スズキ・セピア

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セピア(Sepia)とは、スズキが製造販売していたスクータータイプの原動機付自転車である。

概要[編集]

セピアは、アドレスの下位モデル[1]として1989年に発売された。アドレスに続き、ヘルメット収納スペース(メットイン機能)を持つスクーターとして人気モデルになった。1999年に生産終了。レッツが実質的な後継にあたる。

車名の由来[編集]

車名のSepiaは、セピア色のもつ中性的なイメージと言葉の響き、音感のよさから命名された[2]

モデル一覧[編集]

セピア(AF50)[編集]

スズキ・セピア
AF50
基本情報
排気量クラス 原動機付自転車
メーカー 日本の旗スズキ
車体型式 CA1EA
エンジン A131型 49 cm3 2ストローククランクケースリードバルブ
内径×行程 / 圧縮比 41 mm × 37.4 mm / 7.4:1
最高出力 6.8 PS/7,000 rpm
最大トルク 0.72 kg-m/6,500 rpm
乾燥重量 63 kg
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1989年4月発売。当時はメットイン機能が一部のスクーターに採用され始めた時期であり、セピアはアドレスよりもコンパクトで安価なメットインスクーターとして人気となった。CMキャラクターは井森美幸[3]。発売当時の価格は129,000円。

特徴
  • シート下の大容量パーソナルスペースに、ヘルメットなどの格納が可能
  • シート下スペースに内張や照明を設置
  • シートを開けることなくガソリンやオイルの給油が可能なフューエルリッドを装備
  • 強度と剛性を保つ板金モノコック(シート下スペース周辺)とパイプフレームを併用
  • 低いシート高(675 mm)
  • コンパクトなボディサイズ
  • 最高出力6.8 PS/7000 rpm
  • 年間販売目標台数は10万台[4]

セピアZZ(AF50)[編集]

セピアZZ(ジーツー)は、セピアのスポーツモデルとして、1990年3月に発売された。装備の充実したハイスペックなモデルとしてヒット車種となった。発売当時の価格は146,000円。

特徴

1992年のマイナーチェンジでは外装品(カウル類)の形状が変更された。この時のライト周辺部品はレッツ2にも使用された。 AF50は、1993年にAJ50セピアが発売された後も併売された。

Newセピア/RS/ZZ(AJ50)[編集]

スズキ・セピア
AJ50
基本情報
排気量クラス 原動機付自転車
メーカー 日本の旗スズキ
車体型式 CA1HA
エンジン A144型 49 cm3 2ストローククランクケースリードバルブ
内径×行程 / 圧縮比 41 mm × 37.4 mm / 6.9:1
最高出力 6.8 PS/7,000 rpm
最大トルク 0.72 kg-m/6,500 rpm
乾燥重量 66 kg
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Newセピアは1993年1月に発売された。標準モデルのほかに、フロントディスクブレーキを装備したセピアRS、スポーツタイプのセピアZZの3種類が同時にラインナップされた。セピアZZは、最高出力が自主規制上限値の7.2 PSとなり、パワー競争の火付け役となった。

メーカー希望標準小売価格(一部地域を除く)
  • セピア:139,000円
  • セピアRS:150,000円
  • セピアZZ:165,000円
特徴
  • 新設計のエアロフォルム
  • フロントラックを標準装備
  • 燃料タンク容量が4.2 Lにアップ
  • プラグ整備用のメンテナンスリッドを装備
  • フロントディスクブレーキを装備したセピアRSを追加
  • エンジン始動と同時に点灯するフェンダーマーカー(セピアZZのみ)

1994年には3000台限定でラッキーストライクカラーのセピアZZが販売された。

2000年に発売された、後継機種の「ZZ」では、セピアの名前が外された。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 当時、ハイ-アップ(1988年9月発売)がアドレスの下位モデルであったが、ハイ-アップのシート下スペースはヘルメットが入らない小物入れ(パーソナルポケット)であった。
  2. ^ スズキ二輪車 - 車名の由来”. スズキ株式会社. 2021年9月13日閲覧。
  3. ^ 「スズキ・セピア(1989)」発売当時のカタログはバイクより井森美幸を推してた【青春型録 第7回】”. モトチャンプチャンネル (2019年8月10日). 2021年9月13日閲覧。
  4. ^ 【平成の原付】スズキの平成を代表するメットイン原付スクーター「SEPIA」”. バイクのニュース (2021年1月25日). 2021年9月13日閲覧。

外部リンク[編集]