今では[[IRBセブンズワールドシリーズ]]や、[[ラグビー・ワールドカップセブンズ]]などの世界大会も行われている。ワールドカップセブンズの優勝杯はセブンズ発祥の地からメルローズカップと呼ばれる。日本での7人制ラグビーの初開催は[[1930年]]で、[[ラグビー日本代表]]が初結成された年と同じである。
2016年のリオデジャネイロ五輪で正式種目として採用されることが決まっている。


セブンズは現在[[夏季オリンピック|オリンピックスポーツ]]として認められ、[[リオデジャネイロオリンピック|2016年夏季オリンピック]]から正式種目として採用される予定である。
== 概要 ==
7人制ラグビー(ユニオン)は[[国際ラグビー評議会]](IRB)によって公認され、15人制のゲームと同じサイズのグラウンドと実質的に同じ規則によって試合が行われる。したがって、15人で守るところを7人で守らなくてはならないので、15人制に比べフィジカルの強さよりも最後まで走り続けられる持久力とランニングスキルが要求される。セブンズの選手には一般的に15人制でいう[[ラグビーのポジション#フォワード (FW)|バックロー(FL・NO8)]]や[[バックス]]の選手が多い。


==概説==
通常の15人制ラグビーの試合は80分(40分ハーフ)なのに対し、7人制は試合時間が通常14分(7分ハーフ、1分間のハーフタイム)と、20分(10分ハーフ、2分間のハーフタイム)の方式がある。[[シンビン]](反則による一時的退場)は2分間。このため、7人制のトーナメントは1日か週末の2、3日間で開催できる。トーナメントの決勝戦は10分ハーフで行われるのが通例。
[[ファイル:Hong Kong Sevens Parade.jpg|thumb|300px|2008年[[香港セブンズ]]での行進]]


7人制ラグビーは[[ワールドラグビー]]によって公認され、[[ラグビーユニオン|15人制]]と(後述する例外を除いて)実質的に同じ規則の下、同じ寸法のフィールド上でプレーされる。したがって、15人で守るところを7人で守らなくてはならないので、15人制に比べフィジカルの強さよりも最後まで走り続けられる持久力とランニングスキルが要求される。
=== ラグビー(15人制)との主な相違点 ===

* チーム構成がフォワード3人、バックス4人となる。15人制ラグビーは各々8人と7人。
15人制ラグビーユニオンの試合は少なくとも80分で終わるのに対して、通常のセブンズの試合は1分間の休憩を挟んだ前後半各7分で構成される。大会の決勝は2分間の休憩を挟んだ前後半各10分でプレーされることもある(ワールドラグビーセブンズシリーズでは、カップ決勝のみが前後半各10分で行われる。より下のレベルの大会の決勝は全て前後半各7分で行われている<ref name="IRB Sevens 2006-07">{{cite web|url=http://www.irbsevens.com/NR/rdonlyres/7A7C20FC-056B-4CE6-B5A5-D4F6ECBF40F7/0/061026SL7sguidegeneric.pdf |title=2006–07 IRB Sevens World Series Media Guide |format=[[Portable Document Format|PDF]] |publisher=[[International Rugby Board]] |accessdate=10 February 2007}}</ref>)。[[シンビン]](反則による一時的退場)は2分間である。セブンズのスコアは一般的に15人制スコアと同程度である。セブンズでは守備の間隔がより広いため、はるかに頻繁に得点が起こる。
* キックオフ時のミス(ノット10メートル、ダイレクトタッチなど)は相手側にハーフウェイラインの中央でのフリーキックが与えられる。15人制では、ノット10メートルの場合<ref>相手側の10メートルラインに達しないが、相手側が最初にプレーした場合、競技は続く。</ref>、相手側の選択により、再びキックオフを行うか、センタースクラム(相手側ボール)になる。ダイレクトタッチの場合、相手側の選択により、再びキックオフを行うか、センタースクラム(相手側ボール)になるか、ハーフウェイライン上でのラインアウト(相手側ボール)<ref>ボールがハーフウェイラインの後方に吹き戻されてダイレクトタッチになった場合、ラインアウトはボールがタッチになった地点で行う。</ref>になる。

* [[ゴールキック (ラグビー)|ゴールキック]]である[[トライ (ラグビー)|トライ]]後のコンバージョンキックやペナルティキックはドロップキックとなる。つまり15人制のようにプレースキックはできない。
より短い試合時間によって、セブンズの大会は一日あるいは週末で終えることが可能である。多くのセブンズの大会はカップ(杯)、プレート、ボウル、シールド([[盾|楯]])をかけた試合を含み、異なるレベルの多くのチームが手ぶらで大会を後にしないでいいようになっている。例えば香港セブンズでは本戦ドロー16カ国のみがトロフィーをかけて争う。各プールの上位2カ国がカップとプレートをかけたトーナメントに進み、残りの国がボウルとシールドを争う。カップ準々決勝(初戦)の敗者はプレートトーナメントに進み、ボウル準々決勝の敗者はシールドトーナメントに進む。
* 得点後は得点したチームの[[キックオフ]]で開始。15人制は得点されたほうのキックオフ。

セブンズは15人制とは観衆の雰囲気が違い、観客がビール片手にとにかくどんちゃん騒ぎで盛り上がるのが一般的になっている。最近は香港セブンズなどIRBセブンズワールドシリーズではコスプレをしながら盛り上がる観客が多く見られる。

[[香港セブンズ]]はアジアにおけるラグビーの普及において特に重要となっており、セブンズはラグビーの「伝道」の形式として重要となっている。ゆえに、セブンズはおそらく最も幅広くプレーされているラグビーの形式である<ref name=Bathevents>Bath (1997), p29</ref>。

===フィールド===
セブンズは、ワールドラグビーハンドブックにおいて定義されているように標準の[[ラグビーユニオン]]競技場でプレーされる。フィールドは長さ{{convert|100|m|ft}}、幅{{convert|70|m|ft}}である<ref>{{cite web|url=http://www.irb.com/mm/Document/LawsRegs/0/Law2EN_7708.pdf |title=Intro EN |format=PDF |date= |accessdate=2010-02-06}}</ref><ref name="pitch size">{{cite web|url=http://www.irb.com/mm/Document/LawsRegs/0/Law1EN_7709.pdf |title=Intro EN |format=PDF |date= |accessdate=2010-02-06}}</ref>。各ゴールライン上にH型のゴールポストがある。

===チームおよびポジション===
チームは3人のフォワードと4人のバックスからなる。[[スクラム (ラグビー)|スクラム]]は各チーム3人の選手から構成される。セブンズの速い特性のため、セブンズの選手には一般的に15人制でいう[[ラグビーのポジション#フォワード (FW)|バックロー]](FL・NO8)や[[バックス]]の選手が多い。

