リジェ・JS31

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リジェ・JS31
カテゴリー F1
コンストラクター リジェ
デザイナー ミッシェル・テツ(テクニカルディレクター)
ミッシェル・ポイジョン(チーフデザイナー)
先代 リジェ・JS29C
後継 リジェ・JS33
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバー ケブラー モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン
トレッド 前:1,790 mm (70 in)
後:1,662 mm (65.4 in)
ホイールベース 2,865 mm (112.8 in)
エンジン ジャッド・CV, 3,496 cc (213.3 cu in), V8, NA, ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション リジェ製 6速 MT
重量 525 kg (1,160 lb)
燃料 バルボリン
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム リジェ ロト
ドライバー 25. フランスの旗 ルネ・アルヌー
26. スウェーデンの旗 ステファン・ヨハンソン
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1988年ブラジルグランプリ
出走
回数
優勝
回数
ポール
ポジション
ファステスト
ラップ
16 0 0 0
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リジェ・JS31ミッシェル・テツミッシェル・ボージョンが中心となり設計したF1マシンで、1988年シーズンリジェチームが使用した。

概要[編集]

1988年シーズンは、ターボエンジンと自然吸気エンジンの混走となり、JS31はジャッド自然吸気エンジンを搭載していた。この年、ターボ車の燃料タンクが150リッターに制限されていたのに対し、自然吸気車のタンクには制限が無かった。自然吸気車は1レースで200リッター近い燃料を消費した。1988年はレース中の燃料補給が禁止されていたため、自然吸気車はターボ車よりも大きな燃料タンクを搭載する必要があった。

JS31の大きな特徴は燃料タンクが2分割されていたことである。ドライバー背後の一般的な位置に120リッター、エンジンとギアボックスの間に80リッターの燃料タンクが配置され、合計で200リッターの容量があった[2]。燃料タンクを分割して搭載する目的はハンドリングを安定させること[3]と車高を下げ空気抵抗を減らすことだった[4]。ドライバー背後の燃料タンクはコクピットサイドにまで張り出しており、張り出した部分はステアリングホイールの辺りまで前方に伸びていた。これにより、通常のタンクを持つマシンよりも全高は低く抑えられた。しかし、燃料消費によって重量が大きく変化する燃料タンクをエンジン後方に搭載したことで、レース中にハンドリングが変化してしまい目論見通りとはならなかった[5]

また、当時のF1としては斬新なパワーステアリングを装備していた[6]。しかし当時の装置は大きく重く、これもシャシーバランスの悪さの一因となったことから、ヨハンソン車では早々にパワステは取り外された[7]

意欲的な設計ではあったが成績は大きく低迷し、予選不通過もしばしばであった。開幕当初はレギュレーションで定められた最低重量を30キロ程度上回っていたと見られる[6]が、シーズン中には軽量化が進められ、第11戦のベルギーGPにはエンジン背後の燃料タンクを取り外した予選用シャシーも導入された[8]が、大きな効果は無かった。

JS31のあまりの不振に、第3戦モナコGP終了後、前年モデルのJS29をフットボックスレギュレーションに合わせて改造したマシンにジャッドエンジンを搭載してテストを行った。このテストでJS29とJS31はほとんど変わらないタイムを記録したが、チームはJS31の使用を継続する決定を下した[9]

結局このシーズンはノーポイントに終わり、設計者のミッシェル・テツは、不振の責任を取るかたちでこの年限りでリジェを去ることとなった。

スペック[編集]

シャーシ[編集]

エンジン[編集]

  • エンジン ジャッドCV
  • 気筒数・角度 V型8気筒・90度
  • 排気量 3,498cc

記録[編集]

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント ランキング
1988 BRA
ブラジルの旗
SMR
サンマリノの旗
MON
モナコの旗
MEX
メキシコの旗
CAN
カナダの旗
DET
アメリカ合衆国の旗
FRA
フランスの旗
GBR
イギリスの旗
GER
ドイツの旗
HUN
ハンガリーの旗
BEL
ベルギーの旗
ITA
イタリアの旗
POR
ポルトガルの旗
ESP
スペインの旗
JPN
日本の旗
AUS
オーストラリアの旗
0 NC
25 フランスの旗ルネ・アルヌー Ret DNQ Ret Ret Ret Ret DNQ 18 17 Ret Ret 13 10 Ret 17 Ret
26 スウェーデンの旗 ステファン・ヨハンソン 9 DNQ Ret 10 Ret Ret DNQ DNQ DNQ Ret 11 DNQ Ret Ret DNQ 9
  • DNQは予選不通過。

脚注[編集]

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  1. ^ http://www.statsf1.com/en/ligier/modeles.aspx
  2. ^ F1グランプリ特集 1989年1月号』 p.67 CBSソニー出版
  3. ^ 『F1GP '88-'89』p.78 山海堂 1988年12月
  4. ^ PEOPLE: MICHEL TETU
  5. ^ F1グランプリ特集 1988年6月号』 p.74 CBSソニー出版
  6. ^ a b 『F1グランプリ年鑑〈1988‐89〉』 CBSソニー出版、1989年、p.49。ISBN 4-7897-0422-X
  7. ^ Racing On』 1988年5月号 ニューズ出版
  8. ^ 『F1グランプリ年鑑〈1988‐89〉』p.137
  9. ^ GPX 1988年メキシコグランプリ号』 p.29 山海堂

外部リンク[編集]