{| class="toccolours" style="margin: 0 2em 0 2em;" align="center"
! style="text-align:center;background:#ccccff" width="100%" |7人制ラグビーのポジション
|-
| style="text-align:center;" |
<div style="background:lightgreen;border:thin black solid">
<table>

<tr><td><span style="color:blue;">'''1''' プロップ</span></td> <td></td> <td><span style="color:blue;">'''2''' プロップ</span>

<tr><td></td><td><span style="color:blue;">'''4''' フッカー</span>

<tr><td>&nbsp;</td></tr>

</td><td></td><td><span style="color:red;">'''3''' スクラムハーフ</span></td></tr>

<tr><td>&nbsp;</td></tr>

</td><td></td><td></td><td><span style="color:red;">'''5''' フライハーフ</span></td></tr>

<tr><td>&nbsp;</td></tr>

</td><td></td><td></td><td></td><td><span style="color:red;">'''6''' センター</span></td></tr>

<tr><td>&nbsp;</td></tr>

</td><td></td><td></td><td></td><td></td><td><span style="color:red;">'''7''' ウインガー/フルバック</span></td></tr>

</table>
</div>
|}

*<span style="color:blue;">'''青''': フォワード</span>
**1 - プロップ
**2 - プロップ
**4 - フッカー
*<span style="color:red;">'''赤''': バックス</span>
**3 - スクラムハーフ
**5 - フライハーフ
**6 - センター
**7 - ウインガー/フルバック

交替は15人制と同様であるが、ベンチには5人の交替選手のみが許される。

=== 競技規則の変更点 ===
[[ファイル:European Sevens 2008, Germany vs Georgia, scrum.jpg|right|thumb|300px|セブンズの[[スクラム (ラグビー)|スクラム]]]]

主に試合を高速化するためと少ない人数に対応するため、セブンズではいくかの規則の変更がなされている<ref name=IRBSevenVariations>{{cite web|url=http://www.irb.com/NR/rdonlyres/5D619ADC-B698-4EDF-9DFB-0E9F00FC7736/0/060704LGLAWSEN_26b_Variations7s.pdf |title=Seven-a-side Variations: Standard Set of Variations Appropriate to the Seven-a-side Game |format=PDF |publisher=International Rugby Board |accessdate=10 February 2007 |archiveurl = http://web.archive.org/web/20070615051413/http://www.irb.com/NR/rdonlyres/5D619ADC-B698-4EDF-9DFB-0E9F00FC7736/0/060704LGLAWSEN_26b_Variations7s.pdf <!-- Bot retrieved archive --> |archivedate = 15 June 2007}}</ref>。主な変更点は以下の通りである(括弧内は15人制の場合)。

* フィールド上の各チームの選手が7人(15人)。
* 5人の控え選手(7人)、5回の交替回数(7回)。
* 前後半各7分(各40分)。大会決勝では前後半各10分で行われることもある。
* ハーフタイムは1分あるいは2分(10分)。
* 同点の場合、前後半各5分の[[延長戦]]に進む。
* 全てのコンバージョンキックやペナルティキックはドロップキックとなる(プレースキックも可)。
* コンバージョンはトライ後40秒以内に行わなければならない(60秒)。
* スクラムは3人で組む(8人)。
* 得点後は得点したチームの[[キックオフ]]で開始(得点されたほうのキックオフ)。
* イエローカードは2分間(10分間)の一時退場となり、相手チームに数的優位な状態が与えられる([[パワープレイ (スポーツ用語)|パワープレイ]])。
* 審判はアドバンテージを素早く決定する。
* キックオフ時のミス(ノット10m、ダイレクトタッチなど)は相手フリーキックとなる。
* コンバージョンキックの際、相手はチャージできない。
* コンバージョンキックの際、相手はチャージできない。
* 主要な大会では、通常のタッチジャッジ2名に加え、インゴールジャッジが各1名ずつインゴールに立つ。セブンズでは、ボールを持ったプレーヤーが独走状態でゴールに向かう場面などが多く、レフリーが追いつけない場合、死角が生じるためである。
* リザーブは1チーム5名以内で計12名の選手登録となる。ただし試合中リザーブの入れ替えは3名までしかできない。
* シンビンは2分間。15人制は10分間。
* 通常のタッチジャッジ2名に加え、インゴールジャッジが各1名ずつインゴールに立つ。セブンズでは、ボールを持ったプレーヤーが独走状態でゴールに向かう場面などが多く、レフリーが追いつけない場合、死角が生じるため。


== 歴史 ==
7人制は15人制に比べコンタクトが少なくランやパスが重要となるため、チームの強弱は15人制と必ずしも一致しない。それゆえ15人制ではいわゆる弱小国といわれるチームでも強豪国から勝利する事はよく見られる。またIRBは、7人制を[[夏季オリンピック]]競技([[1998年]]以来[[コモンウェルスゲームズ]]にはある)に採用させ、伝統ある強豪国だけではなくラグビー発展途上国(アジアやアフリカなど)にも普及させる構想がある。これには15人制に比べ7人制の方が少ない選手数で、しかも短期間で行えるのでオリンピック運営に合っている理由もある。(過去のオリンピックでは[[1900年]]、[[1908年]]、[[1920年]]、[[1924年]]の4回の大会で15人制が採用された歴史もある)
{{See also|スコティッシュ・ボーダーズのラグビーユニオン|メルローズセブンズ|ボーダーズ・セブンズ・サーキット|香港セブンズ}}


[[ファイル:Greenyardsmelrose.jpg|right|thumb|300px|[[エイルドン・ヒル]]の影の下に抱かれたスコットランド・メルローズにあるグリーンヤーズはラグビー・セブンズ発祥の地である。]]
そうした普及活動が実り2016年の[[リオデジャネイロオリンピック]]の追加種目候補として選ばれ、2009年10月の[[国際オリンピック委員会]]の総会で正式種目として採用された。


===スコットランドでの始まり===
最もよく知られている7人制大会の1つは香港セブンズで、現在、[[IRBセブンズワールドシリーズ]]の一部を構成している。なかでも[[ラグビーフィジー代表|フィジー代表]]の[[ワイサレ・セレビ]]は「セブンズの神」と評され、華麗なステップとパスで香港セブンズをはじめとした数々の大会で活躍した。
7人制ラグビーの歴史は古く、[[スコティッシュ・ボーダーズ|スコットランドはボーダー地方]]の町、メルローズとガラシールズの地域メンバーの対立がきっかけで、メルローズの町が独立して新たにラグビークラブを結成したことにはじまる。


セブンズは1883年に、スコットランド・メルローズの肉屋であった[[ネッド・ヘイグ]]とデビッド・サンダーソンによって、彼らの地元のクラブ[[メルローズRFC]]のための資金集めのための行事として元々考え出された。史上初のセブンズの試合はメルローズグラウンド、グリーンヤーズで行われた。2年後の1885年、[[ガラRFC|ガラ]]において[[タインデールRFC|タインデール]]はスコットランド外のクラブで初めてボーダーズのセブンズタイトルの1つを獲得した<ref name=BathMisc>Bath, ''Scotland Rugby Miscellany'', p82</ref>。
セブンズは15人制とは観衆の雰囲気が違い、観客が[[ビール]]片手にとにかくどんちゃん騒ぎで盛り上がるのが一般的になっている。最近は[[香港セブンズ]]などIRBセブンズワールドシリーズでは[[コスプレ]]をしながら盛り上がる観客が多く見られる。

ボーダーズでのセブンズの人気にもかかわらず、1920年代、1930年代まで他の場所では流行しなかった<ref name=SS1>Starmer-Smith, p60</ref>。スコットランド外での初のセブンズ大会は1921年にイングランド北東部[[ノース・シールズ]]で開催されたパーシー・パーク・セブンズである<ref name=BathMisc/>。ここはスコティッシュ・ボーダーズと近かったため、この地域からの関心を集め、決勝は[[セルカークRFC|セルカーク]](優勝)とメルローズ(準優勝)との間で争われた<ref name=BathMisc/>。

1926年、イングラドの主要な大会[[ミドルセックスセブンズ]]がロンドン在住のスコットランド人J.A. Russell-Cargill博士によって設立された<ref name=BathMisc/>。セブンズのイングランドへの普及における重要な出来事の一つがこのミドルセックスセブンズであった。ミドルセックスセブンズの小委員会には[[ウェーベル・ウェイクフィールド]]やビル・ラムゼイといった風格のある人物がいた<ref name=SS1/>。ミドルセックスセブンズはチャリティーのためのすばらしい資金集めの催しでもあり、1926年には[[キング・エドワード7世病院]]のために1600[[スターリング・ポンド|ポンド]]を集めた。当時は標準的な入場料は1[[シリング]]、スタンド席は5シリングであった<ref name=SS1/>。

ミドルセックスセブンズでのセブンズの試合の1927年の記述は、イングランドの人々に対するこの競技の目新しさを示している。
<blockquote>
フィールドはとてもオープンであり、もしボールを持って逃げられたとすると、彼を捕まえるのには全速力で走る必要があるが、非常に多くの場合そこにはもういなかったのだ<ref name=Grave>Grave, Charles. "Grave is Gay: At the Seven-a-Side Rugby Matches" in ''Illustrated Sport and Dramatic News'', 1927</ref>
</blockquote>

スコティッシュ・ボーダーズは農村地域であるのに対して、ミドルセックスセブンズは人口数百万人のロンドンの郊外の近くであった。第2回のミドルセックス大会には1万人の観客が詰め掛けた<ref name=Grave/>。そして、ボーダーズ・セブンズはスコットランドラグビーの中核地域において選手の技術に磨きをかけていたのに対して、ミドルセックスセブンズはロンドンラグビーと同じように行っていた。ミドルセックスセブンズに出場していた地元の選手には、前述したウェーベル・ウェイクフィールドや[[ブラックヒースFC]]のカール・アーボルド(後の[[シティ・オブ・ロンドン]]の法律顧問官)、[[ロンドン・ウェルシュRFC]]のウェイク・パウエル、後にフォー・ホームユニオンツアー委員会の委員長となったジョン・タレントがいた<ref name=SS1/>。彼らは[[セール・シャークス|セールRFC]](1936年)や[[カーディフRFC]](1939年)といった様々な招待チームと親交を持った。セールRFCのバックスには[[ラグビーウェールズ代表|ウェールズ代表]]のウィルフ・ウーラーやクロード・ダビー、[[ラグビースコットランド代表|スコットランド代表]]のケン・ファイフがおり、カーディフRFCには再びウィルフ・ウーラーやレス・スペンス、ウェンディー・デービスがいた<ref name=SS1/>。

史上初ての公式に認められた国際大会は、1973年に[[スコットランドラグビー協会]]の百周年記念行事の一部として[[マレーフィールド]]で行われた。

===国際的発展===
7人制の成功により、現在も開催されている香港セブンズが3年後の1976年に始まった。「メルローズ・カップ」を争う[[ラグビーワールドカップセブンズ]]は1993年に開始された。最もよく知られている3つのセブンズの大会は香港セブンズ、[[ウェリントンセブンズ]]、[[ドバイセブンズ]]であり、これらは現在ワールドラグビー[[ワールドラグビーセブンズシリーズ|セブンズワールドシリーズ]]の一部を構成している。

スコットランドとの結び付きは1970年代における香港セブンズの設立でも継続し、香港セブンズは主に "Tokkie" Smithといった専門家らによって設立された。イングランドでは、[[ロンドン・スコティッシュRFC]]が開始時からミドルセックスセブンズに強く関与していた。香港セブンズは時代を先取りしており、ラグビーユニオンの近代化に影響力の大きい力であった。例えば、香港セブンズは大きなスポンサーを引き付けた初めてのラグビーユニオン大会の1つであり、1976年大会では[[キャセイパシフィック航空]]がスポンサーを務めた<ref name=SS2>Starmer-Smith, p144</ref>。また、セブンズは世界主義的な国際競争の意識をラグビー界にもたらした。このような意識は、[[ラグビーフランス代表|フランス]]が少し関わっている以外、1987年に[[ラグビーワールドカップ]]が初めて開催される以前にはラグビー界には存在しない傾向があった<ref name=SS3>Starmer-Smith, p142</ref>。特に[[ラグビー香港代表|香港]]は「ビッグエイト」の1つと見なされていなかった。そして、[[英連邦]]のチームは悪名高く排他的な傾向にあった。1986年までには、香港セブンズは他国に対する良い手本として支持されていた。

<blockquote>
この7人制国際大会は疑いなく最も壮観、魅惑的で、世界で最もよく組織されたラグビー大会であり、どこでも見られるセブンズ・ラグビーの最高水準を一貫して生み出してきた。

私が最初に観戦した際にオーストラリア人、ニュージーランド人、 フィジー人、そしてイギリス人選手の上質のプレーを見たことは驚きではなかったが、これまでラグビーがプレーされていることを私が知りもしなかった国々によって産み出される驚くほどに質の高いプレーには圧倒された。[[7人制ラグビー大韓民国代表|韓国]]および[[7人制ラグビーサモア代表|西サモア]]はあらゆる点で[[ラグビー日本代表|日本]]および[[ラグビートンガ代表|トンガ]]に劣っていなかった。[[ラグビーインドネシア代表|インドネシア]]、[[ラグビータイ代表|タイ]]、[[ラグビーシンガポール代表|シンガポール]]は純然たる体の大きさや厚さに欠けていることで克服できないハンディキャップを負っていたが、互いに対抗して幅広いランとハンドリングの技術を示し、これらは無条件の称賛に値した。[[ラグビーパプアニューギニア代表|パプアニューギニア]]、[[ラグビースリランカ代表|スリランカ]]、[[ラグビーソロモン諸島代表|ソロモン諸島]]はいや応なく主要なラグビー強豪国によって打ち負かされたが、彼らは注目すべきほどに高いレベルの技術を持っており、この競技の将来は前途洋々である。

香港大会の週には数日間にわたって24カ国の代表が混ざることができ、この大規模な知識の交流は新興国に対して長期的には有益なことづくめである。上位8カ国のシード国がプールシステムで戦った初日の後、2日目は3つの異なるレベルの競技会に分かれる。この偉大な大会の強みは、開幕日に世界で最も有名な選手達とラグビーがマイナースポーツである国から道の相手がピッチを共にする点にある。香港セブンズのような大会が続いている間は、ラグビーの責任者達はこの競技が世界中の100を超える国々で反映しつづけることに自身を持つことができるだろう。
</blockquote><ref name=SS3/>

しかしながら、この見かけの多様性とは裏腹に、国際ラグビーを悩ませてきた同じ古い問題の一部が1980年代の香港セブンズではまだ明白であった。例えば、1984年の大会での[[7人制ラグビー香港代表|香港]]対[[7人制ラグビーバーレーン代表|バーレーン]]の試合の写真には、民族的にアラビア人あるいは中国人である選手は誰も含まれいないように見え、代わりにどちらのチームもかなり明確に北ヨーロッパに民族的起源を持っていた<ref name=SS4>Starmer-Smith, p146</ref>。

セブンズはスコティッシュ・ボーダーズにおいて人気を保ち、この地方では最高峰の10のセブンズの大会によって「Kings of the Sevens」と呼ばれるリーグ大会が作られている。セブンズの創造におけるメルローズRFCの役割を称えて、クラブはヘイグと共に2008年に[[ワールドラグビー殿堂|IRB殿堂]]入りした<ref>{{cite press release |url=http://www.worldrugby.org/news/23768 |title=IRB Hall of Fame Welcomes Five Inductees |publisher=International Rugby Board |date=23 November 2008 |accessdate=8 October 2015}}</ref>。

セブンズは[[フィジー]]、[[トンガ]]、[[サモア]]の南洋諸国やアグリカの[[ケニア]]にも強く根付いている。多くのラグビーがマイナーな国々(例えば[[ポーランドのラグビーユニオン|ポーランド]]の場合)において、ラグビーを人々に紹介する手段としてラグビーセブンズに焦点を合わせる傾向がある<ref>[http://www.pzrugby.pl/liga-7.html] retrieved, 7 November 2009</ref>。セブンズは[[香港のラグビーユニオン|香港]]、[[シンガポールのラグビーユニオン|シンガポール]]、[[ドバイのラグビーユニオン|ドバイ]]といった15人制の普及が成功してない場所で盛んになっている。加えて、セブンズワールドシリーズの全てのレグに参加している現在の15の核となるチームのうち7つ([[7人制ラグビーフィジー代表|フィジー]]、[[7人制ラグビーサモア代表|サモア]]、[[7人制ラグビーケニア代表|ケニア]]、[[7人制ラグビーアメリカ合衆国代表|アメリカ合衆国]]、[[7人制ラグビーカナダ代表|カナダ]]、[[7人制ラグビーポルトガル代表|ポルトガル]])は、15人制では広く認められたトップティアの国には入っていない。

==主要大会==
{{refimprove section|date=April 2015}}
[[ファイル:Argentina San Diego 2008 Rugby Seven-2687539363.jpg|right|thumb|300px|サンディエゴ、[[ペトコ・パーク]]で開催された2008 [[USAセブンズ]]でのアルゼンチン]]
[[ファイル:Sailosi Tagicakibau 2008.jpg|right|thumb|200px|ボーンマスセブンズの優勝杯を手にする[[サイロシ・タンギザキバウ]]]]

===セブンズワールドシリーズ(男子)===
{{main|ワールドラグビーセブンズシリーズ}}

[[7人制ラグビーニュージーランド代表|ニュージーランド]]がワールドラグビーセブンズシリーズをこれまで支配しており、15シーズンの内12回の優勝を果たしている。しかしながら、近年、複数の国がニュージーランドの支配に対してうまく挑んでいる。セブンズで長年強豪である[[7人制ラグビーフィジー代表|フィジー]]は2005-06に、[[7人制ラグビー南アフリカ共和国代表|南アフリカ]]は2008-09に、[[7人制ラグビーサモア代表|サモア]]は2009-10シーズンに優勝した。その他の近年の強豪国は、[[7人制ラグビーイングランド代表|イングランド]]、[[7人制ラグビーオーストラリア代表|オーストラリア]]、[[7人制ラグビーアルゼンチン代表|アルゼンチン]]である<ref name="2010-11 schedule">{{cite press release|url=http://www.irb.com/irbsevens/news/newsid=2037992.html#dates+201011+irb+sevens+world+series |title=Dates set for 2010/11 IRB Sevens World Series |publisher=International Rugby Board |date=1 June 2010 |accessdate=2 June 2010}}</ref>。

===ラグビーワールドカップセブンズ===
{{main|ラグビーワールドカップセブンズ}}
ワールドラグビーの後援を受け4年ごとに開催されるこの大会は、7人制ラグビーユニオンにおける最高の目標であり、これまでフィジー、ニュージーランドが過去6大会でそれぞ2度優勝杯を手にしている。しかしながら、[[リオデジャネイロオリンピック|2016年]]のオリンピックでセブンズが採用されるため、現在オリンピックが最も注目を浴びるセブンズの大会として見られている。2018年には、ワールドカップセブンズは夏季オリンピックの中間年に開催される予定である。

===夏季オリンピック===
{{Main|オリンピック7人制ラグビー競技}}
[[国際オリンピック委員会|IOC]]は、2016年の[[リオデジャネイロオリンピック]]のプログラムに7人制ラグビーとゴルフを含めることを2009年に決定した<ref>[http://news.sky.com/skynews/Home/World-News/Olympics-2016-IOC-Approves-Golf-And-Rugby-Sevens-To-Be-Included-In-Rio-De-Janeiro-Games/Article/200910215402514?lpos=World_News_First_Home_Article_Teaser_Region_9&lid=ARTICLE_15402514_Olympics_2016%3A_IOC_Approves_Golf_And_Rugby_Sevens_To_Be_Included_In_Rio_De_Janeiro_Games]</ref>。2016年に先立って、[[南京ユースオリンピック|2014年夏季ユースオリンピック]]において7人制ラグビー競技が開催された。

==地域大会==
セブンズは4年毎に開催される[[コモンウェルスゲームズにおける7人制ラグビー競技|コモンウェルスゲームズ]]において1998年のクアラルンプール大会から行われている。セブンズは現在[[コモンウェルスゲームズ連盟]]によって核となる競技と見なされている。これまで、ニュージーランドが4度金メダルを獲得している。女子競技は開催されていない。

セブンズは[[アジア競技大会ラグビー競技|アジア競技大会]]、[[パンアメリカン競技大会ラグビー競技|パンアメリカン競技大会]]、[[パシフィックゲームズラグビー競技|パシフィックゲームズ]]を含む様々な多種スポーツ大会で行われている。ラグビーユニオンは以前は[[ワールドゲームズラグビー競技|ワールドゲームズ]]で行われていたが、オリンピック競技に採用されてことにより終了した。

===セブンズグランプリシリーズ===
[[ファイル:European Sevens 2008, Portugal vs Romania, David Mateus tackle.jpg|right|thumb|300px|[[7人制ラグビーポルトガル代表|ポルトガル]]対[[7人制ラグビールーマニア代表|ルーマニア]](2008年)]]
{{Main|セブンズグランプリシリーズ}}

2002年から2010年まではヨーロピアンセブンズチャンピオンシップ、2011年からはセブンズグランプリシリーズの名称で開催されている。2011年まではポルトガルが8回、ロシアが2回優勝を果たした。2012年以降は、イングランドならびにフランスがそれぞれ2連覇を果たした。


== 主要大会 ==
* [[ワールドゲームズラグビー競技]]
* [[ラグビーワールドカップセブンズ]]
* [[IRBセブンズワールドシリーズ]]
** [[香港セブンズ]]
* [[ワールドラグビー女子セブンズシリーズ]]
* [[ジャパンセブンズ選手権大会]]
* メルローズセブンズ
* ミドルセックスセブンズ
===日本国内の大会===
===日本国内の大会===
*[[ジャパンセブンズ選手権大会]]
*[[全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会]]
*[[全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会]]
*[[全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会|全国高等学校選抜女子セブンズラグビーフットボール大会]]
*[[全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会|全国高等学校選抜女子セブンズラグビーフットボール大会]]
*[[大学女子7人制ラグビーフットボール交流大会]]
*[[大学女子7人制ラグビーフットボール交流大会]]


過去に行われた日本国内の大会
== 7人制ラグビーリーグ ==
*[[セブンズフェスティバル]]
{{Main|ラグビーリーグセブンズ}}

[[ラグビーリーグ]]にも7人制が存在する。ルールはユニオンの7人制と同じ。チーム構成の他は、基本的にラグビーリーグに準ずる。オーストラリアのNRLでは正規の13人制リーグの下部リーグとして行われている。また、これとは別に「9人制」のルールも存在する。
==女子7人制ラグビー==
{{See also|ワールドラグビー女子セブンズシリーズ}}
[[ファイル:Savannah's Katie Thomen tackling Lauren "Speedy" Buslinger Raleigh Venom vs. Savannah.jpg|right|300px|thumb|女子7人制ラグビーの試合(アメリカ合衆国)]]

女子7人制ラグビーではニュージーランド代表が支配的であり、2012年に創設された[[ワールドラグビー女子セブンズシリーズ]]では2015年現在3連覇を果たしている。

国際ラグビー評議会(IRB、現ワールドラグビー)は、ワールドカップ以外で初の公式女子セブンズ大会を2011年ドバイセブンズの一部として組織した。2012年からはワールドラグビー女子セブンズシリーズが始まった。

女子7人制ラグビーは2016年の夏季オリンピックで採用される予定である。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* Bath, Richard (ed.) ''The Complete Book of Rugby'' (Seven Oaks Ltd, 1997 ISBN 1-86200-013-1)<!--<ref>{{cite book
| editor-last = Bath | editor-first = Richard
| date = 1997
| title = Complete Book of Rugby
| publisher = Seven Oaks Ltd
| ISBN = 1-86200-013-1}}</ref> -->
* Bath, Richard (ed.) ''The Scotland Rugby Miscellany'' (Vision Sports Publishing Ltd, 2007 ISBN 1-905326-24-6)
* Jones, J.R. ''Encyclopedia of Rugby Union Football'' (Robert Hale, London, 1976 ISBN 0-7091-5394-5)
* McLaren, Bill ''Talking of Rugby'' (1991, Stanley Paul, London ISBN 0-09-173875-X)
* Massie, Allan ''A Portrait of Scottish Rugby'' (Polygon, Edinburgh; ISBN 0-904919-84-6)
* {{cite book| last = Richards| first = Huw| authorlink = | coauthors = | title = A Game for Hooligans: The History of Rugby Union| publisher = Mainstream Publishing| year = 2007| location = Edinburgh| pages = | url = | doi = | id = | isbn = 978-1-84596-255-5}}
* Starmer-Smith, Nigel (ed) ''Rugby – A Way of Life, An Illustrated History of Rugby'' (Lennard Books, 1986 ISBN 0-7126-2662-X)
* {{cite book| last = Stubbs| first = Ray| authorlink = | coauthors = | title = The Sports Book| publisher = Dorling Kindersley| year = 2009| location = | pages = | url = | doi = | id = | isbn = 978-1-4053-3697-0}}

== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[10人制ラグビー]]
*[[7人制ラグビー男子日本代表]]
*[[7人制ラグビー男子日本代表]]
*[[7人制ラグビー女子日本代表]]
*[[7人制ラグビー女子日本代表]]
57行目: 221行目:


{{チームスポーツ}}
{{チームスポーツ}}
{{Rugby-stub|しちにんせいらくひ}}
{{Rugby-stub|しちにんせいらくひ}}


{{デフォルトソート:7にんせいらくひ}}
{{デフォルトソート:7にんせいらくひ}}
[[Category:ラグビー]]
[[Category:ラグビー]]
[[Category:7人制ラグビー|*]]
[[Category:7人制ラグビー|*]]

2015年11月24日 (火) 03:13時点における版

7人制ラグビー
統括団体 ワールドラグビー
通称 The Borders Game[1]
The Scottish Game/Code[1]
The Abbreviated Code[1]
The "Short Game"
Seven-a-side
セブンズ, 7's, 7s, VIIs.
起源 1883年
特徴
身体接触 フルコンタクト
選手数 7人
男女混合 男女別
カテゴリ チームスポーツ、屋外、ラグビーユニオンの変種
用品 ラグビーボール
実施状況
オリンピック 2016年夏季オリンピックから
テンプレートを表示

7人制ラグビー(しちにんせいラグビー、: Rugby sevens)は1チームあたり7人の選手で、より短時間で行われるラグビーユニオン(15人制)の変種である。セブンズ(Sevens)ともいう。セブンズはラグビーユニオンの国際統括団体であるワールドラグビーによって管轄されている。セブンズはスコットランドメルローズ発祥であり、現在も毎年メルローズセブンズ大会が開催されている。セブンズは全てのレベルで人気があり、一般的に毎年夏にアマチュアならびにクラブの大会が開催されている。セブンズは最もよく普及したラグビー形式の1つであり、アフリカアジアヨーロッパアメリカ州、そして特に南太平洋諸国で人気がある[2]

著名な国際大会としては、ワールドラグビーセブンズシリーズラグビーワールドカップセブンズがある。セブンズはコモンウェルスゲームズ(1998年大会から)といった一部のスポーツ大会でもプレーされている。コモンウェルスゲームズでは2010年までニュージーランドが金メダルを獲得していたが、2014年大会は南アフリカが金メダルを手にした。

セブンズは現在オリンピックスポーツとして認められ、2016年夏季オリンピックから正式種目として採用される予定である。

概説

2008年香港セブンズでの行進

7人制ラグビーはワールドラグビーによって公認され、15人制と(後述する例外を除いて)実質的に同じ規則の下、同じ寸法のフィールド上でプレーされる。したがって、15人で守るところを7人で守らなくてはならないので、15人制に比べフィジカルの強さよりも最後まで走り続けられる持久力とランニングスキルが要求される。

15人制ラグビーユニオンの試合は少なくとも80分で終わるのに対して、通常のセブンズの試合は1分間の休憩を挟んだ前後半各7分で構成される。大会の決勝は2分間の休憩を挟んだ前後半各10分でプレーされることもある(ワールドラグビーセブンズシリーズでは、カップ決勝のみが前後半各10分で行われる。より下のレベルの大会の決勝は全て前後半各7分で行われている[3])。シンビン(反則による一時的退場)は2分間である。セブンズのスコアは一般的に15人制スコアと同程度である。セブンズでは守備の間隔がより広いため、はるかに頻繁に得点が起こる。

より短い試合時間によって、セブンズの大会は一日あるいは週末で終えることが可能である。多くのセブンズの大会はカップ(杯)、プレート、ボウル、シールド()をかけた試合を含み、異なるレベルの多くのチームが手ぶらで大会を後にしないでいいようになっている。例えば香港セブンズでは本戦ドロー16カ国のみがトロフィーをかけて争う。各プールの上位2カ国がカップとプレートをかけたトーナメントに進み、残りの国がボウルとシールドを争う。カップ準々決勝(初戦)の敗者はプレートトーナメントに進み、ボウル準々決勝の敗者はシールドトーナメントに進む。

セブンズは15人制とは観衆の雰囲気が違い、観客がビール片手にとにかくどんちゃん騒ぎで盛り上がるのが一般的になっている。最近は香港セブンズなどIRBセブンズワールドシリーズではコスプレをしながら盛り上がる観客が多く見られる。

香港セブンズはアジアにおけるラグビーの普及において特に重要となっており、セブンズはラグビーの「伝道」の形式として重要となっている。ゆえに、セブンズはおそらく最も幅広くプレーされているラグビーの形式である[4]

フィールド

セブンズは、ワールドラグビーハンドブックにおいて定義されているように標準のラグビーユニオン競技場でプレーされる。フィールドは長さ100メートル (330 ft)、幅70メートル (230 ft)である[5][6]。各ゴールライン上にH型のゴールポストがある。

チームおよびポジション

チームは3人のフォワードと4人のバックスからなる。スクラムは各チーム3人の選手から構成される。セブンズの速い特性のため、セブンズの選手には一般的に15人制でいうバックロー(FL・NO8)やバックスの選手が多い。

7人制ラグビーのポジション
1 プロップ 2 プロップ
4 フッカー
 
3 スクラムハーフ
 
5 フライハーフ
 
6 センター
 
7 ウインガー/フルバック
  • : フォワード
    • 1 - プロップ
    • 2 - プロップ
    • 4 - フッカー
  • : バックス
    • 3 - スクラムハーフ
    • 5 - フライハーフ
    • 6 - センター
    • 7 - ウインガー/フルバック

交替は15人制と同様であるが、ベンチには5人の交替選手のみが許される。

競技規則の変更点

セブンズのスクラム

主に試合を高速化するためと少ない人数に対応するため、セブンズではいくかの規則の変更がなされている[7]。主な変更点は以下の通りである(括弧内は15人制の場合)。

  • フィールド上の各チームの選手が7人(15人)。
  • 5人の控え選手(7人)、5回の交替回数(7回)。
  • 前後半各7分(各40分)。大会決勝では前後半各10分で行われることもある。
  • ハーフタイムは1分あるいは2分(10分)。
  • 同点の場合、前後半各5分の延長戦に進む。
  • 全てのコンバージョンキックやペナルティキックはドロップキックとなる(プレースキックも可)。
  • コンバージョンはトライ後40秒以内に行わなければならない(60秒)。
  • スクラムは3人で組む(8人)。
  • 得点後は得点したチームのキックオフで開始(得点されたほうのキックオフ)。
  • イエローカードは2分間(10分間)の一時退場となり、相手チームに数的優位な状態が与えられる(パワープレイ)。
  • 審判はアドバンテージを素早く決定する。
  • キックオフ時のミス(ノット10m、ダイレクトタッチなど)は相手フリーキックとなる。
  • コンバージョンキックの際、相手はチャージできない。
  • 主要な大会では、通常のタッチジャッジ2名に加え、インゴールジャッジが各1名ずつインゴールに立つ。セブンズでは、ボールを持ったプレーヤーが独走状態でゴールに向かう場面などが多く、レフリーが追いつけない場合、死角が生じるためである。

歴史

エイルドン・ヒルの影の下に抱かれたスコットランド・メルローズにあるグリーンヤーズはラグビー・セブンズ発祥の地である。

スコットランドでの始まり

7人制ラグビーの歴史は古く、スコットランドはボーダー地方の町、メルローズとガラシールズの地域メンバーの対立がきっかけで、メルローズの町が独立して新たにラグビークラブを結成したことにはじまる。

セブンズは1883年に、スコットランド・メルローズの肉屋であったネッド・ヘイグとデビッド・サンダーソンによって、彼らの地元のクラブメルローズRFCのための資金集めのための行事として元々考え出された。史上初のセブンズの試合はメルローズグラウンド、グリーンヤーズで行われた。2年後の1885年、ガラにおいてタインデールはスコットランド外のクラブで初めてボーダーズのセブンズタイトルの1つを獲得した[8]

ボーダーズでのセブンズの人気にもかかわらず、1920年代、1930年代まで他の場所では流行しなかった[9]。スコットランド外での初のセブンズ大会は1921年にイングランド北東部ノース・シールズで開催されたパーシー・パーク・セブンズである[8]。ここはスコティッシュ・ボーダーズと近かったため、この地域からの関心を集め、決勝はセルカーク(優勝)とメルローズ(準優勝)との間で争われた[8]

1926年、イングラドの主要な大会ミドルセックスセブンズがロンドン在住のスコットランド人J.A. Russell-Cargill博士によって設立された[8]。セブンズのイングランドへの普及における重要な出来事の一つがこのミドルセックスセブンズであった。ミドルセックスセブンズの小委員会にはウェーベル・ウェイクフィールドやビル・ラムゼイといった風格のある人物がいた[9]。ミドルセックスセブンズはチャリティーのためのすばらしい資金集めの催しでもあり、1926年にはキング・エドワード7世病院のために1600ポンドを集めた。当時は標準的な入場料は1シリング、スタンド席は5シリングであった[9]

ミドルセックスセブンズでのセブンズの試合の1927年の記述は、イングランドの人々に対するこの競技の目新しさを示している。

フィールドはとてもオープンであり、もしボールを持って逃げられたとすると、彼を捕まえるのには全速力で走る必要があるが、非常に多くの場合そこにはもういなかったのだ[10]

スコティッシュ・ボーダーズは農村地域であるのに対して、ミドルセックスセブンズは人口数百万人のロンドンの郊外の近くであった。第2回のミドルセックス大会には1万人の観客が詰め掛けた[10]。そして、ボーダーズ・セブンズはスコットランドラグビーの中核地域において選手の技術に磨きをかけていたのに対して、ミドルセックスセブンズはロンドンラグビーと同じように行っていた。ミドルセックスセブンズに出場していた地元の選手には、前述したウェーベル・ウェイクフィールドやブラックヒースFCのカール・アーボルド(後のシティ・オブ・ロンドンの法律顧問官)、ロンドン・ウェルシュRFCのウェイク・パウエル、後にフォー・ホームユニオンツアー委員会の委員長となったジョン・タレントがいた[9]。彼らはセールRFC(1936年)やカーディフRFC(1939年)といった様々な招待チームと親交を持った。セールRFCのバックスにはウェールズ代表のウィルフ・ウーラーやクロード・ダビー、スコットランド代表のケン・ファイフがおり、カーディフRFCには再びウィルフ・ウーラーやレス・スペンス、ウェンディー・デービスがいた[9]

史上初ての公式に認められた国際大会は、1973年にスコットランドラグビー協会の百周年記念行事の一部としてマレーフィールドで行われた。

国際的発展

7人制の成功により、現在も開催されている香港セブンズが3年後の1976年に始まった。「メルローズ・カップ」を争うラグビーワールドカップセブンズは1993年に開始された。最もよく知られている3つのセブンズの大会は香港セブンズ、ウェリントンセブンズドバイセブンズであり、これらは現在ワールドラグビーセブンズワールドシリーズの一部を構成している。

スコットランドとの結び付きは1970年代における香港セブンズの設立でも継続し、香港セブンズは主に "Tokkie" Smithといった専門家らによって設立された。イングランドでは、ロンドン・スコティッシュRFCが開始時からミドルセックスセブンズに強く関与していた。香港セブンズは時代を先取りしており、ラグビーユニオンの近代化に影響力の大きい力であった。例えば、香港セブンズは大きなスポンサーを引き付けた初めてのラグビーユニオン大会の1つであり、1976年大会ではキャセイパシフィック航空がスポンサーを務めた[11]。また、セブンズは世界主義的な国際競争の意識をラグビー界にもたらした。このような意識は、フランスが少し関わっている以外、1987年にラグビーワールドカップが初めて開催される以前にはラグビー界には存在しない傾向があった[12]。特に香港は「ビッグエイト」の1つと見なされていなかった。そして、英連邦のチームは悪名高く排他的な傾向にあった。1986年までには、香港セブンズは他国に対する良い手本として支持されていた。

この7人制国際大会は疑いなく最も壮観、魅惑的で、世界で最もよく組織されたラグビー大会であり、どこでも見られるセブンズ・ラグビーの最高水準を一貫して生み出してきた。

私が最初に観戦した際にオーストラリア人、ニュージーランド人、 フィジー人、そしてイギリス人選手の上質のプレーを見たことは驚きではなかったが、これまでラグビーがプレーされていることを私が知りもしなかった国々によって産み出される驚くほどに質の高いプレーには圧倒された。韓国および西サモアはあらゆる点で日本およびトンガに劣っていなかった。インドネシアタイシンガポールは純然たる体の大きさや厚さに欠けていることで克服できないハンディキャップを負っていたが、互いに対抗して幅広いランとハンドリングの技術を示し、これらは無条件の称賛に値した。パプアニューギニアスリランカソロモン諸島はいや応なく主要なラグビー強豪国によって打ち負かされたが、彼らは注目すべきほどに高いレベルの技術を持っており、この競技の将来は前途洋々である。

香港大会の週には数日間にわたって24カ国の代表が混ざることができ、この大規模な知識の交流は新興国に対して長期的には有益なことづくめである。上位8カ国のシード国がプールシステムで戦った初日の後、2日目は3つの異なるレベルの競技会に分かれる。この偉大な大会の強みは、開幕日に世界で最も有名な選手達とラグビーがマイナースポーツである国から道の相手がピッチを共にする点にある。香港セブンズのような大会が続いている間は、ラグビーの責任者達はこの競技が世界中の100を超える国々で反映しつづけることに自身を持つことができるだろう。

[12]

しかしながら、この見かけの多様性とは裏腹に、国際ラグビーを悩ませてきた同じ古い問題の一部が1980年代の香港セブンズではまだ明白であった。例えば、1984年の大会での香港バーレーンの試合の写真には、民族的にアラビア人あるいは中国人である選手は誰も含まれいないように見え、代わりにどちらのチームもかなり明確に北ヨーロッパに民族的起源を持っていた[13]

セブンズはスコティッシュ・ボーダーズにおいて人気を保ち、この地方では最高峰の10のセブンズの大会によって「Kings of the Sevens」と呼ばれるリーグ大会が作られている。セブンズの創造におけるメルローズRFCの役割を称えて、クラブはヘイグと共に2008年にIRB殿堂入りした[14]

セブンズはフィジートンガサモアの南洋諸国やアグリカのケニアにも強く根付いている。多くのラグビーがマイナーな国々(例えばポーランドの場合)において、ラグビーを人々に紹介する手段としてラグビーセブンズに焦点を合わせる傾向がある[15]。セブンズは香港シンガポールドバイといった15人制の普及が成功してない場所で盛んになっている。加えて、セブンズワールドシリーズの全てのレグに参加している現在の15の核となるチームのうち7つ(フィジーサモアケニアアメリカ合衆国カナダポルトガル)は、15人制では広く認められたトップティアの国には入っていない。

主要大会

サンディエゴ、ペトコ・パークで開催された2008 USAセブンズでのアルゼンチン
ボーンマスセブンズの優勝杯を手にするサイロシ・タンギザキバウ

セブンズワールドシリーズ(男子)

ニュージーランドがワールドラグビーセブンズシリーズをこれまで支配しており、15シーズンの内12回の優勝を果たしている。しかしながら、近年、複数の国がニュージーランドの支配に対してうまく挑んでいる。セブンズで長年強豪であるフィジーは2005-06に、南アフリカは2008-09に、サモアは2009-10シーズンに優勝した。その他の近年の強豪国は、イングランドオーストラリアアルゼンチンである[16]

ラグビーワールドカップセブンズ

ワールドラグビーの後援を受け4年ごとに開催されるこの大会は、7人制ラグビーユニオンにおける最高の目標であり、これまでフィジー、ニュージーランドが過去6大会でそれぞ2度優勝杯を手にしている。しかしながら、2016年のオリンピックでセブンズが採用されるため、現在オリンピックが最も注目を浴びるセブンズの大会として見られている。2018年には、ワールドカップセブンズは夏季オリンピックの中間年に開催される予定である。

夏季オリンピック

IOCは、2016年のリオデジャネイロオリンピックのプログラムに7人制ラグビーとゴルフを含めることを2009年に決定した[17]。2016年に先立って、2014年夏季ユースオリンピックにおいて7人制ラグビー競技が開催された。

地域大会

セブンズは4年毎に開催されるコモンウェルスゲームズにおいて1998年のクアラルンプール大会から行われている。セブンズは現在コモンウェルスゲームズ連盟によって核となる競技と見なされている。これまで、ニュージーランドが4度金メダルを獲得している。女子競技は開催されていない。

セブンズはアジア競技大会パンアメリカン競技大会パシフィックゲームズを含む様々な多種スポーツ大会で行われている。ラグビーユニオンは以前はワールドゲームズで行われていたが、オリンピック競技に採用されてことにより終了した。

セブンズグランプリシリーズ

ポルトガルルーマニア(2008年)

2002年から2010年まではヨーロピアンセブンズチャンピオンシップ、2011年からはセブンズグランプリシリーズの名称で開催されている。2011年まではポルトガルが8回、ロシアが2回優勝を果たした。2012年以降は、イングランドならびにフランスがそれぞれ2連覇を果たした。

日本国内の大会

過去に行われた日本国内の大会

女子7人制ラグビー

女子7人制ラグビーの試合(アメリカ合衆国)

女子7人制ラグビーではニュージーランド代表が支配的であり、2012年に創設されたワールドラグビー女子セブンズシリーズでは2015年現在3連覇を果たしている。

国際ラグビー評議会(IRB、現ワールドラグビー)は、ワールドカップ以外で初の公式女子セブンズ大会を2011年ドバイセブンズの一部として組織した。2012年からはワールドラグビー女子セブンズシリーズが始まった。

女子7人制ラグビーは2016年の夏季オリンピックで採用される予定である。

脚注

  1. ^ a b c Bath, The Complete Book of Rugby, p29
  2. ^ The Spread of the Sevens, Melrose Sevens official site, retrieved 25 February 2010
  3. ^ 2006–07 IRB Sevens World Series Media Guide” (PDF). International Rugby Board. 2007年2月10日閲覧。
  4. ^ Bath (1997), p29
  5. ^ Intro EN” (PDF). 2010年2月6日閲覧。
  6. ^ Intro EN” (PDF). 2010年2月6日閲覧。
  7. ^ Seven-a-side Variations: Standard Set of Variations Appropriate to the Seven-a-side Game” (PDF). International Rugby Board. 2007年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年2月10日閲覧。
  8. ^ a b c d Bath, Scotland Rugby Miscellany, p82
  9. ^ a b c d e Starmer-Smith, p60
  10. ^ a b Grave, Charles. "Grave is Gay: At the Seven-a-Side Rugby Matches" in Illustrated Sport and Dramatic News, 1927
  11. ^ Starmer-Smith, p144
  12. ^ a b Starmer-Smith, p142
  13. ^ Starmer-Smith, p146
  14. ^ "IRB Hall of Fame Welcomes Five Inductees" (Press release). International Rugby Board. 23 November 2008. 2015年10月8日閲覧
  15. ^ [1] retrieved, 7 November 2009
  16. ^ "Dates set for 2010/11 IRB Sevens World Series" (Press release). International Rugby Board. 1 June 2010. 2010年6月2日閲覧
  17. ^ [2]

参考文献

  • Bath, Richard (ed.) The Complete Book of Rugby (Seven Oaks Ltd, 1997 ISBN 1-86200-013-1)
  • Bath, Richard (ed.) The Scotland Rugby Miscellany (Vision Sports Publishing Ltd, 2007 ISBN 1-905326-24-6)
  • Jones, J.R. Encyclopedia of Rugby Union Football (Robert Hale, London, 1976 ISBN 0-7091-5394-5)
  • McLaren, Bill Talking of Rugby (1991, Stanley Paul, London ISBN 0-09-173875-X)
  • Massie, Allan A Portrait of Scottish Rugby (Polygon, Edinburgh; ISBN 0-904919-84-6)
  • Richards, Huw (2007). A Game for Hooligans: The History of Rugby Union. Edinburgh: Mainstream Publishing. ISBN 978-1-84596-255-5 
  • Starmer-Smith, Nigel (ed) Rugby – A Way of Life, An Illustrated History of Rugby (Lennard Books, 1986 ISBN 0-7126-2662-X)
  • Stubbs, Ray (2009). The Sports Book. Dorling Kindersley. ISBN 978-1-4053-3697-0 

関連項目